HAL Eggブランド第2弾タイトル『歩数で勝負!!カメさんぽ』が配信スタート

 『星のカービィ』や『ハコボーイ!』シリーズなどで知られるハル研究所が2017年秋に立ち上げた、スマートデバイス向けブランド“HAL Egg”より、第2弾タイトル『歩数で勝負!!カメさんぽ』(以下、『カメさんぽ』)がリリースされた。

 本作は、スマートフォンに記録される歩数をもとに、個性豊かなカメたちとの競走を楽しめるアプリ。ただ、競走といっても煩雑な操作や難しいテクニックは必要とせず、基本は普段通りに歩いているだけでOKという究極の“緩ゲー”となっている。

 アクションゲームの制作で定評のあるハル研究所が贈る新作『カメさんぽ』とはどのような作品なのか。ゲーム内容とともに、開発担当者のインタビューをお届け!

『カメさんぽ』ってどんなゲーム?

 足の速いウサギと歩みの鈍いカメが競走を行い、先行したウサギが気を抜いて居眠りしているところをカメが追い抜いて勝利するという有名なイソップ寓話、“ウサギとカメ”。

 この『カメさんぽ』は、この“ウサギとカメ”をモチーフにした歩数競走ゲーム。プレイヤーは寓話のウサギと同じように、カメを相手に競走をすることになる。

『歩数で勝負!!カメさんぽ』がリリース開始! ハル研の基本放置OKゲームについて概要と開発者インタビューを紹介_02
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さんぽ競走は、1日で歩いた歩数を競いあうという勝負。アプリを閉じていても歩数はカウントされるので、普段は放置しておいても大丈夫。
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寓話同様、カメたちは歩みを止めることなくひたすら歩き続けている。プレイヤーは、レース終了時間の時点でカメよりも多く歩いていれば勝ちとなる。
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競走相手のカメを引き戻す“つりざお”や、プレイヤーの歩数を一定時間増加できる“ブースト”といったお役立ちアイテムを使えば、さらに有利に競走ができるように!
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競走で負かしたカメは、“カメずかん”に登録され、トモダチになってくれる。トモダチになったカメは、プレイヤーが歩けない時間に代走を頼むこともできるのだ。
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こちらは、さんぽ競走をナビゲートしてくれるウサギのイナバ。ゲームの要所で、基本的な遊びかたやいろいろな情報を教えてくれる。

 と、ここまで説明したように、本作は対戦相手となるカメとの歩数競走に勝利することが目的となる。

 ただ、一度競走がスタートしてしまえば、あとは何も気にしなくても、普段通りの生活をしているだけで、勝負ができているというのが本作の肝となっている。

 つまり、レースを始めてさえしまえば、あとはアプリのことを気にせずに普段通りに生活するだけでオーケー。途中で競走経過を確認したり、お役立ちアイテムを使うといった操作は行えるが、競走終了時間まで何もしなくても問題ないという緩さが、本作最大の特徴と言えるだろう。

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レースは基本的に1日(23時間)勝負。競走相手のカメは、プレイヤーの“さんぽレベル”に合わせた目安歩数に近い歩数を23時間かけて歩いてくる。この“さんぽレベル”は、プレイヤーの日常歩いている歩数を目安に算出されるため、誰でもちょうどよいバランスの勝負を行うことができるのだ。
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基本放置オーケーとはいえ、カメずかんやトロフィーのコンプリートなど、やり込める要素もしっかり用意されている。

 1日の隙間時間を使って遊びまくるタイプのコンテンツと異なり、誰しもが毎日歩いている歩数データをもとにコミカルなカメたちとの競走を楽しめるのが、この『カメさんぽ』というわけだ。

『カメさんぽ』開発者に本作の開発の経緯や魅力を聞いてみた

 ここからは、『カメさんぽ』の開発を手掛けたハル研究所の野口達也氏(ディレクター)と、川上雄太氏(デザイナー)のインタビューを紹介。本作を制作することになった経緯や、開発時のエピソード、注目ポイントなどを紹介していこう。

野口達也

『歩数で勝負!!カメさんぽ』ディレクター

川上雄太

『歩数で勝負!!カメさんぽ』デザイナー

――まず始めに、本作を制作することになったきっかけや経緯を教えてください。

野口ちょうどこの前に手掛けていたプロジェクトが終わった頃、先輩との雑談で「つぎ何を作りたい?」って話が出ていたんです。その中で、カメと競走するゲームのアイデアを聞いたところ、おもしろそうだったので企画プレゼン用のサンプルと資料を制作しました。それ会社に提出してみたところ、うっかり稟議が通ってしまったという……(笑)。

――社内公募といったものではなく、雑談で生まれてきたんですか?

野口雑談がきっかけではありますが、ちょうど企画の社内公募が行われていたタイミングでしたので、それに合わせて企画を提出しました。

――その企画を出されたのは、いつ頃のお話ですか?

