『ウォッチドッグス レギオン』先行プレイレビュー
ユービーアイソフトの最新作『ウォッチドッグス レギオン』デモ版をプレイする機会を得たので、そこで判明した本作の詳細や、プレイインプレッションをお届けしていく。デモ版は英語版の開発中ビルドのため、製品版とは仕様が異なる可能性がある点にご留意いただきたい。
『ウォッチドッグス レギオン』は、近未来のロンドンを舞台に、レジスタンス“デッドセック”としてメンバーを勧誘して、街を支配する巨大民間軍事会社と戦っていくオープンワールドアクションゲーム。
オープンワールド内のすべてのキャラクターは、仲間にすることで操作可能で、彼らの持つスキルを駆使して任務を遂行していくほか、ロンドンを自由に探索できる。
街にいるすべてのキャラクターが操作可能! 壮大過ぎる組織編成要素
“誰にでもなれる”を謳っている『ウォッチドッグス レギオン』。プレイするまでは比喩表現だと思っていたが……本当にその言葉通りだった。
本作ではなんと、ロンドンで暮らしている老若男女すべてのNPCを“デッドセック”のメンバーに勧誘でき、そのすべてのNPCをプレイヤーキャラクターとして操ることができるのだ。
すごいというレベルを超えた壮大なスケールの要素で、極端な話、レジスタンスのメンバーをすべて老人で構成するといったプレイも可能。自分が気になった人すべてを勧誘できるのだ(メンバーの上限は約40人とのこと)。
レジスタンスが対抗する相手はロンドンという巨大な街を牛耳る巨大民間軍事会社なので、腕の立つメンバーが欲しいところ。いきなり「全員仲間にできます!」と言われても、「誰を仲間にすればいいかわからない……」と迷ってしまうプレイヤーが多いはず。
そんなときは、マップ上およびNPCの頭上に表示される緑色のアイコンに注目。これは取りわけ高い能力を持っているオススメのNPCを指しており、困ったらとりあえずこれらの人々に声を掛けてみるといい。
声を掛ければ即加入! というわけではなく、NPCをメンバーに勧誘するにはその人たちの悩みを解決しなければならない。いわゆる勧誘ミッションのようなものをクリアーする必要がある。“友人を助けてほしい”、“特定の場所でデータをハッキングしてほしい”、“こいつを懲らしめてほしい”など、多彩なミッションがあり、中にはひと筋縄ではいかないものも。優秀な人材ほど、勧誘ミッションの難度は高くなるようだ。
本作には、このように特殊な能力を持ったキャラクターが数多くおり、彼らの力を使うことでミッションや戦いを有利に進めることができるのだ。ほかにはどんなキャラクターがいるかというと……
■作業員
レンチとネイルガンで戦うガテン系のおじさん。巨大ドローンを呼び出し、その上に乗って空中を自由に移動可能! 空中散歩も楽しめるのでオススメ!
■ハッカー
ほかのメンバーよりも高いハッキング能力を持つ。相手の持つ機器に電流を流して麻痺させたり、デジタルキーを盗んで扉を開けたりできる。
■スパイ
ダンディなあごひげが素敵なおじさま。サイレンサー付きのハンドガン(実弾)やめっちゃカッコいいスパイカーを所持。英国と言えばこうでないと。
■巨大民間軍事会社の社員(兵士)
デッドセックの敵である軍事会社の人間も仲間にできる。ハンドガンや警棒といった戦闘に特化した能力を持つ。さらに軍事会社が支配するエリア内で敵の視界に入ってもすぐにはバレないというのも強み。
ほかにもボクサー、サッカー選手、医師、レーサー、老婆など、ありとあらゆる職種のキャラクターを仲間にできる。これらのキャラクターとの一期一会、そしてユニークな人材で組織が強化されていくワクワク感は本作の魅力のひとつ。
ちなみに緑色のアイコンが表示されていないNPCを仲間にするときは、友好度がポイントになる。デッドセックに対して友好的なNPCの場合は話しかけることができ、勧誘ミッションをすぐに始められる。
誰でも一流ハッカー! ハッキングとガジェットを活用して巨悪に挑む
プレイヤーが操るキャラクターは全員ハッキングができ、携帯電話や防犯カメラ、車両、施設内の機器など、さまざまなものをハック可能。しかも本作ではロンドン中をドローンが飛び交っており、それらをハッキングして自分のガジェットとして利用することも!
また本作では、基本武器の電撃銃に加え、部屋への潜入や周囲の探索を行うスパイダーボット、迎撃タレットを搭載したコンバットスパイダーボットなど、多彩なガジェットが用意されている。これらの武器とガジェットはチーム内のすべてのキャラクターで使用でき、キャラクターの特殊能力と組み合わせることで、自分に合ったプレイスタイルを楽しめる。
ロンドンの街で好き放題に暴れ回れる自由度の高さに感服!
ロンドンの街が再現されたオープンワールドには、ビッグ・ベン、タワーブリッジ、カムデン、ピカデリーサーカス、ホワイトチャペルなど、お馴染みのスポットやランドマークがあり、本編そっちのけでデジタル観光を楽しむというのも遊びかたのひとつ。
ミッションやアクティビティを進めるためのプレイスタイルもプレイヤーに委ねられているのもうれしい点だ。警報を解除せずに敵陣に突っ込んで銃をぶっ放し、敵を殴りまくるというハッカーらしからぬバーサーカープレイや、機器を丁寧にハックして邪魔な敵を背後から気絶させていくスマートなステルスプレイなど、自分の好きな方法でロンドンを取り戻せるようになっている。
作り込まれた新要素とシリーズお馴染みの要素がうまくマッチした快作!
ロンドンにいるすべてのNPCをレジスタンスの仲間にできるという新要素を聞いたときは、感動と同時にあまりのスケールの大きさに、そのぶん作りが雑になっているのではと、やや懐疑的な思いがあった。しかし今回のプレイでそんな思いは吹き飛んだ!
ロンドン中のNPCにそれぞれバックボーンや役割が細かく設定されており、レジスタンスに参加するきっかけと理由が勧誘ミッションの中できちんと描かれているのはすごいのひと言に尽きる。しかもミッション形式なので、遊びながらわかりやすくNPCのバックボーンを知ることができるのもおもしろい。
また個々の特殊能力が非常に多様(すべてを把握するのがたいへんなほど多い!)。バラエティーに富んでおり、操作するキャラクターに応じて立ち回りが大きく変化するため、つねに新鮮な気持ちでプレイでき、「今回の任務はどういう方法でクリアーしようか」という気持ちにさせられる。さらにシリーズお馴染みのハッキングやガジェットといった選択肢と組み合わせることで、プレイヤー自身にも多種多様なプレイスタイルが生まれるというのも大きな魅力であり、本作の醍醐味だと感じた。
勧誘したメンバーそれぞれの特殊能力を駆使して任務を進めていくというこの新要素がゲームの根幹であると同時に、『ウォッチドッグス』シリーズのシステムとうまくマッチしており、シリーズのファンであればあるほど、このおもしろさに感動と衝撃を覚えるはずだ!