強大すぎた旧ラスボス“暗黒の魔法使い”のスゴさを改めて解説!

 2019年12月11日、日本サービスイン17年目を迎えたネクソンのPC用オンラインRPG『メイプルストーリー』に、大型アップデート群“GLORY”が実装開始となった。

 システムが遊びやすく改変されたり、新キャラ“虎影”が実装されたりと、大きな変化をもたらす“GLORY”。このアップデートでとくに注目すべきは、“新たなストーリー”の実装だ。

 ところで、

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この記事は『メイプルストーリー』の提供でお送りします。
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バッ!
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こんにちは。ファミ通.comのミス・ユースケと申します。

 オンラインRPGのストーリーってややこしくない!?

 いつまでもお話が完結しないのがオンラインRPGのいいところだが、ストーリーが壮大過ぎて覚えきれないと常々思っている。

 スケールの大きな世界にアクセスして生活や冒険をするのがオンラインRPGの基本的な仕組みだ。何らかの事件やボスなどがアップデートで追加され、物語は膨らんでいく。
 
 世界設定を知っていれば頭にスッと入るが、サブシナリオが追加されるときもあったりして、全体像を把握するのは少し難しい。

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いつまでもお話を楽しめるという意味で、RPG好きにとっての楽園とも言える。

 たとえば『メイプルストーリー』。

 10年以上前にラスボス的な存在として“暗黒の魔法使い”の存在が示唆され、ひとつ前のアップデートで討伐するまでが描かれた。12月11日のアップデート“GLORY”からはその先のお話が追加される。

 アップデートを機に始めようという人も、10年の重みと暗黒の魔法使いの恐ろしさを知ることで、さらにわくわくできることは間違いない。

 そこで、初期の設定をある程度把握しているライターのカイゼルちくわさんに、メインストーリーの流れや設定面を整理してもらった(すごい公私混同だという自覚はある)。

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ストーリーが気になる人は公式サイトへ。
アップデート“GLORY”特設サイト

ラスボス的な存在“暗黒の魔法使い”とは?

 メインストーリーの中でつねにプレイヤーの道に立ち塞がり、さまざまな陰謀を張り巡らせてきた最強の敵。それが“暗黒の魔法使い”だ。

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 ひとりで万軍に匹敵する“軍団長”たちを手駒として操り、プレイヤーが計画を阻止しても、「そうなることはわかっていた」と言わんばかりの余裕を貫き続けた(実際にわかっていたようなのでさらにタチが悪い)闇のカリスマ。

 各キャラクターの重大な過去や背景、世界の異常や大事件など、『メイプルストーリー』の物語の多くに暗黒の魔法使いは関わっている。このラスボスがどれほどトンデモな相手か、まずは簡単にまとめてみた。

10年以上ラスボスを勤め上げた

 「24時間戦えますか」どころの話ではない。暗黒の魔法使いは10年以上も戦い続ける剛の者だ。

 サービスイン当時から、ファンタジーの王道とも言える冒険ストーリーや各種のクエストは存在していた。2009年の“シグナス騎士団”の実装頃から、より深く世界観を掘り下げる設定や、ストーリー展開に合わせた新キャラクターが増えていく。

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“冒険者”群のキャラクターや“ビーストテイマー”などは、それぞれの目的を持ちつつも、この世界を自由に冒険していく。『メイプルストーリー』のストーリーを初体験する人にオススメだ。
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メイプルワールドの最重要人物とも言える“女王シグナス”を守る精鋭“シグナス騎士団”。世界の秩序を守る彼らの視点が入ったことで、暗黒の魔法使いの陰謀がつまびらかになっていく。

 “暗黒の魔法使い”という名前が登場したのは2007年頃。およそ12年間、ストーリーの背後に影をちらつかせつつも決して追いつけず、倒せなかったというだけでも、とんでもない相手であることは理解できるだろう。

 なお、ストーリー上で打倒されているだけであって、ゲーム内では暗黒の魔法使いに6人で戦いを挑める。2019年12月10日現在、日本で彼を倒せたパーティーはまだ存在しない。

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そもそも倒すと世界がヤバい

 悪の元凶である暗黒の魔法使いだが、じつは倒すと世界の均衡が大きく崩れてしまうのだ。この後に解説するが、彼の正体は世界の均衡の一端を担う“超越者”なのだ。

 そもそもそんな強大な存在を人間たちの手で倒せるのか、という問題もあるが……。

すべて計画通り!

