『ゼノンザード』インタビュー AI・ゲームシステム編

 試合を重ねることで成長する“バディAI”を搭載したデジタルカードゲーム(DCG)として今夏にサービス開始予定の『ゼノンザード』。本記事ではゲームの中核を担うバディAI=カードゲーム特化型AIを開発したHEROZの代表取締役 高橋知裕氏と、『ゼノンザード』プロデューサー小谷英斗氏のインタビューをお届けする。

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【『ゼノンザード』インタビューその2】AIがデジタルカードゲームに新しい風を吹き込む!_07

小谷英斗(こたにひでと)

バンダイ『ゼノンザード』プロデューサー

高橋知裕(たかはしともひろ)

HEROZ 代表取締役

AIの活用は市場を大きく広げるチャンス

――まずAIと人を戦わせるというゲームのコンセプトを思いついたのと、そこからHEROZさんにオファーするまでの経緯を教えてください。

小谷 会社としての企画の最初は、カードゲームに限定せずに、「AIを活用したコンテンツが何かできないか?」というところが出発点でした。そこからアナログのトレーディングカードゲームを担当していた自分が呼ばれたりすることで、「カードゲームを用いた人間対AIのバトルをやろう」という形に固まっていきました。そのコンセプトが決まった直後に、HEROZさんにお声がけさせていただきました。だいたい2年ぐらい前ですね。人間対AIのバトルというと、やはりHEROZさんが関わっていた将棋の“電王戦”が有名なので。

――では、わりとHEROZさんありきの企画というか、人間対AIのカードゲームを作ろうと思ったら、HEROZさんの存在は外せないと?

高橋 企画に関しては、もちろんバンダイさんのものです。弊社は将棋の印象が強いのですが、それ以外の頭脳ゲームやボードゲームでもAIを展開していたので、お話をいただいたときはわりとふたつ返事に近い感じで、「いっしょにやりましょう!」ということで、すんなり決まったと思います。HEROZの中には、カードゲームが好きで研究しているメンバーもすでにいたので、自分たちなりに「カードゲームとはどういうものなのか?」という視点はありましたね。ですので、バンダイさんに呼ばれたときは、そういう話(カードゲームのオファー)があるかも……という期待は持っていました(笑)。そうしたら、まさにそういうお話だったので、「これはおもしろい」と思って乗らせていただきました。

――企画への参加が決まった後も、いまの『ゼノンザード』の形に持っていくまでにいろいろなことがあったかと思うのですが、将棋AIやボードゲームAIの開発ノウハウが役に立った点、逆に難しかった点を教えてください。

高橋 まず将棋や囲碁といったボードゲームが、カードゲームともっとも違う点は、基本的にこちらの手やお互いの駒や盤上の状況といった情報が、全部見えていることですよね。しかし、カードゲームの場合は、お互いの手札や山札が隠れているので、その情報を推測していくような思考のルーチンを持ったAIを作らなければならなかったんです。そこに、将棋や囲碁とは違う難しさがあったのは間違いありません。
 一方で、そういうカードゲームならではの特性を読み解いてからは、将棋や囲碁のソフトを作っている際に得ているノウハウは活用できましたね。たとえば、将棋の配信番組を見ていると、試合でどちらが優勢なのか解析する表示があるじゃないですか。あれは弊社で提供しているものもあるんですよ。ああいう試合を分析するシステムは、今回も役に立っています、試合を読み解いて、そこに数値や優劣をつけてあとで分析できる。これは『ゼノンザード』でも、できるようにしています。

【『ゼノンザード』インタビューその2】AIがデジタルカードゲームに新しい風を吹き込む!_01
『ゼノンザード』には試合の有利、不利を可視化して、試合後に検証できるシステムが搭載されている。

――カードゲームで将棋並みの試合解析が行えるというのは、前代未聞ですよね?

