『ドラゴンクエストライバルズ』二木Pが“勇者杯”に第6弾の新カードパック、Nintendo Switch版を語るロングインタビュー! アッと驚く“秘密”も明らかに!?_34

 『ドラゴンクエスト』(以下、『DQ』)シリーズのキャラクターやモンスターたちがカードとなって戦う、スマートフォンとPC(Yahoo!ゲーム)、そしてNintendo Switch向けの対戦デジタルカードゲーム『ドラゴンクエストライバルズ』。

 2019年2月10日には、4回目となる公式全国大会“勇者杯2018冬”が東京・ベルサール秋葉原にて開催されたが、大会については下記の記事を見ていただくとして、ここでは本作のプロデューサーであるスクウェア・エニックスの二木達博(ふたぎ・たつひろ)氏に、“勇者杯2018冬”の総評や、2019年2月22日に配信される第6弾カードパック『小さな希望のシンフォニー』、2019年2月14日より配信が始まったNintendo Switch版と、怒涛の展開を見せる『DQライバルズ』について、いろいろと語っていただいた。

二木達博(ふたぎたつひろ)

『ドラゴンクエストライバルズ』プロデューサー、スクウェア・エニックスの二木達博(ふたぎ・たつひろ)氏。(文中は二木)

“勇者杯”は開催ごとに来場者数や視聴者数が増えて手応えを感じています

――“勇者杯2018冬”の決勝トーナメントに出場した選手は、前回と異なり全員が初出場選手でしたね。

二木 今回の予選では、12月に開催されたランクマッチ“英雄杯”で上位30位までに入った選手が二次予選に出場できるルールになりました。その中から決勝トーナメントに上がってきた選手が多かったですね。やはりランクマッチの上位にくる選手は強いと思いました。

――“英雄杯”で1位になったあーあい選手は、“勇者杯2018秋”の決勝出場を賭けたランクマッチでは惜しくも2位でしたが、今回は見事に1位で出場権を勝ち取りました。

二木 そうですね。前回のランクマッチでの激戦を見ていて、2位の選手には何も残らないのはどうにかしないといけないと考えて、今回はランクマッチの上位30名に二次予選出場権を与えることにしました。決勝トーナメントでは、あーあい選手は準決勝で、優勝したやぎしん先生選手に惜しくも敗れてしまいましたが、すばらしい試合を見せてくれました。

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――2018年5月開催の春を皮切りに夏・秋・冬と、いわば“勇者杯2018”のシーズンが終了したわけですが、“勇者杯”を立ち上げたところから振り返って、この1年はいかがでしたか?

二木 まさに、あっという間でしたね。3ヵ月周期の公式全国大会というのは、あらためて早いスパンだったと感じます。それでも、いろいろな施策を追加していくと皆さんからの手応えも感じましたし、数値上にも効果が現れたので、続けてよかったと思います。

――大会を取材していて、熱気はどんどん上がっている印象です。

二木 「人が集まってくれるかな」と心配していたこともあって、初回の会場はベルサール秋葉原の1階というオープンな場所で開催しました。通りすがりの人にも「何かやっているぞ」とアピールする狙いがあったのですが、夏以降は、2階の屋内で開催しても来場してくださる方が増えたのはうれしかったですね。大会で不備があったところは次回大会への課題にし、いまでは当初考えていた理想に近い形の大会を開催できるようになったと思います。この1年を振り返ると、とてもいいサイクルで進められたかなと。

――今回は試合の模様だけでなく、ターンごとにキーとなるカードが表示されたり、各選手が構築したデッキの戦いかたの解説などが表示されていて、すごくわかりやすくなっていると感じました。

二木 esportsの映像を観るのが好きなスタッフからのアイデアで、試合の流れがわかるように、解説を入れたりピックアップカードを表示させるなど、見ている人が流れを理解しやすくするために、挑戦してみました。見ている人が試合を理解できるようにすることは、今回の“勇者杯2018冬”でもっとも力を入れた部分です。ピックアップするカードやその説明などは、弊社のスタッフがその都度、スクリーンに表示していました。

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――解説の方が「ここは〇〇のカードがくれば」みたいな話をしたら、すぐにそのカードが画面に表示されていて、すごいと思いました。

二木 “勇者杯”の試合は、エンターテインメントとしても十分に楽しめると思っています。会場では大きな歓声が起きたりするので、盛り上がりのポイントもわかりやすいのですが、配信を見ている方や、まだゲームを始めたばかりの初心者の方も、その盛り上がりに乗れるようにしたかったんです。『DQライバルズ』を知らない人、カードゲームは知っているけど『DQライバルズ』は知らないという方が試合を見たときに、「いまはこのカードが重要なんだな」、「これが手札に来たから盛り上がっているのか」と、パッとわかるようにする狙いがありました。

――試合内容についてですが、盤面で戦っていくデッキや、リーダーに直接ダメージを与えるためのデッキなど、多彩な組み合わせが見られましたね。やはり、第5弾『勇気の英雄譚』で実装されたヒーローカードの影響が大きいのでしょうか?

