2018年10月26日(金)~28日(日)の3日間(現地時間)、アメリカ・サンノゼのマッケンナリーコンベンションセンターにて、TwitchCon 2018が開催された。北米大手動画配信サービスTwitch主催によるTwitchConをどう説明しようかというと、“Twitchユーザーのためのファンイベント”ということになるのだろう。その展示内容を頭に思いつくままに列記していくと、企業ブースの出展、ゲストを招いてのパネルディスカッション、ステージイベント、ゲーム大会、アクティビティー、物販、パーティーなど、そしてストリーマーどうしの交流など、Twitchにまつわるものだったら何でも揃っているとの印象だ。Twitchファンを満足させずにはおかない空間。それがTwitchConだ。

TwitchConの歩きかた。ゲームからセッションまで、ファンを満足させずにおかないイベントの詳細をリポート【TwitchCon 2018】_28
会場には多くのユーザーが訪れた。

 2015年の第1回目以降、毎年場所を変えて行われているのもTwitchConの特徴で、2015年はサンフランシスコ、2016年はサンディエゴ、2017年はロングビーチ、そして2018年はサンノゼと、同じカリフォルニア州内の都市で実施されてきた。毎回実施場所を変えるというのは、すべてをイチから構築しないといけないから、オペレーションがたいへんなんじゃないかな……などと素人心に思ったりもするのだが、きっと幅広い地域のユーザーに来てほしいという、ユーザーライクなTwitchらしい発想によるものなのだろう……と、記者は勝手に推測している。実際のところ、来場者も2015年は約20000人、2016年は約35000人と、その数を順調に伸ばしているようだ(※)。

[2018年10月29日午前5時追記]当初TwitchCon 2017の入場者数を記載しておりましたが、Twitchでは正式には発表していないため、該当箇所を削除させていただきました。

 TwitchCon初体験となる記者が、会場をぐるりとまわってみて頭に浮かんだのは、「Twitchファンのためのまったりとしたイベントだなあ」という感想。出展ブースは、いずれも比較的コンパクトでデコレーションもそこまで激しく凝っているわけではない。キーノートでTwitchの新機能などが明らかになったりはするものの、別段そこまで激しく新発表の応酬があるわけでもなく、雰囲気は比較的のんびりムード。TwitchConを象徴するシーンのひとつが、おそらくは会場内で来場者どうしが談笑する姿がそこかしこに見受けられることで、まあ言ってみればTwitchConは、Twitchユーザーの交流の場なのだ。仲間どおしてコミュニケーションを取ったり、会場に来合わせた憧れのストリーマーと記念撮影をしたりと……。極めて暖かい空間だ。

 今回は、そんなTwitchCon 2018の会場を少し歩いてみたいと思う。

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入り口には自由にコメントを書けるスペースも。撮影したのは初日(26日)の午後いちだったのだが、すでにほとんど埋まっていた。
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会場内では談笑する来場者も多かった。
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イベントの性格上、会場では配信をする姿がふつうに見られた。ときには犬も……?
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ちなみに会場のレイアウトはこんな感じ。

ゲーム関連のブースが花盛り

 イベントのベースとなるExpoフロアには、150社近くが出展。そのカテゴリはというと、ゲームメーカーからパソコンメーカー、周辺機器メーカー、IT企業など多種多彩。中には日清食品という変わりダネも(Twitchでラーメンを作る動画を配信する方も多いためかしら)。

 ゲームメーカーでは、ベセスダ・ソフトワークスとPeal Abyssのブースが大きくて目立つ。それぞれ、『RAGE 2』と『黒い砂漠』を出展していた。セガゲームスも何気に出展を果たしており、『Total War: WARHAMMER II』をお披露目していた。そのものずばりの『Sea of Thieves』ブースもあり、こちらはどちらかというと試遊というよりも、撮影スポットや即席タトゥーがメインとなっていた。また、会場外の駐車場スペースには仮設ハウスを設置しての、PlayStationコーナーが展開。『Marvel's Spider-Man(スパイダーマン)』や『コール オブ デューティ ブラックオプス 4』など、最新のプレイステーション4用ソフトを体験できた。

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ベセスダ・ソフトワークスとPeal Abyssのブースは会場でもとくに目を引いた。
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セガゲームスは『Total War: WARHAMMER II』などを出展。
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その名もずばり、『Sea of Thieves』ブース。残念ながら日本語版は配信していない同作。会場では即席タトゥーを貼ることができて、人気だった。
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gamescomなどでのドドーンとしたブース展開からすると、シンプルなブースが逆に新鮮な『Wolrd of Tanks!』。外では戦車の撮影スポットも。
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インディーゾーンも。2019年配信予定の『Boyfriend Dungeon』などが遊べた。
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PlayStationブースも仮設ハウスにて展開。最新作が出展されていた。
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Twitch Primeの会員を対象に、Riot Gamesの『League of Legends』のゲーム内アイテム“サモナーズクラウン カプセル”が無料でもらえることを記念して、LAN エリアでは同作がプレイ可能に。人気タイトルが遊べるとあって大盛況だった。