 超越者である暗黒の魔法使いは、その力と智略で壮大な計画を用意していた。英雄たち(後述)の活躍で計画は失敗に終わったように見えたが、阻止されること自体が計画のうちだったのだ。

 『メイプルストーリー』が16年かけて歩んだ物語は、彼の壮大すぎる計画そのものだったとも言える。

壮大な物語を総復習。暗黒の魔法使いはいかにして世界に挑んだか

 続いて、“メイプルワールド”の世界観と、暗黒の魔法使いが闇の軍勢を率いて世界に戦いを挑むことになった理由を解説しよう。

暗黒の魔法使いの目覚めと超越者たちの黄昏

 『メイプルストーリー』の舞台“メイプルワールド”は、“時間”、“生命”、“光”の3つの要素によって成り立っている。

 これらをそれぞれ司る神(オバシア)の代理人として、世界の均衡を保っているのが“超越者”だ。超越者となる者は、何かのきっかけで秘めた力を覚醒させたり、前の超越者を倒したりすることで、その座に着く。

 暗黒の魔法使いのもともとの呼称は“白い魔法使い”。究極の光の誕生と人類の完全進化を目指す人物だった。だが、世界の在りかたを変え得る研究と進化はオバシアに認められず、自由を奪われてしまう。

 拘束される中でたどり着いたのは、「光がある限り闇も存在する。究極の光など存在しない」という結論だった。逆に究極の闇ならば存在すると、“暗黒の魔法使い”として闇に落ちてしまう。

 彼はもとより光の力も持ち合わせていた。闇の存在でありながら、同時に“光の超越者”としても覚醒したのだ。

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暗黒の魔法使いが誕生した経緯は、メインストーリーだけでなく“ルミナス”のキャラクターストーリーでも触れられている。このように、重要な伏線がキャラ別のサイドストーリーに散りばめられていることも。

 超越者は偶発的に誕生するうえ、それぞれの自由意思を持っている。そのため、超越者同士が対立することも珍しくない。

 暗黒の魔法使いも、その例に漏れなかった。暗黒の魔法使いは世界の再創造を決意。まずはオバシアを超える力を手に入れ、それからオバシアや超越者のシステムによる不安定な世界を改めようとした。

 最初に警戒したのは、ほかの超越者の介入だった。時間の超越者ルィンヌと生命の超越者アリーシャを打倒し、不滅の存在である彼女たちを封印することに成功する。

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暗黒の魔法使いとルィンヌに関わる物語は、“ゼロ”のストーリーで詳細を確認できる。暗黒の魔法使いがどこまで先を見通していたのだろうか(実際に未来視の能力が持っている節があるが……)。
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生命の超越者アリーシャについては、彼女が準備していた生命保存の塔“ザ・シード”をテーマにしたダンジョンで少し触れることができる。

英雄の活躍。だがそれも計画通り

 止める者がいなくなったと思われた暗黒の魔法使いの覇道。だが、配下の裏切りや6人の“英雄”の活躍によって失敗に終わる。暗黒の魔法使いは時間神殿に封印されることとなった。

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かつて暗黒の魔法使いと戦い、呪いによって封印されていた“英雄”たち。彼らもプレイアブルキャラクターなので、それぞれの独自の視点から、暗黒の魔法使いとの戦いの物語を追体験できる。

 だが、こうして封印されることすら計画の一部だった。

 光の超越者が封印されて不在となったことで世界は均衡を失い、自衛作用によって異世界“グランディス”と融合。安定を取り戻そうとし始めた。

 グランディスワールドとメイプルワールドを結ぶゲートの出現や、融合し変貌してしまった地帯、変わり果てたモンスターなど、さまざまな影響が世界に出始める。

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ふたつの世界が融合し、グランディスワールドから英雄たちがメイプルワールドへとやって来る。グランディスはストーリー新章のカギを握る場所。彼らのストーリーには新章への伏線がこれでもかと散りばめられているぞ!

 不安定になったメイプルワールドには、グランディス以外にもさまざまな異世界が接触し、世界各地で変化が生じていった。

 そう、『メイプルストーリー』の数々のアップデートは、不安定になったことによる世界の変化を表しているのだ!

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和風な世界観の“暁の陣”からやって来た“ハヤト”と“カンナ”など、ほぼ完全な第三者視点からストーリーを楽しめる職業も存在。“これらの世界との接触=アップデートによる世界の変化”と考えると興味深い。
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ハヤトたちとはまた別の異世界の住人“キネシス”。

メイプル連合誕生! だが計画は止められず……?