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二木 ヒーローカードは3枚に対して、リーダーは7人いるので、多彩なデッキ構築が検討できるようになったと思います。そんな中で、どのリーダーが勝ち上がってくるのか、私たちも楽しみにしていました。ただ、決勝大会前に2回目のカード調整を行ったのですが、決勝大会の出場プレイヤーの皆さんは決勝に向けての調整がたいへんだったと思いますので、申し訳なく思っています。

――今回の“勇者杯”の一次予選は元日直後というタイミングだったにも関わらず、約54,000人もの参加者が集まったそうですね。

二木 スケジュール的にどうしてもその時期になってしまいましたが、多くの方に参加していただけました。前回の“勇者杯”から、出場したい人は必ず予選に出られるという仕組みにしていて、抽選で落ちることなく、すべての人が登れる“道”を作りました。それによって、大会に対して熱を持ってくれる方が増えたと感じています。

――そういう意味では、“勇者杯”は『DQライバルズ』で頂点を狙ういわゆる“ガチ勢”と、純粋に楽しみたい“エンジョイ勢”がともに楽しめる最高の舞台ですね。経験を重ねて自信がつけば、“勇者杯”出場を狙うプレイヤーも生まれてくるでしょうし。

二木 そうなるとうれしいですね。次回となる“勇者杯2019春”の予選では、大会に参加できるチャンスを増やしてみようと考えています。いまは、ゲーム内の一次予選で負けたら終わりとなり、一度しかチャンスがない状況ですが、負けた経験から「つぎはこうしたらいいんじゃないか」と戦略を練り直す方もいると思います。その戦略を再度試せるチャンスがあってもいいのかなと。そこで“勇者杯2019春”では、一次予選のイベントマッチを2回開催するほか、独立したオンライン大会を開催して、その大会を勝ち上がっても二次予選にいけるような仕組みにします。少しでも二次予選に行けるチャンスを増やそうと思います。

――プレイヤーはチャンスが増えていいのですが、運営は大丈夫ですか?(笑)

二木 そこはがんばります(笑)。“勇者杯”で大事なのは、「自分も上に行けそうかも」と、たくさんの人に感じてもらうことです。5万人以上が参加する一次予選で、1回のチャレンジで約250人しか二次予選に進めないとなると、ハードルが高く感じられてしまいますから。

――そう思うプレイヤーも多いでしょうね。

二木 なので、複数の機会を作って、負けたとしても経験を活かしてつぎに繋がるデッキ構築を考え、「このデッキがあれば、自分も二次予選に進めるかも」と自信を持ってもらえるようにするのが狙いです。また、ランクマッチで上位30名に入るようなプレイヤーは、やはりプレイにかなりの時間を割いてくれているのですが、それは物理的に無理という方も多いと思います。そこで、プレイに大きく時間を割けない方でも出られる機会をなるべく多くしたかったんですね。

――確かに、ランクマッチでレジェンドに到達するのはかなりたいへんです。

二木 「時間さえあれば、自分もレジェンドに行ける」と考えているプレイヤーも、たくさんいると思うんです。果たして、本当にそうなのか? そこを試す意味も込めて、そんな方も“勇者杯”に挑戦したくなるような環境を作ることが目標です。“勇者杯2018冬”の出場選手はレジェンドクラスの上位陣が中心となっていましたが、これからその間口が広がっていくとうれしいですね。

――今回の会場には初心者コーナーが設けられていましたが、かなりたくさんの人が並んで大盛況でした。大会を機にプレイを始める方も多いのですか?

二木 “勇者杯”では来場者の方に任意でアンケートをお願いしていて、「『DQライバルズ』をプレイしたことがありますか?」という質問に、「プレイしたことがない」と答える方がけっこういました。“勇者杯”では会場外でチラシを配っているのですが、それを見て来てくれた方が意外と多くて。これだけ足を運んでくれる方がいるのなら、その場で『DQライバルズ』に触れてもらえるコーナーがあってもいいなと思いました。

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――僕は『DQ』シリーズが大好きなのですが、カードゲームにはあまり興味がなかったんです。そんなときに『DQライバルズ』が配信され、「『DQ』だし、少し触ってみようかな」とプレイしたらハマってしまって。『DQ』シリーズが好きで来場して、そこで『DQライバルズ』に触れてくれる人がたくさんいることにうれしくなりました。

二木 『DQライバルズ』は、RPGである『DQ』にカードゲームを掛け合わせたタイトルです。カードゲームは若い世代に人気があって、長い歴史があるRPGはとりわけ大人世代から高い支持を受けています。そこを掛け合わせて、お互いの架け橋になるタイトルにしたいなという思いが『DQライバルズ』にはあります。それが実を結んできているとしたら、とてもありがたいですね。

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