アメリカ・ロサンゼルスで開催された、ベセスダ・ソフトワークスの自社イベントである“Bethesda E3 Showcase 2019”。E3会期前に行われる恒例のショウケースも、今回で5回目。昨年は『Fallout 76』が発表されるなど、大きなトピックスが毎年のように飛び出す本イベントで公開された情報を、まとめて紹介していく。

 今年のショウケースは、こちらも例年通り、ベセスダ・ソフトワークスのSVP(Senior Vice President)であるピート・ハインズ(Pete Hines)氏のあいさつでスタート。

『GhostWire: Tokyo』に『Fallout 76』アップデートなど、ベセスダ・ソフトワークスの底力が見えた“Bethesda E3 Showcase 2019”の発表を総まとめ【E3 2019】_01

 続いて、Bethesda Game Studiosのエグゼクティブ・プロデューサーのトッド・ハワード(Todd Howard)氏が登壇。具体的なタイトルの解説を、それぞれの作品に携わるスタッフが担当していく形で、ショウケースは進行していった。

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 今回のショウケースで大きなトピックとなった、『Fallout 76』を一変させる大型無料アップデートの『Wastelanders(ウェイストランダーズ)』、PvPのバトルロイヤルが楽しめる『Nuclear Winter(ニュークリアウィンター)』の詳細については、下記の関連記事をご覧いただきたい。

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『GhostWire: Tokyo』に『Fallout 76』アップデートなど、ベセスダ・ソフトワークスの底力が見えた“Bethesda E3 Showcase 2019”の発表を総まとめ【E3 2019】_18

 また、『Dishonored(ディスオナード)』を手掛けたArkane Studios Lyonの完全新作『“Deathloop”』、シリーズ初の協力プレイが実現する人気FPSシリーズの最新作『Wolfenstein: Youngblood』についての情報も、以下の記事を参照してほしい。

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『GhostWire: Tokyo』に『Fallout 76』アップデートなど、ベセスダ・ソフトワークスの底力が見えた“Bethesda E3 Showcase 2019”の発表を総まとめ【E3 2019】_20

 ここからは、今回のショウケースで公開された、上記以外の情報をピックアップして解説していこう。

Tango Gameworksの新作『GhostWire: Tokyo』が発表!

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 Tango Gameworksを率いる三上真司氏が世界に向けて発表したのは、『GhostWire: Tokyo』。氏いわく、完全新作のアクションアドベンチャーで、パラノーマルな敵と戦うスーパーナチュラルなゲームとのこと。

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 続いて、クリエイティブディレクターを務める中村育美氏が登壇し、本作はサバイバルホラーではないゲームであることを、身振り手振りで解説。その「Spooky(スプーキー)」な雰囲気がよくわかるトレーラーを公開した。

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 東京を舞台にした『GhostWire: Tokyo』は、背筋の凍るような伝承・都市伝説や、謎めいたサスペンスに焦点を当てた作品。人々が不可解な失踪を遂げる東京で、プレイヤーは神秘的な能力を駆使してその謎を解き、超常現象に立ち向かうことになる。

『RAGE 2』のアップデートとDLCの内容が公開!

 好評発売中のオープンワールドFPS『RAGE 2』から、間もなく配信予定のDLCやオンラインイベント、今後の大型アップデートに関する情報が発表された。

 海外では来週以降から、巨大なサンドワーム、搭乗可能なメック、新たなチートコード、新たなマシン、新たなコミュニティイベントなどがウェイストランドに実装される模様。

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 さらに、『RAGE 2』初のDLCである『Rise of Ghost(ライズ・オブ・ゴースト)』も、年内に配信予定となることが明らかとなった。このDLCでは、新たなストーリーや新たな敵ファクションである“ゴースト”が登場。新しい武器やアビリティ、探索できる場所、さらに敵を吹き飛ばす“ヤバめ”な方法が解禁されるそうだ。レビューで“FPSのポルノ”とまで言われたという本作だが、その名に恥じない(?)ぶっ飛んだコンテンツが盛りだくさんとなっている。

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『DOOM Eternal』のさらなる詳細も明らかに!

 北米では2019年11月22日発売予定の『DOOM Eternal』。2016年に発売された『DOOM』の正統続編となる本作では、地球に戻ったドゥームスレイヤーを待ち受ける、デーモンの侵略に苦しむ世界を舞台に、スレイヤーの起源を探る地獄の戦いが描かれる。

 北米ではDeluxe Editionや数量限定のCollector's Edition(原寸大のドゥームスレイヤーヘルメット付き!)の予約が解禁されたが、日本語版の発売については決定次第、あらためて発表されるとのこと。

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 いちはやく『DOOM Eternal』をプレイした記者のリポートもアップされているので、記事をチェックして期待に胸を膨らませていただきたい!

『The Elder Scrolls: Blades』がニンテンドースイッチに!

 1億5000万ダウンロードを誇る『Fallout Shelter』に次ぐ人気を誇る、iOS/Android向けに配信中の『The Elder Scrolls: Blades』。そのニンテンドースイッチ版が、今秋に配信されることが発表された。

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 ニンテンドースイッチ版はTVモード、携帯モードの両方でプレイ可能で、モバイル版の進行状況も引き継げる。また、北米ではiOS版とAndroido版に無料アップデートが実施され、新たな『Dragon Slayer(ドラゴンスレイヤー)』のクエストやソロアリーナバトル、新ジョブに宝飾品システム、レベル50以上のプレイヤーへのサポートに新コンテンツなど、プレイヤーのリクエストも含めたさまざまな機能が実装されるとのこと。

