海外で2018年11月14日にプレイステーション4/Xbox One/PCでリリース予定の『Fallout 76』。オープンワールドRPG『Fallout』(フォールアウト)シリーズにオンラインRPG的な要素を取り入れた本作について、新情報が公開された。

 発表が行われたのは、現在テキサス州ダラスで開催中のid Softwareのファン向けイベント“QuakeCon”。id Softwareと同じゼニマックスグループによる作品ということで、シリーズの指揮を取るトッド・ハワード氏をはじめとするスタッフによるパネルディスカッションが行われた。

 本稿では、パネルディスカッション中に判明した本作の仕様についてご紹介していこう。

S.P.E.C.I.A.L.の各項目にPERKカードをセットして強化

 今回のパネルディスカッションでは、既存の『Fallout』プレイヤーにおなじみだろうS.P.E.C.I.A.L.やPERKによって行う強化カスタマイズについて、新映像も交えつつ大きく紹介していた。

 あらためて簡単に概念を説明しておくと、S.P.E.C.I.A.L.は耐久値やカリスマ性といった7項目に分けてプレイヤーの能力を数値化したもの。一方PERKは、特定条件下で発動する能力ブーストなどのユニークな特殊効果を得るものだ。

 本作でレベルアップすると、まず上限を増やしたいS.P.E.C.I.A.L.の項目を選び、続いてそこにセットするPERKを選択する。そしてPERKはトレーディングカードのようになっていて、それぞれS.P.E.C.I.A.L.のどれかに属しており、性能に応じて1から5までのコストがある。

 例えばS.P.E.C.I.A.L.のC(カリスマ)が4ポイントある時は、合計4コストまでのカリスマ用PERKカードをセットできるという形だ。コスト2のカリスマPERKカード2枚や、コスト3のカリスマPERKカード+コスト1のカリスマPERKカード、あるいはコスト1のカリスマPERKカード4枚といった感じに、上限値の範囲内でカードを組み合わせられる。

 なおレベル50を超えるとS.P.E.C.I.A.L.の上限値追加はできなくなるが(各項目の最大値は15)、レベルアップとカード獲得自体は継続して行える。

『Fallout 76』カードデッキ風のPERKシステムや、“攻撃的プレイヤーがコンテンツにされる”PvP&賞金首システムなど新情報が公開_02
『Fallout 76』カードデッキ風のPERKシステムや、“攻撃的プレイヤーがコンテンツにされる”PvP&賞金首システムなど新情報が公開_03

 PERKカードはレベルアップ時に手に入るほか、一定レベルごと(現状の仕様ではレベル10までは2レベルごと、以降はレベル5ごと)にカードパックを引いて手に入れる(※)。トレーディングカードのように金のレアカードやおまけのガムなどが存在し、ガムは噛むと少しだけ飢えの進行が遅くなるとか。

 カードゲーム的な要素としては、同じカードを合成することで性能を強化可能(ただしコストも上がる)。また映像に出てきた金のカードにはロックのマークが表示されており、もしかするとトレードの可不可があるのかもしれない。

(※2018年8月12日午前6時半追記:カードの入手条件に誤りがあったため、訂正致しました)

『Fallout 76』カードデッキ風のPERKシステムや、“攻撃的プレイヤーがコンテンツにされる”PvP&賞金首システムなど新情報が公開_01
『Fallout 76』カードデッキ風のPERKシステムや、“攻撃的プレイヤーがコンテンツにされる”PvP&賞金首システムなど新情報が公開_05

 そのほかプレイヤーキャラクターの能力を規定するものには、“強さが低い代わりに高く飛べる”といったミューテーション(突然変異)もある模様。映像中ではミューテーションに関連したPERKカードなども映っていた。

 なお本作のVATSシステムでは通常は部位指定攻撃ができないが(恐らく『Fallout 4 VR』と同じようなシステム)、それを可能にするPERKカードも存在するという。

戦わなくてもいいPvPシステムと賞金首

 本作では、クリーチャーなどと戦う従来の『Fallout』のPvE要素と、他プレイヤーと戦うPvP(対人戦)要素がミックスされている。となると問題になりうるのが、執拗なPK(プレイヤー狩り)や、あえてこちらの先制攻撃のフラグが立つように仕向けてから“正当防衛”として狩るといったテク。

 『Fallout 76』でのPvPシステムはレベル5以上で解禁される。ただし一方のプレイヤーが先制攻撃した時点では限定されたダメージしか入らず、やられた側が撃ち返すことで正式にPvPとして認定されるという形。両プレイヤー間の性能差はある程度調整される。

 攻撃的なプレイヤーをゲーム内のコンテンツにしてしまうというアイデアが組み込まれており、応戦しないプレイヤーを一方的に攻撃して倒した場合は賞金首となる。同じサーバー内の他プレイヤーのマップ上に賞金首としておおよその位置が表示されてしまう一方、自分の側では他プレイヤーの位置が表示されなくなる。

 ちなみに賞金首として狩られた場合の賞金は自分のCAP(ゲーム内通貨)から支払われることになる一方、賞金首として生き残ることによる報酬は特にないそう。

 なおPvPでの死亡時に装備などを失うことはなく、クラフティング素材に使うジャンクアイテムしか落とさない。ファストトラベルのように行ったことがある場所から復活ポイントを選ぶことができ、多少のCAPを支払うことで遠方から復活することなども可能。さらに初期のエリアの場所には無料で復活できる。逆に死亡時に復讐を誓うこともでき、成功すると倍の報酬が手に入るという。

 またPvPを避けたい人のために、“Pacifist Flag”(平和旗)モードが存在する。これを有効にすると自分の攻撃が他プレイヤーに当たらなくなるので、クリーチャーとの戦闘中などにわざと割り込んでこちらの先制攻撃のフラグを立ててくるテクへの対抗手段となる。

 さらにしつこいプレイヤーがいる場合は、“無視”を選ぶこともできる。無視を選ぶとそのプレイヤーに自分の場所が表示されなくなるので、遠くのエリアに離脱すればほとんど見つけられなくなるという寸法だ(逆に言うと、通常時はマップ上に他プレイヤーの位置が表示され、賞金首や無視によって変化する)。

ボイスチャットシステムやプライベートサーバーなど

 ゲームにはボイスチャットシステムがあり、地域内チャットとフレンド間のスクワッド(分隊)チャットを使用できる。そのほか、簡単に感情を表現する“エモート”ホイールも存在。音声まわりでは恒例のラジオステーションもあって、1940年代の楽曲などを楽しめるという。

 そしてゲームにはフォトモードがあり、ポーズを取って記念写真を撮れる。顔のカスタマイズはいつでも可能で、性別の変更すらも行える。

 ゲームはオンラインゲーム的に継続して開発が行われていく予定で、プライベートサーバーの提供やMOD対応なども検討されているとのこと。

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