斬新で尖ったタイトルが楽しめるインディーゲーム。一方で、リリースされるタイトルが多くて、何を遊んでいいか迷ってしまう方もいるかも。ここでは、おもに週刊ファミ通およびファミ通.comで連載中の“とっておきインディー”の書き手たちを中心に、いまお気に入りのインディーゲーム3本をセレクトしてもらった。インディーゲームの多様性を示すかのように、バラエティーに富んだタイトルが揃いました! 今回はその後編をどうぞ。

喫茶板東

 『Factorio』の登場以降、筆者はすっかり生産ラインを構築していく工場系ゲームの虜になってしまった。2019年もその傾向が顕著に表れ、おもしろそうな工場系ゲームを見つけたら“とっておきインディー”で紹介し、自分に合ったものは原稿を書いたあとにもガッツリ遊びこむ、という感じであった。

 そんなワケで、2019年に紹介したインディーゲームを思い返してみても、やっぱり工場系ゲームが印象に残っている。というわけで、個人的な2019年のオススメインディーゲームも工場系ゲームに染まってしまった。いろいろ計算しながら遊ぶスタイルのゲームなので好みの差は大きく表れると思うが、興味があったらぜひこれらのゲームを遊んで、いっしょに工場系ゲームをもっと盛り上げていってほしい。

『Factory Town』

プラットフォーム:PC
メーカー:Erik Asmussen
開発元:Erik Asmussen
価格:2050円[税込]
※Steamサイトはこちら

 村をどんどん発展させていく工場系ゲーム。食料や木の板などを作成し、住民に購入させて満足度を上げていくことが目的。採掘や伐採、アイテムの運搬などは町の人的なユニットに指示を出して任せるのが特徴で、チョコチョコと働く住民の姿を眺めるだけでも楽しい。

 住民の満足度を上げて拠点をレベルアップさせると建設できる住宅の数が増えていく。そのため、ゲームを進めると町の様子がどんどん賑やかになっていくのも楽しいポイント。魔法のアイテムが登場するなど、ちょっとファンタジーな要素もあって、新しいアイテムが解禁されたときのワクワク感も大きい。

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『Autonauts』

プラットフォーム:PC
メーカー:Curve Digital
開発元:Denki
価格:2050円[税込]
※Steamサイトはこちら

 未知の惑星で入植者を育てていくことが目的の工場系ゲーム。プレイヤーキャラクターを操作するタイプで、工場系といいつつベルトコンベアーが存在しない。そのため、素材の採集やアイテムの作成などは、すべてマンパワーで行う必要がある。しかしプレイヤーひとりで作業するのはキツすぎるので、ロボットを作って代わりに働かせるというコンセプトの作品だ。

 最大の特徴は、ロボットの行動をプログラムのように設定できること。「ここでアイテムを3個拾う」や「箱がいっぱいになるまで行う」といった細かい条件分岐も設定可能だ。とはいえプログラムの知識が必要ではなく、プレイヤーが実際に行動して何をするのかをロボットに見て覚えさせるだけでいい。

 ロボットの記憶容量は小さく、あまりたくさんの行動を覚えられないため、行動をプログラムのように編集して行数を減らすのが腕の見せ所、かつおもしろいポイント。同じ行動を繰り返す部分はループ指定にして行数を減らすなどのテクニックがあり、ちょっとしたプログラマー気分を楽しめる。ロボットも上位のものは移動速度やアイテム所持数などの性能がアップしており、作業効率アップをガッツリ体感できるのもテンションが上がるポイントだ。

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『Satisfactory』

プラットフォーム:PC
メーカー:Coffee Stain Studios
開発元:Coffee Stain Studios
価格:3380円[税込]
※Epic Gamesストアサイトはこちら

 とある企業のエンジニアとなり、未開の惑星で資源を採取してアイテムを作成し、会社に納品していく工場系ゲーム。最大の特徴は一人称視点の3Dゲームということで、高い場所にベルトコンベアでアイテムを運ぶなど、立体的なラインを構築できるのが最大の魅力だ。

