スマートフォン向けリズム&アドベンチャーゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』(以下、『ガルパ』)に“RAISE A SUILEN”(以下、RAS)が登場。それを記念してメンバーを演じる5人のキャストへのインタビューを実施! 第5弾はチュチュを演じる紡木吏佐さん。キャラクターを演じるときに心掛けていることや好きなバンド・メンバーを撮り下ろし写真とともにお届け!!

※インタビューは、2020年8月上旬に取材したものです。

バンドリ! ガールズバンドパーティ! RAISE A SUILEN紹介PV

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紡木吏佐(つむぎりさ)

7月5日生まれ。沖縄県出身。おもな出演作品は『アサルトリリィ BOUQUET』(安藤鶴紗役)、『バミューダトライアングル~カラフル・パストラーレ~』(フィナ役)など。

14歳の少女と音楽プロデューサー、ふたつの顔を持つチュチュ

『バンドリ! ガルパ』RAISE A SUILENチュチュ役紡木吏佐さんが語る“チュチュの不器用さ”【RAS登場記念キャストインタビュー第5弾】

――紡木さんが演じる“チュチュ”はどのようなキャラクターなのでしょうか?

紡木チュチュはインターナショナルスクールに通う14歳の女の子で、頭脳明晰がゆえに飛び級していて、学年で言うと高校2年生です。“私の音楽で世界を変える”をモットーに、メンバーをひとりずつスカウトしてRASというバンドを作り出したプロデューサーでもあります。

――バンドメンバーとして選ばれたときの心境を教えてください。

紡木もともと『バンドリ!』を知っていて、声優としてだけではなく、リアルバンドとしても活動していてすごいなと思いながらコンテンツを楽しんでいました。そんな『バンドリ!』の新バンドメンバーに私が選ばれたという話を聞いたときは全然実感が湧きませんでした。

――そのあとチュチュというキャラクターが誕生したと?

紡木そうです。制作スタッフさんや脚本家さんからインタビューを受け、私たちらしさをキャラクターに味付けしていただいて生まれた子たちなんです

――ジャーキーが好きというのも?

紡木私の大好物なんですよ。もちろんサラダが嫌いというのもしっかり反映されています。

――そういった過程を経て生まれたチュチュを見たときの印象を教えてください。

紡木最初にRASの5人が映ったビジュアルイラストを見せてもらったときに、まっ先にチュチュに目がいったんです。ツンっとしたガキ大将ぽさがあってドストライクでした! もともとそういうキャラクターが大好きで、ほかの作品のオーディションでチャレンジすることも多かったんです。そんなチュチュを見て「この子、かわいいですね!」と言ったら、その子が紡木さんの担当ですと言われてすごくうれしかったです。

『バンドリ! ガルパ』RAISE A SUILENチュチュ役紡木吏佐さんが語る“チュチュの不器用さ”【RAS登場記念キャストインタビュー第5弾】

――RASの中でもとくに設定が重い印象なのですが、そこはどうだったのでしょうか?

紡木キャラクターと向き合う時間がかなり必要になる反面、演じがいがある子だと思いました。RASのプロデューサーとしていろいろなものを抱えているので、そこをどういうふうに演じ分けていこうかなと思いましたが、それ以上に楽しみ! という気持ちのほうが強かったです。

――その中でも音楽の才能に対する劣等感という部分はとくに重いですよね。

紡木自身の理想が高すぎるゆえに、努力しても追い求める天才には追いつけないという葛藤がありつつもチュチュは14歳の女の子なんです。年相応の子どもらしいイチ面を持っていながらプロデューサーとして大人びた言葉遣いや立ち振る舞いもします。彼女の主軸をブレさせずに14歳の少女らしさと、プロデューサーの大人らしさをどうやって演じ分ければいいのかは悩みました。

――アニメの収録が始まり、ご自身の中で演技の方向性が落ち着いた部分はあったのでしょうか?

紡木そうですね。演じる期間が長くなればなるほど、チュチュの人物像が見えてきて、さらにメンバーとの掛け合いや、彼女が追ってきた物語をいっしょに歩んだことで、チュチュというキャラクターを自分の中に落とし込むことができました。

――アニメの収録で苦労されたことはあったのでしょうか?