小谷 前例がないと思います。いままでのカードゲームだと、試合が終わった後で、「あそこが悪かったかなあ?」と自分で考えることはできますが、ゲーム側からは答えをあまり導き出せなかったんですよ。でも、HEROZさんと組むことで、そういったところを自分の目で確かめられるので、いままでにないカードゲームの形を提供できると期待しています。

高橋 将棋に関しても、10年、15年前になると、リアルタイム分析はまったくなかったと思います。対局が終わった後も、感想戦で振り返るぐらいで、要はできる人どうしじゃないとわからないという部分が多かったんです。そこで弊社は、将棋アプリの中に、形勢を分析して表示させるシステムを入れて、試合の流れを可視化することに取り組みました。将棋も電王戦あたりでガラリと変わりましたね。そのときのユーザーさんの反応はすごかったです。

ゲームシステムとAIが密接にリンクした『ゼノンザード』

――『ゼノンザード』のAIって、対戦相手となるAIと、助言してくれるAIがあるかと思うのですが、これは別々に動いているという認識でいいのですか?

小谷 大きく分けてふたつなのはそのとおりです。対戦型に特化したAIと、ユーザーのバディとなるAIのふたつです。ただ、AIの心臓部分というか、脳はひとつなんです。その心臓部分から派生して、いろいろ作っていただいているという感じです。

――今回『ゼノンザード』のAIの、“カードバトル特化型AI”っていうのは、具体的にこれまでのAI、と言うかCPU戦とどう違うのでしょうか?

小谷 僕が『ゼノンザード』をプレイしていて、「これまでとは違うな」といちばん感じるのは、場の状況に応じて打ってくる手が柔軟というか、変えてくるところです。しかも、プレイを重ねていくとその手が増えてくる。成長していっているというのが、CPUとの大きな違いだと思います。CPU戦って、どうしても作業になりがちというか、「あ、CPU戦だな」と冷める瞬間がありがちなのですが、『ゼノンザード』のAIと対峙しているとそれがない。「向こうに人がいるんじゃないか?」「人以上のモノがいるんじゃないか?」というのが感じ取れるところが、いちばんの違いかなと、個人的には感じています。

高橋 そういった、人間と戦っている感覚を作るために、『ゼノンザード』のAIには、ディープラーニングを使っています。膨大なデータを自分で生成して、学習させる。さらに、新しい手が来ても学習して、弱いところを直していく。あとは、小谷さんを含めて、「こういうときはこう対応する」といった、カードゲームに長けている開発の方の感覚やノウハウをAIに学習させていきます。
 単純に強さを求める数値の世界でAIを作っていくと、楽しくないAIができてしまうんです。ここが研究向けAIと違うところでして、ゲームが楽しくなかったらAIを使う意味がまったくないんですよ。そこを、バンダイの皆さんといっしょに取り組んで、「こっちのほうが楽しいよね」という考えかたのAIにしていく。その調整に関しては、サービス開始後も続いていくので、皆さんといっしょにAIも成長していく……。そんな感じになると思います。

――AIの成長というのは、単純に強くなっていくというよりも、人間っぽくなっていくというイメージのほうが近いのでしょうか?

小谷 そうだと思います。カードゲームをプレイしているときって、誰しも「こういう手が来たらイヤだな」とか、「ここはこの手を打ったら相手はこう返してくるだろう」という予想を立てていると思うんですけど、『ゼノンザード』のAIもそういう予測を立てたプレイをしつつ、こちらの予想を外してくる。予想した手を打ってこないという、人間らしい待ちや攻めかたをしてくる。その点に、人間っぽさをすごく感じます。

――具体的には、どういう変化がAIに現れるのでしょうか?

