実機プレイを徹底的にリポート!

 筆者は原作のマンガ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』直撃世代。傘を逆手に持ち、“アバンストラッシュ”を弟にブチかましていたことも思い出す(昭和はそれが許された時代)。そんな筆者が待ち望んでいた、“ドラゴンクエスト ダイの大冒険 ゲームプロジェクト”。

 2020年10月3日からの放送も控えるテレビアニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』をゲーム化する本プロジェクトの第1弾となる、対戦カードアーケードゲームの『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 クロスブレイド』。2020年10月22日の稼動に先駆けて、いち早くマシンに触れる機会が訪れた! やったぜ! 

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 本稿では、触れてみて気づいたことや、実際のゲームの流れ、そのプレイ感などをリポートしていきたいと思う。

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カードの位置とボタン操作がすべての基本に

 プレイの流れを説明する前に、まずは総括的な部分から語っていきたい。本作の最大の特徴は、マシン(筐体)のフラットパネルに置いたカードを動かすことで、パーティメンバーを操作できる点にある。

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公式配信番組にも出演していた、マァムのコスプレがハマっているえなこさんとマシンのツーショット。

 “アーケードのカードゲームで、カードを動かして操作するタイトル”というと、カードをせわしなく動かすタイプのゲームを想像して、抵抗を感じる人がいるかもしれない。だが、本作では仲間の位置取りを決めるために使う感じで、時間的にもかなり余裕がある。あくまでも、戦術を考える楽しさを増す要素として捉えたほうがいい。

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マシンの中央に位置する、竜の紋章が描かれたフラットリーダー。ここに、表面を上にしてカードを置けば、その内容や位置を読み取って画面内に反映してくれる。

 仲間の位置取りは、バトルにおいてかなり重要だ。1体の敵に仲間全員を近づけて集中攻撃で敵を倒す作戦が有効なときもあるし、あえてバラバラに仲間を配置し、各個撃破したほうがいいという状況も起こり得る。ケースバイケースで、状況に合わせて適切な布陣を敷けるかどうかが、勝敗を左右することもあるのだ。

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 もうひとつ、バトルの勝敗を分ける重要なポイントが、ボタン連打や、画面に表示されるタイミング通りにボタンを押す操作。これが、相手に与えるダメージや、自分が受けるダメージに大きく影響してくる。

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 もちろんカードゲームなので、デッキに組み込んだカードの能力がもっとも戦闘力に影響を与えるが、あまりにもヌルいボタン操作をしていると、勝てるハズの相手にも負けてしまう可能性は出てくる……くらいのバランスになっている印象だ。

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 では、いよいよゲームプレイの流れに沿って本作のアレコレを解説していこう。

いざ実戦……の前にカードの基礎を学ぶ!

 コイン(100円)を入れると、まずはカードが1枚配出される。カードのレアリティは、コモン→レア→スーパーレア→ギガレア・ドラゴンレアの5段階。ギガレアとドラゴンレアは同じくらい強さというイメージでいいと思われる。

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「頼むから強いカードが出てくれ……!」と祈る瞬間。

 そして本作のカードは、総じてゴージャスな仕上がりになっているのも印象深い。『ビックリマン』のシールで例えるなら、かなり後期の感じだ。レアの段階でカードがキラキラし始め、スーパーレアでもうギラギラ。ギガレアとドラゴンレアはギンギラギンのレインボー、みたいな感じになっている。筆者のキッズ時代にこれがあれば、きっと狂喜乱舞していたに違いない。

[コモン]

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これがもっともレアリティの低いコモンのカード。レアリティによって、カード枠に表示されている剣の色が異なる。

[レア]

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レアのカードは、ちょっとキラめく感じ。箔押しなどはない。ちなみに、イラストはすべて描き起こしだ!
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[スーパーレア]

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スーパーレアになると、ホログラムが加わって、けっこうなキラキラ具合。能力もかなり高まっていて、バトルでもかなりの活躍を見せる。
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[ギガレア&ドラゴンレア]

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ギガレアやドラゴンレアになると、ゴールドやシルバーの箔押しにホログラムの全部盛り。この画面ではわかりにくいかも。
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実物を撮影してみると、こんな感じ。ギンギラギンでまったくさりげなくない。なお、これらは第1弾となる注目のギガレア&ドラゴンレアカード。
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第1弾のギガレアに“ロトの血を引く者”、“ローレシアの王子”、“伝説の勇者”が参戦。さらにドラゴンレアには“べリアル”、“アトラス”、“バズズ”と、『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』に登場した強敵たちがラインアップ。カード枠の剣も“ロトの剣”になっている。これは、めちゃ欲しい!