 鉱床から採鉱機で鉱石を採掘し、ベルトコンベアで運搬してアイテム作成施設に運ぶという、完全自動化のラインを構築していくことになるのだが、この基本となるライン構築がとても楽しい。1分間に掘り出せる鉱石の数は採鉱機によって決まっているので、すべてを使いきれるようにラインを構築すれば、最大効率でアイテムを作成できる。これをどのようなラインにすれば達成できるのか、パズルのように頭を悩ませるのがメッチャ楽しい! 工作機やベルトコンベアーなどの施設は比較的大きめなので、結果的に工場も大きくなりがち。プレイを重ねて大きくなった工場の中を歩きながら、「我が工場もここまで大きくなったか……」と満足感を得られるのも嬉しいポイントだ。

 マップもかなり広大で、メチャクチャ遠くの鉱床から石炭などの資源をベルトコンベアーで拠点まで運ぶことも多々ある。地平線の果てまで伸びるベルトコンベアーという、自然+人工物の風景も美しく、いたるところの風景を写真に収めたくなるのも魅力ポイント。個人的に2019年でいちばんハマったゲームだ。

ウワーマン

 あけましておめでとうございます。2019年に自分が実際に遊んでみた中で推したい作品は、以下の3本に決めました。いろいろ悩み抜いての選出でしたが、何かすべてアクションゲームになっちゃいましたね。気が利くライターならジャンルをうまいことバラけさせたりするかもですが、自分はそのままで(笑)。

『Forager(フォレジャー)』

プラットフォーム:Nintendo Switch、プレイステーション4、PC
メーカー:Humble Bundle
開発元:HopFrog
価格:Nintendo Switch版/1980円[税込]、プレイステーション4版/1612円[税込]、Steam版/2050円[税込]
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 まず『Forager』ですが、これはクラフト系のアクションゲーム。生活を楽しむ感じではなく、ひたすら素材を集めて作っては戦っていくというところがシンプルでいいんですよね。拠点のレイアウトなども凝る必要がなく(凝ったとしても素材で埋め尽くされる)、思い付きで土地を購入して世界を広げていくのにすごくワクワクしたのが記憶に残っています。スキルを覚えて便利になるほど夢中になれると思います。

『Blasphemous(ブラスフェマス)』

プラットフォーム:Nintendo Switch、プレイステーション4、PC
メーカー:Team17
開発元:The Game Kitchen
価格:2750円[税込]
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 『ブラスフェマス』は高難度のアクションゲーム。『ダークソウル』シリーズの影響を色濃く受けた、いわゆる“メトロイドヴァニア”といった印象ですね。巡礼、奇蹟、断罪、懺悔、聖遺物みたいなワードがバンバン登場する宗教的要素が強めなストーリーが魅力的で、何よりゲーム全体に漂うダークな雰囲気が最高です。操作はサクサクで小気味よく、とくに強敵との戦いは燃えましたね。『Gato Roboto』や『白き鋼鉄のX THE OUT OF GUNVOLT』あたりの作品と『ブラスフェマス』でどれにするか本当に迷いましたが、最後は残酷な描写というか、ハードな世界設定が自分の好みというところで決着しました。

『アナーキュート』

プラットフォーム:Nintendo Switch
メーカー:Digital Bards
開発元:Anarteam
価格:1500円[税込]
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※プレイステーション4版やPC版は他パブリッシャーから配信中。

 最後の1本は『アナーキュート』。PCなどではけっこう前から配信されていますが、2019年12月19日にNintendo Switchで配信されたのでプレイしました。これはキュートなキャラ(目は怖い)のデモ隊みたいな連中を操作して、凶悪集団に占領された世界の都市を巡って取り戻すというアクションゲームです。散らばっている仲間と合流してどんどん人数を増やしていくんですが、人数が増えるごとにゴミ箱から屋台、そしてクルマといった具合により大きなものが持てるようになったり、謎のパワーでビルを倒壊させたりと、やれることが過激になっていくのがおもしろいです。ワラワラと人が増え、いろいろなオブジェクトを持ち上げたりしている感触が『塊魂』に通ずるものがあり、ついつい遊びたくなるんですよね。クリアーするだけなら程よい難度で、やり込むならそれなりに難しいというところもよかったな。

 遊びたかったけど、まだ遊べていない『さよならワイルドハーツ』や『Baba Is You(ババイズユー)』をプレイしていたら、ピックアップ候補になっていたか気になるところだなー。

