2018年9月27日、プレイステーション4とNintendo Switchで『無双OROCHI3』が発売される(Steam版は同年10月16日配信予定)。前作『無双OROCHI2』から約7年、新要素を加えた『無双OROCHI2 Ultimate』からでさえ、約5年を経て登場するシリーズ最新作ということで、首を長くして待っていたファンの方も多いだろう。

 少しでも早く、より多くの情報が欲しいという方に向けて、『無双OROCHI』はもちろん、『真・三國無双』や『戦国無双』のファンであり、記事担当でもあるライターのジャイアント黒田が、『無双OROCHI3』のレビューをお届け!

神術&神格化でますます爽快に“神化”したアクション!

 これまで数多くの『無双』の名を冠したタイトルを遊び尽くしてきた筆者。倒した敵の数は、おそらく数百万体を越えているハズ。たぶん。そんな筆者の記録は、『無双OROCHI3』でますます更新されるだろう。いや、正直に言う。編集部で仕事そっちのけでプレイしていて、現在も更新している(※編集部注:この原稿も待たされました)。

 というのも、本作はアクションの“神化”がすごい! 数ある要素のなかでも特筆すべきは、“神器”と呼ばれる特殊な武器を使ってくり出す、新要素の“神術”だ。ひと口に神術といっても、通常神術、チャージ神術、固有神術、合体神術といくつかの種類があり、神器によってさまざまな攻撃が用意されている。

『無双OROCHI3』発売直前レビュー! 進化ならぬ、“神化”を遂げた究極の『無双』見参!!_01
アルテミスの弓やレーヴァティンなど、神話に登場する武器が神器となって登場。馬超は、黄金の猪・グリンブルスティに乗って暴れ回れるなど、“神次元”のアクションが堪能できる。
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本作では馬を呼び出す騎乗も神術扱い。ボタンを押した瞬間、馬に乗れるので非常に便利! 近距離の移動も、思わず馬を呼び出してしまう。正直、『真・三國無双』や『戦国無双』にも取り入れてほしい神システム。

 この神術が、シンプルな操作方法でくり出せる従来の無双アクションと相まって、かつてないほど爽快で痛快な戦闘を実現している。たとえば、通常神術と無双アクションによる連続攻撃。通常神術のなかには敵を集めたり、拘束したりするものがある。これを利用して、通常神術で敵を集めた後、強力なチャージ攻撃で敵を一網打尽にするなど、戦術の幅が大きく広がっているのだ。本作をプレイして間もなく、筆者は奥深い神術アクションの虜になり、より強力なコンボを探すのに夢中になった。

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筆者のお気に入りの神術は、北欧神話に登場する魔法の紐・グレイプニル。
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グレイプニルの通常神術で前方に拘束した敵を、チャージ攻撃などで一網打尽にするのが筆者の必勝法!

 また、集団戦や強敵戦では、強力なチャージ神術や固有神術、合体神術が猛威を振るう。とくに圧巻なのは、プレイアブル武将全員に個別のアクションが用意された固有神術と、3人のチームメンバーと4人のサポートメンバーで協力して放つ合体神術。これらのアクションは、威力はもちろん、演出がとにかく派手なので、見ていて非常におもしろい。

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固有神術は、武将たちの個性を活かした技をくり出せる。全員異なるアクションが用意されているので、ひとりずつチェックするのも楽しい。

 さらに合体神術には、7人の武将の組み合わせを考える醍醐味も! 合体神術を発動した瞬間、7人の武将が一堂に会するので、史実のネタを活かしたものから見た目に特化させたネタ重視のものまで、アイデア次第で下のようにユニークなカットにできるのだ。

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劉備と諸葛亮に、関羽、張飛、馬超、黄忠、趙雲ら五虎大将軍を加えた、蜀のオールスターが集結! 蜀好きにはたまらない組み合わせ。
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いわゆるイケメンだと伝えられる、織田信長や明智光秀、井伊直政、小早川隆景、長宗我部元親、直江兼続、前田利家ら戦国武将で編成。画面がまぶしい!?
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女好きの董卓のもとに、三國と戦国、さらには仙界や神界から名立たる美女が集結! 「ぐわっはっは! 酒池肉林じゃー!」

 アクションにはもうひとつ、驚きの新要素がある。それは特別な腕輪に選ばれた趙雲や、真田幸村ら8人の武将だけが使える“神格化”だ。神格化は、本作から登場する新たな強敵・カオスオリジンが落とす、“神力の雫”を入手すると発動できる。本来は覚醒、または無双極意の状態となって能力が強化されるが、神格化する武将たちは、能力はもちろん、固有神術や見た目もパワーアップする。

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井伊直虎も腕輪に選ばれた武将のひとり。恥ずかしがり屋だが、神格化するとよりセクシーな見た目に! 恥ずかしがる姿がいちいちカワイイ。
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鬼神・呂布も神格化! 固有神術では、雷神トールの力を宿し、雷をまとった強烈な一撃を放つ!

