『アイドルマスター シンデレラガールズ』に登場するアイドルのひとり、“新田美波”の1/8スケールフィギュアが2020年11月にあみあみより発売される。
本記事では、美波を演じる声優の洲崎綾さんに完成品を見てもらったり、カメラマンとして写真を撮ったりしてもらいながら、フィギュアの印象や7年もの付き合いとなる美波への思いなどを語っていただいた。
洲崎綾(すざきあや)
12月15日生まれ、石川県出身。
『アイドルマスター シンデレラガールズ』で新田美波の声を演じる。2020年4月以降は、『イエスタデイをうたって』(福田梢役)、『プリンセスコネクト!Re:Dive』(カリン役)などに出演。
<商品詳細>
アイドルマスター シンデレラガールズ 新田美波 生存本能ヴァルキュリアver.
メーカー希望小売価格:18000円[税抜](19800円[税込])
スケール:1/8
サイズ:全高約250ミリ
材質:フィギュア……PVC (一部ABS) 台座……ABS
原型制作:八音(八音式)
色彩設計:tarutaru
セット内容:フィギュア本体、旗パーツ、専用台座
予約受付中(受注締切日:2020年4月10日(金))
発売日:2020年11月(予定)
愛の深さが生んだカッコよさ
――美波のフィギュア、第一印象はいかがですか?
洲崎いやもう、めちゃくちゃカッコイイですよね。
――ゲーム内のカードイラストのポーズを再現したもの、ということで。
洲崎このあいだのライブ(※)でも『生存本能ヴァルキュリア』を歌ったのですが、じつは最後のポーズは逆にこれを意識してキメました(笑)。
(※2020年2月15日~16日に開催された、“THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS 7thLIVE TOUR Special 3chord♪ Glowing Rock!”)
――ポーズを意識されることは、ほかの曲でもあるのでしょうか?
洲崎とくに『生存本能ヴァルキュリア』は美波がオリジナルメンバーで入っていて、しかもセンターポジションということで、気合を入れて歌ったりポーズを決めたりしています。立体化すると、カードでは見られないところの様子もわかって、不思議な感じがしますね。
――洲崎さんの考える、このフィギュアの“推しポイント”はどんなところでしょうか?
洲崎私はそれほどフィギュアに詳しいわけではないのですが、たとえば風にたなびいている衣装のヒモなど、細部の作り込みがすごいと思いました。指先もキャラクターによって形が違っていて、今回ならちゃんと美波のポーズが再現されているんですね。
――再現する際のこだわりがすごいと思います。
洲崎横顔でもしっかり美波の表情が再現されているのがすごいなと。横顔を立体化するのは難しいと思うんです。鼻とかあごの角度とか。
――美波は原型師さんの好きなキャラクターだったこともあって、愛の深さでこうしてバッチリ決まったようです。
洲崎うれしい! 脚も腕もスラっとしていてカッコイイと思います。全体的なバランスもちょうどよく作られていて、私は帽子から出ている髪の毛の具合がすごく好きです。
――フィギュアは、角度によって見え方が変わってくるのがおもしろいですよね。
洲崎後ろから見ると、よりウエストがキュッとしているのが見えていいですね。「細っ!」って思いました。あと、パンツスーツらしくズボンの真ん中に折り目が入っていて“パリッ”と見えるようになっているんですね。スカートとは違うカッコよさが出ていると思います。
――ズボンにはところどころにダメージが入っていて、肌を見せているのもこだわりですね。
洲崎これはカードイラストでも同じところが破けているんですか? 原型師さんの好みで「いっぱい破いちゃえ」とかではなく?(笑)。
――イラストで見える範囲は再現しているそうです(笑)。
洲崎ですよね(笑)。ちなみに、こういうフィギュアって、買ったあとに自分でアレンジする人もいるんでしょうか? より戦乙女感を出すために、泥とか飛ばす人もいるのかなぁって思いました。セットの岩場を足したりとか……。
――そういう写真を撮って、SNSにアップしている方もいらっしゃいますね。
洲崎このフィギュアでも見てみたいですね。それから美波と言えば、木陰で読書しているような、清楚だったり物静かなポーズのイメージが強いので、今回のような躍動感溢れるポーズはすごく新鮮で、プロデューサーも知らなかったような美波の一面を見てもらえると思っています。
――ジオラマ風になっていることもあり、これまでに登場したアイドルとは雰囲気が少し違いますね。
洲崎全体的にカードイラストのテイストが反映されていて、衣装そのものもいい意味でアイドルっぽくないんですよ。あみあみさんで発売されている、ほかのシンデレラガールズのアイドルたちと並べると、ひとりだけ世界観が違うのがわかるし、すごくカッコいい。アインフェリアのほかのメンバー(鷺沢文香、橘ありす、高森藍子、相葉夕美)も全員この形で作ってみてほしいです!
