ファミ通関連の編集者がおすすめゲームをひたすら語る連載企画。今回のテーマは、ディズニーによるアドベンチャーゲーム『ディズニー ツイステッドワンダーランド』です。
【こういう人におすすめ】
- ディズニー作品の世界観が好き
- 謎に満ちた魔法士養成学校で起きる事件を解き明かしたい
- 個性豊かなキャラクターたちに囲まれた日々を送りたい
※本稿は週刊ファミ通2020年7月2日号(2020年6月18日発売)の特集“いまこそ絶対に遊ぶべき46のゲーム”をWeb用に調整したものです。
マスト細胞のおすすめゲーム
『ディズニー ツイステッドワンダーランド』
- プラットフォーム:iOS、Android
- 配信日:2020年3月18日
- 発売元:Aniplex
- 価格:/基本プレイ無料(アイテム課金制)
- パッケージ版:なし
- ダウンロード版:あり
- 『ディズニー ツイステッドワンダーランド』公式サイト
Twisted-Wonderland (ディズニー ツイステッドワンダーランド) Trailer
『ディズニー ツイステッドワンダーランド』(以下、『ツイステ』)は、異世界の魔法士養成学校を舞台にしたアドベンチャーゲーム。突然、魔法士養成学校に召喚されてしまった主人公を待ち受けていたのは、ヴィランズ(ディズニーの悪役たち)の魂を持った生徒たち。彼らと交流を深めながら、もとの世界に帰る方法を探す物語が展開される。
物語を進めていくと、音楽に合わせて動くノーツをタップするリズミックパートや、魔法を使って戦うバトルパートといったゲーム要素が登場。また、バトルに勝つにはキャラクターたちと授業を受けてパラメーターを強化することも重要だ。
『ツイステ』の物語や世界観には、ディズニー作品のさまざまな要素が散りばめられており、ディズニーファンならニヤリとする発見が満載。たとえば主人公たちが通う魔法士養成学校は、ディズニー作品にインスパイアされた7つの寮となっており、各寮を舞台に物語がくり広げられていく。
また物語だけでなく、ゲーム内アートにも遊び心が満載! たとえば、教室の天井に吊るされているランプシェードの柄や、実験室の瓶に入った液体の泡などがミッキーの顔の形をしている。このように背景にこっそりと描かれていたりするのも、ユーザーのあいだで噂になっている。
そして、『ツイステ』について、これだけは言わせてほしい。『ツイステ』ではプレイヤーは、魔法士養成学校に突然転入することになった主人公の目線で物語を進める。ここで『ツイステ』のすばらしい点は、この主人公の性別が明確に描かれていないところである。会話中に主人公の性別を特定できるような言い回しが一切ないのである。つまり、主人公の性別をプレイヤーが想像できる余地が残されており、物語に入り込める構造になっている。
そして、ここからはあくまでも、とても限られた私個人の意見ではあることは重々承知なのだが、私はこの魔法士養成学校で魅力的なキャラクターに囲まれた生活を夢見たい男子プレイヤーだ。なので、主人公が女子として描かれていると、ゲーム内で話しかけてくるキャラクターの言葉が、「あぁ。どうせ自分とは似ても似つかない、清楚で控えめに描かれてるこの女の子にかけている言葉なんですよね」と卑屈になり、急に意気消沈しまうことも多々ある。しかし、『ツイステ』は違う! 彼らは主人公を男や女といった性別なんてものは関係なく、主人公をひとりのヒトとして扱っているのだ。その結果、プレイしている私も「あぁ。このセリフ、自分のために言ってくれているんだ。泣いた~!」と実感できるのである。なんと、すばらしい!!
人々の価値観が多様化しているいまの時代において、ゲームの表現もより豊かになることが求められてきている。この時代の流れに対応するかのような本作の主人公の描きかたを成し遂げた裏には、設定の整合性をとるための計り知れない努力があったかと思う。これには感謝の言葉しかない。