大手インディーパブリッシャーのDevolver Digitalが、Gabe Cuzzillo氏によるアクションゲーム『Ape Out』を本日より配信開始。Nintendo Switch版はすでに海外に先駆けて配信されており、価格は1500円[税込]。続いて今晩深夜にSteamでのPC版も配信予定となっており、いずれも日本語に対応する。

力こそパワー! 立ちはだかる人間をぶっ飛ばせ

 『Ape Out』の主人公は、なんらかの目的により実験体として人間に囚われてしまったゴリラ。謎の研究施設やオフィスビルなど、さまざまなシチュエーションからの怒りの脱出劇が描かれる。

 アクションは移動以外に“ぶっ飛ばす”、“力任せに掴んで引きずる”のふたつのみというシンプルかつパワフルな構成。銃を持って立ちはだかる人間どもを野生のパワーで蹴散らし、各ステージのゴールを目指すことになる。

『Ape Out』暴走ゴリラの怒りの脱出劇が、人間を打楽器にした野性的ジャズドラムセッションへと昇華される! Switch/PCで本日配信_03
ゴリラ、モリ、カエル。ジャマスルニンゲン、ユルサナイ……。
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ねじ切った扉でショットガンの直撃を防ぐゴリラ。
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停電状態の暗闇の中を進むシーンも。警備の持つライトの明かりが恐ろしくも美しい。もちろん、できるだけ光を避けて進むのが吉。

 ゴリラの攻撃は強力で、人間を一瞬でインクをぶち撒けたような肉塊へと変える(イラスト調ではあるが、さすがにレーティングはCERO Dになるハードコア表現)。しかも人間たちはビビっているのかゴリラ発見から銃撃まで少し間があるので、殴ってよし、捕まえて盾にしてもよし、掴みからぶん投げて壁や別の人間に激突させてもよし。一対一なら人間にそう勝ち目はない。

 しかし人間は数が多い。そしてゴリラも屈強な肉体を誇るとはいえ、数発の銃撃でやられてしまうので立ち回りが重要だ。警備の少なそうなルートを通ったり、壁などを遮蔽物として利用しながら避けたり逃げたりするステルスゲーム的な技量はもちろん、盾にされた人間が暴れて撃つ銃を別の人間に当たるように仕向けるといったテクも必要になってくる。

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人間を掴んで盾にするのは重要テク。弾を防げるだけでなく、抵抗して撃つ弾で別の人間を倒せることもある。
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複数の人間に遭遇した時は、誰から倒すか、どう動くかが重要になる。

 なおステージはプレイごとの自動生成になっており、死亡するたびにマップ構成が多少変化し、フレッシュな気分で再チャレンジ可能だ。

 そして通常モード以外に、ハードモードや時間制限アリでスコアアタックするアーケードモードも存在するので、より厳しいサバイバルを望む人はそちらをトライしてみるといいだろう。

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死亡時のスクリーンより。大まかな構成や特徴的なパーツは変わらないが、プレイごとに細かな部屋や壁の配置などが変化する。

人間は打楽器だ! ゴリラが野性的パワーで奏でるジャズセッション

 さて、ゴリラと言えば胸を叩いて意思表示する動作“ドラミング”が知られているが、本作ではある意味本当にゴリラがドラムを叩く! そしてコレが非常に重要なポイントのひとつなのである。

 というのも、ゴリラの攻撃が決まるのに合わせて「ドシャーン!」とドラムが鳴るようになっていて、BGMとして流れるフリージャズ風のドラムとゴリラの怒りの一撃が、さながら即興のドラムセッションのようにシンクロするよう作られているのだ。

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人間はパーカッションだ!

 人間との戦いが加熱するに連れ、フリーキーなリズムに合わせてドシャーンガシャーンとシンバルが叩きつけられ(※)、画面上には荒々しくも力強いペイント作品のように色がぶち撒けられていく。コレが妙な高揚感があって気持ちいい。(※ステージや曲の展開によってシンバル以外のこともある)

 ちなみに各ステージは架空のレコードアルバムとして構成されており、前半戦と後半戦の合間には“レコードをA面からB面に裏返す”インターバルがもうけられている。

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レコードジャケットっぽいステージセレクト画面。アルバムごとにコンセプトも異なり、2枚めのアルバム“High Rise”は4面×2の8面で構成され、ビルの上階からくだっていって、1階エントランスからの脱出を目指す。

 というわけでハードコアで超バイオレンスかつ、スタイリッシュでアーティスティックでもある本作。気になった人はぜひ動画などをチェックして、ゴリラが奏でる狂乱の肉体ジャズをチェックしてみて欲しい。