スマートフォン向けの人気位置情報ゲーム『ポケモンGO』(Pokémon GO)に、“バディアドベンチャー”と呼ばれる新しいAR機能が今後数ヶ月以内に登場することが発表された。

 この機能は現在の『ポケモンGO』のARカメラ機能から一段押し進めたマルチプレイ&クロスプラットフォーム対応の技術となっており、AR空間に出したポケモンを他のプレイヤーもARカメラを通じてリアルタイムに認識できる。

 これにより“ARで出したピカチュウにきのみをあげようとすると寄ってきて、スマートフォンを通じてなでられる”といった一対一のやり取りに留まらず、“iOSかAndroidかを問わず複数のプレイヤーがそれぞれポケモンを出してグループ撮影する”といった事まで可能になる。

スポットの提案プログラム“Niantic Wayfarer”が来週ワールドワイドで解禁

 また、ユーザーコミュニティがポケストップやジムなどにふさわしい興味深い場所を提案する仕組み“Niantic Wayfarer”(予告自体は先月行われ、一部ユーザーにテスト解禁されていた)が、来週よりワールドワイドに解禁されることが発表された。

よりARキャラクターが現実世界に溶け込む技術も開発中

 今回発表された機能は、本作をゲームフリークと共同開発するNianticが昨年発表したAR技術“Niantic リアルワールドプラットフォーム”を活用したものとなる。

 この技術にはARキャラクターをより自然に現実世界に溶け込ませるための画像認識技術なども含まれており、アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコにあるNiantic本社で行われた発表会では、オクルージョン(現実の障害物や人による遮蔽)の処理についての最新デモ映像なども披露された。

 これは、以前公開されたピカチュウとイーブイが町中を動き回る(その姿が正しく遮蔽物を考慮して描写される)というデモ映像の延長上にあるもので、イエティ風のオリジナルキャラクターが壁や人や扉などを正しく認識して歩いているのがわかる。将来的にはこういった技術も製品レベルに入ってくることだろう。

地域の小規模なお店もコラボ可能に

 日本でセブンイレブンやマクドナルドなどと行われたコラボに参加したことがある人も多いかと思うが、ああいった取り組みを地域に根ざしたより小規模なお店に対応させる“スポンサード・ロケーション”の拡大も発表。まずは米国で12月からの開始を予定しており、本日からアーリーアクセスβプログラムの登録が開始されている。

AR・位置情報アプリの開発者の支援策も

 さらにNianticでは、ARや位置情報技術を使う外部の開発者を支援するNiantic クリエイタープログラムを来年初頭よりワールドワイドに開始する。

 このプログラムに参加すると、『ポケモンGO』や『ハリー・ポッター:魔法同盟』の開発を通じて築いてきたNiantic リアルワールドプラットフォームの開発キットが利用できるほか、場合によっては“Niantic Beyond Reality Fund”からプロトタイプ開発から製品化までの出資を受けられるとのこと。

 この支援策は、昨年募集されて今年にかけて行われた開発コンテスト“Beyond Reality”を拡大したものとなっている。開発者コミュニティとの連携を統括するHead of Developer Relationsには『風ノ旅ビト』などで知られるthatgamecompanyの共同創設者でインディーゲームコミュニティにも顔が広いケリー・サンティアゴ氏が就任しており、AR技術の開発キットを提供するAppleやGoogleとはまた異なるユニークな展開を見せていきそうだ。