ヴァンパイアが息づく退廃的な世界へようこそ

 2019年9月12日(木)から15日(日)の期間(12、13日はビジネスデイ)、千葉県・幕張メッセにて開催されている“東京ゲームショウ2019”。

 9月12日のDMM GAMESブースにおいて、スウェーデンのParadox Interactive社が提供するゴシックパンクRPG『Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2』の特別ステージが行なわれた。

・ファミ通com 東京ゲームショウ2019特設サイト

退廃的なゴシックパンクRPG『Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2』がPS4でリリース。シアトルの闇に潜む吸血鬼となれ【TGS2019】_01
アメリカのテーブルトークRPGの中でポピュラーな『ワールド・オブ・ダークネス』シリーズのひとつ『Vampire: The Masquerade』が原作。DMM GAMESとのタッグで、プレイステーション4版が2020年春に配信される予定だ。

 ステージの進行を務めたのはDMM GAMESの川島重徳氏。川島氏に招かれ、ステージには『Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2』のデベロッパーであるParadox Interactiveのチーフプロダクトオフィサー、ジュリアン・ウェラ氏が登壇した。

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DMM GAMESの川島重徳氏。
Paradox Interactiveのジュリアン・ウェラ(Julien Wera)氏。

 最初に、ジュリアン氏はParadox Interactiveという会社について簡単に解説してくれた。同社は20年来、都市建設シミュレーション『Cities:Skylines』などをはじめ、多岐に渡るジャンルの作品をリリースしてきた。

 もちろん、今後もさらなるタイトルを世に送り出していく予定。その中でDMM GAMESとタッグを組み、2020年に『Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2』を日本でも発売するに至った。

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ジュリアン氏からはトレーラー動画も紹介された。ヴァンパイア(吸血鬼)が実在する世界におけるシアトルが本作の舞台。
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ふつうの人々が暮らすシアトルの闇に潜み、表の世界をも手玉に取るヴァンパイアたち。血と陰謀にまみれながらも、この世界には怪しい美しさが漂う。

 そもそも前作『Bloodlines』はどんなゲームだったのか。それを解説してくれたのが、Paradox Interactiveのシニアプロデューサー、クリスチャン・シュリューター氏だ。

 氏は『Bloodlines』のゲーム性について語り、そこから本作の解説をしてくれた。

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Paradox Interactiveのクリスチャン・シュリューター(Christian Schlütter)氏。

 人間社会に異形の怪物たちが潜む。そんな『ワールド・オブ・ダークネス』シリーズの世界観を見事に体現した初代『Bloodlines』だ。

 クリスチャン氏いわく、2004年に発売された頃の『Bloodlines』はバグが非常に多く、そればかりかほかの大作と発売時期が被るなど、スタートは最悪と言わざるを得なかったという。

 それにも関わらず、いまや最高のRPGと称賛する声も少なくない。大きな理由として、ストーリーラインや魅力的なNPCとの会話のよさがあった。

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人間たちに正体を悟られないように暗躍し、確実に操り、支配していく。多くのプレイヤーが“マスカレードの掟”が生むダークな魅力の虜となった。

 2015年、Paradox Interactiveに開発会社Hardsuit Labsから『Bloodlines 2』の企画書が持ち込まれた。

 企画書によると、Hardsuit Labsのメンバーは本シリーズのコアファンばかり。さらに『Bloodlines』のオリジナルライターであるブライアン・ミッソーダ氏も企画に参加するという。「これは!」と思い、ゴーサインを出したとのこと。

 こうしてプレイヤーをヴァンパイアの世界へと誘うクラシックなアクションRPGが、いま再び目を覚ましたのだ。

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主人公は何者かの策略ですべてを奪われたヴァンパイア。動きかたや成長要素、選択肢など、すべての要素においてヴァンパイアとしての体験を楽しめるという。

 主人公はシアトルの街を徘徊し、血を求めて人間を狩る。その正体を人間たちに知られてはならない。この“掟”を破ったヴァンパイアは狩る側から一転し、同族に狩られる存在になる。

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もちろん、選択次第で自分の意思で“掟”を破る道も選べる。その先に待つのは……?

 そうした活動はひとりでできるものではない。シアトルにはさまざまな同族(NPC)が潜んでいる。

 ちなみに、シアトルは犯罪の歴史が古く、Hardsuit Labsがシアトルにあることを差し引いても、本作の舞台に最適の街だったとのことだ。

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シアトルには貧困と裕福、最新と過去の栄光、それらがすべて混在している。多様な考えかたを持つヴァンパイアたちが暗躍する街として最適なのだ。

 ヴァンパイアたちは、それぞれが“クラン”という家族のようなコミュニティーを作って協力し合っている。

 本ステージでは、『Bloodlines 2』に登場するクランの中から、先行して5つのクランが紹介された。プレイヤーは所属するクランによって異なる能力を得て、特異なゲーム体験を楽しめる。

 紹介されたのは、前作『Bloodlines』や原作となるテーブルトークTRPGにも登場したクランばかり。懐かしさのあまり、目頭が熱くなるファンもいるのではないだろうか。

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力とスピードに依存し、暴力と奔放を信条とする“ブルハー”。
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スーツを着込むなど古式ゆかしく、脅迫と人形使いの力に長けた貴族クラン“ヴェントルー”。
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強力な血の魔法を操る、秘儀のクラン“トレメール”。
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美とアートに傾倒し、人間たちを誘惑していくクラン“トレアドール”。
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神の領域へと一線を越えてしまった者たち“マルカヴィアン”。他人の声が頭の中で聞こえるとのことで、他クランとは大きく異なる展開が楽しめるらしい。

 また、プレイヤーはこれらのクランに加え、政治的な派閥である“ファンクション”にも所属することになる。今回紹介されたファンクションは2種類。

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古くから存在し、伝統を重んじる“パイオニア”。
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新しい血や新しい金を求め、鉄やガラスといった最新技術の象徴を抱える“カマリラ”。

 クリスチャン氏によると、ここ数週間のうちにさらに新たなクランやファンクションを公開していく予定らしい。うれしいひと言だ。

 派閥の選択によって、どれだけ多彩な展開を楽しめるのか。そして、初代で好評を得たストーリーラインの完成度とボリュームはどれほどのもほか。気になることだらけだが、ひとまず発売を待ちたい。プレイステーション4版は2020年春に世界同時発売予定だ。

 なお、東京ゲームショウ2019の開催期間中に、Paradox Interactiveの皆さんにインタビューも実施する。こちらも記事にする予定なので、本作の内容が気になる人はぜひチェックを!

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最後に、クリスチャン氏から「『ワールド・オブ・ダークネス』の魅力的な世界を本作でぜひ体験してほしい」との言葉も。一体どのような形で世界観が描写されているのか、気になる!

製品概要

タイトル:Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2
配信日:2020年春(予定)
ジャンル:アクションRPG
プラットフォーム:PS4
価格:未定
CERO審査予定

※記事内の画面は開発中のものです。仕様は予告なく変更される場合があります。