2020年11月11日発売予定のNintendo Switch(ニンテンドースイッチ)、プレイステーション4、Xbox One用ソフト『キングダム ハーツ メロディ オブ メモリー』。

 『キングダム ハーツ』シリーズ初のリズムアクションゲームとなる同作の発売に先駆け、この記事が公開になる本日10月15日には、無料体験版がリリースされているはずだ。

 その体験版をひと足早くプレイできたので、本稿ではそのプレイリポートをお届けしよう。なお、プレイしたのはプレイステーション4版で、フィールドバトルとダブルプレイモード、それらに加えて、体験版には収録されていないが、対戦が楽しめるバーサスモードもプレイできたので(こちらはNintendo Switch版を使用)、そちらについても紹介。リズムアクションの魅力は動画のほうがわかりやすい! ということで、記事の最後に貼り付けている約10分のプレイ動画もぜひチェックしていただきたい。

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チュートリアルは“めざめの園”でおなじみの『Dive into the Heart -Destati-』

 フィールドバトルは、五線譜のスタッフレーンをエネミーを倒しながら走り抜けて行くモード。エネミーへの攻撃は○ボタン、L1ボタン、R1ボタンのいずれかで行い、エネミーが近づくとタイミングガイドが表示される。ガイドの大きな円は徐々に縮小するので、小さな円にぴったり重なり、白く光る瞬間を狙って攻撃ボタンを入力し、攻撃のタイミングに応じてEXCELLENT(2種類あり、虹色のEXCELLENTがジャストタイミング)、GOOD、MISSと評価され、MISSをすると画面右下のHPが減る。曲が終わる前にHPがなくなるとゲームオーバーになる。

 EXCELLENTのタイミングで攻撃ボタンを入力するコツは、曲のリズムに乗って入力すること。

 スタッフレーンにはエネミーのほか、ジャンプガイド、アビリティシンボルなどのターゲットが登場し、そのターゲットに合わせたボタン入力も必要になる。

 操作は○、L1、R1ボタンの攻撃以外には、×ボタンでジャンプ、ジャンプ後×ボタンを押しっぱなしでグライド、△ボタンで魔法や特殊技が発動、といった具合になっている。このあたりの操作は『キングダム ハーツ』シリーズを踏襲したものになっているので、シリーズのファンは直感的にプレイできそうだ。

 そうした基本操作はシリーズでお馴染み“めざめの園”で流れる『Dive into the Heart -Destati-』をプレイすると、ひと通り学ぶことができる。

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『Dive into the Heart -Destati-』を聴くと、「始まるな」という気分にさせてくれます。
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ロード画面もカワイイ

『KH』らしさ満載のフィールドバトル

 『Dive into the Heart -Destati-』をクリアーするとメインメニューへ。

 体験版のフィールドバトルでプレイできるのは以下の4曲。

 それぞれの曲で難易度はビギナー、スタンダード、プラウドの3段階、操作はノーマルスタイル、ワンボタンスタイル、パフォーマースタイルの3種類から選択できる。

 筆者は『キングダム ハーツ』シリーズは全タイトルプレイしているが、リズムアクションゲームとなると、プレイステーション時代の作品をたしなんだ程度で、最近では『シアトリズム ファイナルファンタジー』シリーズをプレイしたくらい。つまりリズムアクションは初級者レベルであるため、内心ドキドキしながらコントローラを手に取り、とりあえず『Welcome to Wonderland』の難易度スタンダード、操作はノーマルで挑戦。ほのぼのとした明るい『Welcome to Wonderland』は、出現するエネミーもさほど多くなく、タイミングガイドを見ながら攻撃の準備をして、リズムに合わせてジャストのタイミングで攻撃ボタンを押す、というのが落ち着いてできる、操作に慣れるのにもってこいの曲。

 スタッフレーンを走るパーティーは3人だが、キャラクターによって攻撃ボタンが違うわけではなく、単体のエネミーに対しては攻撃(○、L1、R1ボタンのどれか)の入力のみで、それぞれ目の前のエネミーを攻撃してくれる仕組み。2体リンクしたエネミー(一方が樽などのオブジェのパターンもあり)には○、L1、R1ボタンのうちどれかふたつを同時押し、3体リンクには○、L1、R1の3つすべてを同時押しする。

