巨大メカどうしで激しいバトルロイヤルをくり広げていくアクションゲーム『オーバーライド 巨大メカ大乱闘 スーパーチャージエディション』が2019年4月18日にプレイステーション4で発売となる。

 本作は12機のメカを操り、世界各国をモチーフにしたバトルアリーナで大乱闘を展開。周囲の建造物もお構いなしにぶち壊してしまう、というような豪快さがウリとなっている。最大4人での対戦のほか、協力プレイや壮大なストーリーも収録。さまざまな遊びが体験できる1本と言える。

 そんな本作を発売に先駆けて行われたメディア向けの体験会にて、いち早く触れられる機会を得た。今回の記事ではゲーム本編の多彩な要素の中でも、とくに注目してほしいポイントを詳しく解説。所感とともにお伝えしていく。

『オーバーライド 巨大メカ大乱闘』レビュー、話題の巨大メカアクションはバトルロイヤルや協力プレイが激アツ! _15

巨大メカが街で大暴れ

 まず注目してもらいたいのは、タイトルにも付いている“大乱闘”だ。本作ではこの大乱闘がメインコンテンツとなっており、いちばん魅力的な部分でもある。ルールはもちろんバトルロイヤルで、4機の巨大メカがド派手に取っ組み合いをくり広げ、すべての敵を破壊し尽くせば勝利となる。

 基本操作もルール同様にわかりやすく、L1が左パンチ、L2が左キック、R1が右パンチ、R2が右キックという設定。すべてのボタンで長押しの力溜めができ、なかには技のモーションが変化するものもある。

 加えて、攻撃をブロックした後に出せるカウンター技のほか、□ボタンを押しながらパンチやキックを出すことで発動する4つのスペシャルアタック、ライフが一定値を下回るとくり出せるアルティメットアタックなど、格闘アクションならではのシステムも完備。プレイヤーは、これらの技の発動で上昇するヒートゲージをオーバーヒートしないように管理しながら戦っていくことになる。要はスタミナ管理みたいなもので、この仕組みによってバトルに駆け引きが生まれるというわけだ。

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 登場する巨大メカは全部で12機。正統派な正義のロボット風のウォッチボットをはじめ、怪獣のようなフォルムのメタゲコン、老師風なシフ、ネコ忍者のマイア、頭が魚のプロレスラーのペスカードなど、個性が際立つメカたちが勢揃い。それぞれがユニークな大技を持っているので、発動演出をチェックしてみるのもおもしろい。

 なお、追加キャラも用意されていてダウンロードコンテンツを購入することで使用できるようになる。『スーパーチャージエディション』なら、あらかじめシーズンパスが収録されているので、何もせずとも順次ダウンロードが可能だ。

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 戦いの舞台となるのは日本、エジプト、ロシア、モロッコなど、世界各国の都市や名所をモチーフにした3Dアリーナ。あまりゲームでは見かけない国々も採用されているので新鮮味を感じたりもする。変わり種としては月面基地が登場。巨大な基地と施設の周囲で大暴れができる。

 アリーナの中には高層ビルや鉄橋のような多彩な建造物が設置されていて、それらを粉々に破壊しながら戦っていくのもお楽しみのひとつ。プレイヤーが操るのは巨大メカなだけに、体の一部がかすっただけで建造物は簡単に壊れてしまうのだが、崩れ行く瞬間を見るのが気持ちよくてけっこうクセになる。

 真っ直ぐ敵に向かって走ればいいものを、ちょっと脇にそれてビルに体当たりをかましてから敵に向かってしまったり、攻撃回避の際にわざわざダッシュで建造物に突っ込んでしまったりするなど、ついつい破壊活動に勤しんでしまう。何とも恐ろしい魅力があるのだ。

 また、アリーナ内には刀、斧、銃、火炎放射器、手榴弾、大盾など、じつに多種多様なアイテムが定期的に配置される。これらを拾って装備すれば、バトルを有利に進めることが可能だ。ほかの3体の巨大メカが小突き合いをしているところに、背後から近づいて火炎放射器を浴びせてやったときなどは、してやったりでニヤニヤが止まらなかった。

 ちなみに、大乱闘はオンラインでもオフラインでも遊ぶことができる。画面の分割表示も可能なので、みんなで集まったときにワイワイ遊ぶのもアリ。全員が敵のバトルロイヤルだけでなく特定の相手とチームを組めるので、2対1の変則マッチみたいなバトルもプレイできる。対戦の設定に関しては、かなり至れり尽くせりといった印象だ。当然ながらシングルプレイヤーで最強を目指して戦うランキングや1対1のタイマンモードもあるので、ソロでがっつりやり込むこともできる。

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パニック必至な4人乗り巨大メカ

 本作には非常に風変わりな協力プレイモードが存在し、これがめちゃくちゃおもしろい。1機の巨大メカを最大4人で操作していくことになるのだが、プレイヤーごとに操作できる部位が異なるため、目的地へ向かって歩くだけでももはやパニック必至。慣れないとまともに戦うこともできないのだが、その状態が楽しくて笑いが止まらない。

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 なお、担当部位はプレイヤーの人数によって変化し、マックスの4人の場合は以下の通りに分担する。

下半身担当:
移動全般のほか、ジャンプ、ダッシュ、キック、左キックのスペシャルアタックを繰り出す。

ヘッド担当:
カメラのコントロール、敵のロックオンという視点に関する重要な役割を担う。ブロック、カウンター、アルティメットアタック、右キックのスペシャルアタックといった技も扱う。

左アーム担当:
左パンチと左パンチのスペシャルアタックを放つ。

右アーム担当:
右パンチと右パンチのスペシャルアタックを放つ。

 見て分かる通り、担当部位によってその重要度が異なる。右アームと左アームの担当は相当にお気楽なもので、操作に慣れないプレイヤーが集まったときには人気を集めるパートになること請け合い。逆にヘッドと下半身はとてつもなく重要で、このふたりの連携が取れるかどうかで戦いの趨勢が決まると言っていい。とくにヘッドのカメラコントロールは全員の視点なので責任重大。だけどそんなにうまくいくはずがなく、視点は明後日の方向を向き、全員の操作が噛み合わくなってパニックに!

