『ケツイ Deathtiny ~絆地獄たち~』の最新情報を披露!

 エムツーは2018年11月18日、秋葉原・廣瀬無線ビル5階にて同社初のファン感謝イベント“エムツーショットトリガーズ弩感謝祭”を開催した。

 速報でお届けしたように(下のリンク記事をご確認のこと)、同社が手掛けるシューティングゲーム復刻プロジェクト・エムツーショットトリガーズの新たなラインアップとして、完全新作となる『アレスタ』や、長らく移植のなかった『エスプレイド』が加わるとの発表もあり、大いに盛り上がったこのイベント。それ以外にも、近日発売の『ケツイ Deathtiny ~絆地獄たち~』最新情報や、同社が開発を手がける他社プロジェクトのトークショーなど多彩なプログラムで、一大シューティングファン祭りな熱量を生み出していた、その模様をお届けする。

シューティングゲームファンがアキバに集結! トークに新作発表にで盛り上がった“エムツーショットトリガーズ弩感謝祭”の模様をリポート_01
この日ならではのプログラムを見届けようと、場内には多数のシューティングゲームファンが詰めか、溢れんばかりの熱気を生み出していた。司会進行は、エムツーの久保田和樹氏が勤めた。
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会場内では、エムツーが開発を手がける“SEGA AGES”シリーズや、『ダライアス コズミックコレクション』、ミニチュア筐体“ARCADE 1UP”などの展示・試遊も行われて賑わった。
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ゲームキャラクター模型を多く手がけるRCベルグ社製は、『ナイトストライカー』の自機・インターグレイXsiを展示(レジンキット)。こいつ、変形するぞ!

 イベントの目玉は、11月29日に発売が迫る『ケツイ Deathtiny ~絆地獄たち~』の最新情報の数々。発売が近いだけに、これまでヒミツにされていたオープニングムービーや、アレンジモードの詳細が、関係者の説明によって明らかにされていった。

 今回の移植で新たに加えられたオープニングムービーは、ミリタリー調のテイストで、これから(ゲーム中の)戦いに赴く主人公たちのプレ・ストーリーを描いたもの。

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 本作のプログラマー福井将之氏は、ムービーを制作しようと思い立った経緯を「(ゲーム中では説明されない)ストーリーを知って欲しかった」と説明。ムービー制作を担当した斉藤久典氏が「内容重視でコンテを切ってしまったので、ムービー作成にあたって自分の首を締めることになった」と語ると、オープニング楽曲を努めた並木学氏も「コンテに合わせてアレンジを行い、フレーム単位でタイミングを微調整した」と、いかにもエムツー案件らしいこだわりが随所に込められたものであったことが明らかにされた。

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メイキング資料資料も披露された

 エムツーによるアレンジが加えられた“DEATHTINY MODE”の解説もなされた。詳しい内容については以下のスライドをご覧いただきたいが、「弾幕をかいくぐるよりは、攻めを重視して(ボムの代わりとなる)DEATHTROYを使って敵を倒していくゲーム性」(久保田氏)という説明からは、オリジナルとはかなり違った遊びごたえを楽しめそうだ。

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DEATHTINY MODEの説明が書かれたスライド。気になるひとはよく読み込もう。
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DEATHTINY MODEの実演プレイ。敵をすばやく破壊することで出現する“Dチップ”を集めながら戦う。
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トークにはオリジナル版のチーフプログラマーであるケイブの池田恒基氏(左)も参加。「最初見せられたときはルールがわからなかったが、ルールがわかると懐の深さを感じる。稼ごうとするとエゲツない」と太鼓判を押していた。

 ほかにもアーケード版の全イチ(全国一位)スコアラーによるスーパープレイが披露されるなど、さまざまな角度から『ケツイ Deathtiny ~絆地獄たち~』の魅力にスポットが当てられ、そのたびに来場したシューティングファン、生配信を見ていた視聴者は、感嘆の声を上げていた。

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凄腕スコアラーが普通にプレイしていたということは、それだけ移植精度が高いということ。練習に最適なモードも搭載されている。

セガ、タイトーとのトークショー。そして新作発表!

