2017年3月2日に発売されたプレイステーション4用ソフト『Horizon Zero Dawn(ホライゾン ゼロ・ドーン)』。本作は、『キルゾーン』シリーズで知られる開発スタジオ・ゲリラゲームズが手掛けたオープンワールド・アクションRPGだ。

 プレイヤーは女性主人公・アーロイを操作し、人類の文明が1000年後の未来を舞台に、ハンターとして機械を狩り、世界の謎や自身の秘密に迫っていく。機械の弱点を探ってハントしていくという独特のバトルや、広大ながらも遊び応え満載のオープンワールド体験などが評価され、全世界累計販売本数1000万本を突破した。

 そして今回、『Horizon Zero Dawn(ホライゾン ゼロ・ドーン)』のPC版(プラットフォームはSteamとEpic Games Store)である『Horizon Zero Dawn Complete Edition』が2020年8月7日にリリースされる(開発はスタジオ・ゲリラゲームズと、シンガポールのデベロッパー・Virtuosによる共同開発)。本記事では、PC版の特徴についてレビューしていこう。なお、ゲーム自体のレビューについては下記記事をチェックしてほしい。

『ホライゾン ゼロ・ドーン』PC版レビュー。グラフィックの向上により表現力アップ。マウス&キーボード操作も良好な、これぞ機械狩りの決定版!_01

基本的な追加要素はなし

 最初にお伝えしておくと、ゲーム内容自体はプレイステーション4版から変更されている要素はない。ゲーム本編と、ダウンロードコンテンツ『凍てついた大地』が収録されており、アップデートにて追加された周回プレイモード“New Game+”や、最高難度の“Ultra-Hard”モードなど、最新バージョンが適用されている。つまり、のちに発売された『Horizon Zero Dawn(ホライゾン ゼロ・ドーン)コンプリートエディション』と同等の体験が、PCで楽しめるということだ。

 なお豊富な言語オプションにも対応しており、完璧にローカライズされた日本語字幕+日本語音声も選択可能だ。高垣彩陽さん(アーロイ役)、立木文彦さん(ロスト役)、堀内賢雄さん(サイレンス役)など、豪華声優陣による音声をPCでも味わえるのはうれしいところ。ちなみに海外版には日本語音声は含まれていないとのこと。

『ホライゾン ゼロ・ドーン』PC版レビュー。グラフィックの向上により表現力アップ。マウス&キーボード操作も良好な、これぞ機械狩りの決定版!_02

より美麗になったグラフィック

 本作はプレイステーション4版の時点で非常に美麗なグラフィックだったが(筆者はプレイステーション4 Proでプレイしていたので、さらに綺麗だった)やはりPC版ということもありグラフィックの質もさらに向上(もちろんPCの性能に左右されるが)。PC版には画質設定が追加されており、プレイヤーの使用するPCに合わせたグラフィックスオプションが選択可能。ややスペックが足りなくとも、画質を落とせばプレイできるはずだ。

 ベンチマーク機能を搭載しているので、自身のPCに合わせた最適な設定を見つけだすことも可能。細かい要素ではあるが、プレイヤーにとってはうれしい追加機能だろう。

『ホライゾン ゼロ・ドーン』PC版レビュー。グラフィックの向上により表現力アップ。マウス&キーボード操作も良好な、これぞ機械狩りの決定版!_03

 最高画質設定でプレイしてみたところ、オリジナル版がそもそも綺麗なだけあって、正直差はほとんど感じられなかった。唯一感じたのは、登場人物たちの髪の毛がより鮮明になっていたり、フィールドの木々や、地面に生い茂る草などがさらに綺麗になっていたこと。また、アーロイが木の葉の上を走ると、木の葉が舞い散ったりするなど、細かな描写もブラッシュアップされている。

 プレイステーション4版と同様にフォトモードも楽しめるので、より圧倒的なスクリーンショットを撮影できるのは、PC版ならではの特権だ。

 また、ウルトラワイドスクリーンにも対応している。ゲームプレイ中の映像はもちろんのこと、カットシーンまで横長のよりダイナミックな画面で味わえるので、臨場感はバツグンだ。

 ちなみに本作はもともとローディングがかなり速いゲームだったので、PC版(インストール先はSSDにした)だからといってロードが早くなったとはさほど感じなかった。

『ホライゾン ゼロ・ドーン』PC版レビュー。グラフィックの向上により表現力アップ。マウス&キーボード操作も良好な、これぞ機械狩りの決定版!_04

豊富なオプション設定

 もうひとつのPC版ならではの要素として、細かなオプションが追加されている。たとえばフレームレートの上限が100FPSクラスにまで設定できるほか、フレームレート設定“無限”を選べば、マシンパワーを発揮すればするほどFPSが向上する。このあたりの設定は、自身の使用しているPCに合わせるといい。ぜひ前述したベンチマークを活用して調節してみよう。