――まさにイラストの再現になりますね。
洲崎全員並べるための特別なセットも発売してもらって、まとめてケースに飾って眺めていたいですね。オリジナルでは美波がセンターですが、5人でポジションも入れ替えられるようにして……。ありす担当のプロデューサーさんなら、ありすをセンターに置けたらうれしいですよね。
――ちなみに、『アイドルマスター シンデレラガールズ』のライブでは、こういった衣装を着ることはないですよね?
洲崎記憶にないですね。でも、7th LIVEでは珍しくパンツの衣装をセレクトしたんです。『アイドルマスター シンデレラガールズ』のライブではパンツかスカートかを選べるので、いつもは美波がスカートのイメージがあるからスカートを選んでいるのですが、今回は『生存本能ヴァルキュリア』もあるしパンツにしてみよう、と思って。
――そういう理由もあったんですね!
洲崎と言っても、ショートパンツというか短めのものなんです。この衣装みたいに長いパンツを履いたら……暑いでしょうね(笑)。ステージは照明が効いているので、暑すぎて却下、ということになるかもしれません。もしかしたら、冬場のライブならやれるかも?
洲崎さんと石川県のフィギュア事情(?)が明らかに
――ご自身でもフィギュアを買ったりするんですか?
洲崎仕事柄、とくに自分が演じたキャラクターのものなどはいただくことがけっこうあって、自分で買うことはあまりないんです。中学生のころに某少年マンガのフィギュアが欲しすぎて悶えていたことはあったのですが、その当時はフィギュアって高すぎて買えなかったんです。それでも、ゲームセンターの景品なら取れるんじゃないかと思って挑戦してみたんですよ。
――プライズなら数百円で取れるかもしれませんしね。
洲崎そう思ってやってみたら、4000円くらい使っても取れなくて……。それなら、最高級のでなければ買えたんじゃないかとショックでした(笑)。その作品は好きなんですけど、めちゃくちゃ好きというわけではなくて。なのにそこまでつぎ込んだのは、友だちが持っていたフィギュアがすごくよくできていて、思わず「欲しい!」ってなったんでしょうね。
それ以前のフィギュアのイメージって、子どものころ遊んでいた指人形のそれだったので、あまりの精巧さに驚いたことも理由になっていたかもしれません。石川県って、フィギュアがなかったんですよ。田舎だったから。私のまわりだけかもしれないですけど(笑)。
――そ、そうなんですか?
洲崎私にフィギュアを見せてくれた友だちはいわゆる“エリートのオタク”で、その親もエリートのオタクという一家で、お家にフィギュアがいっぱいあってうらやましかったですね。でも、当時のフィギュアっていまみたいに服のシワひとつまで描き込まれた高級感溢れるものではなかった気がします。値段ももうちょっと安かったような。
――そうでしたね。でも最近のフィギュアはとにかく作り込みがすごい。
洲崎生きているみたいですもんね。声を当てて遊んだりするのかな?
――それは洲崎さんにしかできない遊びかもしれません!
洲崎えー! そんなこと言わないでやってみてほしいです。ぜひ。美波でも声が出るフィギュアが発売されないでしょうか? ボタンが付いていて5パターンくらいセリフをしゃべらせられるとか。
――それは欲しいですね。洲崎さんにボイスをお願いする必要があるので、値段はもうちょっと上がりそうですが(笑)。ちなみに、すでにさまざまなリクエストもいただいていますが、美波のフィギュアを買った人には、どういった感じで飾ってほしいですか?
洲崎ショーケースに入れて決まった位置でキレイに飾ってもらえるのもうれしいですが、たまにケースから取り出して、愛でてもらえたらもっといいですね。
――やっぱり見ることが目的のものですから、見てほしいですよね?
洲崎見てほしいです。私も小さいころ、ぬいぐるみを50体くらい持っていたのですが、1週間に一度くらいカゴから全部取り出して、1体1体に話し掛けてまた戻す、という謎の作業をやっていました。
――子どものころって、物がかわいそうと思ったりして、そういうことをやったりしますよね。
洲崎そうそう、そういう感じです。ぬいぐるみたちもうれしいんじゃないかと思ってやっていました。だからプロデューサーたちにもやってほしいですね。「おはよう」「元気?」って。そのときには美波の返事もやってほしいです。「元気です!」って(笑)。
“みんなのお姉さん”ではない、“ふつうの女の子”
――洲崎さんは7年ほど美波を演じられていますが、彼女の魅力はどんなところにあるのでしょうか?
洲崎美波はお姉さん的立場というか、みんなに頼られることが多くてしっかり者というイメージが強かったと思います。でも最近は、彼女も「年相応のふつうの女の子なんだ」ということを思うようになりました。それが強く感じられるのが、『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』で開催された“デア・アウローラ”のイベントのコミュです。その中で「この先もこのままでいいんだろうか」と将来のことを考えて悩んだりする美波の一面が描かれていました。このストーリーを通じて、「やっぱりふつうの女の子なんだ」と感じられてうれしかったんです。
――これまでは、そうして思い悩む年下の女の子たちを後押ししてあげるような印象が強かったので、すごく新鮮に感じられましたよね。
洲崎もちろん、女神だとか呼ばれるような、やさしいお姉さん的なところも魅力だと思うのですが、そういったふつうの女の子の部分も魅力として感じてもらえたらな、と思っています。
――アイドルとして活躍していても、19歳の女の子ですからね。
洲崎大人に見られがちですけど、まだ未成年なわけですから。それだけに「美波はすごい!」と思ったりするわけですが……。あと、これは初期から思っていたことなのですが、しゃべっている雰囲気と歌っているときのギャップも魅力ですよね。
――性格で好きなところは?