紡木アニメ“BanG Dream! 2nd Season”のラストで挑戦的なセリフを言うシーンはヒヤヒヤしました。私からしたら「そんなこと言ったらあかんで!」みたいな(笑)。でもそこは仕事なので「あんたたちぶっ潰してやるから覚悟しなさいよ!」と全力で言ったんです。そのあと本編が終わり、収録ブースがシーンとなるんですが、そこで友希那役の相羽さんが「ぜひぶっ潰してください!」と言ってくださって、そこで笑いが起きてたんです。シーンという雰囲気から現場が一気に明るくなって楽しかったですし、とても助かりました。そういう現場があるからこそ、物語を大きく振り回す役目を担ったチュチュを思いきり演じることができました。

『バンドリ! ガルパ』RAISE A SUILENチュチュ役紡木吏佐さんが語る“チュチュの不器用さ”【RAS登場記念キャストインタビュー第5弾】

――アニメやゲームでチュチュを演じていく中でキャラクターへの印象が変わった部分はあるのでしょうか?

紡木初期のころは、箇条書きの設定やピックアップされたセリフだけしか情報がなかったので、
ただただ自信家で誰に対しても上から目線の尖った子だと思っていました。しかし演じていくと、チュチュは、音楽に対する情熱が人一倍強いけど、とても不器用な子という一面が見えてきたんです。不器用ゆえに攻撃的なことを言ってしまう、でもそれは「なんでよ! いっしょに最強の音楽を作れるんだから作ろうよ!」と相手を鼓舞している部分もあるのかなと思うようになりました。

――たしかに不器用なところが随所に見られますよね。

紡木アニメ“BanG Dream! 2nd Season”のラストで言った「あんな演奏力でこのわたしを一瞬でも感動させるなんて……。あんたたちぶっ潰してやるから覚悟しなさいよ!」は、チュチュの表現が不器用な部分がよく出ていたと思います。一瞬でも感動したなら、それ褒めてるじゃんって(笑)。あのシーンを見て、外見だけでなく内面的にもかわいらしさを持っている子なんだなと強く感じました。

――そんな不器用なところもかわいらしいチュチュから学んだことはありますか?

紡木私はけっこう飽き性なところがあるんですが、チュチュは飽きることも諦めることもなく、音楽の道をひたすら進んで極めている、そういう諦めない精神を彼女から学びました。しかもチュチュは、天才的な才能を持つバイオリニストの母親への劣等感をもパワーに変えてがんばっているところがすごいと思います。

――14歳にしてプロデューサーの道を歩み、バンドを組んじゃうというのもすごいですよね。

紡木RASのメンバーをスカウトする際、自分で作ったデモCDを渡しているんですけど、それを聴いたメンバーが自分からチュチュのもとに集まっていくんですよ。そう思わせる音楽を作れるところもすごいですし、尊敬しちゃいます!

『バンドリ! ガルパ』RAISE A SUILENチュチュ役紡木吏佐さんが語る“チュチュの不器用さ”【RAS登場記念キャストインタビュー第5弾】

チュチュのバックボーンが見えるシーンで紡木さん自身も救われた

――最初にRASが辿っていく物語の全貌を見たときどう思いましたか?

紡木それまでの『バンドリ!』は、バンド内での苦労やぶつかり合いがありつつも、スクールバンド系のストーリーが展開される作品で、学生らしい穏やかさや青春群像劇が魅力でした。しかしRASは、プロ意識が強く、チュチュは音楽ひと筋がゆえに本気で怒ることもあって驚きました。でもRASが登場したことで、ほかのバンドの新たな魅力が見られる機会も増えて個人的にはおもしろいと思いました。

――RASのバンドストーリー前編で印象に残っているシーンを教えてください。

紡木前編で、サポートギターとして参加していたたえがRASから離れる際に、「こんなすごい人たちの中で修行できれば」と言ったんです。それに対してチュチュが「修行って言った!? わたしたちは本気でやってるの!」というシーンがあるんですが、あそこは演じるたびに精神と体力がすごく削られます。

――あのシーンは見ていて思わず胸がキュッとなりましたね。後編はどうでしょうか?

紡木才能ある母親の愛と、自身が持つ音楽の力の限界に苦悩するというチュチュのバックボーンが垣間見えるシーンですね。ただ不器用なだけではなくて、そういう背景があるからこそいままでの行動があった、そこで本当のチュチュを知ってもらえたシーンでもあったので、演じている私自身もすごく救われました。

『バンドリ! ガルパ』RAISE A SUILENチュチュ役紡木吏佐さんが語る“チュチュの不器用さ”【RAS登場記念キャストインタビュー第5弾】

――チュチュというキャラクターを本当の意味で知れたシーンですよね。パレオが戻ってきて、チュチュの反応が素直になったのも印象的です。変化の演じ分けはあったのでしょうか?

