2020年3月16日に3周年を迎えたスマートフォン用リズムゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』(以下、『ガルパ』)。それを記念して全6バンドのボーカルキャストにインタビューを実施! 第1弾はPoppin'Partyのボーカルを務める愛美さん。3年間の思い出やこれからの意気込みを撮り下ろし写真とともにお届け!!

※掲載されているボーカルキャストインタビューは、2020年2月上旬に取材したものです。

愛美(あいみ)

12月25日生まれ。兵庫県出身。 おもな出演作に『戦姫絶唱シンフォギアXV』(ミラアルク役)、 『消滅都市』(キキョウ役)、『カードファイト!! ヴァンガード』(立凪スイコ役)など。

ガールズバンドへの期待とギター&ボーカルならではの苦労

『バンドリ ガルパ』Poppin'Party戸山香澄役愛美さんが語る“ポピパらしさ”【3周年記念ボーカルキャストインタビュー第1弾】_01

――Poppin'Party(以下、ポピパ)は、キャラクターを演じるキャストの方がリアルバンドとして活動するという新たな試みが話題となりましたが、“戸山香澄”を演じることが決まったときの心境はいかがでしたか?

愛美最初は「バンド活動をするよ」と言われて楽しそうだなと思いました。もともとバンドが好きなので、ギター&ボーカルとしてステージに立てると決まったときは、すごくうれしかったです。

――『バンドリ!』をやる前からギターをやっていたとお聞きしました。ポピパではボーカルも担当していますよね。その点での抵抗はあったのでしょうか。またギターの腕前はどれくらいのものだったのでしょうか?

愛美抵抗はなかったです。でもやってみたら、すごく難しくて、たいへんなことを引き受けてしまったなと思いました。ギターに関しては、コードが引けるぐらいで基礎知識はまったくない状態で、それまでバンドをやるためのギターというのを意識して練習したことがありませんでした。

――“バンドをやるためのギター”ですか。

愛美はい。弾きながら歌う、ということの難しさに直面して、最初は何日も徹夜しましたし、ギターに対して苦手意識も芽生えました。みんなと集まって練習するときは譜面を覚えておかないといけないんですが、がんばって覚えようとしても、慣れていないため、譜面がぜんぜん覚えられず、悔し泣きしながら練習していました。

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――いつごろからそういった苦手意識がなくなりましたか?

愛美苦手意識がなくなったのは、幕張メッセでやらせていただいたBanG Dream! 5th☆LIVEからです。日本武道館でのBanG Dream! 4th☆LIVEまでは、私もギターのさえチ(花園たえ役:大塚紗英さん)と同じように細かいフレーズを弾いていたのですが、そうすると歌に100%集中できない場面があり、「じゃあどうする?」という話しになったんです。そのときに「ギター&ボーカルはそんなに弾かなくても、楽曲が成り立つように弾けば大丈夫」ということをいろいろな人から教えていただいて。歌に支障が出ない範囲でギターを演奏するというスタイルに変えたんです。

――歌に集中できる環境を整えたと。

愛美そうです。そういう演奏方法が定着してきたのが、“5th☆LIVE”からなんです。“4th☆LIVE”はちょうどその演奏方法への切り換え時期でまだ安定していなかったころでした。BanG Dream! 3rd☆LIVEまでは結構がむしゃらに弾いていたイメージがあります。

――ライブを重ねることで演奏方法が変化したとのことですが、香澄としてはどういった変化があったのでしょうか?

愛美じつはアニメ化の前と後で歌いかたを変えているんです。香澄が生まれたとき(アニメ化前)は、歌を歌うときはカリスマ性が強いという設定だったので自信と強さを感じられるように歌っていました。でもアニメ化が決まると、香澄はとにかくバンドやポピパが好きでキラキラドキドキしたい、という設定に変更されたので愛情や楽しさといった感情を最優先にして歌うようになりました。

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――かなり大きな設定変更だと思いますが、歌唱方法を変えるにあたって、どういった苦労があったのでしょうか。

愛美そもそも香澄というキャラクターの声で歌い続けるということ自体が、私にとって新境地であり、大きな挑戦だったんです。歌自体に苦戦していたので、設定が変わってもひたすらがんばることに変わりはありませんでした。

――なるほど。では香澄に対する印象はどのように変わっていきましたか?