 なお、『The Elder Scrolls: Blades』の日本での配信は未定となっている。

『エルダー・スクロールズ・オンライン』に新DLCが登場

 日本語のPC版はDMM GAMESが運営している『エルダー・スクロールズ・オンライン』(日本でのコンソール版のリリースは未定)。全世界で1350万人以上ものプレイヤーがタムリエルでの冒険を楽しんでいる本作(昨年だけでも200万人以上の新規プレイヤーが参加したとのこと!)では、1年に渡る“ドラゴンのシーズン”が展開中だ。

 そんな『エルダー・スクロールズ・オンライン』で、北米では今夏に実装予定のDLCダンジョンパック『Scalebreaker(スケイルブレイカー)』の詳細が発表された。さらに今秋配信予定のストーリーDLC『Dragonhold(ドラゴンの大地)』は、選ばれし5人のひとりで、ドラゴンでさえ恐れる武勇を持つ伝説的な戦士の一団“ドラゴンガード”の隊長として帰還するサイ・サハーンに焦点を当てたものになるとのこと。これで“ドラゴンのシーズン”は壮大な結末を迎えるそうだ。

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幻のゲーム『Commander Keen』が生まれ変わる!

 『Commander Keen』は、1990年代初頭にid Softwareによって制作されたゲーム。この幻のゲームをZeniMax Online Studiosが再構築し、携帯端末向けにリリースすることが発表された。

 本作には、双子の天才・ビリーとビリィが数々のガジェットを駆使して、人類を脅かすエイリアンの侵略を食い止めるというストーリーラインがある。

 ストーリーモードではアドベンチャー、バトルモードでは1対1のバトルが展開。敵を爆破したり弾いたり、ときには困惑させるガジェットを、ドラッグ&ドロップのカンタン操作で使いこなすのがポイントだ。『Commander Keen』は今夏配信予定で、こちらのサイト(www.gokeen.com)で事前登録すると、ゲームの最新情報や限定のゲーム内報酬をゲットすることができる。ただし、日本でのリリースは未定となっている。

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戦略カードゲーム『The Elder Scrolls: Legends』新拡張パック

 基本プレイ無料の戦略カードゲーム『The Elder Scrolls: Legends』の新拡張パック『Moons of Elswey』が公開された。エルスウェアのサバンナを舞台にしたこの拡張パックは、北米時間の2019年6月27日に発売。

 『Moons of Elswey』には、カジートからドラゴン、帝国軍など、エルスウェアをテーマにした75種類以上の新カードが登場。期間限定で発売中の『Moons of Elsweyr』予約バンドルを入手すれば、『Moons of Elsweyr』のカードパック50セットとLegendaryカード1枚をリリース時に入手できる。さらに特典として“Bearer of the Wrathstone(憤怒の石を持つ者)”の称号と、“Wrathstone(憤怒の石)”カードバックを受け取れるとのこと。

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 『The Elder Scrolls』のストーリーを味わえるカードゲームとして人気の本作だが、こちらも日本でのリリースは未定となっている。

新たなゲームストリーミング技術“ORION”が発表!

 低遅延で帯域消費が少なく、高速なゲームストリーミングを低コストで提供可能にする新技術“ORION”が発表された。

 id Softwareが開発した“ORION”は、ゲームやプラットフォームに依存しない、ゲームエンジンをベースにしたゲームストリーミング技術だ。

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 フレームあたり最大20%の遅延低減や必要帯域最大40%低下など、劇的なパフォーマンス向上を実現しており、「我々が持つ豊富なゲームエンジン技術の経験を活かして、ストリーミングを異なる角度から捉え、ゲームエンジン自体に注目した。プレイヤーには高速で高品質なストリーミング体験を、ゲーム開発者には彼らが意図したパフォーマンスレベルを、ストリーミングプロバイダーには低コストで、より広範囲に渡る顧客獲得を実現したいと考えた。“ORION”はこれらの目標を実現し、ゲームストリーミングの品質を大きく向上させる」と、id Softwareのチーフ・テクノロジー・オフィサーであるRobert Duffy氏は説明している。

 また、ベセスダ・ソフトワークスの広報責任者であるJames Altman氏は「消費者は低遅延で高パフォーマンスのゲームをプレイしたいと思っている。データセンターの近くに住んでいる人や、高速インターネットを利用している人だけでなく、多くの一般的な人々もこのようなゲームをプレイ可能であるべき。“Orion”があれば、データセンターから遠く離れた場所に住むプレイヤーも、『DOOM』を毎秒60fps、4K解像度で、遅延を感じることのないストリーミング環境で楽しむことができる」と説明。
 
 “ORION”の技術があれば、素早い反応が求められるFPSでもほとんど遅延を感じず、高速なパフォーマンスを実現できるとのことで、ステージではライブ・デモンストレーションとして、スマートフォンにストリーミングされた『DOOM』を60fpsかつハイクオリティのビジュアルでプレイする様子が披露された。

 ユーザーに向けて、DOOM』のストリーミングを無料で楽しめるOrion のパブリックトライアルが近日中に開始される予定で、参加するには“DOOM Slayers Club”(https://slayersclub.bethesda.net/ja)でのメンバー登録が必須となる。

 『Fallout 76』や『RAGE 2』などの現行タイトルをさらに充実させてユーザーの満足度を上げる施策、『DOOM Eternal』に『Wolfenstein: Youngblood』といった人気シリーズの最新作、『GhostWire: Tokyo』と『“Deathloop”』という完全新作と、ベセスダ・ソフトワークスの底力を十分に見せた、今年のショウケース。今回のテーマである“Be Together”が示す通り、ゲームで世界中のプレイヤーとコミュニティを築きあげていこうとする姿勢を感じる内容だった。

 とはいえ、E3 2019の本番はこれから。E3 2019で明らかになっていく新たなベセスダ・ソフトワークスは、追ってリポートしていこう。