2019年夏に配信予定のiOS/Android向けスマホアプリ『ポケモンマスターズ』。本作は、『ポケットモンスター』シリーズに登場するポケモントレーナーが集結するという、夢のようなタイトルだ。そんな本作のメディア向け体験会が実施された。そのなかで、気になったことをプロデューサーのDeNA・佐々木悠氏に直撃インタビュー! ファミ通独占の本インタビューでは、世界観やバディーズの話を中心に伺った。

 なお、バトルシステムの詳細などについてのインタビューはファミ通Appにて掲載中だ。

プロデューサー佐々木悠氏インタビュー

佐々木 悠(ささき ゆう)

 『ポケモンマスターズ』プロデューサーを務める。2009年に新卒でDeNAに入社し、数々のヒットタイトルに携わってきた。DeNAの執行役員兼、ゲーム・エンターテインメント事業本部ゲーム事業部長。

――本作はゲームフリークの杉森建氏による発案とのことですが、現在の形に至るまでの経緯を改めて教えてください。

佐々木始めに、杉森さんより、「歴代の『ポケットモンスター』シリーズに登場したポケモントレーナーが活躍するゲームが作れたら“ポケモン”というコンテンツの幅を広げられるのでは」というご提案があり、本作のプロジェクトがスタートしました。キービジュアルも杉森さんに描き下ろしていただいております。

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――本作が発表された際、ファンの方の反応はいかがでしたか?

佐々木本作の映像を初めて公開した際に、「こういうのを待っていた」というお声を多数いただきました。ポケモントレーナーにフォーカスするというコンセプトは、数ある『ポケモン』タイトルの中でも新しい観点の作品でもあるので、喜んでいただけたのかなと。

――多くのポケモンファンから、驚きの声や喜びの声があったように思います。

佐々木そうですね、改めて『ポケットモンスター』シリーズの歴史の長さやブランドの偉大さを痛感しました。それとともに、皆さんの大きな期待にお応えできるほどのプロダクトをしっかりと準備しなければいけないと、身が引き締まる思いでした。なお、現在公開している情報は、ほんの一部分です。『ポケットモンスター』ファンの皆さまへ、すべてを受け入れてもらえるように今後も開発を進めていきたいと思っています。

――ファンの期待に添える作品を目指していると。そんな本作はどのような物語に?

佐々木主人公は、ワールドポケモンマスターズ(以下、WPM)というポケモンバトルの大会での優勝を目指し、冒険をすることになります。そのために、まずは仲間となる“バディーズ”を集め、仲間とともに、バッジを持つWPMリーダーとのバトルに挑みます。これに勝利すると獲得できるバッジを5個集めることで、WPMの本戦に進めるのです。

――『ポケットモンスター』シリーズとは異なる物語があるのですね。ちなみに、佐々木さんが考える、本作の魅力についてお聞かせください。

佐々木まず、歴代の『ポケットモンスター』シリーズ作品に登場した、数々のポケモントレーナーたちがその相棒となるポケモンとともに登場する点ですね。そして、もうひとつの大きな魅力が、好きなバディーズどうしでチームを組んで戦う、3対3のリアルタイムバトルだと考えています。

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――バトルはなぜ3対3のリアルタイムバトルを採用したのでしょうか。

佐々木いろいろな種類のバディーズを使って楽しんでもらいたいというのが、3対3のバトルにした理由のひとつですね。また、ポケモンバトルが持つ戦略的な側面に少しでも触れてもらいたいと思っています。

――なるほど。バディーズがひとつの肝になるわけですね。

佐々木そしてリアルタイムバトルについてですが、これはスマートフォン向けのアプリゲームとして最適化した結果になります。ポケモンバトルの戦略性はできる限り残しつつも、プラットフォームのユーザー層に合わせて、気軽に楽しめるものにしたいと考えました。一手一手を熟考するよりは、その場で好きなように技を選んでもらえるような気軽さを重視し、リアルタイムバトルという形式を採用しています。

――『ポケットモンスター』シリーズのバトルの魅力は残しつつも、新たなバトルが楽しめそうです。冒険の目的はWPMでの優勝とのことでしたが、優勝後にも遊び要素はあるのでしょうか。