愛美最初は、すごく眩しくて、キラキラしていて、似ているところは少ないのかな? と思っていました。でも、物語を重ねていくにつれて、自分と香澄が少しずつシンクロしていったんです。

――どういったところがシンクロしていったのでしょうか?

愛美香澄って人に甘えるのも、気持ちをさらけ出すのも上手なんですよ。わたしはそういうのが苦手だったんですけど、香澄を演じ続けたことで自然と彼女のように人に甘えるのも、気持ちをさらけ出すのもできるようになってきて、香澄にはすごく大事なことを教えてもらった気がします。

――愛美さんにとってもいつしか大きな存在になったと。『ガルパ』では、香澄を中心にさまざまなストーリーが展開されますが、とくに心に残っているストーリーを教えてください。

愛美修了式のときに、香澄が1年生代表として登壇し、みんなの前で自分の気持ちを伝える場面がとても印象的でした。私は、気持ちを言葉に変えて発信するのが苦手なんですけど、香澄は、自分の抱いている思いや気持ちをうまく言葉にして伝えていて尊敬しました。

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――あのシーンは香澄のよさが色濃く感じられて私も好きです。

愛美香澄は仲間や音楽が本当に好きで、いまを大事に生きているということが心から伝わってきて、自分もこんな風に生きてみたいなと思いました。あのときの香澄はいつも以上にキラキラしていて、私が生きてきた5年間よりも、香澄の1年間のほうが成長しているんじゃないかと思うぐらい、彼女の成長を強く感じました。

――愛美さんにとって香澄は、どういった存在なのでしょうか。

愛美友だちや家族であると同時に尊敬する人物でもある、という感じですね。

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ポピパらしさとは、究極の自然体であること!

――ポピパはさまざまなステージでライブを行っていますよね。個人的にはとくに初の日本武道館での“4th☆LIVE”が印象的でした。日本武道館と言えば、アーティストにとって夢の舞台だと思うのですが、ポピパとして初めて立ったときはいかがでしたか。

愛美会場が日本武道館と聞いたときは、夢のようというか、ちょっと信じられませんでした。それと同時に「本当に自分たちがそのステージに立って成立するのだろうか」という不安があったのですが、「決まったからにはやるしかない!」と気を引き締めました。いざ本番になって実際にステージに立ち、ぐるっとまわりを見渡すと、観客席を埋めつくすほどのお客さんが待っていて、メンバー皆で「いるね。(お客さんがいっぱいて)よかったね!」って言いながら、目をうるうるさせながらライブに臨みました。

――公演が終わった後は、どんな感覚だったのでしょうか?

愛美ものすごい興奮状態でぜんぜん熱気が冷めないんだけど、抜け殻のような脱力感もある、みたいなよくわからない状態でした。ひとりになりたくなくて、さえチといっしょにお泊りしていろいろと語り明かしました。

――昨年(2019年)のTOKYO MX presents「BanG Dream! 7th☆LIVE」も日本武道館でしたよね。2回目に立たれたときの心持ちというのは、変わるものなのでしょうか?

愛美『バンドリ!』のほかの仲間といっしょに3日間やっていくというスタイルのライブだったので、ぜんぜん違いましたね。1日ずつ担当するバンドが違うため、その日によってライブのカラーが変わっていくという意識が強く、3日目だった私たちは、「ポピパはポピパらしくやろうね」とメンバーどうしで言い合いながら挑みました。

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――愛美さんにとって、“ポピパらしさ”とはどういうものなのでしょうか?

愛美ポピパらしさとは、“究極のありのまま”なんだと思います。1回目の日本武道館では、がんばり過ぎて空回りしちゃっている部分もあって、メンバーみんながすごく緊張状態でした。でも2回目のときは、あまり気負わず、肩の力を抜いた状態でライブに挑めて、ありのままの私たちをお客さんに見せることができたんです。そういうところがポピパらしさにつながるんじゃないかなと思います。

――それはこれまでのステージ経験を経て、メンバーみんながポピパらしさを共通認識したからこそのものということなのでしょうか?