小谷 一応ゲーム内では数値化していて、レベルが上がったら、「強くなりました」とは明確に見せていくのですが、AIの打ち手が人間っぽいために、レベルが1から2、3に上がったくらいだと、強くなったかどうかは感じ取りづらいかもしれないです。プレイヤー自身もいっしょに成長しているので。でもそこは、ある意味バディAIとしてのおもしろさかなと思います。

高橋 戦って見つかるものもあるじゃないですか。「このカードを使うことで、じつは危険になることもある」といった局面は、戦ってみて初めてわかるものですし。そういったことを試合で体験すると、『ゼノンザード』のAIはつぎからはあえて使わないように学習していくんです。ここは、ディープラーニングをAIに組み込んだ効果がわかりやすく反映されていると思います。

――一回痛い目にあったら、つぎは同じことはやらないと?

小谷 そこは人間に近いなと感じます。あと、カードゲームって、将棋や囲碁、麻雀と違って、戦う駒として、新しいカードがどんどん増えていくじゃないですか。AIに対して効果的なことが見つかっても、新しいカードが出たらすぐに学習して対応してくる……といったやりあいもおもしろいんじゃないかと感じています。

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人間らしい柔軟性が組み込まれ、プレイヤーとともに成長を実感できるという『ゼノンザード』のAI。

――新カードが追加されるたびに学習するというのは、プレイヤーもそうですけど、開発の方も相当大変な気がします。

小谷 そうですね。HEROZさんからしたら、「ふざけるな!」と思っているかも(笑)。

高橋 いえいえ、ゲームはおもしろくなっていくものなので。カードが増えることは考慮していて、バンダイさんといっしょに開発していますよ。

――ふつうのカードゲームのカード追加やバージョンアップよりは、確実に大変そうですよね。

小谷 そこは、人間に落とし込む……といったら変ですけど、新しいカードが出てきたら、どんなに強い人でも戦いながら模索するじゃないですか。そこも、『ゼノンザード』のAIは同じだと思っていて、AIが学んで、学び終わったら強くなるというプロセスは、プレイヤー自身といっしょに成長していくというのが、リアルに追体験できていいかなと。新弾が出るたびに、プレイヤーとAIが成長していくという曲線が描ければいいなと思っています。

高橋 カードゲーム以外のアプリで、HEROZもキャラクターをどんどん追加したり、バージョンアップに対応していくというのは、やってきているんですよ。実際に運用をしているので、開発の手間をコンパクトにするといったノウハウみたいなものは持っています。

小谷 そういった点からも、HEROZさんと組ませてもらって本当によかったです。

――『ゼノンザード』には、キャラクターとしていろいろなAIをベースにしたバディが存在しますが、得意なデッキがあったり、好みの戦法などが変わってくるみたいなことはありますか?

小谷 どのキャラクターをバディに選んだかで、デッキが変わるというのではないです。そこは、フラットな感じにしています。AIとデッキを紐づけてしまうと、カードパワーによって、そのキャラクターだけ使っていればいいという、付加価値がついてしまうからです。そうなってしまうよりは、フラットにキャラクターたちが多数存在していて、その中から自分のバディとなるAIを選ぶ形にしたほうがいいかなと。ですので、バディAIになるキャラクターは、見た目で選んでもらうのがいいと思います。

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――バディAIは試合中にアドバイスをくれるということですが、これもAIの成長と紐づいていて、育てていくとアドバイスの種類が増えたりするのですか?

小谷 アドバイスは、基本的にバディに選んだキャラクターが、状況に応じて「ここはこうしたほうがいいんじゃないの」というのを、いろいろなパターンでボイス付きで教えてくれます。AIの成長に応じて、その種類も変えていきたいとは思っています。プレイヤーも成長していくわけで、上級者になればなるほど、アドバイスの質や見せかたは変えたほうがいいでしょうし。そこはいま、HEROZさんと検討しているところです。初心者に向けてのアドバイスと、上級者に向けてのアドバイスはぜんぜん意味合いが変わってきますよね。トップユーザーになればなるほど、アドバイスというものが楽しくないゲームシステムとして認識されてしまう可能性があるので。

――余計なお世話に聞こえるかもしれないということですね?

