2019年2月14日に発売されたPS4&PS Vita用ソフト『キャサリン・フルボディ』。本作は、2011年に発売された前作『キャサリン』に、新キャラクターや追加シナリオ、難易度の調整といった数多の改良を加えたタイトルだ。当記事では、より熟成され、いっそう味わい深くなった本作の魅力と、迷える子羊を導くための攻略ガイドを記していく。
感情を刺激されるストーリーにハマる!
本作の特徴的な魅力は、だいぶ“ビター”な大人の恋愛ドラマである。主人公のヴィンセントは、悪い人間ではないのだが、どこか冴えないダメな30代の男性。そんな彼が、自分との将来を考えて結婚を意識してくれている恋人がいるにも関わらず、バーで出会った好みの美女とその日のうちに一夜をともにしてしまう。それからというもの、彼は毎晩、崩れゆく足場から落ちたら“本当に死んでしまう”悪夢にうなされることに……。
日常シーンでは一夜の過ちから来る不安と葛藤に悩まされ、そしてひとたび眠りに就くと、死と隣り合わせの悪夢が待ち受ける――そんな、自分では絶対に味わいたくない過酷な現状に置かれた男の生き様を体験できるのだ。
こうした展開を、客観的なドラマとして楽しんでもいいし、自分の価値観や倫理観、人生経験と比べながら感情移入したり、「自分がヴィンセントの立場ならこうするのに」などとアレコレ想像してみるのも楽しいだろう。本作で初めて遊ぶプレイヤーはもちろん、前作の発売から約8年が経っているので、かつてプレイした人も当時とは違った視点からドラマに触れられるはずだ。
とくに本作では、ヴィンセントを悩ませる第3の存在として“リン”が追加されているため、前作の経験者でも、ヴィンセントが歩む新たな人生を見届けられるのは大きな魅力。リンは、恋人や浮気相手とは異なり、その言動でヴィンセントを翻弄するようなことがない。むしろ癒しの存在として、ヴィンセントの心の拠りどころになっていく。可憐な容姿と純粋な心を持ちながらも、芯は強くて健気という、まさにパーフェクトな美少女……と言いたいところだが、そうとは言い切れない展開が待ち受けているあたり、やはり『キャサリン』らしくてニクい(笑)。
兎にも角にも、ヴィンセントがどんな未来を掴み取るのか。それを導くのはプレイヤー自身だ。自分の価値観に従って選択肢を積み重ねるのもいいし、あえて“無責任なダメ男”として恋人にドライな態度を取ってみるのもいい。その結果、浮気相手が本命になったり、恋人にこっぴどくフラれたりするかもしれないが、それもまたひとつの人生だろう。周回プレイを堪能し、さまざまな“修羅場”を体験して、それぞれの結末を見届けよう。
攻略のヒント その1:謎のメーターの意味を知ろう
本作では、随所で現れる選択肢や、届いたメールへの返信によって、謎のメーターが左右どちらかに傾くことがある。“奔放”で自由な態度を取るとメーターが左に、逆に“堅実”な態度を取るとメーターが右に傾く。これは、ズバリそのまま、左に寄ると浮気相手、右に寄ると恋人とのエンディングに近づくことを示し、物語の分岐に大きく関わってくる。
分岐の条件はそれほど複雑ではないので、恋人とのエンディングを迎えたければ、恋人に対して誠実な態度を取る(メールはきちんと返信して、電話にも出る)ことが大切だし、浮気相手になびきたければ、恋人とのやり取りをドライにしてしまえば、浮気相手とのエンディングを迎えやすいだろう。もしも心配なら、1日が経過するごとにセーブデータを作っておくと安心だ。
攻略のヒント その2:リンは告解室での選択肢が重要
リンの場合は、アクションパズルパートの告解室で出てくる“可能性への質問”にて、特定の答えを選んでいくことで、リンのルートに突入できる。該当する答えを選ぶとメーターが傾くのではなく、段階的にヒビが入っていき、それを重ねて突入条件を満たすと、物語のある局面で特別な選択肢が出現。ここで重大な決断をすると、リンのルートに入れるのだ。
ちなみに、“可能性への質問”は第3夜から登場するので、ルート分岐対策として、その前にセーブデータをひとつ作っておくといい。この時点なら、メーターがどんな状態でも各キャラクターとのエンディングを迎えるための調整が間に合うので、周回プレイ時に最初からやり直す時間を省ける。