「ボクの記憶を空へあずけに行くよ……」
2019年の2〜4月。平成の終わり際に、Nintendo Switch、Xbox Oneで相次いで配信が始まった、リマスター版の『FFVII』、『FFIX』、『FFX/X-2』、『FFXII ザ ゾディアック エイジ』。
リマスター版の特徴に加え、オリジナル版を含んだ作品の基本と魅力を紹介していく短期連載の第2回。今回は『FFIX』を振り返る。
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Switch版、Xbox One版、PS4版、スマホ版の特徴
価格は、各2500円(Android版のみ2700円)。『FFIX』のリマスター版は、キャラクターやバトル画面などのポリゴンが高画質にリマスターされているだけでなく、ムービー(プリレンダリングムービー)などもアップコンバート(高解像度化)されている点がうれしい。また、ミニゲームのカードゲームがプレイできる人は、近づくとカードのアイコンが表示されるなど、細やかな調整が行われている点は、通常のリマスター版とは異なるポイント。そのほかにも、遊びやすく改善されているポイントは下記の通り。
オートセーブ機能
マップが切り換わったときなどにオートセーブが行われ、タイトルから“CONTINUE”ですぐに再開できるようになっている。このオートセーブは、ゲームを一度終了しても保持される便利さ。
ゲージマックス
バトルで使えるトランスゲージがいつでもマックスになる機能。ジタンの裏技、ビビのW魔法など、トランス時に使える技が使い放題となる。ポーズ中にLボタンでこの機能をオンにする(ボタンはNintendo Switch版のもの)。
ダメージ9999固定
その名の通り、バトル中の攻撃すべてのダメージ値が9999となる。回復などには適用されない。プレイヤーのレベルなどに関係なく、ダメージが9999と固定になるため、簡単に進められるようになるものの、バトルの楽しさは半減してしまうので、必要なときだけ使うのがオススメ。ポーズ中にZLボタンでこの機能をオンにする(ボタンはNintendo Switch版のもの)。
高速モード
ゲームの速度がすべて高速に。体感的には、リマスター版『FFVII』の3倍速などに近い速さで、フィールドの移動でダッシュ機能を組み合わせると、早すぎて細かい移動が困難になるほど。そのぶん、移動もバトルも高速で進み、非常に快適。ポーズ中にRボタンでこの機能をオンにする(ボタンはNintendo Switch版のもの)。
エンカウントなし
フィールドやダンジョンで敵と出会うことがなくなる機能。敵に会わなくなるため、レベル上げなどはできなくなるが、本作の場合“ダメージ9999固定”や“レベル魔石力MAX”などのブースト機能があるので、ストーリーだけを堪能したい場合には、つねにエンカウントをオフにしていても、ボス戦でも困らない。ポーズ中にZRボタンでこの機能をオンにする(ボタンはNintendo Switch版のもの)。
アビリティマスター
武器や防具を入手したときに、すでにアビリティを取得した状態になるモード。アビリティを集める、成長させる喜びは失われるが、そのぶん武器や防具を手に入れるたびに、数々のアビリティを取得したことになる。なお、この機能は一度オンにしたらオフにできない。コンフィグから設定可能。
レベル魔石力MAX
レベルと魔石力が最大値になる機能。レベルは99になり、合わせて、最大HPと最大MPもキャラクターごとの最大値まで上昇する。魔石力は、アビリティを装備するときに使用するもの。本来であれば、魔石力の範囲内になるようにどのアビリティを装備するかを選ぶのだが、この機能を使えば、ほとんどのアビリティを同時に装備できるようになる。なお、この機能も一度オンにしたらオフにできない。コンフィグから設定可能。
ギルMAX
ギルを最大値となる、999万9999ギルにする。お買い物のときに困らない。コンフィグから設定可能。
戦闘開始時の演出スキップ