 また、視野角(いわゆるFOV)の数値も変更できるようになった。本作は三人称視点で進むゲームのため、さほどゲームプレイに影響はないものの、弓矢を構えた際などはFOVを広くしておけば、周囲を少し把握しやすい。

『ホライゾン ゼロ・ドーン』PC版レビュー。グラフィックの向上により表現力アップ。マウス&キーボード操作も良好な、これぞ機械狩りの決定版!_09

キーボード&マウス操作に対応

 もちろんコントローラー操作に対応しており、DualShock 4(デュアルショック4)コントローラーを接続すれば、画面内のボタン表示がすべてプレイステーション4版と同じものに。Xbox Oneコントローラーを接続すれば、Xbox Oneコントローラーのボタン表記となる。なお、コントローラー操作の場合でもボタンの配置をカスタマイズ可能。もともとゲームパッドで遊ぶゲームとしてチューニングされているので、持っている人は迷わずゲームパッドを選択するといい。

『ホライゾン ゼロ・ドーン』PC版レビュー。グラフィックの向上により表現力アップ。マウス&キーボード操作も良好な、これぞ機械狩りの決定版!_05
『ホライゾン ゼロ・ドーン』PC版レビュー。グラフィックの向上により表現力アップ。マウス&キーボード操作も良好な、これぞ機械狩りの決定版!_06
『ホライゾン ゼロ・ドーン』PC版レビュー。グラフィックの向上により表現力アップ。マウス&キーボード操作も良好な、これぞ機械狩りの決定版!_08

 と言っても、PCゲーマーの中には、PCで遊ぶからにはマウス&キーボードで操作したいという人も多いはず。本作はマウス&キーボードにしっかりと対応しているので、ご安心を。基本的なWASD移動に加えて、スペースキーでジャンプ、左シフトキーでダッシュなど、一般的なPCゲームと同じ感覚で操作できるだろう。もちろんこちらも、キー配置をカスタマイズ可能だ。

『ホライゾン ゼロ・ドーン』PC版レビュー。グラフィックの向上により表現力アップ。マウス&キーボード操作も良好な、これぞ機械狩りの決定版!_07

 本作は機械をスキャンして弱点を見つけ出し、弓矢で狙い撃つのが基本戦術のひとつ。そのぶんエイム力が要求されるシーンも多い。筆者はマウスエイムのほうが慣れているためか、激しい戦闘の最中でも敵の目を射抜けたりと、プレイステーション4版よりも弓矢を使いこなせた。このあたりはプレイヤーのプレイスキルに左右されると思うが、筆者としてはマウスエイムのほうがかなり好印象。

 唯一気になるのは、メニュー画面表示がエンターキーに設定されていること。本作はメニュー画面でスキルのアップグレードや装備の強化、マップの確認、ファストトラベルなど、メニュー画面を開きがちなゲームだ。エンターキーは基本的に左手から離れた位置にあると思うので、毎回エンターキーを押すのはちょっと煩わしく感じた。めったに使わないポーズメニューがEscキーになっているので、そちらと交換するなどして、自分好みのキー配置にするといいだろう(もしくはクエスト表示のJキーで代用するなど)。

いまから遊ぶならPC版一択

 以上がPC版の特徴となっているより綺麗な画面でアーロイとの冒険を再び楽しみたい、さらに綺麗な画面をフォトモードで収めたい、ウルトラワイドスクリーンであの体験をもう1度味わいたい、という人にはもちろんオススメ。ただ、とくに新要素はないのでプレイステーション4版をやり込んだ人たちが本作を買う必要があるのかというと、ほとんどないだろう。

 まだ『Horizon Zero Dawn(ホライゾン ゼロ・ドーン)』を遊んだことがない、という人には圧倒的にPC版がオススメ。遊べるPCを持っているならば、PC版一択と断言できる。

 これから遊ぶ人も、綺麗な画面でもう1度遊びたい人も、ぜひPCの世界でアーロイと狩りを楽しんでほしい。

『ホライゾン ゼロ・ドーン』PC版レビュー。グラフィックの向上により表現力アップ。マウス&キーボード操作も良好な、これぞ機械狩りの決定版!_10