日本時間の2020年5月28日にXboxのプロモーションサイトXbox Wireにて、Program Management for Xbox Series Xのディレクターを務めるジェイソン・ロナルド氏によるブログ“Xbox Series X: The Most Compatible Next-Generation Console Will Launch with Thousands of Games”が公開された。

 “Xbox Series X:もっとも互換性のある次世代ゲーム機は数千本のゲームを擁して発売予定”とでも翻訳すべきこのブログでは、Xbox Series Xを史上もっとも互換性の高い家庭用ゲーム機とするために、以下に革新的なテクノロジーが用いられたかが語られた。

Xbox Wireのブログはこちら
Xbox Series Xは史上もっとも互換性の高い家庭用ゲーム機であるために革新的な技術を導入。数千タイトルを擁して2020年ホリデーシーズンにローンチする_01

 ご存じの通り、初代Xbox、Xbox 360、Xbox Oneと4世代にわたるゲームを遊べるXbox Series X。基本的なシステムやチップ アーキテクチャが世代を超えて進化していく中で、4世代もの互換性を維持することは、大きな技術的課題だ。開発者は、プレイヤーに最高の体験を提供するために、ゲーム機ならではの機能や性能に合わせてゲームを高度に最適化しているという事情もある。

 ロナルド氏によると、Xbox Series Xを史上もっとも互換性のあるゲーム機とするためには、カスタム プロセッサの設計における大幅な革新と、次世代プラットフォームの中核となるXbox OSとハイパーバイザ(コンピュータを仮想化するためのソフトウェア)の独自設計の両方が必要だったという。

 その成果もあり、すでに10万時間以上のプレイテストが完了しているが、大ヒット作からカルト的な名作など、何千ものゲームがXbox Series Xでプレイ可能なのだという。世代間の切り替えもシームレスに行えるとのことだ。チームでは、Xbox Series Xのローンチに向けて、さらに20万時間以上の時間を費やして、ゲーム ライブラリの準備を整えていくという。

 また、ロナルド氏は、過去のタイトルは、これまで以上のクオリティーでプレイできるはずだと続ける。下位互換性のあるゲームは、Xbox Series X上で、CPU、GPU、SSDのフルパワーで動作するので、すべてのタイトルはもともと設計されていた最高のパフォーマンスで動作し、ゲームが発売されたプラットフォームよりも何倍ものパフォーマンスを発揮するからだ。下位互換タイトルは、“Xbox Velocity Architecture”を搭載したカスタムNVME SSDによる大幅なパフォーマンスの向上により、ゲーム内のロード時間が大幅に短縮されている。

 さらには、チームはプレイ体験を向上させるために、ハードウェア性能の向上だけに満足していたわけではない。すべてのゲームがよりよい状態でプレイできるように、新しいプラットフォームレベルの機能を開発したという。Xbox Series Xは、Xbox Advanced Technology Groupとの提携により、プラットフォームが自動的にゲームにHDRサポートを追加できるようにする、新しい革新的な“HDR再構成技術”を提供しているそうだ。この技術はプラットフォーム自体で処理されるため、ゲームのパフォーマンスへの影響をゼロにしてHDRを有効にすることができ、Xbox 360や、HDRが存在する以前の20年近く前に開発されたXboxのオリジナルタイトルにも適用できる。

 また、Xbox Series Xの新機能である“クイックレジューム(中断したポイントからすばやくゲームに復帰できる機能)”は、新作ゲームだけでなく下位互換タイトルでも有効化できるように設計されているという。クイックレジュームでは、複数のタイトルにまたがってゲームを中断した場所から再開することができるため、ゲーマーは一瞬で遊びたいゲームに戻ることができるのだ。これらの進歩はすべてプラットフォームレベルで行われており、タイトル開発者が追加作業を行う必要はないという。

 加えて、互換性チームはまったく新しい革新的な技術を開発。タイトルを最大4Kまでの高解像度でレンダリングできる“Heutchy”方式や、最終的な画質を向上させるための“異方性フィルタリング”などの技術により、往年の名作は、現代のタイトルと遜色のない基準にまでクオリティが高められているという。

 互換性チームは、オリジナルクリエイターのクリエイティビティやビジョンを尊重しながら、より多くのタイトルを、より高い解像度と画質で動作させるためのまったく新しい技術を発明したとロナルド氏は記載する。さらに、一部のタイトルのフレームレートを30fpsから60fpsへ、60fpsから120fpsへと2倍にする機能など、まったく新しいクラスのイノベーションを生み出しているとのことだ。

 なお、チームは、互換対応に追加してほしいタイトルについて、コミュニティーからのフィードバックにも耳を傾けているという。

 Xbox Game Studiosの15の開発チームが、近日中にXbox Series X向けに、Xbox史上最大かつ最高のラインアップによる独占タイトルを開発中とのこと。近日中にそれらのラインアップをお披露目する機会を持つとのことで、そのときが楽しみだ。