映画IPなどを活用しつつ、毎回クオリティーの高いタイトルをファンにお届けしているTT Games開発による“レゴ ゲーム”。2019年6月9日(現地時間)に行われた、Xbox E3 2019 ブリーフィングにて、その最新作である『レゴ スター・ウォーズ/スカイウォーカー・サーガ』が発表された。おなじみ映画『スター・ウォーズ』の9部作を1本に網羅した本作は、スカイウォーカー3世代の歩みをたどるという、考えるだに想像もつかないようなボリュームを誇るタイトル。E3 2019のワーナー ブラザースブースでは、15分にもおよぶデモが公開された。

『レゴ スター・ウォーズ/スカイウォーカー・サーガ』は“レゴ ゲーム”を次世代に引き上げるべく開発中の野心作【E3 2019】_05

 「エピソードを選んで、好きな順番でプレイできる」という本作。デモで披露されたのは、『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』冒頭のシーン。ルークたちが惑星タトゥーインに降り立って、ジャバのもとへ向かおうとするくだりだ。とにかく驚嘆すべきは、グラフィクの美麗さ。足に裏に砂の後がついていたりと、とにかくディテールが詳細で、「そこまで描くんか」と驚かされてしまう。“レゴ ゲーム”という属性上、そこまでグラフィックにこだわる必然性もないような気もするのだが、細密な描写にぐいぐい引き込まれるのは、やはりリアルな描写はプレイヤーを没入感に誘うということであろうか。臨場感を高めているのがカメラワークで、テクノロジーの進化により、カメラの位置がキャラクターにより近くなっているのだという。不思議なもので映像に引き込まれてしまうから、その効果たるなてきめんだ(巨大スクリーンのいちばん前で見たことの効能もあるかもしれない)。

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 描写力も圧倒的で、『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』の序盤に出てくるジャバの船“セール・バージ”には8000万個のレゴブロック(仮想の)が使われているという。全長100メートル。Xbox E3 2019 ブリーフィングの『Forza Horizon 4 LEGO Speed Champions Expansion』のプレゼンの際に登場したマクラーレンセナが50万個のレゴブロックを擁したというから、その160倍だ! あまり効果的な比較でもないが、とにかくすごい。

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 そして特筆すべきは、フォースのゲームプレイが新しくなったこと。ジェダイの騎士であるスカイウォーカーのサーガだけに、フォースが駆使できるのは必須だろうが、「フォースは新しい方法で使えるので、創造性を豊かにした駆使してほしいです」とのことだ。

 ご存じのとおり、『スター・ウォーズ』の“レゴ ゲーム”は、過去に何作かリリースされているが、本作はリマスターではなく、いちから作り直しているとのこと。言ってみれば、デモで公開されたのは、惑星タトゥーインに降り立ってあたりをふらふらするという、まあ、何てことないシーンなのだが、それだけでもぐいぐい惹きつけられてしまうから、恐るべしである。

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“レゴ ゲーム”をワンランク引き上げるために、いちから作り直している

 デモを見終えたあとで、TT Gamesのヘッド・オブ・レゴ・インティグレーションのマーティン・パーマー氏にお話を聞く機会を得た。

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マーティン・パーマー氏

TT Games ヘッド・オブ・レゴ・インティグレーション

――本作開発の経緯を教えてください。

マーティンスカイウォーカー・サーガは私たちにとって、とても重要なものです。このゲームはすべて新しいテクノロジーを使っています。成功する可能性をもっとも高いゲームにしたいと思ったんです。映画1作ではなく、9作すべてでやりたかった。こういう機会をいただき、私たちがやりたいこととぴったり合致しました。ルーカスアーツやディズニーとは、長年良好な関係にありますし、レゴとの仕事はいつもとても楽しいです。『レゴ スター・ウォーズ/スカイウォーカー・サーガ』は9つの物語が同じようにカバーされていますが、最初からプレイする必要はなくて、どの順番からでも遊べます。飛び飛びで遊んでもいい。ちなみに私のお気に入りは、『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』です。子どものころから見ていましたからね。

――ゲームにオリジナルエピソードは盛り込まれているのですか?

マーティン本作では全9作のストーリーを、できるだけ映画に沿って忠実に展開していますが、あいだをつなぐためのオリジナルのエピソードを盛り込んでいます。もちろん、原作に忠実な設定や記憶に残るロケーションは取り入れていますよ。

――とても膨大なゲームのような気がするのですが、1話あたりのプレイ時間はどれくらいを想定しているのですか?

マーティンそうですね……。本作はいろいろな遊びかたができるので、一概には言えません。レベルを上げたりストーリーミッションやレジェンダリーミッションをこなしたり、さらにはお気に入りのキャラクターと交流したりと……いろいろな楽しみかたがあります。ゲームがとても大きいことはわかっていますが、プレイ時間となると難しいですね。

――プレイアブルキャラクターはどれくらいに?

マーティン全9エピソードに出てくる、できるだけ多くのキャラクターをフィーチャーするつもりです。私たちは『スター・ウォーズ』の大大ファンなので、できるだけのことはします。皆さんが好きなキャラクターは入れたいと思います。今回デモの冒頭でちらりとお見せしたのはほんの一部です。

――デモを見たのですが、グラフィックがとても素晴らしいですね。足の裏に砂ぼこりがついていたりして、リアルだなと思いました。

マーティンありがとうございます! グラフィックは私たちにとって、とても重要なことです。“次世代のレゴゲーム”を作っていると思っているので、すべてのレゴは現実のものと同じように動かなくてはなりませんでした。キャラクターには、砂がついたり、雪がついたり、土がついたりしますよ。

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――本作は、“レゴ ゲーム”をワンランク上に上げるための大作という位置づけですか?

マーティンその通りです。とてもワクワクしています。

――現行機で、ここまでグラフィックを向上できた理由はなんですか?

マーティン新しいテクノロジーを使って最初から作りました。最新のレンダリングの手法を使い、大きく前進しています。私たちは、これまでにたくさんの“レゴ ゲーム”を作ってきましたが、本作は非常に大きなステップでした。自社エンジンも含めて、いちから作り直していますよ。

――では、グラフィック以外で“レゴ ゲーム”をつぎのステップに引き上げるための、本作における取り組みは?

マーティン多くの新しいゲームプレイフィーチャーを取り入れました。フォースはまったく新しくなっていますよ。シューティングも新しい。宇宙を飛ぶこともできます。

――フォースのゲームプレイが新しくなっているのですか?

マーティンはい。これも技術の進化によるものです。(過去作が発売された)当時は、テクノロジーがなかったんです。本作では、新しいフィジックスを使っているので、物体を空間で動かせます。コンバットでも使えます。これによって、レベルを上げていけるんです。

――最後に、日本のファンに向けてメッセージをお願いします。

マーティンこれは次世代の“レゴ ゲーム”です。私たちはとてもワクワクしています。すべてのレゴファン、ゲーマー、『スター・ウォーズ』ファンの皆さんに楽しんでいただけるゲームだと自負しています!