ファミ通関連の編集者がおすすめゲームをひたすら語る連載企画。今回のテーマは、アクションレーシング『Burnout Paradise Remastered(バーンアウト パラダイス リマスター)』です。

【こういう人におすすめ】

  • クルマで自由にドライブをすることが大好き
  • ド派手なカーアクションやスタントが楽しみたい
  • レースに制約があるのはめんどう

※本稿は週刊ファミ通2020年7月2日号(2020年6月18日発売)の特集“いまこそ絶対に遊ぶべき46のゲーム”をWeb用に調整し、加筆修正したものです。

みさいル小野のおすすめゲーム

『バーンアウト パラダイス リマスター』

※データはPS4版のものです。

Burnout Paradise Remastered - Reveal Trailer

 ただいま、ブルーインパルスが東京上空を飛行中です。スモークを焚いて爆音で飛行するT4の勇姿に、気分が盛り上がりました。そろそろ原稿を書かないといけないなぁ。と、このように、異質な乗り物に魅了されてしまう方々には、非日常が体験できる本作がオススメなのです。

 『Burnout Paradise』は、広大な街を自由にドライブできるゲーム。メインとなる目的は、交差点に設置されたイベントをクリアーしていくこと。イベントは現在地から目的地までの“レース”のほか、ライバルをクラッシュさせた数を競う“ロードレイジ”、ジャンプやドリフトのポイントを競う“スタントラン”など、いろいろな種類が用意されています。イベントをこなすとライセンスカードがグレードアップして、新たなクルマがマップ内に出現。これを見つけてクラッシュさせると、使用可能になります。ざっくり言うと、こんな感じのゲームなんですよね。

『バーンアウト パラダイス』空をクルマで跳びたいな、ハイ!『Burnout Paradise Remastered』【推しゲーレビュー】_01

 日本ではプレイステーション3とXbox 360で、2008年2月21日にリリースされました。オープンワールド制を採用し、とにかくすべてが自由! マップの広さは圧巻で、大通りを走ってもいいし、細かい路地や公園、線路、停泊中の貨物船の中、スタジアムなどなど、クルマが入れるところならどこでも走行可能。茂みの奥に謎のダートトラックがあったり、ジャンプでしかたどり着けない島があったりと、観光スポットも目白押し。探索するだけでもかなりの時間を要するほど、飽きのこない作り。なぜかジャンプ台のようなものが多い、ちょっと変わった街ではありますが、これこそがクルマ好きの楽園“パラダイスシティ”の全貌なのです。

 そんなレースゲーム界の最高傑作が、リリースから10年の時を経て現行機に帰って来ました。内容はそのままに、すべてのダウンロードコンテンツが同梱され、しかも安くなって。余談ですが、EA Accessに加入している方は無料で遊べちゃいますよ。

 いまオススメしたいゲームに本作を挙げたのは、膨大な量のやり込み要素があるため。この要素がまた、とんでもなく膨大なのです。まずひとつ目は、街中に配置された“ビルボード”の破壊(笑)。

『バーンアウト パラダイス』空をクルマで跳びたいな、ハイ!『Burnout Paradise Remastered』【推しゲーレビュー】_02
正面の赤い看板がビルボード。あの映画のクルマのような車種も乗り放題だ。

 赤い背景に本作のロゴがあしらわれた、いわゆる“看板”を、体当たりで破壊します。クルマよりも大きいため、当然ながらそのほとんどがジャンプしなければ届かないような位置にあります。

 このビルボードは、パラダイスシティに120個が配置されていますが、発見するだけでもタイヘン。周囲をよく見て、どこからジャンプすれば届くのか考えるのも楽しい。立体駐車場をグルグル回りながら屋上に出ると、おかしな向きのジャンプ台が、なんてのはまだ簡単なほう。怪しいジャンプ台から謎の通路を抜けて、その先のジャンプ台から跳ぶとか、レースゲームなのかパズルゲームなのかわからなくなることもしばしばです。

 ナビゲーションマップを見る余裕がないことが多く、どこをどう走ったのか、いまどこにいるのかを瞬時に判断できないことも。さらに、ジャンプの角度が微妙で、うまくヒットせずにリトライをくり返したりとか、そんな作業も楽しかったりします。

 また、ジャンプの飛距離を稼ぐために重要なのが、ブーストの使用。成分はわからないけど、おそらくナイトロ的なものが全車種に搭載されていて、スタントアクションや逆走など、危険な走りをするとどんどんチャージされる仕組み。ジャンプ台から最高速で飛び出すための、便利なシステムです。近くにガスステーションがあったら立ち寄って、満タンにしてからダイブすると効きますよ。

 やり込み要素のふたつ目は、“スマッシュ”と呼ばれる、バリケードのようなものの破壊(笑)。

『バーンアウト パラダイス』空をクルマで跳びたいな、ハイ!『Burnout Paradise Remastered』【推しゲーレビュー】_03
黄色い注意書きが目印のスマッシュ。デフォルメされた“トイカー”もあるよ。

 おもにショートカットできる通路などの出入り口に設置されていて、その数はなんと400個! 峠道の側道とか建設途中の地下道とか、いたるところに存在します。一度破壊しても補修されたグラフィックに変わるだけなので、場所を覚えなくてもレース中に活用できちゃう。

 すべてのスマッシュを通過するのはなかなか根気が必要ですが、コンプリートすれば金ピカのすごいクルマが手に入るよ。ほかにもスーパージャンプポイントが50ヵ所あったりと、いくら時間があっても足りないくらい。ゲームオーバーが存在しないゲームなので、好きなようにプレイしていいという、懐の深さも本作の魅力のひとつではないでしょうか。ちなみに公式サイトで、ビルボードやスマッシュなどの場所が記載されたマップを見ることができますよ。

 ここで、本作に興味が湧いてしまった方々に朗報! 6月19日にはNintendo Switch版が発売されました。ついに“パラダイスシティ”を持ち歩いて、いつでもどこでも楽しめるのです。すでにプレイステーション3版をコンプリート、プレイステーション4版を3分の1ほど進めてしまった僕ですが「また初めからプレイしなくちゃなぁ」と、ニヤニヤしちゃっています。一生遊べる作品ですので、新ハードが出るたびに移植してほしいものですな。

『バーンアウト パラダイス』空をクルマで跳びたいな、ハイ!『Burnout Paradise Remastered』【推しゲーレビュー】_04
『Burnout Paradise』が好きすぎて、発売されるたびに買っちゃうんですよね。Nintendo Switch版で6本目。