小谷 はい。最初は手助けだったものが、ジャマに感じられたり、ズルだと思われるようにはしたくないです。「AIのアドバイスがあったから、勝ったんでしょう?」みたいに捉えられかねないので、ゲームとして見せかたを考えていきたいと思っています。

――上のレベルのプレイヤーでも、点数の計算だったり、確認のし忘れはあると思うので、そこをサポートしてもらえるだけでもありがたい機能にはなると思うんですけどね。

高橋 AIのサポートがプレイヤーの気づきになるといいですよね。将棋でも、トップの人がAIを利用し始めたら伸びたという事例はいくらでもありますから。それこそ、藤井聡太さんもそうで、カードゲームでも同じようなことが起こればいいなと思っています。

――今日の話を伺っていると、デジタルカードゲームの分野が、いままで人間に任せすぎだったのかなと思ってしまいますね。そろそろAIの助けがいるフェーズに入ったのかなという。

小谷 足りないところを気づかせてくれるところや、自分が成長できるポイントをAIが教えてくれるというのは素晴らしいと思っていますし、人間対AI、機械対人間というテーマって、わりと昔からエンターテイメントとして好かれているものだと思うんです。『ゼノンザード』にあえてアナログカードゲームのシステムを入れている理由もそういうところにあって、20年くらいでしょうか……人間がいままでカードゲームで遊んできて、人間としては「僕たちが絶対に一番だろう」という気持ちでいる人も多いと思うんです。そこに、AIが対戦相手として現れたときにどうなるのかというところは、おもしろいテーマになると思うんです。2月19日に行われた“ザ・ゼノンショウ”での反応もよかったのですし、これはいけるんじゃないかと手応えを感じています。

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バディAIがどこまでプレイヤーをサポートとして介入するかなど、AIの活かしかたは今夏予定の正式サービス時まで、いやリリース後も進化を続けていくことになりそうだ。

――『ゼノンザード』の対戦形式は、基本的に人間とAIが戦う形になるのでしょうか? それとも人間対人間だったり人間対AIの対戦を任意で選べたりするのですか?

小谷 『ゼノンザード』の対戦の軸になるのは、“クロス”という形式でして、自分は相手のバディAIと戦い、自分のバディAIは相手のプレイヤーと戦う感じになります。この形式だからできることというのはかなり多いんです。たとえば、デジタルカードゲームでは少ない、相手のターンに関与できるシステムやカード効果をたくさん盛り込めるんですよ。アナログのトレーディングカードゲームで培ってきた遊びかたが利用できるんです。

――人間対人間のデジタルカードゲームだと、アナログのカードゲームのノウハウは活かせないのですか?

小谷 ゲームのレスポンスのことを考えるときびしいですね。相手のターンに自分が動けるとプレイに要する時間が延びてしまうので、やむなく切り捨てていました。でも、AIが相手の『ゼノンザード』だと、試合にかかった時間というのは、ほぼ自分の持ち時間と同じになるので、相手のターンへの介入行動が増えても、ストレスなく遊べるんです。

――待ち時間がないというのは、スマートフォンでのプレイに向いていますね。

高橋 通信量もかかりますし、待ち時間は極力減らしたいですよね。ですので、AIに長考をさせないアルゴリズムは、設計の段階からかなり工夫しています。

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アナログトレーディングカードゲームの楽しさをデジタルの世界にも根付かせたい

――『ゼノンザード』のゲームルールを作る際に、既存のデジタルカードゲームと差別化しようとした点はありますか? バディAIの存在がいちばんだとは思うのですが、それ以外で力を入れた点があれば教えてください。

小谷 先ほど少し話に出ましたけど、アナログトレーディングカードゲームでメジャーとなっているシステムである“相手ターンへの介入”なんかは、意図して取り入れています。あとは、AIを軸にしているゲームということで、ランダム要素は極力排除していますね。カードゲームって、ひとくくりにすると同じに感じられるかもしれませんが、デジタルとアナログとではゲームルールが大きく異なっているんですよ。デジタルカードゲームは、やはりアプリで遊ぶために最適化されたルールになっているのですが、AIが対戦相手の『ゼノンザード』で同じようなルールを採用すると、プレイヤーが不公平感を感じやすいんです。だからアナログトレーディングカードゲームのルールに寄せた、という一面もあります。

――不公平感を感じるというのはどういった点でしょう?