 また、スペシャルアタックは発動にゲージを消費するのだが、ゲージは全員が共有するために各々が好き勝手に使いまくると肝心なときに使えなくなってしまう。そんなことは全員が百も承知のはずなのだが、なぜか使いたいときにゲージは必ずない……。

 といった具合に、つねにハプニングが頻発。笑いが絶えないプレイになることは間違いないので、みんなでワイワイ集まるときには遊んでみてほしいところ。

 オンラインでプレイするなら、ボイスチャットは絶対に欲しい。連携するのに声掛けが必要なのもあるが、やはりみんながパニックになって騒ぐのがおもしろいので、ボイスなしでは魅力が半減してしまうので注意されたし。

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エイリアンと激闘をくり広げる物語も

 格闘アクションゲームにおいてアーケードモードと言えば、バトルをくり返していくシンプルなモードを想像すると思うが、『オーバーライド』では趣を異にする。本作では、謎の生命体から地球を守るために戦う、壮大なストーリーが展開していくことになる。この事実を知るとほとんどの人が「じゃあ、ストーリーモードでいいのでは?」と考えると思うが、筆者もまったく同意見である(笑)。

 アーケードモードでは、ストーリーに沿って展開する“ストーリーミッション”と、報酬などがランダムで決められている“サイドミッション”が存在。プレイヤーはいくつか提示されるミッションから、好きなものを選択して戦いに身を投じていく。

 それぞれのミッションごとに経過する日数が決められていて、10日などの特定の日数が経過するとエイリアンの大群が襲来。節目の大きなバトルを迎えることになる。

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 ミッションをクリアーすると、機体強化に必要なクレジットや組み込むことでパワーアップするMOD、新たな武器などの報酬が手に入り、巨大メカを改造することができる。つねに多数のエイリアンを相手に戦わなければならないため、攻撃力アップやダメージ軽減などの強化を行い、苛烈な戦いに向けて準備を怠らないようにしておきたい。

 なお、アーケードモードはソロで遊べるだけでなく、最大4人までの協力プレイも可能。難度の高いミッションも多々あるため、仲間と力を合わせてエイリアン撃破に挑んでみてほしい。

 ついでに言うとアーケードモードの会話シーンでは、各機体のパイロットの姿も拝むことができる。自分の愛用する機体のパイロットがどんな人物なのか、チェックしておくのもおもしろいかもしれない。

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その日の気分で見た目をカスタマイズ

 スキンを変えたりアクセサリーで装飾したりして、巨大メカの見た目をカスタマイズして楽しむこともできる。印象をガラッと変えられるパーツもあるので、対戦で負けて気持ちを切り替えたいときなどにもピッタリ。ゲームを起動するたびに、その日の気分でその日だけのコーディネートを決めてもいいだろう。

 巨大メカのバリエーションと同様に個性的なパーツが揃っていて、クリスタルの“スクールガール”はパンを口にくわえたセーラー服風のスキンで「遅刻、遅刻ーっ!」と言いながら走り出しそうだし、ペスカードの“フィッシャーボート”は自分が魚のくせに釣り人風の格好をしていたりと、何コレと笑ってしまうようなものも多々ある。

 そんな多種多様なスキン及びアクセサリーは、アーケードモードやオンライン対戦をプレイすることでランダムでアンロックされる仕組み。それぞれにレアリティが設定されており、デフォルト、コモン、レア、エピック、レジェンドと後者になるほど希少価値が高くなる。当然ながらレアリティの高いものは、なかなか手に入らない。

 ただし、オンラインでの対戦であればレアなスキンやアクセサリーの入手確率が高く設定されているので、収集目的なら対戦をやり込むのがよさそうだ。遊べば遊ぶだけ入手チャンスも増えるので、連戦しまくってカスタマイズパーツを集めておきたい。

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1度は体験しておきたい4人乗り

 本作の注目ポイントをいろいろと紹介してきたが、なかでも体験してもらいたいのは、やはり1機の巨大メカを4人で操縦する協力プレイ。こういったシステムの協力プレイはあまりないので、本作で1度は体験してみてほしいところだ。

 ふたりや3人での操縦もできるが、人数が少なくなるほど担当する部位が増えてしまい、操作がしやすくなってしまう。操作しやすいと、ふつうの協力プレイになってしまうので可能な限りマックスの4人で操縦してもらいたい。

 思うように動かせないという感覚は、かなり新鮮な体験で刺激的だった。全員が慣れて統制の取れた動きでどんどん極めていく過程もおもしろいと思うが、個人的には初見プレイヤーがひとりくらい混じっているほうがいい感じ。どちらかと言えばパーティゲーム的な感覚で楽しんでみるといいかもしれない。