新型コロナウイルス(2019-nCoV/COVID-19)の感染拡大リスクを懸念し、海外ゲーム業界でも出展取りやめなどが相次いでいる。

 サンフランシスコで毎年開かれるゲーム開発者向けの国際カンファレンスGDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)を来月中旬に控え、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)とFacebookが出展を取りやめることが判明した。

 SIEの出展取りやめは、海外の業界関係者向けメディアのgameindustry.bizの取材によってわかったもの。記事によると、昨日発表されたPAX EASTへの出展取りやめと同様に、関係者の新型コロナウィルスの感染リスクを避けるために今回の判断に至ったという。

 GDCはソフト・ハードの最新技術の技術者向け発表にとどまらず、サードパーティーやインディーゲーム開発者への自社プラットフォームへの誘致を行う場としても機能しており、プレイステーション5の展開を控えたSIEにとっては難しい決断であったろうことは想像に難くない。

 一方Facebookは、同グループのVR部門であるOculusの公式ブログで出展回避を発表。GDCに合わせた発表やQ&A自体は映像公開などオンラインで行っていく方針であることが明かされている。こちらもSIE同様に、自社のVRプラットフォーム拡大を狙う中での決断となる。

 GDC公式では新型コロナウィルス関連の特設ページを設けて告知を行っており、中国系のメーカーは今年度の出展を行えないか在米スタッフによる出展のみになること、加えて(政府側による渡航やビザの制限により)中国からの開発者の聴講参加もなくなったことを公表している。

 現状ではイベント自体は行われる予定となっており、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)と世界保健機関(WHO)のガイドラインに従いつつ、現地関係機関とともに協力し予防に努めるとしている。