小谷 デジタルカードゲーム特有のランダム要素です。たとえば、相手のモンスターに3点ダメージを与えるという効果のカードがあるとして、AIが使ったときは1体に3点集中攻撃が入ったとしましょう。でもプレイヤーが同じカードを使ったときには、1点ずつバラバラに当たって敵を倒しきれませんでしたとなると、プレイヤーは不信感を感じてしまう。人間対人間だったら、「いまのは運が悪かったな」と納得してくれるところも、AI相手だと難しいんですよ。

――それはわかるような気がします。

小谷 ですので、『ゼノンザード』ではランダム要素を薄くして、その代わりにリアルなトレーディングカードゲームのよさを取り入れています。

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対AIということを念頭に置いて採用されているゲームシステム。相手のターンに介入できる“フラッシュタイミング”もそのひとつ。

――まあ、ズルしているんじゃないかという問題は難しそうですね。

小谷 先日行われた“ザ・ゼノンショウ”でも、「中身をいじっているんじゃないか?」とは言われましたけど、これからのβテストやいろいろなイベントで触れてもらえれば、皆さんの感じかたも変わってくるとは思っています。大会でお客さんに観戦していただくという場だったら、デッキの中身の順番まで提示すれば手っ取り早いんですけどね。イベントに関しては、見せかたで工夫していこうと思っています。

――相手のターンに介入できるシステムが多いことで、『ゼノンザード』と従来のデジタルカードゲームとでは、試合展開がどのように変わってくると思いますか?

小谷 『ゼノンザード』独自のシステムとしては、“フォース”、“フラッシュタイミング”、“移動型マナシステム”というものが存在します。まず“フォース”は、ひとつひとつ効果が違う9個のオブジェクトの中から、自分がデッキを組むときに2個選べるシステムです。選んだ“フォース”によって、同じデッキでも戦いかたが変わってくるということで、試合前のデッキ構築の楽しみかたが増しています。
 “フラッシュタイミング”は、先ほどもお話しした、相手ターンへの介入ですね。これに関しては『マジック:ザ・ギャザリング』はもちろん、弊社でいうと『バトルスピリッツ』など、いろいろなリアルなトレーディングカードゲームで実装されているものです。“移動型マナシステム”は、マナを自在に増減できるシステムで、トレーディングカードゲームでも珍しいシステムですが、レイヤーによっては、「ああ、あれね」みたいな感じの受け入れかたをしていただけるのかなと思っています。

――たしかにおなじみですね。

小谷 デジタルカードゲームだけに触れてきた人にとっては、「難しそう」だと捉えられそうなのは悩ましいところですが、そこはAIのアドバイスでフォローしつつ、しっかり受け入れてもらえるように作っています。いまのところは感触がよくて、アナログ独特のカードゲームのおもしろいところを『ゼノンザード』で知っていただいて、逆に新しいといった感想をもらっています。

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“移動型マナシステム”のおかげで、『ゼノンザード』では従来のデジタルカードゲームよりもカードやマナをフレキシブルに使うことが可能になっている。

――“AIカードダス”というプロジェクトは、『ゼノンザード』以降も展開されていくと思うのですが、「今後こういうことができたらいいな」とか、「じつはこういうことが決まっています」といった展望はありますか?

高橋 “AIカードダス”は、バンダイさんのプロジェクトですけど、何かできないかとつねに考えています。

小谷 いまはいろいろなおもちゃとの連動が進んできている段階で、グループ全体がAIに目を向けている空気は感じます。まず、僕らカード事業部は“AIカードダス”を皮切りに、幅広い取り組みをしたいと思っています。とはいえ、まずは『ゼノンザード』に全力で取り組んでいきますので、よろしくお願いします。

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