2018年10月13日、東京・六本木のコナミホールにて“eBASEBALL パワプロ・プロリーグ”の研修会が行われた。元プロ野球選手の岩村明憲氏によるスポーツマンシップについての講演など研修会の内容をリポートする。

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「対価を貰ったらプロ」岩村氏が語るプロ選手像

 研修会は一般社団法人日本野球機構の高田浩一郎氏とコナミデジタルエンタテインメント第三制作本部本部長の小林康治氏のあいさつで始まった。

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NPBの高田浩一郎氏
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コナミデジタルエンタテインメント 第三制作本部本部長小林康治氏。「野球ゲームファンを野球ファンにしたいし、野球ファンを野球ゲームファンにしたい」と将来の展望を語った。

 その後、プロ野球やメジャーリーグで活躍した岩村明憲氏による講演が行われた。

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岩村明憲氏。愛媛県立宇和島東高校からヤクルトスワローズ(当時)にドラフト2位で入団。2007年よりメジャーリーグのタンパベイ・デビルレイズ(当時)に移籍。2015年からはBCリーグ福島ホープスの選手兼任監督に就任。2017年現役引退。現在も福島ホープスの球団代表として精力的に活動する 。

 岩村氏の考えるプロとは「100円でも対価を貰ったらプロ、お客さんを満足させるのがプロ野球選手」だと語った。入団時、2軍の試合で1イニングに3エラーをしながらも、その後ゴールデングラブ賞を6度受賞するに至った自分の経験を踏まえ、個人の財産になる「引き出しを増やすこと、失敗を活かすことが大事」と、これからプロとして活躍する選手たちにエールを送った。最後に「プロとしての意識をもって楽しいプレーを見せてください」と締めくくって講演は終了。

 質疑応答では、「大舞台では緊張することもあると思うが、どのように臨めばいいか」など、メンタル面での質問が多くを占めた。「2009年のWBCでイチローさんがあの勝ち越しタイムリーを打つ、ふたり前の打者が自分だった。あの回は僕の前に内川(聖一)選手がヒットで出塁しており、“ここで打ったらヒーローだぞ”と、強い気持ちで打席に入ることで、ヒットを打つことができた。まぁ、ちょっと内川選手の足があまり速くなくて、ヒーローにはなりそこねましたが(笑)。それでも、もしここで“うわっ、ヤバッ。打てなかったらどうしよう”と思っていたら、打てていなかったと思う。相手よりも強い気持ちを持つことが大切」と、岩村氏は自分の体験談を踏まえながら、過酷なプロの現場で戦った先輩として、選手たちの質問に答えた。

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「メンタルの鍛えかたは」という質問に対しては、「相手より強い気持ちを持つ」など、選手にとって非常にためになったようだった。

 先駆舎の眞邊明人氏によるマナーについての講演では、人に好かれやすくなるコミュニケーションの取りかたやSNSの運用について語った。

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先駆舎の眞邊明人氏

 講演の後半では、研修に参加しているほとんどの選手が活用しているSNSについて、「Twitterでネガティブな情報を拡散させるのは、全体の中でわずか2.5パーセントの人。でも、その人たちは、何か指摘できることはないかと、常に“待ち受けている”状態。そういう状況に投稿するということを意識して、まず“怖さ”を感じてほしい」 など、SNS使用時の注意を挙げた。

 さらにSNSの活用方法、コミュニケーションの取りかたなどプロ選手として活動する上で必要なポイントを実践しながら解説。講演では絶対できる笑顔のやりかたなどを選手どうしで実践し、眞邊氏の講演が終了した。

『パワプロ』プロ選手たちにインタビュー

 今回、研修に参加したプロ選手数名に講演の感想や“eペナントレース”へ向けての話を聞くことができた。

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東京ヤクルトスワローズ・マエピー選手。パワプロチャンピオンシップス2017全国大会を制した実力者。Eドラフト会議では4球団が競合指名した。

――岩村さんの講演を聞いて、いかがですか。

マエピー 率直に感動しました。まさにプロだなと。

――とくに印象に残ったポイントなどは?

マエピー 最後のメンタル面のお話ですけど、自分は複数回の大会参加を経て、落ち着いてプレイできるようになったので自分はまだ、そういう点で自分はアドバンテージをもっているのかなと思います。大会出場があるという経験を活かして、チームメイトにもアドバイスをできればと思います。

――今回は3人1組の団体戦でチームワークや協調性も大事になってくると思いますが、もうチームメイトとは仲良くなりましたか?

マエピー じつは、まだまだこれからという感じです。(笑)。でも、先ほどの“強い気持ちを持って戦う”という点にも通じますが「俺が後ろにいるから、安心して戦ってこい!」と声を掛けるくらいの気持ちでやりたいですね。

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読売ジャイアンツ・たいじ選手。第3回スプラトゥーン甲子園の優勝者。『パワプロ』を始めたのは約2ヵ月前と短いが、ドラフト2位指名される。

――岩村さんの講演お話を聞いて、いかがですか。

たいじ とても貴重な体験でした。ゲームはちょっと歴史が浅いですけど、プロ野球選手として活躍された方のプロとしてのお話を聞けたのはよかったです。

――たいじさんはすでにesportsプレイヤーとして活躍されていますから、やはり共感できるポイントもあったのでしょうか。

たいじ メンタル面などの考えかたは共感できることがありました。とくに、岩村さんがおっしゃっていた“何苦楚魂”はいい考えだと思いました。もちろんいままでも努力はしていましたけど、そこまで硬い気持ちでやるということはなかったのでいい話を聞けました。

 なお、研修会では来月1日に行なわれるアップデートで投手の体力表示についてルールが改訂されることも発表された。

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表示されている体力ゲージの、青い部分がつぎの試合までに回復する体力の量。継投させる場合の判断の目安になる。なお、この仕様は次回のアップデートで反映される

なお、eBASEBALLで行われる試合のおもな設定は下記の通り

  • 規定イニング6回
  • 延長9回まで
  • タイブレーク制 なし
  • コールド なし
  • DH制
  • セ・リーグ:なし
  • パ・リーグ:あり
  • 天気 晴れ
  • 時間 デーゲーム
  • エラー あり
  • ケガ なし
  • 落下点 なし
  • 選手調子 おまかせ

取材を終えて

 研修会は、実際のプロ野球選手に対して行われるものと遜色のないものとなっているように見受けられ、岩村氏やプロのマナー講師による講演といったその充実した内容は、NPBとKONAMIが“eBASEBALL パワプロ・プロリーグ”に懸ける本気度の現れであるように感じた。

 現実のクライマックスシリーズ、日本シリーズに続いて開幕する“eBASEBALL パワプロ・プロリーグ”。2018年11月10日から開幕する“eペナントレース”では精鋭プレイヤーたちのどんなプレーが見られるのか、そしてどの球団が優勝の栄冠を手にするのか。いまから非常に楽しみだ。