洲崎マジメで練習熱心で、それでいて緊張しいで……私もそれと近しいところがあるので、すごく親近感も湧くし演じやすかったですね。アニメでもがんばりすぎて体調を崩してしまうシーンだとか、LOVE LAIKAでステージに出る前に緊張しすぎてアーニャと励まし合ったりするシーンが描かれていました。美波はいつもはしっかりしているんですけど、人並みに弱さも持っているんです。ただ、彼女の場合それを自分で認めているからこそ、ほかのメンバーが落ち込んだときに背中を押してあげられるんでしょうね。私も演じているうちにそういう性格がわかってきて、最近ではそれを噛みしめながら歌えるようになってきたと思います。
――近いところがあると役が掴みやすいというのは、気持ちがわかるからですか?
洲崎自分とぜんぜん違うタイプのキャラクターを演じるのも楽しいんですが、「わかるなぁ」と思えるところがあると、リンクしていることでその力をもらって歌えるようになるかもしれませんね。とくに『アイドルマスター シンデレラガールズ』だと、美波を背負ってライブステージに立つこともあって、自分もおなじように緊張しているので。
――洲崎さんも緊張するタイプなんですか?
洲崎めちゃくちゃ緊張します! ライブの前はいちばん緊張すると思います。朗読劇などセリフをしゃべるときはそうでもないのですが、歌だととくに。
――そういうときはどうやって乗り越えるんですか?
洲崎私は何日も前からあれこれ考えて緊張してしまうタイプなので、むしろ間際になって何も考えられないくらいバタバタしているときのほうが緊張がほぐれていたりします。忙しいときのほうが開き直れるんです。
このあいだの公演のときも、ふだん通りのことをしてリラックスしようと、牧野由依ちゃんとケータリングのコロッケをひたすら食べていました。美味しいものを食べているとリラックスできるかなって。でも、食べ終わった後に「服に衣ついているよ」って(笑)。
――逆に「ぜんぜん緊張していないな」と思う人はいるんですか?
洲崎そう見える人はいっぱいいるんですけど、よくよく話してみると「いやいや、すごく緊張してるよ」と言っていますね。もちろん、緊張の度合いはそれぞれ違うとは思うんですけど。それであるとき、自分のラジオで緊張を紛らわせる方法を募集してみたんです。そうしたら「自分より弱気な人を見付けるといい」と言われて……。
――あぁ! お化け屋敷で自分より驚く人がいると、冷静になるやつですね。
洲崎そうですそうです。なるほどと思ったんですけど、あらためてまわりを見回してみたら、私より弱気は人はいなさそうで。
――残念……。
洲崎そんな中、客席に美波のTシャツを着ていたり、美波のカラーのサイリウムを振っていたりする人を見付けるとホッとするんです。プロデューサーたちも、アイドルみんなを応援してくれているとはわかっているんですが、その中でもとくに美波を応援してもらえているとわかるとうれしいですね。
――最後になりますが、このフィギュアのオススメ度は何点でしょう?
洲崎100点満点中120点です! 非の打ちどころがありません。強いていうなら髪型が変えられたりするのも欲しいですが、パーツの取り外しなどが必要になりそうなので、このままでいいかなと。
――納得のデキということですね。では、こちらのフィギュアを楽しみにしている全国のプロデューサーの皆さんにメッセージをお願いします。
洲崎私は美波がフィギュアとして立体化したことで、「本当に美波は実在するんだ!」という気持ちになりました。この感覚は買った人にしかわからないと思います。ゲームのイラストがそのまま現実に飛び出して、横から見ると、後ろから見るとこうなんだと確認することで、『生存本能ヴァルキュリア』の世界観がさらに膨らむと思います。そして5人揃えたいという欲望に駆られると思うんです。美波がいろんな人のお手に取ってもらえたらそれも実現するかもしれないので、ぜひあなたの手元にお迎えしていただけたらと思います。よろしくお願いします。
あみあみのサイトもチェック!
なお、こちらの記事とは別バージョンのインタビューが、あみあみにも掲載されている。美波P、そして洲崎綾さんのファンの方はそちらもお見逃しなきよう。
この“アイドルマスター シンデレラガールズ 新田美波 生存本能ヴァルキュリアver.”は、2020年11月発売に向け、現在予約受付中。原型師の愛とこだわりが詰まった、洲崎さんも絶賛のフィギュアを楽しみにしていただきたい。