 圧倒的な力を手にする、覚醒や無双極意ですでに気持ちいいが、神格化は別格! 見た目の変化で武将たちの新たな一面が楽しめるし、より強力になった固有神術を放つのがたまらない。しかも、神格化中は神術を放つのに必要な神術ゲージが減らなくなるという優遇っぷり! 神格化した武将は、まさに神のごとく、戦場で大暴れできるのだ。

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神格化中は神術が使いたい放題に! 無双ゲージも急速に回復するので、発動に神術ゲージと無双ゲージを必要とする固有神術も多用できるのがうれしい。

 そしてなんと言っても、それぞれ固有のアクションを持ったプレイアブル武将が、170人も登場するのが圧巻! この数に尻込みしてしまうかもしれないが、成長した状態の武将のアクションを試せる模擬戦や、ステージごとに異なる武将の組み合わせを提案してくれるボーナスメンバーなど、知らない武将を使いたくなる仕掛けもたくさん用意されている。『無双OROCHI』シリーズを初めて遊ぶ人でも、手軽に楽しめるのでご安心を。

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模擬戦では、武将が成長しきった状態でプレイ可能。模擬戦で自分好みの武将を見つけて育てると効率的だ。
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ボーナスメンバーで出撃すると、通常よりも多くの経験値を獲得できるほか、戦場で特殊なイベントが発生するメリットも。

170人もの武将が紡ぐストーリーも“神化”してよりドラマティックに!

 本作はアクションだけではなく、170人ものキャラクターが織り成すストーリーにも力を入れている。ストーリーと世界観の原案・監修は、ゲームクリエイターの村山吉隆氏が担当。『無双OROCHI2』で宿敵・遠呂智を倒した英雄たちが記憶を失い、もとの世界に帰還したシナリオの後日談が描かれる。

 本作の舞台は、オリュンポスの主神・ゼウスが三國と戦国の世を融合して生み出した新たな異世界。ゼウスのほかに、ギリシャ神話からアテナ、アレス、ペルセウス、北欧神話からオーディンが新キャラクターとして参戦を果たした。三國と戦国、そして『無双OROCHI』シリーズで活躍する仙界の住人も総登場し、それぞれの思惑を胸に、反乱軍、ゼウス軍、オーディン軍、仙界軍の大きな4つの勢力に分かれて、シリーズ最高峰のドラマをくり広げるのだ。

『無双OROCHI3』発売直前レビュー! 進化ならぬ、“神化”を遂げた究極の『無双』見参!!_14
遠呂智に習い、三國と戦国の世を融合させたゼウス。彼の狙いとは!?

 ストーリーは、序盤から三國最強の呂布と戦国最強の本多忠勝が激突したり、とある理由から孫権と孫堅が親子で対立したりと、熱い展開の目白押し! 趙雲、真田幸村、呂布、井伊直虎、曹丕、石田三成、関銀屏、織田信長ら神格化する武将たちも物語のカギを握っており、アクションはもちろん、ストーリーでも大活躍してくれるので、ファンの方はお楽しみに!!

『無双OROCHI3』発売直前レビュー! 進化ならぬ、“神化”を遂げた究極の『無双』見参!!_15
神格化した趙雲と幸村が激突する一幕も! それぞれの信念を胸に両雄が激突!!

 また、東京ゲームショウ2018の初日に初公開されたテレビCMでは、遠呂智とさらなる力を手に入れた真・遠呂智が刃を交えるシーンが収録されていた。だが、ファンの方はご存知の通り、遠呂智と真・遠呂智は同一人物なので、本来はふたりが戦うことはありえない。

TVCM『無双OROCHI3』2018/9/27発売!

 ふたりが戦う理由や勝敗の行方などもストーリーの見どころだが、この夢の対決が実現したのも、古澤正紀プロデューサーたちスタッフの強いこだわりから。東京ゲームショウ2018の開催中に実施したインタビューでは、遠呂智対真・遠呂智についても古澤氏に聞いているので、興味のある方は併せてチェックを。

 総括すると、本作はアクションやストーリーが正統に“神化”していて、『無双OROCHI』シリーズファンの期待通り、いや期待以上のタイトルとなっている。『無双』シリーズのファンはもちろん、アクションゲームが好きな人にもぜひ手にとってほしい良作だ。

 前作を遊んでいないからと、食わず嫌いをするのは本当にもったいない! 本作は単体で遊べるストーリーになっているうえ、シリーズのストーリーを振り返る機能も充実している。また、ファミ通.comでは“5分でわかる振り返り記事”も公開しているので、そちらに目を通しておけばバッチリだ。しっかりと予習をして、2018年9月27日から始まる、“神次元の一騎当千バトル”を遊び尽くして欲しい。