野口いまから丁度2年くらい前です。

――最初の段階から川上さんとはいっしょにやられていたのですか。

野口そうなりますね。開発が始動してから数ヵ月は、僕ひとりで制作をしていました。川上さんには、途中から加わってもらっています。じつは、最初のプレゼン資料を作成するときに「何でもいいのでカメの絵を描いてください」ってお願いをしていたんです。そのときはこのプロジェクトが本格的に始動するなんて思ってもいなかったのですが、その後社内稟議が通り、制作が進んでいったところでデザイナーに参加してもらう必要が出てきたため、川上さんにお願いしてチームに加わってもらいました。

川上最初に声をかけられたときは、何の説明もなくいきなり「カメの絵を描いてよ」って言われましたね(笑)。話を聞いてみると、歩数を使って競走するアプリのキャラクターだということで、それならと電動2輪車に乗ったカメの絵を描きました。

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野口氏に依頼されて最初に描いたカメのイラスト。よく見ると、乗っている二輪車のタイヤ部分が甲羅になっているが、言われてもカメには見えなそうな珍デザイン。のちに、競走相手のひとり、カメーイとして登場することになる。

――これがいちばん最初に描かれたイラストなんですね。一見しても、カメには見えませんね(笑)。

川上僕は割とひねくれた絵が好きなので、普通に歩いているカメを描くよりも、こんな風にしたほうがおもしろいんじゃないかって思って描いていました。

野口このイラストを最初に見たとき、僕の想像を超えていてビックリしました。突っ込みどころがありすぎですよね(笑)。歩数競走だって言っているのに乗り物に乗っていて、何よりも甲羅を背負ってませんし。でも、これはすごくおもしろいなと思い、川上さんにデザイナーのオファーをしたというわけです。

――そんな経緯があって、本作の開発チームに加わられたんですね。

川上そうなります。ただ、正式にチームに加わってから本格的にカメのイラストを描いていくことになったのですが、どうやったら個性的なキャラクターになるのかを考えながら、とにかく大量に描きましたね。この『カメさんぽ』はキャラクターのアクションやアニメーションといった要素が皆無といっていい作品ですので、見て楽しめるデザインにしなくてはなりません。いろいろと悩んでいたのですが、カメの特徴を見てみると、思った以上に首が長いんですよね。そこで、その特徴をフィーチャーしつつ二足歩行にしてみたらどうだろう……といったアイデアから生まれてきたのが、こちらのキャラクターです。

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最初の競走相手となるウラシマの初期デザイン。最初は何も着ていない状態だったところ、タートルなのでタートルネックを着せてみたらどうだろうとのアイデアで、このスタイルになったとのこと。
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こちらは、競走の説明をしてくれるウサギのイナバの初期デザイン案。世の中に星の数ほど存在しているウサギのイラストとの差別化を図るため、さまざまなイラストが描かれていた。

――ハル研さんといえば、カービィやキュービィ、UFOなど、どのキャラクターも皆コスチュームチェンジや形状変化をすることが特徴のひとつだと思いますが、『カメさんぽ』のキャラクターには着せかえ的な要素はありますか?

野口いくつか実現したいアイデアは持っているのですが、今後の反響によって考えさせてもらえたらと思います。

――それでは、全国対戦やランキングモードの搭載などは考えていますか?

野口本作はあまり手間暇をかけずに、のんびりと遊んでもらうことをコンセプトにしていますので、つねにスマホを確認しなければならないような機能は極力廃したいと思っています。ただ、こちらも今後の反響によって実現することができたらいいですね。

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――プレイするための時間を作ったり、つねにスマホに注目するようなスタイルは求めていないということですか。

野口そうですね。この『カメさんぽ』を遊ぶのに、いつもよりたくさん歩く必要もありません。また、健康になる……ということも売り文句にはしていません(笑)。普段の生活で歩いている歩数を使って、ちょっとだけ楽しんでもらえさえすれば、それでいいんです。

――あまりがむしゃらに意識してプレイするというより、朝起きて出かける前に競走をスタートして、夜帰ってきたときに結果を見る……といった、ついでプレイを推奨するというわけですね。それでは最後に、ユーザーに向けて本作のアピールポイントを教えてください。

川上本作に登場するカメたちですが、みんな対戦相手となるため、プレイヤーに負けたくないと思ってもらえるように小憎らしい表情を意識してデザインしました。どこまで愛してもらえるかわかりませんが、お気に入りのカメを見つけて、仲良くなってあげてください。

野口普段の生活を変えることなく、気軽に遊んでもらえる作品ができたと思っています。この『カメさんぽ』で、皆さんの毎日の生活の中に、ちょっとだけ楽しいことが増えてくれたらうれしいですね。ほとんど手間はかかりませんので、ぜひダウンロードして遊んでみてください。

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歩数で勝負!!カメさんぽ
配信日:10月8日配信
価格:基本無料(一部アイテム課金あり)
対応端末:iOS 9.0以上/Android 6.0以上

『歩数で勝負!!カメさんぽ』App Store 『歩数で勝負!!カメさんぽ』Google Play
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HAL Eggとは

『星のカービィ』や『ハコボーイ!』シリーズなどで知られるハル研究所が2017年秋に立ち上げた、スマートデバイス向けブランド。同年11月14日には完全買い切り型の第1弾タイトル『はたらくUFO』をリリース。ハル研究所らしいユニークなテイストが満載のアクションゲームとして、ストアで高評価を受けている。

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“育てる”、“繫がる”といった意味を込めたハル研究所のシンボルマーク“犬たまご” (写真左)。“HAL Egg”のロゴマーク(写真右)は、このタマゴから新たな芽が出ているかのような意匠を採用している。