2019年9月12日から9月15日まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2019(12、13日はビジネスデイ)。
最終日となる9月15日、ハピネットブースにて、2020年春に発売予定のNintendo Switch用ファンタジーウォーシミュレーション『ブリガンダイン ルーナジア戦記』のスペシャルトークステージが開催された。その模様をお伝えしていこう。
豪華クリエイター陣が挑む、重厚かつ荘厳なファンタジーの味わい
ステージに登壇したのは、ハピネットよりプロデューサーの五十嵐一開氏、シナリオを手がける寺田憲史氏、アートワークおよびキャラクターデザインを手がける風間雷太氏、音楽を手がける佐藤天平氏、開発を行なうマトリックスより大和田智史氏。
寺田氏は過去に『ファイナルファンタジー』シリーズのシナリオを、風間氏は『パズル&ドラゴンズ』や『ゼノブレイド』のキャラクターやモンスターのデザインを、佐藤氏は『魔界戦記ディスガイア』シリーズの楽曲を手がけたほか、2000年に発売された『ブリガンダイン グランドエディション』に続いて今作でも全楽曲を提供するオリジナルスタッフ。このように豪華スタッフによる最新作となる。
前作が約20年前に発売されて以来の新作発表というわけで、発表時にはファンの人からも驚きの声が『ブリガンダイン ルーナジア戦記』だが、この復活にはプロデューサーの五十嵐氏の熱い想いがあったのだそうだ。
五十嵐氏は1998年にハピネットに入社し、『ブリガンダイン』が大好きだったという。いずれは自分もそのチームに加わりたいと思っていたものの、その後は同社のコンシューマーゲーム開発が休止状態に。だが、それから時は流れて6年前、同社にもう一度コンシューマーゲーム事業を立ち上げようという機会が訪れ、そこで五十嵐氏が真っ先に提案したタイトルが、この『ブリガンダイン』だったというわけだ。
シナリオを手がける寺田氏は、前作は20年前のものにも関わらず今でもファンが多いこと、特に海外のファンも多いことを知って最初はプレッシャーを感じたのだとか。だが、寺田氏は昨今では韓国でサービスが提供されているあるMMORPGのシナリオを担当しており、その体験も活かし、ファンの皆様ががっかりしないようにシナリオ作りと向き合って、悪戦苦闘したそう。
本作の世界観について聞かれると寺田氏は、「人には二面性、三面性、四面性があるものだ」と普段から常々考えていて、例えば、普段は陽気な人でも孤独な時間を抱えていたり、表からは分からないところを持っていることがある、そういった表裏を物語やキャラクター設定作りに活かしたとのこと。
ゲーム中に登場するブリガンダインとは特別な鎧のことであり、それぞれに“正義” “高潔” “自由” “誇り” “自我”という名前が付けられているということだが、そこには二面性や葛藤があり、正義のブリガンダインを所持する人の行いが本当に正義であるのか悩んでいく、そういう群像劇になっているという。
また、本作はプレイヤーが国を選んでプレイするウォーシミュレーションなので、自分が使うときと、敵として登場するときとで、それぞれのキャラクターの見え方が変わってくる、そういう二面性もあり、繰り返し様々な角度から楽しめる物語になっているそうだ。
キャラクターデザインおよびアートワークの総合監修を行なっている風間氏は、寺田氏が手がけるシナリオや佐藤氏の作った楽曲を見聞きするうちに、本作のテイストに宗教的な信条やイデオロギーを感じ、デザインにも宗教絵画や装飾の手法を用いることに決めていったという。
宗教絵画では白、黒、金が特に使われるということだが、白と黒というのは寺田氏のシナリオの根底にあるキャラクターの二面性を表すのにもマッチしている色彩であろうということで、本作でも多く使っているのだそうだ。
また、絵柄のタッチそのものにも最初は悩んだそうだが、最終的には、あえて時代に逆行するように手描き感のある方法にしたという。それでいて、人間の群像劇を描くシナリオにあわせて、さまざまな表情を描いているので、特に表情の変化を楽しんでもらいたいということだ。
前作に続いて今作でも楽曲を手がける佐藤氏は、今回の楽曲のテーマをエピック・ファンタジー(叙事詩を語りつぐような荘厳なファンタジー調)というキーワードに決めて、構築していったのだという。メインテーマは導入に悠久の時を刻むようなリフレインを繰り返し、そこから物語を語り始めるようなメロディーを乗せ、そこから英雄が戦うダイナミックさを加えていったとのこと。このテーマ曲はフルオーケストラによる生演奏で収録したそうだ。
