Facebookより2020年10月13日に発売が開始されるOculus Quest 2は、PCやコンソール不要で起動するスタンドアローン型のVRデバイスだ。同社が昨年リリースしたOculus Questのバージョンアップ型に当たる本機は、解像度の上昇やCPU・GPUのパワーアップが果たされ、実機自体もより洗練されスマートな形状になっている。
“Oculus Quest 2”のスペック詳細などは本記事にて後述していくが、なによりもまずは実機を確認してほしい。
Oculus Quest 2(64GBモデル)の購入はこちら (Amazon.co.jp) Oculus Quest 2(256GBモデル)の購入はこちら (Amazon.co.jp)形状はスマートかつ、コードレスでシンプルにまとまった本機。外部センサーやカメラの設置など細かな準備を必要とせず、遊びたいときはさっと頭に付けて一瞬でVRの世界に入り込める。Oculus Questと同様、装着車の前後左右、上下の動きにも追随する6DoFに対応している。
本機は、ヘッドセットとコントローラーだけで気軽に遊べるのがとにかく快適。準備するのが億劫でプレイを止めてしまうことがないので、VRを遊ぶための敷居が大幅に下がっている。本格的なVRを遊ぶための機器として、これ以上ない一品だ。
さっそく開封!機械オンチでも安心のシンプル設計が好印象
まずはOculus Quest 2の実機について細かく確認していこう。
Oculus Questが黒を基調としたパッケージだったのに対し、Oculus Quest 2は白色が前面に押し出されたデザインでスマートな印象を受ける。パッケージに書かれた説明文も日本語なので、近寄りがたさは感じさせない。
ボックスの上蓋を開けてみると、目に入るのはVRヘッドセットとふたつのコントローラ、箱に収まった付属品。充電ケーブル以外のコードは必要ないので、当然ながら箱の下側にコード類がぎっしり詰まっているなんてこともない。いますぐ手に取って遊んでくれと言わんばかりのシンプルさだ。
中身をざっと確認すると、同封されているのはVRヘッドセット本体のほか、コントローラがふたつと充電用のケーブル、眼鏡スペーサー、説明書。コントローラは電池がすでにセット済みなので、箱を開けたらすぐにでも遊べる状態だ。
Oculus Quest 2ヘッドセットの重量は503gだが、手に持った際の重みはかなり軽く感じる。また、頭頂部と左右をホールドするバンドでヘッドセットを固定するためか、実際にセットしてみても重量を感じさせない。頭頂部のマジックテープ、左右をホールドするバンドはどちらもすぐに調整でき、被りながらの微調整もスムーズにできる。
コントローラは右手・左手用ともに専用設計で、本体上部にセンサーを搭載したリング型のデザインを採用。それぞれ単三電池1本で作動するようになっており、充電用の端子などは必要ない。
このコントローラは実際に握ってみるとわかるのだが、VR用の機器としてかなりの完成度になっている。Riftコントローラをもとに全面的に再設計して人間工学に優れた形になっており、Oculus Questのコントローラーに比べても持ちやすくなった。
一切の違和感なく手に持ち、操作することができるので、ゲームをプレイしているとまるで自分の手のように自在に動かせてしまう。あまりにも手に馴染みすぎて、物を投げる動作をする際にコントローラを手放してしまうほどだ。
本機に関するより詳細なスペック情報については別記事にて詳しく紹介しているので、興味のある人はそちらもぜひ確認してみてほしい。
VR酔いからの解放、高画質のバーチャル世界を好きなだけ堪能できる
本機を使用する際は、最初にスマートフォンに専用アプリ『Oculus』をインストールし、Facebookアカウントとの連携を済ませておくとスムーズ。その後、スマホとペアリングすることで、Oculus Quest 2が起動できる。なお、ペアリングが必要なのは最初だけなので、以降は手元にスマホがなくても問題なく起動可能だ。