細かい部分だが、便利な機能が“戦闘開始時の演出スキップ”。『FFIX』はバトルに入ったときに、出現した敵や味方パーティを映すカメラワークが入る(おそらく裏側でロードなどをしていたと思われる)のだが、この機能をオンにすれば、カメラワークがカットされ、いきなりバトルコマンドを選択できるようになる。“高速モード”にさらにこの機能を使えば、バトルは本当に高速で進んでいく。コンフィグから設定可能。
購入特典“板鼻利幸氏描き下ろしのスペシャルテーマ”(PS4対応)
PS4版のみになるが、購入特典としてPS4で使える『FFIX』のオリジナルテーマがもらえる。『FFIX』のデザイナーであり、“チョコボ”シリーズのイラストなどでも知られる、板鼻利幸氏の描き下ろし。
『FFIX』の特徴
2000年7月7日にプレイステーションで発売。『FFVI』以降、SFのような世界観が増えていた『FF』シリーズだが、『FFIX』では原点回帰をテーマに、ストーリーでもクリスタルや魔道士をフィーチャーしたファンタジー色の強い世界観を押し出した。また、原点回帰とともに、『FF』シリーズへのオマージュも散りばめられており、ガーランドなど、従来作に登場したキャラクターや地名などが多く登場しているのも特徴的。
あらすじ
旅芸人一座「タンタラス」団はアレクサンドリア王国の王女ガーネットの誘拐を企てる。偶然にもガーネットは自ら国を出ようとしており、結果タンタラス団の団員ジタンは、ガーネットや彼女の護衛の騎士スタイナーと共に行動するようになる。黒魔導士の少年ビビや、ク族のクイナらを加えた一行は、旅の中で自らの出生の秘密や、命の根源たるクリスタルの存在を知る。そして、この星を狙う敵との戦いに関わることになるのだった。
登場する主要キャラクター
仲間になる主要キャラクターを中心に紹介。
ジタン・トライバル
劇団タンタラスの若き一員。サルのような長い尻尾が特徴的。判断力に長け、行動力に富む16歳の少年。
ビビ・オルニティア
気弱な黒魔道士の少年。ジタンとは対照的に、行動力や判断力に乏しく、人に頼らなくては何もできないタイプ。
ガーネット・ティル・アレクサンドロス17世(ダガー)
アレクサンドリア王国第17代王女。王国始まって以来の美姫とうたわれ、国中の人気を集めている。
アデルバート・スタイナー
アレクサンドリアの女王ブラネに仕える騎士団、プルート隊の隊長。非常に頭が固く、四角四面な正確。
エーコ・キャルオル
いまや伝説の存在とされている召喚士一族の生き残り。6歳とは思えぬほどに頭の回転が早く、口も達者で、好奇心も旺盛。
クイナ・クゥエン
謎多き種族である“ク族”の中で、もっとも若い存在。カエルが大の大好物で、生きたカエルを生のまま食すことを無上の喜びとする。
サラマンダー・コーラル
己の拳のみを頼りに生きる、孤高の闘士。その燃えるような赤毛から“焔色のサラマンダー”と呼ばれている。
フライヤ・クレセント
ブルメシア出身の勇ましき女竜騎士。やや古風な物言いが特徴で、誇り高く、自身に妥協を許さない。
おもなシステム
『FFIX』は、武器や防具にアビリティや魔法がついているシステムが特徴。その武器や防具を装備したままAPを一定量溜めると、アビリティを習得。装備品を外しても、アビリティが使えるようになる。そのほかの特徴は、下記で紹介。
トランス
敵から攻撃を食らってトランスゲージが満タンになると、キャラクターの身体が光り、トランス状態に。トランス状態では、ジタンが強力な技“裏技”を、ビビが一度に2回魔法を唱える“W黒魔法”を使えるようになるなど、キャラクターごとに異なる特殊な技が使えるようになる。また、特殊な技は使えないが、スタイナーは攻撃力がアップする。
ATE(アクティブタイムイベント)
『FF』シリーズでおなじみの“アクティブタイム”の名を冠した新システム。別行動を取っているパーティーメンバーや、劇団タンタラスの仲間などの行動を垣間見られる。なかには、連作となっているイベントも存在した。また、通常では取れないアイテムへの道がつながるイベントが発生することなども。
次回の振り返りは『FFX/X-2』。お楽しみに!(2019年5月12日夜頃掲載予定です)