 とはいえ圧巻はなんといっても『フォートナイト』。敷地内の特設ホールにて展開された『フォートナイト』は、これでもかとばかりにゲームにゆかりのアクティビティーを展示。さらには100人対戦も可能で、圧倒的な注目度を集めていた。いま、Twitchでもっとも動画が見られているタイトルは『フォートナイト』とのことであるが、まさに別格の扱いであったようだ。

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巨大なロゴが来場者をお出迎え。ブースでは老若男女がアクティビティーを楽しむ様子が見られた。アメリカにおける勢いを改めて実感させられる。

ストリーマーとの交流の場も盛況

 さて、TwitchConを象徴する催しとして、ぜひともご紹介しておきたいのが、“Meet & Greet”と“Artist Alley”。“会ってあいさつをする”、“交流会”といった意味あいの“Meet & Greet”は、要するに人気ストリーマーとの交流の場。会期3日にわたってストリーマーの登場する時間が決められており、ファンの皆さんはお目当てのストリーマーが登場する時間に会場へ趣き、歓談や記念撮影など、思い思いにコミュニケーションを図っていた。もちろん人気の強弱はあるが、どのストリーマーにも軒並み長い待機列ができており、「ストリーマーって人気あるんだなあ」ということを改めて実感させられる。

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人気ストリーマーとお話ができるとあって、連日大盛況だった“Meet & Greet”。TwitchConならではの光景と言える。
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こちらは40万人近くのフォロワーさんを持つB0atyさん。
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快く撮影に応じるAmouranthさん。フォロワー72万人を擁する人気ストリーマー。

 “Artist Alley”も、アメリカでは一般的な呼称らしいが、直訳すると“アーティストの路地”。つまりは自作の販売。近年Twitchでは、アーティストが配信した絵を描く動画が人気らしいが、会場ではそんなストリーマーでもあるアーティストが出展していた。ひいきのアーティストを求める来場者で会場はものすごい熱気だった。

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記者も心惹かれる“Artist Alley”。絵を描く様子を動画としてアップしてファンを獲得するという、Twitchならではの動向と言えるだろう。

ストリーマーのノウハウを伝授するセッションも

 アメリカのイベントでは一般的であるゲストを招いてのトークやパネル(パネルディスカッション)は、うれしいことにTwitchConでも健在。用意されていたセッションは100近くで、テーマは「視聴者を集めるには?」や「コミュニティを活性化するには?」といった、ストリーマーのノウハウにフォーカスしたものが中心だった。

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人気ストリーマーになるためのノウハウを伝えるセッションが注目を集めた。
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ストリーマーどうしのゲームイベントも行われ、大人気に。
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GDQ(Game Done Quick)という最速でゲームクリアーを競うイベントは会期3日間を通して開催。写真は初日朝イチのもので、まだ若干人は少なめだった。
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展示ホールでもステージイベントが順次開催。こちらは、Tiltify Charity Zoneにて行われた“Top Cook TwitchCon - Ramen Battle!”。同ブースでは、3日間の会期中で、同じチームどうしが10種競技さながらにユニークな競技でしのぎを削ったのだが、ここで行われたのは、ラーメン作りの腕を競う競技。もちろんふつうにラーメンを作ってもなんなので、チョコレートやマシュマロ、パイナップルなど、ラーメンの具材には絶対に使わないような食材を用いて作らなければならないという趣向。審査員も(料理関連の人気ストリーマー)も、その珍ラーメンの数々を評価するのはたいへんだったようです。
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廊下には“The Museum of Emotes”という展示コーナーも。
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往年のアーケードゲームの名作もプレイアブルで出展。こちらも大人気。
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会場内では随所にアクティビティや撮影スポットが設置され、まさにおもてなしの精神。こちらは風が吹き荒れるなか、体を張ってくじをゲットすると豪華景品がもらえるアトラクション。
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撮影スポットがあるんだもの、撮影したくなるのが人情というもの。
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いちばん人気なんじゃ……と思われたのが、物販スペースの“The Loot Cave”。とんでもない行列ができていた。

 そんなわけで、TwitchConの会場は極めて心地よい空間なわけだ。

 おまけ……。会期初日の夜には、TwitchConの来場者を対象としたパーティーが、コンベンションセンターからクルマで30分ほどのところにあるサッカースタジアム、Avaya Staduimで行われた。サンノゼ・アースクエイクスのホームスタジアムのようであるが、きれいな設備にテンション上がりまくり。ちなみに、記者たちはとりあえず取材に来てそうそうに立ち去ってしまったのだが、宴もたけなわになってスタジアムはさらに盛り上がったようです。

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