これも一種の応援上映! esports推し映画館イオンシネマで『PUBG』大会を観戦_01

 以前、「esportsの試合を映画館で観るのは楽しい」という趣旨の記事を書いた。

※関連記事
『PUBG』大会を映画館のふかふかイスで観戦。ライブビューイングはいいものだった

 アツい試合。大迫力の大型スクリーン。そしてふかふかのイス。前回の取材でライブビューイングの満足度が高いことがわかった。

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ライブビューイングとはスポーツやコンサートのライブ映像を別会場で上映するイベントのことです。

 2018年6月30日には2回目が実施。興奮が忘れられなかったので、今回も参加した。

 なお、この記事はライブビューイングそのものに対する感想だ。試合については以下の記事をどうぞ。

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応援うちわで盛り上がるファンの姿も

 イオングループの映画館・イオンシネマはライブビューイングの開催に積極的だ。中でもesportsは注目ジャンルのひとつだという。

 この日はPC用バトルロイヤルシューター『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』(以下、『PUBG』)の公式大会“PJSβリーグ Phase2 Class1”最終日。

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映画館の通路を進んでホールへ。中では『PUBG』大会の観戦準備が進められていた。

 PJSβリーグは2部リーグ構成で、Class1とはいわゆる1部リーグのこと。総合成績の上位2チームは、国際大会“PUBG GLOBAL INVITATIONAL”に出場。決戦の地はベルリンだ。

 要は、事実上の日本代表決定戦である。出場チームはいつも以上に気合が入っているはず。負けられない戦いはこんなところにもある。

 渋谷で大騒ぎすることなく、手に汗握る戦いを、真剣な眼差しを、勝利にほころぶ笑顔を、居心地のいい映画館で眺めるのだ。最高じゃないか。

 今回は東京と愛知の2会場で実施(大阪でも予定されていたが、地震の影響で見送りに)。東京会場のイオンシネマ シアタス調布に赴くと、運営会社PUBG Corp.のJapan General Managerを務める井上洋一郎氏が準備を進めていた。

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イオンシネマ側の担当者と打ち合わせをする井上氏(右)。

 Japan General Manager。役職者である。けっこうな役職者が現場にやってきて直接イベントを切り盛りしている。

 一般的な企業ならあまり見ない光景だが、井上氏は前職の頃からこんな感じだった。各地のイベント会場に足を運び、自分で配信用のPCをセッティングしたりする。変わってない。

 井上氏は「(ほかに現場に出られる)人がいないんですよ」と言いながらも楽しそうだった。

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最初の催しは『PUBG MOBILE』を使った対戦イベント。東京会場と名古屋会場の来場者が参加できるカスタムマッチを実施し、ドン勝(1位)を獲得した人に非売品のオリジナルLv3バックパックをプレゼント。

 ふだんは小さな画面でくり広げられる『PUBG MOBILE』の戦闘を巨大スクリーンで見る。そんな不思議な時間を堪能していると、徐々に人が集まってきた。

 中にはこんな子たちもいた。

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Rascal女子ter。

 プロゲーミングチーム・Rascal Jesterのファンだ。以前からRascal Jesterは女子人気が高いように感じていた。

 彼女たちが持っているうちわはチームスタッフが用意したもの。応援グッズを持つとイベントに参加している感が強まって楽しいのだ。こういう気遣いが女子ファンを増やすコツなのかもしれない。

 なお、Rascal Jesterの『リーグ・オブ・レジェンド』部門は会場から徒歩圏内にゲーミングハウスを構えている。会場にはメンバー総出で応援に来ていた。

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Rascal Jesterは全体を通して好調をキープしており、トップ2の圏内につけていたが、果たして。

映画館はすごく“ちょうどいい”

 ふだんなら全チームをフラットな視線で見るようにしているが、この日はRascal Jesterに感情移入して観戦した。メンバーやファンと接したからだ。彼らが喜んでいる姿が見たかった。

 だが、残念ながら最後のひと伸びが足りず、総合3位でフィニッシュ。2位とは僅差だっただけに悔しさが募るが、こういうシビアな部分があるからこそ、応援にも力が入る。

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 ライブビューイングは映画と違って入退室しやすい。気づけば見やすい中央ブロックの席はほとんど埋まっていた。

 観客が増えるほどに歓声は大きくなる。好プレーに引き込まれ、珍プレーには思わず笑いがもれる。巨大スクリーン内で巻き起こるドラマは、僕ら観客の中に一体感を作り出してくれた。

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チケットの基本料金は1000円。Sサイズのソフトドリンクとポップコーン付きは1300円。

 初ライブビューイングでは純粋な環境のよさに感動した。イスがふかふか。大音量だけど耳はつらくない。視界いっぱいに広がるスクリーンの迫力がすごい。

 そのときはライブビューイングの魅力の正体をつかみかねていた。何なんだろうと疑問を抱えて2回目に参加したところ、少し見えてきた。

 スクリーンという装置を介することで、ドラマを見ている錯覚に陥る気がするのだ。どこかで映画館は映像作品を見る場所という意識が働くのかもしれない。

 映画は基本的には静かに見るものだ。それでもすごいシーンで思わず声がもれるときがある。そういうときはたいていほかの人も感極まっているので、「おぉぉぉぉぉ……!!!!」と静かな興奮が館内に広がる。

 大声を上げなくても興奮は共有できる。応援上映のようなものなので、もちろん叫んでもオーケーだ。

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映画館なのでビールを飲むという手もある。うらやましかった。

 生の大会観戦には「盛り上がったほうがいい」みたいな風潮もある。その意見には賛成だが、大きな声を出すのが苦手な人もいるだろう。その点、シャイな人たちにとっても映画館は居心地がいいはずだ。

 気合を入れて現地で応援するのは楽しいものだ。それでも、「もう少し気軽に見たい」なんて日もきっとある。

 そういうときにちょうどいいのが映画館という場所なのだと思う。

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ふかふかなイスに座って観戦する試合も味わい深いものである(モデル:井上洋一郎氏)。

 最後に、井上氏からこの日の感想を訊いた。大会の運営体制は徐々にレベルアップし、視聴者数も増加傾向。全体としていい流れを感じているそうだ。

 今後はどういう大会を開きたいのか。井上氏は「ソロやデュオの大会も検討したいですね」とコメントしてくれた。まだアイデアレベルかもしれないが、趣向を凝らした大会が増えるのはありがたい。

 また、今後のライブビューイング開催についても前向きな様子。映画館の観戦環境はすばらしいので、うまいこと定着して地方での開催も増えてほしい。

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 さて。じつはこの後、イオンシネマ関連のイベントを取材するために、担当さんといっしょに別会場に移動した。そちらのリポートも後日公開予定だ。

 僕が真に「イオンやべえ(いい意味で)」と感じたのは、7月1日の深夜0:00からスタートしたイベントを見たときだった。

(※2018/07/18 17:35追記 別会場のリポート記事も公開しました。あわせてどうぞ。)