 エムツーが開発を手がけるプロジェクトの関係者によるトークショーも行われた。

 “オレとダライアス”と銘打たれたコーナーでは、こちらもエムツーが開発を手掛けるNintendo Switch用『ダライアス コズミックコレクション』に深く関わるタイトー外山雄一氏と、おなじみエムツー代表の堀井直樹氏がトークを展開。タイトー(『ダライアス』)、エムツー、ゲーム業界の出来事を年表で振り返りながら、なぜエムツーが『ダライアス』を移植することになったかが紐解かれていった。

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外山氏制作による年表を読み進めることで、タイトーとエムツーの不思議な縁が浮かびあがった。事前にツイッターで募集していた質問には「サウンド面はZUNTATAがしっかり監修している」、「第2弾の可能性は今回の反響次第」など、気になる回答も。

 “SEGA AGES”トークショーでは、スーパーバイザーの奥成洋輔氏と堀井代表による、開発よもやま話がくり広げられていった。奥成氏からは「『ゲイングランド』いつ出るんですか?」といった容赦のないツッコミに対して、「締め切りを守る機運は生まれた」、「追加要素は思いついたら尻込みせずやる。そして死ぬ」と返す堀井氏とのコンビネーションは、まるで漫才コンビのよう。

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SEGA AGESのスーパーバイザー奥成洋輔氏(左)。

 さらに、奥成氏が『アレスタ』の版権をエムツーが所有していることを明かすと、堀井氏は「これまで試作品を作ってはボツになっていたが、(自社販売を始めた)この機会を逃したくない」と、開発に前向きな発言(まさかその直後に発表になるとは……)。加えて堀井氏は「SEGA AGESの選から漏れたタイトルを自社で(パブリッシング)やるよ!」と爆弾発言。いつかはその約束が果たされることを期待して、ここに記しておく。

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かつてエムツーが制作したSYSTEM16版『ファンタジーゾーンII』の実機もプレイ可能となっており、めったにない機会にマニアが列をなしていた。

 イベントの最後に行われた重大発表では、“Project M2A”と名付けられた新作『アレスタ』を先に発表。初公開されたプロモーション影像では、すでに動作しているプレイ画面も盛り込まれており開発が順調に進んでいることが感じられた。

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 直後には、ディレクターを務める冬野灰馬氏、シリーズの楽曲を手掛けた竹内啓史氏、エムツーと竹内氏と結びつけた並木学氏が登壇し、開発がスタートするまでの経緯が語られていった。

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左から冬野灰馬氏、並木学氏、竹内啓史氏。

 かいつまんで説明すると、冬野氏による企画立案と、並木氏と竹内氏による交流(飲み会)が同時多発的に立ち上がり、そこからあれよあれよという間に企画が進展。わずか数ヵ月で遊べる状態の試作品が、そこから数週間でさきほど披露した影像が完成したのだとうからオドロキだ。

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『アレスタ』復活までの出来事がまとめられたスライド。日数の短さに注目してほしい。

 冬野氏は「『アレスタ』はコンパイルの看板商品であり、タイトルごとにクリエイターの個性が出ている」と定義。すでに参加を決めている竹内氏に加えて、並木氏にも楽曲の公開オファーをするなど、半端ない熱量を醸し出していた。機種・発売予定ともに未定な本作だが、つぎの情報公開は2019年の夏を予定とのこと。新生『アレスタ』が飛び立つ姿に、期待を抱いて待ちたい。

 もうひとつの重大発表となった『エスプレイド』だが、こちらもすでに開発機上でゲームが動作しているそうで、これまでのエムツーショットトリガーズタイトルと同様に、新モードや新曲の追加も予定しているとのこと。これまで家庭用ゲーム機に移植されたことのない同作だが、ステージに登場したケイブ池田氏が「最低でも完全移植だよね」と発破をかけいただけに、エムツーの手腕に期待したいところだ。

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発表直後には大きな歓声と拍手が沸き起こった。
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 なお、発表してから音沙汰のないタイトルについての進捗報告も、堀井氏から行われた。新作シューティング『UBUSUNA:ウブスナ』は、「すでにプレイができる状態にあるが素材制作が難航中」、『フィーバロン学園』は「システムが完成しているが、データを作るのが大変」、アーケード向け新作『もののけ忍法帳』は「人手不足からプログラマーが一時的に別プロジェクトに」とのこと。発言からすると、完成まではまだしばらくかかりそうだが、それだけエムツーならではの“こだわり”があってのこと。首を長くして待つことにしよう。

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イベント終了後には関係者が勢揃いして記念撮影。堀井氏からは「次回開催もしたい!」との発言もあったので期待したいところだ。