 世界が不安定になったことで、空座となった光の超越者の居場所へと、万物を構成するエネルギー“エルダ”が流れ込んいく。頃合いを見計らうかのように(実際に未来を見通して知っていた可能性もある)、封印から500年後の現代、軍団長の手によって暗黒の魔法使いは復活した。

 暗黒の魔法使いの世界再創造の計画は、ここからさらに加速していく。彼の勢力に対抗する“レジスタンス”や“シグナス騎士団”の善戦もまた、暗黒の魔法使いにとっては計算内の出来事だった。

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暗黒の魔法使いの勢力に果敢に立ち向かう“レジスタンス”の快進撃も、プレイヤーキャラクターとして楽しめる。
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レジスタンスたちの快進撃もまた暗黒の魔法使いの計画のうち。むしろ彼は「自分に歯向かい、倒そうとする者」の成長を望んでいたのだ。

 暗黒の魔法使いの危険性を見抜いた女王シグナスは、英雄たちに協力を要請して“メイプル連合”を結成した。

 メイプル連合は軍団長たちを打倒し、いよいよ暗黒の魔法使いが“最後の儀式”を行なっているとされる地“エスフェラ”への血路を切り開く。

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女王シグナスもまた『メイプルストーリー』の物語における最重要人物のひとり。本来なら存在しないはずの“4人目の超越者”なのではないかと目される不思議な力を宿しているが、その詳細は不明だ。
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物語の最終局面でゲーム内に実装されたエスフェラエリア。最終決戦へと突き進む雰囲気を、ゲーム内で存分に味わえる。

 暗黒の魔法使いの最後の儀式、それはグランディスワールドの“光の超越者”の力を奪うことで、オバシアに匹敵する力を手にするというものだった。

 間一髪でその場に駆けつけたプレイヤーたちが、力を奪われる前にグランディスの光の超越者ターナ(アイオナ)を殺めてしまえば、暗黒の魔法使いの計画は潰える……はずだった。

 だが、涙するターナを前に、その手を止めるしかなかった。結果、儀式は完遂され、暗黒の魔法使いは溜め込んだエルダによる世界再創造のエネルギーと、オバシアの枷を逃れて完遂する力の、両方を手に入れることとなった。

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ついに最終決戦! 主人公に託されたものとは?

 暗黒の魔法使いが世界再創造を行なう場所“アーケインリバー”の情報を手に入れ、最後の戦いに向かうメイプル連合とプレイヤー。激戦の末に対面した暗黒の魔法使いは、超越者であるため不滅の存在であることが判明する。

 だが、希望もまた残されていた。プレイヤーはここに至るまでのメイプルワールドを巡る冒険の中で、各地の“封印石”に関わっていた。封印石には世界が危機に瀕した際に世界を再生する力=“創造の力”を秘めたものだった。

 それらに触れ、創造の力を身に宿したプレイヤーだけは、暗黒の魔法使いを倒せるのだという。

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さまざまな事実が判明し、物語が終焉へと向かっていく“アーケインリバー”。難度だけでなく、ストーリーにおいても最高潮を迎えるマップだ。

 激しい戦い(ストーリー実装当時には、サーバー内の全プレイヤーが一致団結して暗黒の魔法使いと戦うという熱い展開があった)の末、暗黒の魔法使いはついに倒される。

 これで大団円かと思いきや、そういうわけにもいかなかった。そもそも超越者である暗黒の魔法使い本人もまた、彼にとっては消えるべき旧世界の一部だからだ。だからこそ彼は、自身を滅ぼせる存在の成長を促し、その眼前にたどり着けるように誘導した

 だが、世界再創造は行なわれなかった。

 人類が世界の枷から逃れることを願い続けた暗黒の魔法使い。彼は主人公に問いかける。

 主人公の思いを聞き届けた白い魔法使いは、「その気持ちを忘れないでほしい」と言い残し、世界再創造を中止する。そればかりか、力の反動で消滅しつつあった主人公を救い、消えていった……。

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新章の情報を分析。さらに恐ろしい敵が出現!?

 12年のあいだボスとして君臨し続けた暗黒の魔法使いとの戦いは終止符を打った。彼はなぜ世界の再創造をしなかったのか。そして、主人公にどんな想いを託したのか。今後のストーリーにも大きく関わりそうな記憶を残していった。

 光の超越者が倒されたことにより、メイプルワールドの不安定さはさらに加速しつつある。アップデート“GLORY”以降のストーリー新章では、そんな激戦の後も続く危機的状況から物語が描かれていく。

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 最初のチャプターとなる“The Day After”では、暗黒の魔法使いに勝利したことを各陣営が祝う中、女王シグナスから並外れた力を持つ者たちの特殊チーム“グローリオン”を結成するとの報せが届く。

 主人公=プレイヤーであるそれぞれの英雄たちは、つかの間の平和の時間から新たな激動へと身を投じることになる。

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 その一方で、チャプター“Borderless”では、暗黒の魔法使いが残した“コア”を研究していたハインズ老が失踪。元暗黒の魔法使いの配下で、幽閉中だったウィルから“コア”を受け取った後、彼に一体なにが起こったのか。彼の弟子であるエルウィンとリリーとともに、主人公はその行方を追う。

