『逆転裁判』の単独ロックライブ! 岩垂徳行SUPER BAND ジャスティスが熱演した『逆転裁判 LIVE OBJECTION! 2018』をリポート!! _01

 2018年6月10日、渋谷O-EAST・duo MUSIC EXCHANGEにて『逆転裁判 LIVE OBJECTION! 2018』が催された。本イベントは、『逆転』シリーズの音楽を数多く手掛けている作曲家・岩垂徳行氏が率いるバンド“岩垂徳行 SUPER BAND ジャスティス”によるライブで、『逆転裁判』シリーズをさまざまに彩った名曲の数々がバンドアレンジにて披露された。本稿では、サプライズゲストも登場した昼公演の模様をお届けする。

【セットリスト】
1. 成歩堂龍一 ~異議あり! 2016 feat. ジャスティス
2. 希月心音 ~法廷の革命児 feat.ジャスティス
3. 大逆転裁判1&2・大法廷 SUPER BAND メドレー
4. 恋するギターのセレナード feat.ジャスティス
5. 奉納舞 feat.霜月はるか
6. ゴドー ~珈琲は闇色の薫り feat.ジャスティス
7. 相棒 ~The game is afoot! feat.ジャスティス
8. LOVE LOVE GUILTY feat.ジャスティス
9. 逆転検事・御剣 SUPER BAND メドレー
10. 追求・逆転裁判123 SUPER BAND メドレー

 この日はあいにくの雨模様にも関わらず、会場は開演前から大勢の観客が詰めかけ熱気ムンムン。2階席バルコニーから、『逆転』シリーズの生みの親・巧舟氏が客席へ声をかけるというファンサービスもあり、ますます期待が高まっていく。

 そこへ、ジャスティスのメンバーが入廷。ドラムのスティックがカウントを刻むと、成歩堂龍一、通称ナルホドくんのテーマ『成歩堂龍一 ~異議あり! 2016 feat. ジャスティス』が鳴り響く。スクリーンには、『逆転裁判』の第1話のシーンが映し出され、さらにファンを盛り上げた。

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 つぎの曲に入る前に、岩垂さんからメンバー紹介が行われた。今回、素敵な演奏を届けてくれたジャスティスのメンバーはこちらの4人!

岩垂徳行(Key)
福田真一朗(Gt)
蓮池真治(Ba)
ローズ堀口(Dr)

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ジャスティスは、2017年1月に開催された“逆転裁判 15周年特別法廷”で結成されたバンドで、今日再びメンバーが集結。

 2曲目の『希月心音 ~法廷の革命児 feat.ジャスティス』は、ココネちゃんらしい軽快さとひたむきさが押し出された演奏。客席にはココネちゃんカラーの黄色のサイリウムが揺れる。

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 続く『大逆転裁判1&2・大法廷 SUPER BAND メドレー』は、キーボードによるアコーディオンの音色が19世紀の倫敦へと誘ってくれる。岩垂さんいわく、『大逆転裁判』の曲は北川保昌氏による作曲で演奏するのは難しいけれど、かっこよくてメンバーみんなも大好きなのだとか。

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 そして、ここでスペシャルゲストとして歌手の霜月はるかさんが登場。『逆転裁判4』のキャラクター・ラミロアをイメージした衣装は、かつて出演した“逆転裁判特別法廷2008秋 オーケストラコンサート”で着用したもの。それから霜月さん自身がずっと保管されていたそうで、10年を経て再び袖を通すことに。

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 そんな霜月さんが歌うのは『恋するギターのセレナード feat.ジャスティス』。透きとおる声に、アコースティックギター、バイオリン音色のキーボードが重なり、うっとり聴き惚れてしまう。『逆転裁判特別法廷2008秋 オーケストラコンサート』の特典CDに収録されているバージョンは、霜月さんの声を重ねたロマンティックな曲調だったが、バンドアレンジもまた魅惑的。この曲を作詞作曲した巧さんも口ずさんでいたようだ。

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 霜月さんを交えたMCでは「今日はギターが燃えなくてよかったですね(笑)」と、ゲーム中のネタも飛び出し会場を大いに沸かせる。また、岩垂さんからは、『恋するギターのセレナード』は、当時この曲を巧さんが作詞作曲したものから、「Aメロはよかった」ものの、コードを合わせるためにBメロ部分をアレンジしたという逸話も。さらに驚きなのは、その際の収録データが行方不明になっているということ。これは、成歩堂なんでも事務所に依頼するしか……。

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 霜月さんは、もう1曲『奉納舞 feat.霜月はるか』を披露。『逆転裁判6』で、レイファが踊る奉納の舞のときに流れる楽曲だ。霜月さんがシャン、と鈴を鳴らすと空気が一変。オリエンタルな世界が広がり、神秘的な歌声が会場を包む。先ほどのラミロアとはまったく違う歌声に驚くばかり。そして中盤からロックアレンジに移り変わり、さらに会場の熱が高まっていった。

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『恋するセレナード』のマル秘エピソード

 MCはメンバーを交代し、『逆転』シリーズプロデューサー・江城元秀氏と、巧舟氏、『逆転裁判6』ディレクター・山崎 剛氏がトークをくり広げる。その中で、巧さんが学生時代にクラシックギターを演奏する部に所属していたことや、会社のデスクにギターが置かれていたことなどが明かされた。

※山崎剛氏の崎は正しくは山に立に可

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 また、『逆転裁判4』に使われた『恋するギターのセレナード』では、ゲーム内ムービーの制作秘話も。当時プランナーとして巧さんの仕事ぶりを見ていた山崎さんの証言によると、当初は“牙琉検事がギターに着いた火を消す動き”はなかったが、巧さんからの指示で追加されることになったのだとか。その過程を「これが巧舟のディレクションか……!」と見つめていたのだそう。

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 巧さんからは、先ほどの岩垂さんがBメロアレンジした件のアンサーが。『恋するギターのセレナード』の最初の印象は“キレイすぎた”ため、巧さんとしてはもっと壊れた感じにしたかったから、あえて崩した印象を狙っていたのだそう。

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 そんなトークの最中、裁判長よろしく木槌を叩きながら岩垂さんが登場。バンドメンバーも再び位置につき、ライブは後半戦へ。皮切りは、『逆転裁判3』の『ゴドー ~珈琲は闇色の薫り』から。根強い人気を持つこの曲は、曲名がコールされただけで会場が沸き立っていたほど。原曲はオトナの色気を感じるサックスの音色が印象的だが、そのパートがギターにアレンジされており、ヴィブラフォンの音色を奏でるキーボードも相まってスムースジャズのようなまた違った味わいに。曲中に挟まれたベースのソロには、ほろ苦い哀愁がたっぷり。

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 そして、『大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-』の名曲『相棒 ~The game is afoot! feat.ジャスティス』へ。ステージ後方のスクリーンではホームズと成歩堂龍ノ介の掛け合いが流れており、推理完了のシーンで演奏がフィニッシュを迎えた。このスクリーンでは曲に合わせ原作ゲームの画面が流れることがあり、こちらも非常に演奏を際立たせていた。画面を見るとまたゲームを遊びたくなる……。

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 さて、つぎなるはガリューウエーブの代表曲『LOVE LOVE GUILTY feat.ジャスティス』。ボーカルは岩垂さんが担当。観客は、歌詞の途中で入るラップ(?)部分の「裁判所!」、「裁判SHOW!」や、「き・いて・お・く・れ!」のコールもバッチリ。さすがです!

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