ファミ通関連の編集者がおすすめゲームをひたすら語る連載企画。今回のテーマは、対戦格闘ゲーム『ストリートファイターV チャンピオンエディション』です。
【こういう人におすすめ】
- 格闘ゲームに興味がある
- 何かに真剣に取り組んでみたい
- 勝負に身を置きたい
※本稿は週刊ファミ通2020年7月2日号(2020年6月18日発売)の特集“いまこそ絶対に遊ぶべき46のゲーム”をWeb用に調整したものです。
豊泉三兄弟(次男)のおすすめゲーム
『ストリートファイターV チャンピオンエディション』
- プラットフォーム:PS4、PC
- 発売日:2020年2月14日
- 発売元:カプコン
- 価格:パッケージ版4389円[税込]、ダウンロード版3990円[税込]
- パッケージ版:あり
- ダウンロード版:あり
- 『ストリートファイターV チャンピオンエディション』公式サイト
※データはPS4版のものです。
『ストリートファイターV チャンピオンエディション』ローンチトレーラー
どうもお久しぶりです。豊泉三兄弟(次男)です。今回は編集者オススメのゲームを紹介するということで、僕の推しは『ストリートファイターV』(以下、『ストV』)です。本作は対戦格闘ゲームの王道といえる『ストリートファイター』シリーズの最新作です。リュウや春麗といったおなじみのキャラクターが登場し、1対1の戦いをくり広げるといった内容のゲームです。
発売から5年近くが経過し、その間に行われたたび重なるアップデートにより、コンテンツが充実していますし、王道と呼ぶにふさわしい遊びやすさもあるので、とてもオススメです。細かいゲーム内容については、ここで書くよりゲームの公式サイトや動画を見てもらったほうが早いかと思いますので、気になった方はぜひそちらを見てもらえれば。では何を書くのかというと、『ストV』を通じて体験したこと。そこから人生観が変わったことなどを書こうと思います。
僕は、数ヵ月前に“おじリーグ”なる『ストV』の大会に出場しました。これは、ふだんeスポーツ業界を下支えしている“裏方”のおじさんたちが集まり、格闘ゲーマーとしての名誉を懸けて戦う有志のリーグ戦です。おじさんたちとは言え、僕を含めて若いころは近所のゲームセンターでブイブイ言わせたり、全国大会に出場していた負けず嫌いの猛者ばかり。みんないつもは裏方として、プロゲーマーらが活躍する大会の運営やそれを取材するスタッフとして活動していますが、この日だけは自分たちがイチプレイヤーとして輝ける日です。
近年の自分は強くなるための努力をあまりしておらず、対戦で負けても悔しいという感情が湧くことも減っていたように思います。ゲームで遊ぶこと自体は楽しいのですが、何か物足りなさを感じていました。ゲームだから取り組みかたは人それぞれですが、思い返してみるとゲームに限らずいろいろなことが中途半端になっていたなと。
ひょっとして、自分は人間としてつまらない奴なのではないか? という気持ちが湧き上がり、おじリーグのような舞台に立てるわけだし、大好きな格闘ゲームだし、これを真剣に取り組めなかったら、何を真剣に取り組めるのだろう? と考え、これまでの自分を変えてみるという意味も込めて、『ストV』を真剣にやり込むことにしました。
決意を固めてからは、ゲーム内でわからないことがあれば、“トレーニングモード”で調べて知識を蓄え、地味な基礎テクニックの練習も面倒がらず何度もくり返し、自分よりひと回り以上年下の子たちにも頭を下げてスパーリングパートナーになってもらったりと、毎日時間を見つけてはできる限り真剣に取り組みました。当然、社会人なので仕事との両立も意識して。
そんなこんなで本番が近づいたとき、僕が真剣に取り組んでいることを知っている人たちから、「がんばってください」、「豊泉さんならやれる」、「ここまでのやり込みを信じてください」など、たくさん応援の言葉をかけてもらいました。自分の人生で、人に応援されることなんてほとんどなかったので、これ以上ないうれしさを感じました。語彙力がなくて申し訳ないですが、これだけでも、真剣に取り組んだ意味があったんじゃないかと思ったほどです。
で、肝心の試合の方ですが、応援に応えたい、練習に付き合ってくれた人の恩に報いたいという気持ちから、メチャクチャ緊張しました。リアルに手が震えるレベルで(笑)。かつて感じたことのないような緊張感の中で試合を行い、優勝できなかったものの自分としてはなんとか合格ラインと言える成績を残すことができました。試合後にも「すごかったですね」、「もう少しでしたね」などと、会う人会う人にねぎらいの言葉をかけていただきました。
また、おじリーグに参戦していたメンバーとは、20年近く前に同じゲームセンターでしのぎを削っていたライバルだったり、当時対戦したかったけどタイトルが異なっていて実現できなかったような方々もいました。そんな人たちとの真剣勝負を、20年経ったいま実現してくれる格闘ゲームってすごいと思いませんか? 試合後は試合前の殺伐とした雰囲気から一転、お互いをたたえ合い、より深い絆で結ばれる。いわば昭和のヤンキーのような体験を味わうことができました(笑)。
こういった数々の貴重な体験ができたのは、真剣に取り組んだからこそと思っています。真剣に取り組んだからこそ、見ている人たちの気持ちを動かしたり、ライバルとわかり合えたのかなと。もし、結果が出なかったとしても、物事に真剣に取り組むということの大切さを改めて学んだ気がします。真剣に取り組めば、たとえ結果が出なかったとしても、新しい発見があり自分の財産になると。そんな感じで格闘ゲームをプレイすれば、日常ではなかなか体験できない緊張感を味わったり、大切な戦友ができるかもしれません。そんなわけで『ストV』おすすめです!
『STREET FIGHTER V CHAMPION EDITION』(PS4)の購入はこちら (Amazon.co.jp)