佐々木じつは、本作のリリース時点では18章までの物語を楽しんでいただける予定ですが、その時点ではまだ、WPM本選の途中までになっています。その後、徐々にWPM決勝戦に向けてのストーリーを展開していく予定です。まずはその道のりをじっくりと楽しんでいただきたいです。ただ、ほかのプレイヤーとの協力バトルなど、やりこみ要素は実装予定ですので、お楽しみにしていただければと。

――ストーリーのほかにも、楽しめる要素があるんですね。また、バディーズが魅力的に描かれている本作ですが、グラフィック表現について教えてください。

佐々木グラフィックについては、とくにこだわりを持って作っています。トレーナーたちはすべて、オリジナルの3Dモデルです。おもに『ポケットモンスター』シリーズのトレーナーの2Dイラストをベースにして作っているのですが、20年以上の歴史がある作品ですので、時の流れとともにイラストのタッチも変化しています。ポケモンさんと密にコミュニケーションを取りながら、当時のテイストを失わないように、かつ最新のタッチとも統一できるよう、細心の注意を払いながら3Dモデルに落とし込んでいます。

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――トレーナーの目の描写など、細かいところまでこだわっていると感じました。さまざまな『ポケットモンスター』シリーズのトレーナーが登場しますが、時系列などの設定は?

佐々木そのあたりについては、ぜひ実際にプレイして、確かめていただければと思います。

――興味深いですね……! 各地方のトレーナーたちが、本作の舞台となる人工島“パシオ”に集まるわけですが、彼らがWPM出場を目指す理由付けはなされているのでしょうか。

佐々木はい、もちろんです。一部、“バディーズエピソード”という、各バディーズに用意しているオリジナルのストーリーにて、何を思ってWPMに出場しているのか、その理由が語られるトレーナーもいます。

――たくさんのトレーナーたちが登場するので、チームの組み合わせも多彩ですよね。組み合わせによってストーリー中の会話に変化も?

佐々木いえ、リリース当時は、メインストーリーの会話がチームの組み合わせによって分岐することはありません。

――バトルの戦略性については、チームの組み合わせ次第で幅が出そうですね。

佐々木そうですね、リリース時には65組のバディーズがいるのでがいるので、その組み合わせの数だけ戦略が存在します。大きな軸はふたつありまして、ひとつはポケモンバトルの醍醐味のひとつであるポケモンの弱点。そしてもうひとつは、本作独自の要素である“ロール”です。

――ロール、つまりバディーズごとの役割がカギになると?

佐々木ええ。バディーズはそれぞれアタッカー(攻撃役)、サポート(味方の能力を上げる)、テクニカル(相手を状態異常にする・相手の能力を下げる)というロールに分けられています。アタッカーを3組並べて力押しすることもできますし、テクニカルで相手の能力を下げつつ、サポートで味方のアタッカーの能力を上げ、アタッカーが強力な全体攻撃を行うなど、組み合わせによってさまざまな戦術が生まれます。

――ちなみに、わざマシンのようなどうぐを使ってバディーズのわざをカスタマイズできたりは……?

佐々木いえ、本作では、バディーズごとに決まった4つのわざ(バディーズわざを含めて5つ)を成長度合いに応じて段階的に覚えますので、わざのカスタマイズはできません。『ポケットモンスター』シリーズでは、同じポケモンでも育てかた次第で違った能力を持つことができますが、本作ではおなじバディーズであれば必ずおなじ能力・わざを持つことになります。そのぶん、バディーズの組み合わせによってカスタマイズを行ってもらえればと。

――バディーズの組み合わせ、ということについて、公開されているPVでは、博士どうしや、ライバルどうしを組み合わせたり、ルザミーネ、グラジオ、リーリエのように家族で組み合わせたりといった演出がなされていました。これらの組み合わせは実際に実現できますか?

佐々木はい、実現できます。ただ、PVで出ている全てのバディーズがリリース時に登場するわけではありません。また、ストーリーの中では、今後もさまざまなバディーズの組み合わせを実現させる予定でして、誰もが想像するような王道のものだけでなく、すこし意外な組み合わせも作りたいと思っています(笑)。

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※画像はPVのものです。

――そちらも大きな注目ポイントですね! 現在開発中の端末をプレイさせていただいた時に、これまでに情報が公開されていた、イワークを相棒としたタケシだけでなく、バンギラスを連れたタケシが存在することが確認できました。また、ポケモンだけでなく衣装も異なっていましたが、こうしたバージョン違いのトレーナーはほかにも?