基本的には案内に従うだけですぐに設定は終わるが、強いて挙げるならWi-Fiのパスワードを控えておくのがベスト。端末をWi-Fiに接続させることになるので、事前にパスワードをメモしてからヘッドセットを付けるのがオススメだ。
本機ではOculus Questでプレイできたタイトルはもちろんのこと、ストアに並んでいるさまざまなゲームを遊ぶことができる。最初から操作方法を学べるチュートリアルソフト『First Steps』などもインストールされているので、まずはそちらからプレイしてみた。
『First Steps』では、物をつかむ、投げるといった基本的な動作を遊びながら学べるのだが、これを遊ぶといかにOculus Quest 2のコントローラが優れものであるかがよくわかる。箱を掴んだり、投げるといった動作があまりにも自然に行えるので、自分の手を使っていると錯覚するほどの没入感を得られるのだ。
そのほかにもいくつかのタイトルに触れてみたが、手や身体を動かす動作の多いゲームはOculus Quest 2との相性が非常にいいと感じた。コードレスで全方位を自由に動き回れるので、余計な心配いらずで遊べるのは大きなポイントだ。
そして本機を使っていて何よりも驚いたのが、長時間プレイしていても一切酔いが発生しなかったこと。筆者はどちらかと言えばVR酔いに弱いほうで、かつてのVR機器では5分程度で休憩を挟まないと遊ぶことができなかったほどだ。しかし、本機の場合数時間遊んでいてもまったく酔いが発生せず、時間も忘れて遊び続けるほど没頭できた。
本機は“Oculus Quest”よりも50%ピクセル数が増加したディスプレイ、ゲームを違和感なく動かしてくれるパワフルなCPUとGPUも搭載されている。高品質なグラフィックに加え、手になじむコントローラがVR世界の違和感を消してくれることが、VR酔いを遠ざけてくれているように感じた。以前VRを体験して酷く酔ってしまったという人も、Oculus Quest 2でぜひ再チャレンジしてみてほしい。
コードレスで軽量なヘッドセット、高品質なグラフィックを映し出すディスプレイなど、Oculus Quest 2の持つ魅力はVRゲームを“見ている”感覚から、“その世界にいる”感覚により近づけてくれたように思える。激しい動きの多いリズムゲームや、世界観に浸れるタイトルに触れると一層楽しめるだろう。
個人的には、『スター・ウォーズ』の世界にどっぷり浸れる『Vader Immortal: Episode III』や、目の前から迫ってくるブロックを切るリズムゲーム『Beat Saber』などは、Oculus Quest 2で遊ぶことでさらなるゲーム体験を与えてくれるタイトルだと感じた。
PC不要ですぐに遊べるOculus Quest 2は、これまでVRに触れてこなかった人にとっても最適な機器になるだろう。従来の大きなハードルであったVR酔いも、個人差はあれどかなり軽減されており、ふだんゲームを遊ばない人でも負担なく楽しめること間違いナシ。
これからVRに興味を持った人に魅力を知ってもらうためにも、Oculus Quest 2はベストな選択と言える。VRが登場した初期に触れた人はとくに、実際に体験してみると衝撃を受けるはずだ。これからのVRゲームを盛り上げてくれる、未来を牽引する存在と言っても過言ではないだろう。
ちなみに、ゲーム以外にもブラウザ機能でインターネットを楽しめたり、YouTubeなどの動画サイトは難なく視聴できる。また、ハンドトラッキング機能も優秀で、ブラウジング程度であればコントローラを使うことなく画面をスムーズに操作することも可能。
ソーシャルVRアプリの展開やリフレッシュレート90Hzへのバージョンアップなど、さらなるアップデートも予定されているOculus Quest 2。Oculus Questから値段も下がり、本格的なVRを体験できる端末としては破格の値段で販売がスタートされる。
一度触れれば完成度の高さに気づけるはずなので、手軽さとハイクオリティが両立されたOculus Quest 2をぜひ一度体験してもらいたい。