 その冒険の始まりの中で、世界の在り方や時代そのものの変化といった大きなうねりや、ルシードなどといったこれまで登場してきた主要キャラクターにも関わっていく、新たな物語が展開するようだ。

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 新章のストーリーだけでなく、これまでのストーリーの中で、すでに“暗黒の魔法使いよりも恐ろしい相手”の陰は見え隠れしていた。

 グランディスワールドの超越者“ゼルン・ダルモア”である。

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形の上では暗黒の魔法使い=光の超越者を倒したことになる(つぎの超越者になる条件を満たしている?)主人公や、謎の力に覚醒しつつある女王シグナスが、ゼルン・ダルモアへの対抗手段となり得るのだろうか……?

 簡単に言えば、ゼルン・ダルモアは暗黒の魔法使いよりもすべての面でヤバい。以下、簡単にではあるが、現在の段階で判明しているそのヤバさを解説しよう。

暗黒の魔法使いの真意を唯一見抜いていた!

 イベントシーンの最後などに、彼の配下が、彼が暗黒の魔法使いの真意を知っているかのような発言を残していた。つまり、すべて見通していたと思われた暗黒の魔法使いの計画はゼルン・ダルモアにはすでに知られていたのだ。

 彼がその気になれば阻止もできたのだが、見逃されていたということになる。

生命と時間の超越者!

 生命の超越者であるゼルン・ダルモアだが、時間の超越者クロニカの力も奪い、使いこなしていると思われる。この時点でゼルン・ダルモアは光の超越者である暗黒の魔法使いを凌ぐ権能を持っているわけだ。

 そもそも、生命と時間を自在に操れるという時点で、どうやっても倒せないのではないだろうか……。さらに、グランディスワールドやメイプルワールドのほかの超越者は、先の戦いでいずれも消滅、あるいは封印されて衰弱したままなので、ゼルン・ダルモアに対抗する手段にはならないと思われる。

戦闘民族の長!

 じつは心優しかった暗黒の魔法使いとは異なり、ゼルン・ダルモアは“ハイレフ族”という強大な戦闘民族の長。「生命を尊重していない」と断じた相手を容赦なく滅ぼしていく中で、超越者として覚醒した過去を持つ。

 この辺の経緯は、グランディス出身のキャラクターたちのストーリーで詳しく知ることができる。もし彼が本気でメイプルワールドの侵略を考え出したら、いまのメイプル連合ではまず止められないだろう。

 グランディスワールドもたいへんなことになりかねない暗黒の魔法使いの計画をなぜ止めなかったのか、その真意が非常に気になるところだ。

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形の上では暗黒の魔法使い=光の超越者を倒したことになる(つぎの超越者になる条件を満たしている?)主人公や、謎の力に覚醒しつつある女王シグナスが、ゼルン・ダルモアへの対抗手段となり得るのだろうか……?

 今後のストーリーでは、この強大なゼルン・ダルモアへの対抗手段をどう探していくのか、そもそもゼルン・ダルモアはメイプルワールドとグランディスワールドをどうするつもりなのか、その辺を探る展開に要注目だ。

 超越者であるゼルン・ダルモアを倒すとグランディスワールドは均衡を失い、融合しつつあるメイプルワールドは今度こそ崩壊しかねない。ひょっとしたら、暗黒の魔法使いはこの先の未来さえも見通して、主人公に何かを託したのかもしれない。

 さまざまなキャラクターの暗黒の魔法使いとの戦いの物語を体感することで、今後のストーリーを予想し、さらに深く楽しむ材料にしてほしい!

新たなストーリーを楽しめる46番目のキャラクターも新登場!

 これまで解説してきたように、メインストーリーのほかにも各キャラクターやダンジョン、イベントなどで、充実したサイドストーリーも楽しめるのが『メイプルストーリー』の魅力のひとつ。

 この冬、そんな楽しみがさらにひとつ増える。46番目の新キャラクター“虎影(こかげ)”が12月24日に実装されるのだ!

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 虎影はグランディスワールドに住まう獣人種族“アニマ”の一員。彼の存在もまた、今後の物語をより深く楽しむためのスパイスになるだろう。

 キャラクター詳細や、実際のゲーム内での性能やプレイインプレッションについては、別の記事で後日紹介する予定だ。

 レベルアップ支援イベント“テラバーニング”で育成が楽になっているいまこそ(2020年2月26日まで)、多くのストーリーを体感していただきたい。多角的に見るほど、本作のストーリーの奥深さが際立つ。1周だけで済ませるのはもったいないぞ!

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