佐々木それは“マジコス”という特殊なコスチュームを着たトレーナーで、本作の特徴のひとつとなっています。通常の服装のときとは違うポケモンを相棒にしておりまして、こうしたバディーズはタケシのほかにも複数存在しています。

――どのバディーズのマジコスがあるのかも楽しみです。そういえば、マジコスを着たタケシは、バンギラスを連れていますよね。

佐々木マジコスバージョンのバディーズについても、大前提として『ポケットモンスター』シリーズで、手持ちに入れていたことのあるポケモンを連れている、という設定です。タケシのマジコスの場合は、手持ちの中でも、『ポケットモンスターブラック2・ホワイト2』で登場したバンギラスが、とくに強力なポケモンというイメージがあるので相棒としました。

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――なるほど。マジコスによっても、新たな楽しみの幅が広がりそうです。数々のバディーズが登場すると思いますが、本作に登場する選定基準は?

佐々木まずは、どの『ポケットモンスター』シリーズを遊んでいた方でも楽しめるように、いろいろな作品から満遍なく登場させるようにしている点、そして、ストーリーの展開上、活躍を見込めるかどうかも重要視しています。ジムリーダーや四天王などのほかにも、ロケット団を始めとするいわゆる“敵役”のトレーナーも登場予定で、幅広いファンの方に楽しんでいただけると思います。運営を長く続けていく中で、さらに数多くのトレーナーにスポットライトを当てたいと思っていますので、長い目で見ていただけるとうれしいです。

――リリース時点で、お気に入りのバディーズが登場せずとも、今後のアップデートで登場する可能性もあるのですね。そんなバディーズたちを仲間にする方法についてもお聞きしたいです。

佐々木ストーリーの中で仲間になったり、ほかにもいくつかの方法を用意しています。そして、“バディーズサーチ”といって、ゲーム内の“ダイヤ”を消費することで、ランダムでバディーズを仲間にすることも可能です。ダイヤはプレイ中の報酬として入手できるほか、有償で購入することも可能です。

――ダイヤはストーリーを進めても手に入るのですね。有償のダイヤで“バディーズサーチ”をせずとも楽しめるバランスに?

佐々木そのように心掛けています。先述のように、ストーリーを進めることにより、仲間になるバディーズもたくさんいますし、本作では星の数が★5まであるのですが(リリース時点)、すべてのバディーズの星の数を★5にすることもできますので、仲間になったバディーズを、ずっと使い続けることも可能です。『ポケットモンスター』シリーズは、世界中で幅広い年代に愛されている作品です。どのような世代の方でも、すべてのポケモンファンが安心して長いあいだ楽しんでいただける設計になるよう、十分考慮して開発を行っています。

――『ポケットモンスター』シリーズのブランドを重きに置かれていると。ちなみにBGMに関して、『ポケットモンスター』シリーズのアレンジや、バディーズによって専用BGMがあったりも……?

佐々木はい、専用BGMも用意しています。そのバディーズが登場していたタイトルの曲のエッセンスを加えたものや、いわゆる『ポケットモンスター』シリーズのテーマ曲のアレンジなども入っています。『ポケットモンスター』シリーズのタイトルで楽曲を制作・アレンジされている、耳でも楽しめる作品になっていると思います。本当にカッコいい曲があるので、ぜひ聞いてみてください。

――それはとても楽しみです! リリース後はどれくらいの頻度でアップデートを行う予定なのでしょうか。

佐々木現状の予定では、目安として月に1度は新しい要素を提供できるようにしたいと考えています。

――最後に、リリースを楽しみにしているファンの方にメッセージをお願いします。

佐々木『ポケットモンスター』シリーズに登場した歴代のトレーナーたちとポケモンが数多く登場する作品を作っています。全世界のすべてのポケモンファンの皆さんに楽しんでいただけるよう、誠心誠意、開発に励んでおりますので、もう少々お待ちください。そして、リリースされた際には存分に遊びつくしていただけますと幸いです。ぜひ、よろしくお願いします!

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