オンラインRPGに新エリアが実装されるとわくわくする。
追加された部分から、その土地ならではの空気や、生活している人々の息遣いが感じられると最高だ。
新しい大地に足を踏み入れた瞬間、目の前に見たことのない風景がふわっと広がる。少し遅れて、濃密な自然のにおいが鼻腔をくすぐる。そんな気がする。
ああ、冒険している。この感じがいい。
さて。
2018年7月25日、ゲームオンが運営する『黒い砂漠』に新エリア“ドリガン”が実装される。実装前に見せてくれるというので、運営スタッフさんの案内のもと、観光気分を味わってきた。
※仕様や画像は開発中のものです。
ドリガン観光案内・首都ドベンクルンで女風呂に入る
新エリアのドリガンは、多くのプレイヤーが拠点とするハイデルの南側に位置している。
山を越えて先に進むと、高低差の多い山岳地帯に出た。マップ名はゲルビッシュ山脈。いい球投げそうだなと思いながら、辺りを散策する。
ドリガンでは新ワールドボス・ガーモス(いわゆるレッドドラゴン)をめぐるストーリーが展開する。このテストプレイはテキスト類の翻訳前に行われたので詳細はわからないものの、想像しながら各地を回るのはおもしろそうだ。
そんなことを考えながら山間部を移動していると、首都ドベンクルンに着いた。
ここで冒頭の画像に戻る。ドベンクルンに着いた僕は、すぐに名物の温泉に向かった。女風呂に入りたかったからだ。
現実ではできないことをする。夢をかなえる。それはゲームの正しい姿のひとつだろう。
ドベンクルンの温泉は室内のほかに露天風呂もあり、どちらも女湯、もしくは混浴のようだった。
温泉にはきちんと実用的な面もあり、温泉に入っている間は行動力が3分間に2ポイント回復する(ふだんは3分間に1ポイント)。同時にバフ効果を得られる人数には制限があり、広い露天風呂のほうが対象人数が多いそうだ。
混浴を楽しんだところで、改めてドベンクルン内を散策。ここにはかつてガーモスを倒した勇者シェレカンの墓がある。
ただし、完全に倒しきるには至っておらず、重傷を負ったガーモスは深い眠りについたようだ。そのガーモスの復活をもくろむ連中がいるらしい……というのがストーリーの肝となっている。
ドベンクルンは成長しても幼い姿のままの“シャイ族”が多く暮らしている街だ。
民族衣装的な服を着ているNPCが多く、家の作りもこれまでの街とは雰囲気が違う。街中に祭壇があったりして、土着の民俗信仰が根付いているのだと思う。
シェレカンがガーモスを倒したのがいつ頃の話かはわからないが、伝承のような形で受け継がれているのかもしれない。
狩り場。牛久大仏くらいでかいシェレカン像の観覧へ。
続いて、3ヵ所実装された狩り場を見せてもらった。ドベンクルン観光に時間をかけすぎたため、ここはさくさくと行く。
トシュラ廃墟(攻撃力の目安:140)
ドベンクルンの北東に位置する湿地帯。敵はそれほど強くはないが、数がとても多い。レベル56で覚醒済み、装備がある程度揃っている人はひとまずここで腕試しをするとよさそうだ。
レッドウルフの村(攻撃力の目安:190)
トシュラ廃墟の南西、ドベンクルンから見ると東にある獣人の集落。
いたるところにドラゴンを模したオブジェクト(御神体?)があることから、ガーモスを信仰している集団であることが想像できる。戦っていると御神体を巻き込んで壊してしまうことも多く、「何か悪いなあ」という気もした。
集落というだけあって、尋常じゃない数の敵がうようよしている。1体あたりの実力も高く、攻撃力200程度のテストキャラでも苦戦することがあった。
だからだろうか、戦闘をサポートするギミックも用意。レッドウルフが入れられている檻を壊すとバフ効果を得られるのだ。
助けたレッドウルフはプレイヤーの後ろをついてきて、3体以上になると一定確率で看守モンスターが出現するらしい(取材時は見られなかった)。
シェレカンの墓(攻撃力の目安:210)
ドベンクルンのシェレカン像を観ていたとき、運営スタッフさんが気になることを言った。
運営 狩り場にもっとでかいのがあります。
ユースケ 牛久大仏くらいですか?