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 前述の通り、魔法や特殊技を発動できるアビリティシンボルは△ボタン、ジャンプは×ボタンと、操作は『キングダム ハーツ』シリーズを踏襲しているので、操作に戸惑いはなし。ただし、ジャンプは円が小さくなるようなタイミングガイドは表示されないため、リズムでジャンプのタイミングを計る必要があり、そこは最初に戸惑ったポイント。けれども、コツがわかると、リズムアクションをさほどプレイしていない筆者でもEXCELLENTをそこそこ連発でき、曲をいっしょに演奏しているかのような気分も味わえて、とてもいい気分に! やはり音楽ってすばらしい。

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 シリーズのほとんどの作品で使われている『Hand in Hand』はテンポも早く、エネミーの数も多くなり、曲自体の難度もアップ。だが、入力が忙しくなる難度の高いほうが、曲との一体感は上がる印象。つぎはもっとミスなく演奏(というかプレイ)したい、という気持ちになるのはリズムアクションならではの魔力。『The Rustling Forest』や『Wave of Darkness I』では、さらに難度も上がり、裏拍が入り、グライド中に下のエネミーを攻撃(×ボタン押しっぱなし中に、タイミングよく攻撃ボタンを押す)といった操作も必要になると、軽くパニックになり完走もままならず。

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何度も訪れたお馴染みのワールドも本作用にアレンジされ、さらにレーン上から眺めと新鮮。

 とくに、テンポの早いバトル曲『Wave of Darkness I』は、アクアファンの筆者としてはぜひクリアーしたい、ということで難易度ビギナーのワンボタンスタイルで再挑戦。するとエネミーは少なくなり(逆にリズムが異なって最初は戸惑った筆者)、ワンボタンスタイルだとタイミングに集中するだけでいい……のだが、それでもなんとかかんとかゴールまで無事に完走。クリアーできない難易度、操作タイプで何度もがんばる、というのもいいけれど、難易度を下げ、操作も簡単にしてとりあえずクリアーする、といった進めかたもいいだろう。製品版ではアイテムを使用したり、キャラクターを成長させたりすることで、さらにクリアーが楽になるRPG的な要素もある。これまでのシリーズ作品がアクションが苦手な人でも楽しめる作りだったのと同様、リズムアクションが苦手な人でも、いろいろな楽曲にどんどん挑戦していけるバランスになっているのだ。

 もちろん、高い壁があるほど燃えるであろうリズムアクション上級者向けに、プラウドのパフォーマースタイルはかなりの歯応え。筆者ごときの初級者が『Wave of Darkness I』の難易度プラウド、パフォーマースタイルを少しプレイしてみたところ、瞬殺されました。いつかはプラウドのパフォーマースタイルで、魅せるプレイもマスターしたいものです……。

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パフォーマースタイルでは□ボタンを使うパフォーマーターゲットも加わり、さらに操作が煩雑に。

ふたりでいっしょに演奏している気分が味わえるダブルプレイモード

 フィールドバトルに続いて、ダブルプレイモードをプレイ。こちらは、フィールドバトルを協力プレイで楽しめるモードで、ひとりはソラを操作し、もうひとりはリクを操作し、一画面でプレイする。ひとつの五線譜のスタッフレーンをふたりで走り抜けることになり、楽曲の譜面はこのモード専用の譜面になる。

 体験版のダブルプレイモードに収録されている曲は

 の2曲。今回、2PはCOMでプレイ。1Pと2Pの譜面は異なるため、相手とタイミングが違うターゲットが多々あり、ふたり同時入力のターゲットもありと、いっしょにリズムを奏でている感じがしてとても楽しい。また、一方がアビリティシンボルでケアルを発動すると、もう一方のHPが回復したり、ふたりで協力している感もある。ただ、一方と譜面が異なることにより、惑わされないように注意も必要だ。1P、2Pそれぞれのスコアとそのふたりの合算のスコアも表示されるため、ふたりの最高スコアを目指す、といったモチベーションも芽生える。シリーズ作品の中でリアルタイムの協力プレイ(後述するバーサスモードもそうだが)が楽しめる、というのは本作ならでは。ぜひ友だちなどとダブルプレイモードを試してほしい。