猫塚きてぃ

『オバケイドロ!』

プラットフォーム:Nintendo Switch
メーカー:フリースタイル
開発元:フリースタイル
価格:ダウンロード版/1800円[税抜]、パッケージ版/2980円[税抜]
※公式サイトはこちら

 まずおすすめしたいのは、かわいらしいオバケとニンゲンのホラー鬼ごっこ『オバケイドロ!』。本作は、3人のニンゲンチームとひとりのオバケチームにわかれてケイドロを行う鬼ごっこゲームだ。オバケチームは3分以内にニンゲン3人全員を捕まえたら勝ち、ニンゲンチームは3分間ひとりでも逃げ切れば勝ちとなる。オバケはニンゲンよりも有利なことが多く、壁や木をすり抜けて移動することなどができる。ニンゲンはランタンを持っており、一度だけオバケを怯ませることができる。それぞれがもつ有利な要素を生かして3分間競い合うのだ。

 とてもシンプルなゲーム性で、オバケもニンゲンもかわいらしいイラストで描かれていたり、演出なども細かく楽しく描かれているので老若男女問わず楽しめるゲームだ。本作は、オンラインに対応しているほか、画面を4分割にして遊べるのでパーティーゲームにはもってこい。

『Downwell』

プラットフォーム:Nintendo Switch、プレイステーション4、PC、iOS、Android
メーカー:Devolver Digital
開発元:Moppin
価格:Nintendo スイッチ版/500円[税込]、プレイステーション4版/509円[税込]、PC版/298円[税込]、iOS版/370円[税込]、Android版/320円[税込]
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 おなじみの名作インディーゲーム。不思議な井戸に飛び込み、靴型の武器“ガンブーツ”で敵を倒しながら井戸の底を目指すドット絵のシューティングアクションゲーム。左右移動、ジャンプ、射撃のみの簡単操作で、下にひたすら落ちていくという斬新なゲームシステムとなっている。

 ただ落下するだけではなく、ガンブーツを使用することで弾の発射の衝撃で少しだけ浮き上がることができる。これをうまく使うことで、一度も着地せずに連続で敵を倒すことも可能だ。着地せず連続で倒すとスコアも高くなり、より爽快感を味わうことができる。

 プレイするたびにランダムで生成される地形や、ランダムで出現するさまざまなガンブーツがあるため、何度もプレイしたくなるような中毒性の高いゲームだ。

『Hollow Knight』

プラットフォーム:Nintendo Switch、プレイステーション4、Xbox One、PC
メーカー:ダウンロード版/Team Cherry、パッケージ版/Fangamer
開発元:Team Cherry
価格:ダウンロード版/1480円[税込]、パッケージ版/4000円[税抜]

※Xbox One版はダウンロード版のみ

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 曲がりくねった洞穴、古代都市、危険な荒れ地などが絡まるようにして構成される広大な世界を主人公であるかわいらしいムシを操り大冒険をする2Dアクションゲーム。

 かわいらしいビジュアルからは想像もつかないような高難易度でやりごたえ抜群。さまざまな背景を楽しめる豊富なエリアの種類や、雰囲気をよりひきだすBGMなど、アクション以外でも楽しめる要素がもりだくさん。

紅葉つかさ

『魔女の迷宮』

プラットフォーム:Nintendo Switch、iOS、Android
メーカー:オレンジキューブ
開発元:オレンジキューブ
価格:基本プレイ無料
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『汐』

プラットフォーム:Nintendo Switch、プレイステーション4、PC
メーカー:Coconut Island Studio
開発元:Coconut Island Studio
価格:Nintendo Switch版/1296円[税込]、プレイステーション4版/1320円[税込]、PC版/1180円[税込]
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『魔女と勇者』

プラットフォーム:Nintendo Switch
メーカー:フライハイワークス
開発元:RSF
価格:500円[税込]
※公式サイトはこちら

 いよいよ明けた2020年。今年もゲームを遊びまくるつもりのわたしですが、2019年にいちばん遊んだタイトルが上記3タイトル。『魔女の迷宮』は、入る度にランダムに生成されるダンジョンを、アイテムや戦略を駆使しながらクリアーを目指していくローグライクRPG。『汐』は、ほぼジャンプのみを使用して目の前の障害物を突破していく横スクロールアクションゲーム。『魔女と勇者』は、メデューサにより石に変えられてしまった魔女と勇者として、敵を倒していく8Bitテイストのアクションゲーム。

