ファミ通関連の編集者がおすすめゲームをひたすら語る連載企画。今回のテーマは、対戦型カードゲーム『マジック:ザ・ギャザリング アリーナ』。です。

【こういう人におすすめ】

  • トレーディングカードゲームを気軽に始めてみたい
  • “自分だけの最強デッキ”という言葉に惹かれる
  • 美麗なアート、練り上げられた世界観を楽しみたい

※本稿は週刊ファミ通2020年7月2日号(2020年6月18日発売)の特集“いまこそ絶対に遊ぶべき46のゲーム”をWeb用に調整し、加筆修正したものです。

藤田きなこのおすすめゲーム

『マジック:ザ・ギャザリング アリーナ』

『マジック:ザ・ギャザリング アリーナ』:公式ゲームプレイトレーラー

 トレーディングカードゲーム(以下、TCG)と聞くと、なんとなく「始めるのにお金がかかりそう」とか、「いっしょに遊べる人が近くにいないと楽しめるかどうかわからない」といったイメージが出てくるかもしれません。そんなあなたにオススメしたいゲーム、それが『マジック:ザ・ギャザリングアリーナ』(以下、『MTGアリーナ』)です。

 本作は、世界で最初に発売されたTCGの元祖である『マジック:ザ・ギャザリング』(以下、『マジック』)のデジタル版にあたるタイトル。2019年9月27日に正式ローンチされ、日本語を含む9言語に対応、世界中のプレイヤーとのオンライン対戦が可能です。紙のカードとして発売されている『マジック』と同様のカード(“イクサラン”以降のもの及びいくつかの特殊な追加セット)が実装されており、『マジック』の発売スケジュールに合わせて最新カードの追加などが行われています。

 そんな本作のオススメポイントその1は、無課金でもしっかり遊べること。おもにゲームプレイの中核となるモードである、カジュアルに対戦を楽しめる“プレイ”と、プレイヤーランクが上下する“ランク戦”は、いつでも何回でも無料でプレイ可能なので、思い立ったらすぐ、世界中のプレイヤーとの対戦を楽しめるというわけ。

『マジック:ザ・ギャザリング アリーナ』TCGの原点ここにあり! 世界中のプレイヤーと気軽に対戦【推しゲーレビュー】_01

 TCGなので何はなくともまずカードがなくては始まりませんが、本作ではチュートリアルやチャレンジクエストをこなすと基本的なデッキをいくつかもらうことができます。基本的なデッキだけでも十分遊ぶことはできますが、デイリークエストを達成するとゲーム内通貨のゴールドを獲得でき、ゴールドを使ってブースターパックを購入すればさらにカードを増やしていくことが可能。デイリークエストと言っても日をまたいで達成していけるので、「毎日やらなきゃ!」と追われることなくマイペースで遊べます。

 もちろん課金してブースターパックをモリモリ購入することもできますよ。また、ブースターパックから出てくることがある“ワイルドカード”を使用すると対応するレアリティの好きなカードと交換できるので、目当てのカードをすぐに入手することも可能です。

『マジック:ザ・ギャザリング アリーナ』TCGの原点ここにあり! 世界中のプレイヤーと気軽に対戦【推しゲーレビュー】_02
パックからはレア以上のカードが1枚確定で出現。勝てるかどうかは自分次第。

 手持ちのカード資産が少ない状態でも存分に楽しめるフォーマット(=モード)の“リミテッド”、これがオススメポイントその2です。詳細なルール説明を始めると文字数がぜんぜん足りないので興味が湧いたら各自調べていただくとして、大まかに説明すると、いくつかのブースターパックを開封して、そのパックから出たカードだけでデッキを組んで対戦するというルール。

 あらかじめ組んでおいたデッキを使う構築戦である“プレイ”と違い、手持ちのカード資産に左右されず、プレイヤーのデッキ構築能力(と運)が試され、毎回内容の違うデッキで対戦することになるのです。TCGの魅力のひとつである、全体の方向性やカードどうしのシナジー(相乗効果)を考慮してデッキを組み、うまく戦えるか、勝てるのかどうか対戦を重ねて調整していくという流れを、“リミテッド”は短時間で堪能できるというわけ。

 本作ではいわゆる期間限定イベントのような形で遊ぶことができ、ゴールドか課金によるポイントで参加します。デッキ作成のために入手したカードはプレイ後にすべて自分のものになるため、手持ちのカード資産を増やしていくという点でもぜひ遊んでみてほしいフォーマットです。

『マジック:ザ・ギャザリング アリーナ』TCGの原点ここにあり! 世界中のプレイヤーと気軽に対戦【推しゲーレビュー】_03
カードプレイ時のエフェクトもド迫力! ぜひ音ありでプレイしてほしい。

 オススメポイントその3は、カード・スタイルやカード・スリーブといったコレクション要素。紙のカード同様、美麗で重厚なアートが楽しめる本作ですが、カード・スタイルを適用すると、アートを別バージョンにしたり、よりダイナミックにアートを表示したり、カード前面を特殊な状態にすることができるのです。適用は簡単に切り換えられるほか、多数のカードに用意されているので、カード・スタイルにこだわってコレクションしていくのも楽しみのひとつと言えます。

 カード・スリーブは、カードの背面のデザインを変更するもの。まだ種類は多くないですが、手札やデッキのトップなど対戦相手からつねに見えるものなので、こちらもぜひこだわってみてほしいですね。ちなみに2020年4月に発売した“イコリア:巨獣の棲処”では、なんと東宝の映画『ゴジラ』シリーズとコラボしており、『ゴジラ』シリーズの怪獣たちをあしらった特別バージョンのカードが登場していたんです!

 特殊な場合を除き、他社のキャラクターが正式にカードとして登場するのは『マジック』史上初とのことで、発表された当時は『マジック』プレイヤーはもちろん、『ゴジラ』ファンも巻き込んで大きな話題となりました。本作ではカード・スタイルとして登場していましたが、期間限定だったため残念ながら現時点では入手不可。『マジック』では紙のカードとして印刷されたものが手に入りますので、興味が出てきた方はぜひチェックしてみてください。

 記事執筆時点の最新セットは“基本セット2021”で、初心者や久しぶりに復帰するという人にもオススメです。また少し先ですが、つぎなる最新セット“ゼンディカーの夜明け”が9月25日に発売予定(紙版の発売日。『MTGアリーナ』での実装日はその1週間前を予定)。最新セットの発売日付近にはお得なキャンペーンが開催されることが多いので、これを機にぜひ『MTGアリーナ』の世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。