バトルに挑戦! シンプルながらアツい戦いが展開

 カードを入手したら、挑戦するバトルを選ぶことになる。今回の試遊で遊べたのは、デルムリン島での物語に該当する1章の第5話まで。1話ごとにバトルが設定されており、それぞれに“ふつう”、“つよい”、“超つよ”の3段階の難度が用意。高難度ほど、クリアー時に獲得できるアイテムがいいモノになる。ちなみに、ここで入手したアイテムは、後述する“マイ勇者”のカスタムに使えるのだそう。

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 アーケードのカードゲームをよく知らない人のために補足しておくと、今回プレイしたのは、あくまでも本作の“1弾”でしかない。つぎの弾になれば新しいカードが追加されるし、ストーリーの続きに該当するバトルでも楽しめるようになっていく仕組みとなっている。

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 デルムリン島にはストーリーを楽しめる“1章○話”というバトルのほかにも、戦いの場がいくつか用意されていた。これはストーリー本編の進行とは関係のないバトルを楽しめるものになっているのだが、試しにコモンのカード3枚で挑んだところ、アッサリと敗退。ストーリーと同等か、それ以上の難度になっていそうなので、それなりにデッキが充実してから挑戦したほうがいいかもしれない。

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 挑戦するバトルを選んだら、手持ちのカードの中から3体を選び、デッキとしてフラットパネルで読み読み込ませる。といっても、無造作にカードを置いてもマシンが勝手に読み込んでくれるので問題ない。このとき、“冒険の書”と“マイ勇者カード”があれば、3体のうち1体を“マイ勇者”にできるのだ。

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こちらが“マイ勇者”の一例。

 “マイ勇者カード”は、見た目などをカスタムしたマイ勇者をバトルに参加させられる特殊なカード。今回の試遊では体験できなかったが、バトルで得た経験値やアイテムを“冒険の書”に蓄積できる仕組みになっていることは確認済み。

レベルが上がればどんどんマイ勇者の能力も上がるようだが、突き詰めればギガレア級の能力になってくれるのか? そして、装備品などのアイテムでマイ勇者の強さが変わるのだろうか? そんな疑問も沸くが、このあたりはまだ明らかにされていない。ただ、本作を遊び込むのであれば、“冒険の書”と“マイ勇者カード”を用意しておいて損はないはずだ。

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こちらは『冒険の書セット』(700円[税抜])。ゲームや自分だけのマイ勇者を記録できるIC“冒険の書”と、マイ勇者を操作できる“マイ勇者カード”のセット。マイ勇者に装備できるアイテムが手に入る“宝箱ゲットコード”もひとつ入っている。オンラインでも販売されるので、遊ぶ前に買っておくといい。
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いきなり強敵に挑める、強いカードがまとまった『ギガつよセット』(1700円[税抜])も登場。ギガレア仕様のダイに、スーパーレア仕様のポップとマァム、キラーマシン(テムジン改造ver.)に魔のサソリが入っており、さらに“宝箱ゲットコード”が2点と、箔押しされた特性カードケースも付いた豪華パックだ。
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 バトルが始まると、先攻と後攻を決める“ふっとばしバトル”に突入。ここで、ボタンの連打が求められる。成功すればバトルに有利な先攻を取れるのだが、大成功に該当する“パーフェクトウィン”になるほどの連打を決めれば、ふっとんだ相手が1ヵ所にまとまって、より優位な状況を生み出せる。ここはバトルでもトップクラスの、気合いの入れどころとなるだろう。

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 攻撃ターンでは、カードごとに異なる攻撃範囲を加味しながら、ベストな攻撃位置を探ことになる。このとき、複数のカードで同一の敵を攻撃範囲内に入れておくと、攻撃時に“キズナアタック”が発生。通常攻撃より大きなダメージを与えられるようになるのだ! ふっとばしバトルで敵を1ヵ所にまとめられていれば、いきなり敵全員にキズナアタックを当てるということもできるというワケだ。

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カードの配置が的確なら、3人で一気に攻撃できる! 当然、その威力は通常時の3倍以上に……!?

 なお、攻撃ターン突入時にカードに記載された条件を満たしていれば、そのスキルが発動する。パーティ編成時には、このスキルの性能を加味することも忘れないようにしたい。

 パーティに位置取りを決め終わったら、いよいよ攻撃開始だ。敵に与えるダメージはカードの能力に加え、攻撃中に行った連打の回数で決まる。一定以上連打をすることで、最後の一撃として“オーバーラッシュ”が発動。画面中央にアイコンが重なるタイミングを見計らってボタンを押せば、さらなる追加ダメージを与えられる!