運営 ええ、それくらい。
そのでかいのが鎮座しているのが、ドベンクルン西の“シェレカンの墓”だ。ここには昼と夜で出現するモンスターが大きく変わるという特徴がある。
夜になるとひっそり静まり返り、代わりに巨大なオブジェクトが出現。行動力を10消費して作動させると強力なモンスターが単体で登場する。任意のタイミングで戦えるので、パーティープレイのターゲットとしても活用できそうだ。
夜の敵はアイテムのドロップ率が高く、獲得できる経験値も多いらしいが、そのぶん数が少ない。昼に訪れて大量の敵を倒しまくるか、夜に1体ずつ撃破するか、遊びかたの好みがわかれるところである。
じつはテストプレイの段階では夜のオブジェクトをうまく撮影できなかった(上記の写真のうち、数点は後から用意してもらったもの)。傷心の我々は、牛久大仏並みに巨大だというシェレカン像を見に行くことにした。
ガーモスは巨大なレッドドラゴン。それを倒したということは、シェレカンも同じようにでかかったのかもしれない。巨人族みたいな伝説の種族がいて、最後の生き残りがシェレカンだった的な。こういう想像を働かせながら歩くとおもしろい。
ついにガーモスとご対面
ひと通りの狩り場を見学し、最後に訪れたのはガーモスの巣。山間のスペースに荒れ果てた祭壇があった。ここにガーモスが出現する。
予想はしていたが、ほとんど何もできなかった。爬虫類を思わせる質感の皮膚を見て「ぬめぬめしてるなー」なんて思っているうちに敗北。新実装のボスを見た感想が「ぬめぬめしてる」。さすがにどうかと思う。
運営スタッフさんによると、強さの目安はミルの木破壊者オピンくらいだそうだ。ご参考までに。
ガーモスがドロップする固有アイテムは下記の3つ。
・ガーモスの心臓
・ガーモスの角
・ガーモスの鱗
心臓はクツム or ヌーベル補助武器の強化に、角は新ペットの入手に使用。鱗は3つ集めて簡易連勤すると錬金することで調合魔力の水晶が手に入る。現地に「ガーモスに捨てるところなし」なんて慣用句が伝わっていそうだ。
【ガーモスの心臓→クツム or ヌーベル補助武器を強化】
ガーモスの心臓を持って首都ドベンクルンのヒュゴルに話しかけるとクエストが発生。凝縮されたブラックストーン(武器)3個とヘセドの結晶5個を持っていくと、逆流したガーモスの心臓が手に入る。
これとクツム or ヌーベル補助武器を闇の精霊メニューのアイテム改良にセットすると、燃え上がる補助武器が入手できる。
【ガーモスの角→レッドドラゴンパピー(ペット)入手】
首都ドベンクルンのゲリソンから依頼を受け、ガーモスの角を渡せばオーケー。レッドドラゴンパピーは、10秒に1回アイテムを拾う既存のペットの能力に加えて、最大HP増加の固有スキルを備えている。効果は1世代の時点でHP+25。
金策に活用できそうなミニゲーム“ラキアロ”
以上が2018年7月25日に実装される要素だ。ドリガン実装以降に導入される予定の“ラキアロ”についても教えてもらった。
これは採取系の新要素。NPCからの購入や制作で手に入る専用の鍬を身に着け、ドリガン地域内に出現するきれいな花の上で採取を行うとミニゲームがスタートする。ラキアロの根を傷つけないようにマスの土を除去するのが目的だ。
使えるコマンドは“深く掘る”と“浅く掘る”の2種類。ラキアロを傷つけると報酬アイテムの価値が下落するので、慎重に掘り進めていく必要がある。
最高レアのラキアロを無傷で掘り出せれば一気に大金を入手可能。すでに実装されている韓国では、店売り価格で1億シルバーのものもあるとか(日本での価値は未定)。
運営スタッフさんに「爆弾ではなくて、根を掘り起こすマインスイーパーみたいな感じですか?」と聞いたら、ニコッとした。理解しました。
自分たちにとって未開の地を進むようで、ドリガンは冒険心をくすぐられる地域だった。ガーモスの謎を追い、ひりひりする緊迫感を味わった後は、温かい温泉で心までほぐそう。そうしよう。