【体験版レビュー】『キングダム ハーツ メロディ オブ メモリー』はシリーズの名曲との一体感が気持ちイイ! 新しい『KH』体験【プレイ動画】
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バーサスモードならではのお邪魔要素がまた楽しい

 最後に、体験版には収録されていないがバーサスモードについて。バーサスモードは、インターネットを通じて遠くのプレイヤーと対戦することができるモード。トリックと呼ばれる、バーサスモードでのみ発動できるお邪魔要素を使うことができるため、対戦相手とスコアを競い合う白熱のバトルが楽しめる。Nintendo Switchの“フレンドバーサス”では、ローカル通信でもプレイヤーと対戦でき(内容はオンラインバーサスと同じ)、今回はこのフレンドバーサスでの対戦を試遊できた。

 基本的にはフィールドバトルと同じ要領でプレイでき、画面下のトリックゲージが溜まると自動的に相手にトリックが発動する。トリックの効果によって、形勢が逆転することもあるため、最後までハラハラドキドキのプレイが楽しめる。今回確認できた範囲では同時に1~2個のトリックが発動し、そのおもな効果は以下の通り。

  • ハイドガイド:ハイドガイドを受けているあいだ、ターゲットにガイドのサークルが出ない
  • スモールターゲット:ターゲットが小さくなり、ガイドも見づらくなる
  • ブラインドヒット:カメラにエネミーが激突するような演出で、そのエネミーによりガイドが見づらくなる
  • フェイクターゲット:ターゲットがいないところにもニセモノのターゲットマークが表示
  • ファントムエネミー:入力タイミングの直前でエネミーが出現 
  • フラッシュタイム:入力の判定が厳しくなる

 トリックの効果は数十秒程度だが、トリックゲージはすぐ溜まるので、プレイ中、トリックのやり取りは頻繁に発生する。また、ライバルのHPを入れ替えるHPチェンジといったトリックもあり、一発逆転の要素もあるので、最後まで油断ならないのも魅力だ。

【体験版レビュー】『キングダム ハーツ メロディ オブ メモリー』はシリーズの名曲との一体感が気持ちイイ! 新しい『KH』体験【プレイ動画】
スモールターゲットによって小さくなったエネミーがラブリー。
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相手にブラインドヒットを発動されると、カメラにエネミーが激突するような演出で、レーンが見づらく!

見ればわかる、やればわかる楽しさ

 『シアトリズム』シリーズの開発陣が開発した『キングダム ハーツ メロディ オブ メモリー』だけに、基本となるリズムアクションについては安心感のある作りでストレスなし。難易度調整や操作スタイルも選べるため、気軽にプレイできるし、やり応えや刺激を求める人向けの高難度な曲も用意されている。そして何と言っても下村陽子氏を中心としたBGMや宇多田ヒカルさんのテーマソング、『アナと雪の女王』ほかディズニー作品の音楽など、名曲揃いの『キングダム ハーツ』シリーズの音楽でリズムアクションがプレイできること自体が楽しい! シリーズ未プレイ、またはナンバリング程度しかプレイしていない人は、知らない名曲に出会うチャンス。シリーズ全作品をプレイした人も、リズムアクションゲームという形であらためて音楽に向き合うことで、『キングダム ハーツ』サウンドの新たな魅力を発見できるはず。さらに、カイリの語りでシリーズの物語をなぞることもできるので、あらためて物語を思い起こすことができる(詳しくない人は新たに知ることができる)のもうれしい。

 最後に体験版のプレイ動画(※体験版には収録されていないバーサスモードも入っています)を貼っておくので、本作の魅力の一端を感じていただければ幸いです。

 ちなみに、製品版の発売同日に『キングダム ハーツIII』のオリジナル・サウンドトラックも発売。2020年11月11日からはしばらくは『キングダム ハーツ』のサウンドにどっぷり浸れそう。