紡木ありました。パレオの一件後はすごく柔らかくなりましたよね。ちょっとずつメンバーに歩み寄っていったり、メンバーと同じ視点でものごとを見てみたり、バンドや仲間に対する考えかたが大きく変わっています。演じかたについても仲間意識を持ち、言葉に柔らかさを含むようにしています。あとツンツンだけだったのをちょっとツンデレが出るようにしました。

――ツンツンとツンデレ、どっちのほうが演じやすかったですか?

紡木演じる期間が長かったこともあって、ツンツンのほうが楽しかったです(笑)。でも一粒で二度おいしいのは、たまに出るデレな部分にキュンキュンするツンデレなんですよね。

――なるほど(笑)。作中ではチュチュとしてさまざまな楽曲を手がけていますが、とくに印象に残っている楽曲を教えてください。

紡木私が初めてラップを披露した、“EXPOSE 'Burn out!!!'”ですね。ラップはまったくの未経験でしたし、キャラクターの声で歌わなければならないというのも難しかったです。そこからラップを盛り込んだ楽曲が増えていき、それを踏まえたうえで“EXPOSE 'Burn out!!!'”を聞くと「いまだったらこう歌うのに!」と思うことがすごく多くて(笑)。そんな成長過程を感じさせる、私にとってはラップの第一歩を踏み出した思い出深い大きな曲です。

――“EXPOSE 'Burn out!!!'”といえば、MVもすごかったですよね。

紡木それぞれのカット、演出、アングル、あらゆるものがすごくて拍手喝采です! RASはメンバーだけではなく、周囲のスタッフの皆さんがいたからこそここまで来れたというのを実感できるMVだと思います。あとラップのときのチュチュの「おヒマなんですの?」の顔は最高のスクリーンショットタイムです! 最高に愛を感じました!

――“EXPOSE 'Burn out!!!'”とMVは『ガルパ』にも登場しましたよね。ぜひ紡木さんが好きなバンドを教えてください。

紡木これが難しいんですよ。バンドストーリーもそれぞれ味があっておもしろいので……。強いて選ぶならハロー、ハッピーワールド!さんですかね。「今日もこころちゃん、ぶっ飛んでるね!」って見るたびにすごく元気をもらえるんですよ。またRASとしてライブでカバーさせていただいてる楽曲がすごく多く、こころ役の伊藤美来さんといっしょにライブをさせていただくこともあったので、個人的に思い入れのあるバンドです。

『バンドリ! ガルパ』RAISE A SUILENチュチュ役紡木吏佐さんが語る“チュチュの不器用さ”【RAS登場記念キャストインタビュー第5弾】

――では好きなキャラクターもこころなのでしょうか?

紡木本当はみんな好きで絞れないんですが、ギュギュギュっと絞ると3人いて、まずはこころですね。最高にかわいくて、彼女がいると世界が平和になるんですよ。ふたり目は日菜ちゃんです。ムードメーカーでいろいろなことを考えているんだけど、ぶっ飛んだ部分もあって(笑)。3人目は有咲です。じつは初期のころから大好きで、あのツンデレがたまらないんです。有咲役の彩沙さんにも「有咲がずっと好きなんです!」と言ったことがあります(笑)。

――ちなみにチュチュとして絡んでみたいキャラクターはいますか?

紡木それも有咲ですね。アニメ“BanG Dream! 3rd Season”で運動が苦手な有咲とチュチュがぜーはーぜーはー言いながらプールサイドを走るシーンがあるんですよ。「走ろう!」となったときも「いやいやいや」って同じような反応をしていたので、すごくシンパシーを感じました。秀才だけどポンコツ感があるふたりの会話をいろいろと見てみたいと思いました。

――ツンデレとツンデレがどういう科学変化を起こすのか楽しみです! ぜひ好きな楽曲も教えてください。

紡木もともと和を感じさせる日本テイストの楽曲が好きで、とくにPoppin'Partyさんの“夏のドーン!”が大好きです。フルコンしていても永遠にやり続けちゃうぐらいお気に入りです。初めてライブで披露されたときにちょうど立ち会っていて、生で聴いて「ごちそうさまです!」という気持ちでいっぱいでした。

――では最後に読者やファンのかたに向けてメッセージをお願いします。

紡木アニメが終わってしまい、チュチュとして皆さんに会えないのがとても寂しいです。ですが『ガルパ』でならいつでも会えますし、RASの物語や楽曲もどんどん増えていきますので、ぜひ遊んでいただきたいです。

『バンドリ! ガルパ』RAISE A SUILENチュチュ役紡木吏佐さんが語る“チュチュの不器用さ”【RAS登場記念キャストインタビュー第5弾】