 こうして見ると、いずれもひねりの効いたタイトルという気がするが、今回とくにピックアップしたいのが『魔女の迷宮』。本作は、死んだらアイテムをなくす、ダンジョンはレベル1からスタートなどローグライクの基本的な要素は押さえつつも、敵の数が少なかったり、受けるダメージがあまり高くないなど、初心者にもやさしい配慮がうれしい。ダンジョンの途中にはチェックポイントがあり、そこを通過すると、つぎに挑戦するときにチェックポイントから再開することもできるし。とはいっても、ローグライクであることは変わらないのでひとつの油断でピンチになってしまうこともあるので油断は禁物。

 本作には、通常のダンジョンのほか、 “パズルダンジョン”と“タイムアタックダンジョン”が用意されているのも楽しい。“パズルダンジョン”は、アイテムの使いかたをパズル形式のダンジョンで学べるというもの。全部で30エリアがあり、後半のエリアではアイテムを使う順番を考えないとクリアーできないようになっている。クリアーまでのルートがある程度決まっているので、パズルを解くような気持ちで遊べる。

 一方の“タイムアタックダンジョン”は、名前の通りダンジョンをクリアーするまでの時間を全国のプレイヤーと競うというもの。全30階層あるダンジョンでアイテムを持ち込むことができないので純粋にプレイヤーの腕が試される。もちろん途中でやられてしまったら記録は残らない。いい記録を出すために何度もくり返してしまうというダンジョンになっている。

 新機軸のローグライクRPGということで、じっくり楽しんでほしい1作だ。

西川くん

 尖ったインディーゲームが好きな西川くんです。僕は冬の長い夜にどっぷりと遊べる、3つのPCゲームをチョイス。かなりコア向けなものばかりですが、同じ趣味を持つ人にはきっと刺さるタイトルだと思いますよ!

『Barotrauma』

プラットフォーム:PC
メーカー:Daedalic Entertainment
開発元:FakeFish、Undertow Games
価格:3190円[税込]
※Steamサイトはこちら

 潜水艦シュミレーター『Barotrauma』は、舞台は木星の月に移住した人類が、海の下で生活するSF世界。過酷な海面下を潜水艦で行き来しながら、さまざまな任務をこなしていきます。任務は荷物の輸送がメインですが、廃墟の探索や人命救助、木星の月には得体の知れない怪物たちも海に潜んでおり、エイリアンの討伐任務などもあります。

 特徴的なのは、操作するのが潜水艦のクルーたちということ。画面は横スクロール型で、操作はアクションゲームに近いです。潜水艦の操縦、エンジンルームの管理、修理や戦闘にいたるまで、潜水艦のクルーをその持ち場に行かせて、端末などを操作させ、初めて潜水艦が動くわけです(もちろんすべてを同時にはできないので、一部はオート操作も可能です)。

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 これが本作の魅力でありつつも、ゲーム的には難しいポイント。潜水艦ゆえソナーと潜望鏡を頼りに海底を進んでいくのですが、ちょっと操縦を間違って海底に船体をぶつければ、穴が開いて浸水開始。水を排出しつつ穴を塞ぎ、水に浸かった設備を修理したりと、細かな修理だけでもクルーの活動が必要です。

 ちょっと色気を出して潜水艦の速度をあげようものなら、エンジンが熱暴走を起こし大爆発! クルーは死亡し、船体には大きな穴開き絶望的な状況に……。などなど、潜水艦とともにサバイバルする必要があるのです。ときにはエイリアンが潜水艦に侵入してくることもあり、白兵戦に発展することもあります。

 慣れるまでは難しいですが、航海するたびに毎回ドキドキのドラマが待ち受けているのが、『Barotrauma』の醍醐味でしょう。ちなみにマルチプレイは協力プレイのほか、クルーの中にひとり裏切り者がいるという対戦モードもあります。