今作では約38曲を手がけているということだが、佐藤氏は一度完成したとして開発チームに送った曲も、再度手を入れ試行錯誤して、2回、3回とブラッシュアップしたものを送るのだとか。そのため、楽曲をチームに送った数としては100曲を越えるほどになっているそうだ。
ヘックスマップにターン制バトル、テンポの良さと遊び込み重視な本格ウォーシミュレーション
トークステージ後半には、実機でのプレイを交えながら、本作の特徴が解説された。
プレイされたのは、6つの勢力のいずれかを選び大陸の統一を目指すモード。難易度選択が可能で、イージーでは簡単にクリアができるものに、一方でハードではやりごたえがかなりあって考える面白さを味わえる高い難易度にしていきたいとのこと。なお、イージーでは例えば“一定の期間内にクリアしなければいけない”といったような制限もなくして、徹底して手軽に楽しめるようにするということだ。
部隊は「ルーンの騎士」がリーダーとなり、そこに最大で6体のモンスターを入れられる。武器や具の装備からクラスチェンジ、さらには各ユニットそれぞれに名前をつけることも可能で、育成やカスタマイズの要素も豊富に入れられている。
敵国とのバトルに入ると、ヘックスマップでのターン制バトルがスタート。各ユニットは全て3グラフィックスで描かれており、ズームや視点の回転も自在に行なえる。それでいて、敵味方の色をワンボタンで表示できるようにしていたりと、シミュレーションゲームとして遊びやすくする工夫もしっかり意識されている。
ユニットを移動させ、技を繰り出して攻撃するのだが、攻撃時にも画面の切り替わりはなく、その場で3Dモデリングのキャラクターが動いて技を放っていく。攻撃モーションを早送りすることもできるので、非常にテンポ良くプレイできるとのことだ。
攻撃の技にも様々な種類があり、強力な範囲攻撃もあるのだが、そうした技だと範囲内の味方を巻き込んでしまうものもあるので、使いどころやユニットの動かし方に、しっかりとした戦略性を持っているのが感じられた。
ちなみに、このステージで実演したのは前述のとおり6つの勢力のいずれかを選んで大陸統一を目指していく“ルーナジア戦記(メインモード)”だが、本作にはもうひとつ“1人の君主と9人の騎士、自らが選んだ10人の英俊豪傑”を選んで真の大陸制覇を目指す“異説の章(チャレンジモード)”があるのだという。
この“異説の章”がどんなモードになっているのかはまだ明かせないということだが、開発内部では“エンドレスモード”と呼んでいたときもあったそうで、1度大陸制覇しただけではゲームが終わらず、ひたすらに遊び込めるものになっているのだという。
また“異説の章”には“ストラテジースコア”というスコアリングの要素も現在開発中とのことで、例えばスピーディーに拠点を制圧するとスコア(得点)が入るなど、プレイ内容を評価してくれるという。そうした要素を意識しつつひたすらに遊び続けられるやりこみモードになるようだ。
ステージの最後に五十嵐氏は、20年前に前作を作ったオリジナルを手がけたスタッフに感謝の気持ちを述べるとともに、今作を最高のゲームに仕上げてヒットさせ、さらに新しいコンテンツを届けていけるようがんばっていくので、期待して頂きたいと意気込みを語って、ステージを締めくくった。
ブリガンダイン ルーナジア戦記 1stトレーラー
製品概要
タイトル:ブリガンダイン ルーナジア戦記
発売日:2020年春発売予定
価格:
・パッケージ版/ダウンロード版:7200円[税抜]
・Limited Edition:11800円[税抜](セット内容:オリジナルサウンドトラック「Music of Runersia」CD2枚組(音楽:佐藤天平)、ビジュアルブック「Art of Runersia」(イラスト:風間雷太)、攻略本「Tactics of Runersia」、風間雷太描き下ろし特装ボックス)
対応機種:Nintendo Switch
ジャンル:ファンタジーウォーシミュレーション
プレイ人数:1人(オンラインプレイ非対応)
CERO:審査予定
・『ブリガンダイン』公式Twitterアカウント
※本記事のゲーム画面は配信番組をキャプチャーしたものです。