ファミ通グループの編集者がおすすめゲームをひたすら語る連載企画。今回のテーマは、タワーディフェンスゲーム『アークナイツ -明日方舟-』です。

【こういう人におすすめ】

  • タワーディフェンス型のゲームが好き&興味がある
  • かっこいい! かわいい! キャラクターが好き
  • 理性がなくても理性的な人

※本稿は週刊ファミ通2020年7月2日号(2020年6月18日発売)の特集“いまこそ絶対に遊ぶべき46のゲーム”をWeb用に調整し、加筆修正したものです。

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『アークナイツ -明日方舟-』

「アークナイツ」ティザーPV

 こんにちは。ドクター(ゲーム内でのプレイヤーの呼称)。ファミ通誌面をお読みになられて、プレイを始めたというドクターは、いらっしゃいますか? そして、今日も今日とて理性を消耗しながら戦うドクターには……、やっぱり言うことはありません。来たるべき、第2回目の“危機契約”に向けて、作戦と育成に勤しんでください。理性なきドクターは、立ち止まることはない……。

 さて、なんのこっちゃという人、この本記事は、まだゲームを初めていない、気にはなっているという人向けのものとのことで、本作を軽くご紹介。『アークナイツ -明日方舟-』は、いわゆるタワーディフェンス型のゲームです。

 各ステージ上、敵陣地(マス)から敵ユニットが出現し、自陣地に向けて複数の定められたルートを通って侵攻してきますので、ドクターはオペレーター(味方ユニット)を配置して迎撃します。ゲーム開始直後、手厚いチュートリアルが用意されているので、タワーディフェンス型を知らない人でもすんなり理解できるので、ご安心を。ルールは簡単、ゲームも簡単。……序盤はね。

『アークナイツ』ワラワラと進軍してくる敵を一掃する痛快さ!【推しゲーレビュー】_01

 そんな本作に興味を持ちそうな趣向のプレイヤーの心を誘惑するポイントを3つくらい挙げていきましょう。ひとつ目は、オペレーターの育成。各オペレーターには、先鋒や重装、術師などのジョブが設定されており、当然役割やステージ上での戦いぶりが異なります。各作戦でどのようにオペレーターを配置して敵ユニットを撃破していくか考慮しながら育成するだけでもかなり楽しいものです。しかも、同じジョブであっても、オペレーターによってスキルや素質が違うので性能が異なるのがポイント。

 たとえば、傷ついた味方を癒す医療オペレーターは、高い治癒力と長射程でひとりずつ回復するタイプと、周囲の範囲内にいる複数の味方を回復するタイプがいる。どちらを編成するかで配置が大きく変わってきます。

『アークナイツ』ワラワラと進軍してくる敵を一掃する痛快さ!【推しゲーレビュー】_02
ビジュアルも性能も個性的なオペレーターばかり。全員育成したくなる!

 そして、レベルを上げた先にもいいことがあるのがうれしいところ。一定のレベルを上げると昇進させることができ、性能が上がることはもちろん、オペレーターのビジュアルが変化。オペレーターのバックストーリー(キャラクター設定)を反映したビジュアルで、思わず声を上げてしまうほどの見栄え! この楽しみが、育成のモチベーションにつながっている側面もありますね。

 実装されているオペレーターの数は、100を超えており、どのオペレーターも個性的な性能を有しているので、それをひとつひとつ吟味しながら作戦を練る楽しみを味わってほしいです。……あ、もちろんオペレーターのビジュアルの好みで選んでも問題ありません。ひと目見た瞬間、一気に理性を喪失して惚れ込んでしまったオペレーターがいたら、愛情込めて育成する……。キャラクターが多いゲームの矜持ともいえるプレイ方針も大切に!

 ふたつ目は、『アークナイツ』独特の世界観とストーリー。源石(オリジニウム)と呼ばれる鉱物が現代文明の飛躍的な進歩と技術の発達をもたらすが、同時に鉱石病(オリパシー)と呼ばれる恐ろしい病を引き起こし、このふたつが戦火の種に。メインストーリーは、そうした背景から重めの悲壮的な雰囲気です。

『アークナイツ』ワラワラと進軍してくる敵を一掃する痛快さ!【推しゲーレビュー】_03
新オペレーター実装やイベントは、本作を続けるモチベーションのひとつ。

 いっぽう期間限定で実装されるイベントストーリーは、危機一髪のスリリングさや、コメディーのような物語が見られ、メリハリがついています。そこに絡んでくるオペレーターたちの様子を見て、見えなかったその人の魅力に気づくこともあるでしょう。メインストーリーも、時期を見て続きを実装するかたちになっているので、続きや新イベントを楽しみにしながら遊ぶことができる……というメーカーの思惑にすっかり踊らされているような気もしますが、気のせいです! 理性はあります。

 3つ目は、ステージ攻略の妙ですね。敵の侵攻ルートをふさぐように先鋒や重装を配置して、高台に火力オペレーターを配置すればいいという認識は中盤破綻し、下のように突破されてしまいます。

『アークナイツ』ワラワラと進軍してくる敵を一掃する痛快さ!【推しゲーレビュー】_04
ルートをふさいでも、対策を怠ると、素通りされてしまうことも……

 敵ユニットの特徴を知ることや、味方ユニットの性能と特性をフル活用する編成を見出すことが作戦成功のカギ。さらに、もっと危なげなく防衛できないか、効率よく敵を殲滅していけないか試行錯誤する楽しみがあります。立てた戦術がうまくハマってクリアーできたときの気持ちよさはクセになりますよ。

 これは、タワーディフェンスの楽しさの根幹ですし、なにより本作にはこれまでのタワーディフェンスになかった要素がたくさんあります。配置順による敵のヘイトコントロール、スキルや特性を考慮したオペレーターどうしの相性などなど、数え上げたらキリがない。ゲームを始めたら、再検討&攻略も楽しんでください。