おすすめインディーゲーム27選。担当ライターが推す2019-2020冬の良作【後編】_04

『Legal Dungeon』

プラットフォーム:PC
メーカー:Somi
開発元:Somi
価格:3190円[税込]
※Steamサイトはこちら

 刑事となり、捜査書類を作成していく一風変わったアドベンチャー『Legal Dungeon』。プレイヤーはさまざまな事件の捜査資料を読み、法令と判例をもとに、裁判に使用される最終的な捜査意見書を制作するのが目的です。

 捜査資料には無数の手がかりが散りばめられており、そこから意見書をまとめていくわけですが、被疑者が起訴不起訴になるのかはプレイヤーに委ねられています。仕事に忠実にといいますか、法令にすべて従って判断を決めたのに、なぜか法令と異なる判例が過去にあったり、法令に記載のない判断を迫られる、被疑者が権力に守れた存在であるなど、さまざまな問題にぶつかります。

 もちろん実際に判決を下すのは裁判であり、判断を決めるのは検察なので、意見書はあくまで参考テキストでしかありませんが、意見書の制作により主人公の立場、ストーリーの分岐、エンディングなどさまざまな場に影響します。

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 裁判モノと言えば『逆転裁判』のように、矛盾を解き明かして真実を見抜く爽快感、達成感が魅力ではありますが、本作の魅力はそこではありません。警察自体は被疑者を検挙したのだから必ず起訴したいという思惑や、複雑な内部事情もあります。検察は検察で、正当な判断を下したいわけで。本当の“正義”とは何か? ということを模索しながら、プレイヤーは壮大な事件の謎に挑んでいくのが魅力なのです。

 物語のつながりはフィクションですが、事件の判例はすべて実際に韓国で起きたできごとなので、リアリティはバツグン。日本語版は登場人物も日本人になっているので、交通ルールの違いくらいをかみ砕けば、物語の舞台を日本として遊べます。

 なお、最初は丁寧に事件の真相を明かしていくのがオススメです。そうすればひとつのエンディングに辿り着きますが、「えっ、あの謎は何なの?」という疑問がプレイヤーにきっと生まれるでしょう。そこからが本作のスタートと言えるでしょう。

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『Overdungeon』

プラットフォーム:PC
メーカー:Leiting Games
開発元:POCKET PAIR
価格:1480円[税込]
※Steamサイトはこちら

 ローグライクとタワーディフェンスとカードを融合させた『Overdungeon』。プレイヤーは3人のヒーローの中からひとりを選び、ダンジョンを攻略していくデッキ構築型のカードゲームです。

 カードの効果はさまざまですが、基本的には敵リーダーへ直接ダメージを与える“攻撃カード”、サポートカードの“魔法カード”、敵リーダーの攻撃の囮や、攻撃などに使える“ユニットカード”、トラップや自分を守ってくれる“建物カード”の4種類を駆使して戦います。

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 バトルのフィールドにユニットを配置しながら建物や魔法で防衛、またはサポートしつつ、敵リーダーを倒してダンジョンをどんどん突き進み、攻略していくのが基本の流れ。ユニットの数はデフォルトでは最大300設置できますが、オプションで無限にすることも可能で、無数のユニットがわらわらと戦ってくれます(そのぶん、高いPCスペックが要求されますが)。

 デッキ構築系のローグライクはいくつかありますが、アクション要素が強いのは本作の大きな特徴。敗北してもコンティニューなども可能なので、難度は比較的低いです(一部モードでは使えなかったりします)。深く考えてカードを慎重に出すゲームというより、強いカードを集めてはバンバン場に出す感じのゲームです。

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 デッキ構築型ゆえ、カードのコンボを決めるのは運に左右されますが、うまくハマれば超絶最強のデッキに仕上げられるのが本作の醍醐味。たとえばユニットが踏むと自分の攻撃力の上がるトラップ、ヒヨコが出現するトラップを設置すれば、ヒヨコがトラップを踏めば踏むほど自分の攻撃力がアップ! そこからレリック(所持するだけでバトルに影響のあるアイテム)の所持数ぶんだけ攻撃するカードを使えば、1発万単位の怒涛の連撃を決められるなど、ものすごいコンボが決められます。

 うまくデッキを構築していき、「よし、ゲームバランスをぶっ壊した!」という達成感は、唯一無二の味わいですよ!

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