ファミ通関連の編集者がおすすめゲームをひたすら語る連載企画。今回のテーマは、オートバトラーゲーム『チームファイト タクティクス』です。

【こういう人におすすめ】

  • シミュレーションゲームが好きな人
  • 思考型ゲームが好きな人
  • 腰を据えてゲームを遊びたい人

※本稿は週刊ファミ通2020年7月2日号(2020年6月18日発売)の特集“いまこそ絶対に遊ぶべき46のゲーム”をWeb用に調整したものです。

北口徒歩2分のおすすめゲーム

『チームファイト タクティクス』

チームファイト タクティクス ゲームプレイトレーラー

 ヨシ! インプレ特集の原稿書くかあ~。う~ん、『チームファイト タクティクス』(以下、『TFT』)の魅力ってなんだろう? と考えてはみるものの、なぜプレイしているのかよくわかんねえな、となり、ヨシ! とりあえず『TFT』をやってみればわかるかも! というのを100回くらいくり返しはしたが、いまだにきちんとした答えは出ていない。ヨシ! とりあえず『TFT』やるか!

 なんてやっていると一向に筆が進まないのでゲームをしながら改めて思案したわけだが、ひとつわかったことは、『TFT』をプレイすると、なぜか舌がシビれる。自分の体のことなのによくわからないが、恐らくプレッシャーを感じているのだろう。『TFT』は体によくないのかもしれない……。

 それでも私はこのゲームがやめられない。移動時間に1ゲームをこなし(1ゲームは平均30分程度)、仕事をしているときは理想的なパーティー編成を考え、仕事が終わればゲームに没頭し、ゲームを終えても熟達者の配信を見て座学に勤しむ。いまや1日24時間『TFT』漬けで過ごしているといっても間違いではない。『TFT』がなくなったとき、私はどうなってしまうのか……恐ろしいことだ。

 ことほどさように本作は私の心をとらえて離さないわけだが、こんな話だけをされても読者の方はポカーンであろうから、そろそろマジメに本作の概要と、その魅力について記していこう。

『チームファイト タクティクス』チェスと麻雀とカードゲームとバトルロイヤルを組み合わせた対人ゲーム。夏休みはシミュレーションの沼にどっぷりハマれ!【推しゲーレビュー】_01

 本作が属する“オートバトラー”は、チェスと麻雀とカードゲームとバトルロイヤルを組み合わせたジャンルのゲームを指す。要素が多すぎて多分これでもまだよくわかないであろうが、まあ聞いてほしい。このジャンルは、およそ1年半ほど前に『Dota 2』のModとして生まれた『Dota AutoChess』が起源であり、そこからいくつかのフォロワーが生まれた。本作『TFT』もそのひとつであり、開発陣が『Dota Auto Chess』が大好きだったと明言している。

 さて、本作には、『リーグ オブ レジェンド』(以下、『LoL』)に出てくるチャンピオン(キャラクター)たちがユニットとして実装されている。じつは、『LoL』の派生作品なのだ。で、ジャンルが“オートバトラー”なので、そのチャンピオンたちが自動で戦う。プレイヤーにできることは、戦闘前の配置のみ。これがチェスの要素であり、相手に合わせて陣形を組み替えることが重要となる。ただし、バトルロイヤルでもあるから、毎回の戦いで7人の対戦相手のうちの誰と当たるかはわからない。従って、配置がうまくハマるときもあれば、想定していない相手と当たってボロ負けするときもある。

『チームファイト タクティクス』チェスと麻雀とカードゲームとバトルロイヤルを組み合わせた対人ゲーム。夏休みはシミュレーションの沼にどっぷりハマれ!【推しゲーレビュー】_02

 加えて、運の要素もある。麻雀やカードゲームのように手札をツモり、それでシナジーと呼ばれる役を作って盤面のパーティーを強くしていく(たとえば、ユニットの体力や防御力を上昇させるなど)わけだが、運がよければ強いユニットをバンバン引いて大勝できるし、運がなければ永久にキーとなるユニットを引けずに沈む。ただ、ここが本作のおもしろいところで、たとえ自分のパーティーが多少弱くても、配置をどうにかすれば勝つことができる。この、“運を実力でねじ伏せる”ところが、プレイヤーの腕の見せどころであり、苦しい部分でもある。そりゃあ舌もビリビリする。でも、そうやって試行錯誤するのが楽しいのだ。

 しかも、本作はとにかくアップデートが早い。およそ2週間ごとにユニットの能力が調整され、それによって環境や流行が変わる。そして数ヵ月単位では大規模アップデートが行われ、ユニットや役(シナジー)そのものが変わる。マンネリ化することなく、つねに新しい楽しみが提供されるのだ。

『チームファイト タクティクス』チェスと麻雀とカードゲームとバトルロイヤルを組み合わせた対人ゲーム。夏休みはシミュレーションの沼にどっぷりハマれ!【推しゲーレビュー】_03

 だから私は今日も『TFT』を遊ぶ。なお、いまさら言っておくと、本当は仕事のときにはあまり、『TFT』のことは考えない。こう書いておかないと、各所から怒られるような気がするからだ。でも間違いなく『TFT』が大好きである。毎日のゲームを楽しんでいるし、今日も元気に舌がシビれる。でもそのおかげか、先日自身最高ランクのダイヤモンドIIを記録した。チャレンジャー→グランドマスター→マスター→ダイヤモンドI→ダイヤモンドIIなので頂点まではまだまだ遠いが、マスターくらいになればそこそこいい顔ができる気がするので、そこまではがんばりたいところ。マスターになっておけば、ライアットさんから公式解説員として声がかかったりしねえかな……などとヨコシマな考えもあるが、ひとまず今後も楽しく遊んでいきたい所存である。

 なんて書いていたら、記事の締め切り前ギリギリで、なんとマスターに上がれてしまった。ありがとう『TFT』。ありがとうライアットゲームズ。ありがとう俺の運。やっぱり『TFT』は最高だ。

 ヨシ! とりあえず『TFT』やるか!