愛美いえ、たぶん逆なんだと思います。これまではステージ上で誰がこういう内容をしゃべるとか、この曲では絶対にこういう風に動くとか、決まりごとを作っていました。でもそれにとらわれすぎて、みんな緊張して自分の色を出せずに終わっちゃうこともあって……。

――たしかにそれだとポピパらしさが薄れちゃいますね。

愛美だからこそ決めごとや共通認識といったルールを作らないようにしたほうが自分たちのポピパらしさが出せるかなと思ったんです。

――メンバーとともにさまざまなステージでバンド活動をしてきたからこそ行き着いた答えということでしょうか。

愛美そうですね。いままでの積み重ねや決まりごともありつつ、何も言わなくても互いにわかり合える空気感が自然に生まれるようになったのが、“7th☆LIVE”でした。

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――7thライブでポピパらしさが完成したとのことですが、いまでも緊張することはあるのでしょうか?

愛美昔よりはポピパとしての自信がついたので、自分たちを表現するライブができるようになりましたが、それでも緊張しますね。あと、“ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019”や“COUNTDOWN JAPAN 19/20”といった『バンドリ!』を知らないお客さんが多くいらっしゃる場所で披露するときは、すごく緊張します。

――そういった場所でライブするときは、ポピパを知ってもらうためにどういったアピールをしているのでしょうか。

愛美誰が聴いても盛り上がれる楽曲を選ぶようにしています。またポピパを知らない人のために、ライブ中のノリかたをわかりやすくレクチャーする時間を設けて、初めての人でも楽しめるような構成にしています。初めてポピパを見た人たちが段々ノッてきてくれるのを見るとすごくうれしいですし、救われた気持ちになります。

――そこまでしてもらえると見る側も肩の力を抜いて自然と楽しめそうですね。ポピパの楽曲の中で、愛美さんがもっとも熱の入る楽曲は何なのでしょうか?

愛美歌詞がすごい刺さったりして、個人的に熱が入るのは“1000回潤んだ空”や、“Light Delight”ですが、ポピパ的な歴史を追った上で熱が入るというと、“STAR BEAT!~ホシノコドウ~”ですね。初めてメンバーが5人揃ったときや、“Animelo Summer Live”への出演時など、ポピパにとって大事な場面で歌うことが多く、それを歌っているときに涙目になっていることが多い気がします。

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――アニサマや日本武道館での“4th☆LIVE”など、印象的なステージでのライブが非常に多いポピパですが、いちばん印象に残っているライブステージはどれでしょうか?

愛美ポピパにとって念願の初フェスである“ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019”が、とくに印象的でした。ポピパとして活動していく中で、叶えたい夢というのがいっぱいあるんですが、フェス出演は、その中のひとつでした。そんな夢の舞台にポピパとして出られたのがすごくうれしくて。ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019では、5曲歌ったんですけど、最後の『キズナミュージック♪』を歌っているときに、5年間の思い出がフラッシュバックしてきて思わず泣いてしまいました。

――叶えたい夢という言葉が出てきましたが、ほかにはどういった夢があるのでしょうか。

愛美ウィークリーセールスランキングで1位を取るという夢は叶えられたので、ほかには……さまざまな音楽番組に出演して、『バンドリ!』や『ポピパ』をもっと多くの人に知ってもらいたいです。それと全国のライブハウスを回るツアーもやりたいです。各地のライブハウスでライブしながら全国の『バンドリ!』ファンの皆さんに会いたいという思いがあります。あとは、ポピパって楽曲数がとても多いので、ライブでやっていない楽曲を全部披露したいですね。

――どれもファンにとってはうれしい夢ばかりで、これからが楽しみです。5月にはメットライフドームで“BanG Dream! Special☆LIVE Girls Band Party! 2020”が行われますよね。意気込みなどはありますか?

愛美 ポピパとして、『バンドリ!』のライブに出るのは1年振りなんです。この1年間で培ったものをメットライフドームのステージで発揮したいと思います。

――最後に、今後の『バンドリ!』での活動における、意気込みをお願いします。

愛美念願のウィークリーセールスランキング1位は、応援してくださっている皆さまのおかげで獲れたものだと思っています。本当にありがとうございました! 『バンドリ!』としての今後は、願わくば国民的コンテンツと言われるようになりたいです! そこまで行けるように、がんばりたいと思います!

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