Steel Crate Gamesより、プレイステーション4、Nintendo SwitchおよびSteam用ソフトとして配信されている『完全爆弾解除マニュアル:Keep Talking and Nobody Explodes』。本作は、ふたり以上で会話をしながら爆弾を解除することが目的のシミュレーションゲームだ。
本作について簡単に説明すると、プレイヤーは、爆弾を実際に処理する“処理担当者”(1人)と、爆弾の解除方法がすべて書かれたマニュアルを手もとに持つ“分析担当者”(1人~)に分かれて会話しながら爆弾解除を目指すというもの。処理担当者はマニュアルを、分析担当者は爆弾を見ることが禁じられているため、“会話”が重要となってくる。
※マニュアルは『完全爆弾解除マニュアル』公式サイトから保存、印刷が可能。
収録されているモード
- ノーマル
あらかじめ用意されているステージをクリアーしていくモード。当然、ステージが進むにつれて難易度が上がっていくため、モジュールは複雑になり、制限時間も短くなっていく。
- フリープレイ
自分でカスタマイズした爆弾で解除を楽しめるモード。制限時間、ミス回数、モジュールの数などを決められる。なお、同じモジュールでも、仕様(ワイヤの本数やボタンの色など)はプレイするたびに変わるため、同条件のステージを何度でも楽しめる。
“会話”が爆弾解除の重要ツール
冒頭でも述べたが、本作でもっとも重要なのは、ゲームタイトルにも含まれている“Keep Talking(話し続けること)”だ。処理担当者が、爆弾に仕掛けられた“モジュール”と呼ばれる装置の特徴を分析担当者に伝え、その情報をもとに分析担当者は爆弾の解除方法を導き出す。
言うだけなら簡単だが、実際にプレイしてみると、情報がちゃんと伝わらないし、解読したものは間違っているし、となかなか大変だ。でも、プレイしているうちにだんだん呼吸があってきて、スムーズに爆弾を解除できたときの喜びは忘れられない。
ちなみに、爆弾が爆発、つまり失敗となるのは、残り時間がゼロになるか、規定回数以上のミスをしたとき。1回のミスごとにカウントダウンのスピードが早くなるので、タイムリミットよりもミスしないほうが重要かも。
中には、一度のミスすら許されないステージもある。なお、解除に成功したモジュールの右上には緑色のランプが点灯。ミスをすればタイマーの上に×印が表示される。
プレイするとわかるが、目の前に爆弾があるというのは予想以上に緊張する。そのうえ、ステージが進むと部屋の電気が消えて真っ暗になったり、爆弾の隣りに置かれている時計のアラームが鳴り出したり、と思わず叫び出してしまうようなギミックが仕掛けられている。
まあ、そう簡単に解除させてはくれないワケだ。筆者は、何か起こるたび「やめてくれ!」と叫んでいたが、恐怖に打ち勝ち、無事解除できたときの達成感、いや解放感はふつうに解除したときの倍以上だった。
必要な情報を実際に見ていない人へ向けて、言葉だけで伝えるのは思ったよりも難しい。なかでも、ポートの説明が特に難航し、分析担当者になかなか伝わらなかった。
マニュアル解読にもなかなか時間がかかった。爆弾処理担当者の言葉を「ちょっと待って」と遮り、マニュアルを解読するあいだシーンとした空気が続く……。処理担当者は、爆弾を前にして何もできない状態なわけで、地獄の時間だ。
お互いを信頼しないと爆弾は解除できない
爆発までの時間が迫ってくると、お互いに焦るため口調がついついきつくなっていく。「冷静に、落ち着いて」と意識はしていても、焦ってしまうものだ。しかし、だからこそ解除に成功したときにはひときわ達成感を感じられるし、ともにプレイした人との絆も深まったように思う。
もう絶対に間に合わないと察したら、あきらめて爆発に備えるのもそれはそれでひとつの手(ゲームでよかった!)。それよりも焦るのは、ぎりぎり間に合うかもしれないという状況。けっきょくミス連発で解除できなかったということが大半だったが、それはそれで楽しかった。
今回はふたりでのプレイだったが、分析担当側が複数人いたほうがより盛り上がりそうだ。単純に、まわりで見ているだけでも楽しい。
爆弾を処理する側、マニュアルを解読する側、どちらもやり始めると楽しくて止まらないので、まわりの人を誘ってぜひプレイしてみてほしい。
すべての爆弾を解除するころには、立派なパートナーもしくはチームとして信頼し合える仲間となっているはずだ。心臓が止まりそうな爆発も数えきれないほど経験したと思われるので、今後はどんな状況においても冷静沈着を保っていられるに違いない。でも、現実で爆弾を解除する場面に遭遇したくはない。