2020年3月26日、Epic Gamesは、デベロッパー第一主義の新しいマルチプラットフォーム・パブリッシングへの取り組みを発表した。上田文人氏が所属するgenDESIGN、『Inside』や『Limbo』で知られるPlaydead、そして、『CONTROL』などでおなじみのRemedy Entertainmentが、Epic Games Publishingとの提携を発表する最初のパートナーとなる。

 発表にあわせて公開された映像は以下(英語)。上田文人氏らがEpic Games Publishingへのコメントを寄せている。

 Epic Games のパブリッシングに対するアプローチは、デベロッパー/パブリッシャーモデルを根本的に変えるもので、クリエイターが素晴らしいゲーム作りに集中できるよう業界一、デベロッパーが利用しやすい条件の提供を目標としているとのこと。具体的には以下の3つを目標として掲げている。

●完全な創造の自由と所有権。
デベロッパーは、すべての知的財産と作品の創造性の完全なコントロール権を100%保持します。
●全額出資プロジェクト。
Epic Games Publishing は、デベロッパーの給与から、QA、ローカライゼーション、マーケティングおよびすべてのパブリッシング費用等の市場開拓
費用まで、最大100%まで開発コストをカバーします。
●5 割の利益分配制度。
デベロッパーは自分達の作品に対する公平なシェアを得ます -- 費用の回収後、デベロッパーはすべての利益の最低50%を獲得します。

 この件に関して、Epic Games 創立者兼CEOであるティム・スウィーニー氏は、「我々がパブリッシャーと一緒に働いていた時にいつも望んでいたパブリッシングモデルを構築しているのです」とコメント。また、Epic Games Publishing トップ ヘクター・サンチェス氏は「genDESIGN、Remedy そしてPlaydead は、業界内でも最も革新的で才能あるスタジオであり、次なるゲームに対する強いビジョンを持っています。Epic がプロジェクトの資金調達とサービスを提供し、彼らは創造性の完全なコントロール権を保持するのです」とコメントしている。

 また、genDESIGN のゲームデザイナー上田文人氏からは、以下のコメントが寄せられている。

■genDESIGN のゲームデザイナー上田文人氏

 これまで我々は、一人でも多くの方に自分たちの作ったゲームを楽しんでいただきたいという思いがありました。そのような中、「Unreal Engine」や「Epic Games ストア」、ゲームタイトル制作など、ゲーム分野において幅広くサービスを提供しているEpic Games 様とお話させていただく中で、自分たちが望む形のゲーム開発ができるのではないかと思い、現在開発中の新作ゲームにおいて、今回一緒に組ませていただく運びとなりました。
 開発中のゲームの内容については、残念ながらまだお伝えできませんが、少しでも早くゲームファンの皆様へお届けできるよう、チーム一丸となり日々努力しております。また、genDESIGN は本開発に向けチームを拡大中です。私たちと一緒に働いてくれる仲間を募集していますので、ぜひ弊社のホームページをチェックしてみてください。

※genDESIGN 公式サイト

 なお、Epic Games Publishingの詳細、開発パートナー、そしてゲームについては今後数ヵ月のあいだに発表する予定とのことだ。