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とりあえずは何も考えずに連打してもオーケー。
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オーバーラッシュはオマケの1発的な位置付けだが、わりとダメージが与えられる。連打でよほど手を抜かない限り、発動できるはず。

 先攻を取っているなら、攻撃ターン後にやってくるのが防御ターン。このときに要求される操作は、しばらくボタンを長押しして敵の攻撃に耐え……最後は敵のスマッシュに合わせてタイミングよくボタンを押し、受けるダメージを減らすというもの。

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 ジャストタイミングでボタンを押せれば、かなりダメージを軽減できる。ちなみに、各キャラクターには盾アイコンがあり、攻撃を受けると徐々に盾アイコンが破壊され、受けるダメージが増えていく。敵の攻撃対象を誘導できるスキルなどがあれば、受ける攻撃を分散させるなどの工夫もできそうだが……!?

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ボス級の敵の攻撃はもちろん強力。なので……しっかりタイミングを合わせてダメージを減らしたい!

戦いを左右する超重要な必殺技!

 以降は、クリアー条件を満たすまで攻撃と防御のターンをくり返していくことになるのだが、バトル中のさまざまなタイミングで各キャラクターに“闘気”が溜まる。

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 闘気ゲージがMAXまで溜まると、攻撃ターン時に必殺技を放てるようになる。必殺技は通常攻撃よりもダメージが大きくなるうえ、攻撃技なら攻撃対象が“敵全員”に変化してくれるので、かなり強力! よほどのことがない限り、闘気ゲージが溜まったら即発動していいかも。

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必殺技を発動したい場合は、フラットリーダー上のカードをササッと振って、画面下部の闘気を赤色にすればいい。これで攻撃ターンに必殺技を撃ってくれる。必殺技は全体攻撃なので、どこに置いておいてもいい。
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“こうげき”タイプの必殺技は、ゲージがMAXのときにタイミングよくボタンを押すことで与えるダメージが増える!
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“まりょく”タイプの必殺技は、画面右から流れてくるアイコンと同色のボタンをタイミングよく押すとダメージが増える。

 ちなみに、闘気ゲージは当然ながら敵にもあり、敵の闘気がMAXになれば必殺技を放ってくるが、この場合もタイミングよくボタンを押せばダメージを軽減できる。タイミングを体に染み込ませるくらいバトルを積み重ねたいところだ。

 こうして攻撃ターンと防御ターンをくり返し、既定ラウンド内に敵のHPを大幅に削ることができれば、トドメの一撃を放って敵を倒すことができる!

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直撃世代の財布を猛烈に“攻撃”してくる!? 収集癖がある人はマジ注意!

 ザックリとしたゲームの流れはこのようなものなのだが、ここまで読んでいただいくとわかる通り、カードの配置、連打、タイミングがとにかく重要なゲーム性となっている。逆に言えば、それ以上の複雑な操作はないので、キッズはもちろん、ゲームの腕がちょっぴり鈍っている大人世代まで楽しめるタイトルだ。

 ちなみに、本作は本格的に稼動する2020年10月22日に先駆けて、先行プレイできるチャンスが用意されるとのこと。加えて、稼動日以降からスペシャルなカードやおためし冒険の書セットなどの“いいモノ”がもらえるキャンペーンも開催されるので、気になる人は公式サイト公式Twitterで情報をチェックしておくといい。

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 今回の試遊では強いカードでプレイを楽しめたが、実際にプレイしたときにレアリティの高いカードをどの程度の割合で入手できるかは気になるところ。さすがに3枚ともコモンだとバトルでスムーズに勝つのはきびしそうだが、デッキ構成や戦術、連打やタイミングなどの技術でカバーできる部分はあるので、「強力なカードが必須なわけではない」という印象を受けた。

 ふつうに遊んでも“1枚はマイ勇者、残り2枚をスーパーレア以上”みたいなパーティなら、そこまで揃えるのは難しくなさそうだし、本当に困ったら、前述の『ギガつよセット』を買うのも手だ。ただ、筆者の場合は“コレクション”という沼にハマる可能性がとても高く……。同様の趣味をお持ちの方は、お財布の準備も忘れずに!

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あまりキレイに撮れていないので申し訳ないのだが、絵柄も含めて多彩なカードが用意されている。これは集めてしまうかも……。