米ニュースメディアのCNBCが、ワーナーのゲーム部門“Warner Bros. Interactive Entertainment”の売却を親会社のAT&Tが交渉中と報じている。

 アレックス・シャーマン記者によるこの記事では、AT&Tは財務状態の改善のために総額40億ドル(4000億円以上)での売却を目指しているとされ、すでにロックスター・ゲームスや2K Gamesなどを擁するテイクツー・インタラクティブや、エレクトロニック・アーツ、アクティビジョン・ブリザードなどの大パブリッシャーが興味を示しているという。

 Warner Bros. Interactive Entertainmentは2004年に設立され、世界有数のコンテンツ企業であるワーナーグループの一員であることを活かした版権系のゲームが主な強み。

 これまでアーカムシリーズなどのバットマンのゲームや、J・R・R・トールキンの作品世界であるミドルアース(中つ国)を舞台にしたゲーム群、そして傘下に収めたTT Gamesが持つゲーム化権によるレゴのゲームのほか、格闘ゲーム『モータル・コンバット』など2009年に権利を獲得した旧ミッドウェイ系のゲームなども展開してきた。

 売却先候補に挙がっているパブリッシャーはいずれも日本でリリースを行っているので今の所は「売却によって日本でゲームが出なくなる」ということは避けられそうだが、モントリオールで開発中とされる新作バットマンゲームへの影響は出ないのか、そもそもワーナーグループを外れてもなおスムーズに版権系の開発が可能なのか、といったあたりは気になる所だ。

 なお同社はIO Interactiveのステルスアクションゲーム『ヒットマン2』のパブリッシングも手掛けているが、先日発表されたばかりの最新作『ヒットマン3』についてはIO Interactiveのセルフパブリッシングタイトルとなることが同スタジオによって発表されている。