2018年5月3日、PCショップのZOA 厚木店でGWスペシャルゲーミングイベントが開催された。
イベントのテーマはゲーミングPCや自作PCだ。ゲストとして、プロゲーミングチームのDeToNatorが出演した。先日のインテル主催イベントでも感じたことだが、DeToNatorはPCそのものやパーツ類のアピールに積極的な様子。
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会場のZOA 厚木店は車での来店を想定した、いわゆる郊外店。入店すると、そこにはいい雰囲気の光景が広がっていた。
『Fortnite』&『PUBG』をDeToNatorと遊ぶ
自作PCというと難解な印象を持つ人もいるだろうが、イベント自体は堅苦しいものではない。
最新PC事情やパーツ類のセッションは“基礎知識としてこの辺を押さえておけば大丈夫”といった話題も多かった。初心者にもやさしい。
どちらかというと、DeToNatorとバトルロイヤルシューター『Fortnite』&『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)を楽しむ部分に比重が置かれていたように思う。
DeToNatorからはストリーマーのYamatoN氏と自作PCに造詣の深いsiorin氏が参戦した。
YamatoN氏は実況・解説・おしゃべりも得意なので、半分は進行役として出演することも多い。一方のsiorin氏は自作知識と好奇心はDeToNator随一ながら、やや口下手。いいコンビだ。
イベント内では、きっちり進行しようとするYamatoN氏がマイペースなsiorin氏に振り回される場面もちょくちょくあった。ファンなら一生見ていられる光景である。
『Fortnite』と『PUBG』は、参加者をふたりずつ募り、DeToNatorのふたりと即席チームを結成。SQUAD(4人チームのモード)に挑戦した。
どちらの回もしっかりやり込んだ人と少年がプレイ用の席についた。席に設置されていたのは、ZOAのオリジナルゲーミングPC。自作派のsiorin氏も「カクつきが一切なかったので、このまま家に持って帰りたいくらい」と性能面も申し分なし。
肝心のプレイ面では、YamatoN氏とsiorin氏の掛け合いが気になって観戦に集中できなかった。チームワークがいいんだか悪いんだかわからない。僕が「チームワーク悪いなー」とつぶやいたら周囲のスタッフさんが笑ったので、みんなも同じ気持ちだったらしい。
それでも個々の実力が高いため、また参加者にも助けられて善戦。『Fortnite』ではビクトリーロイヤル(勝利)を獲得し、『PUBG』では2位に輝いた。
ちなみに、『PUBG』の回に参戦した少年ははるばる栃木県から来店。DeToNatorに会いたくてお母さんに連れてきてもらったらしい。
誰がいちばん好きか聞いたら、はにかみながら「関さん(ストリーマーのStylishNoob氏のこと)」と答えてくれた。うあー! 愛おしい! わかるわかる。彼はおもしろいよね。
また、お母さんは息子がゲームに興味を持っていることに理解がある様子だった。こういうのは本当にうれしい。いいものを見た。最高。
タフさが特徴のASUSマザーボード“TUF GAMING”シリーズ
本イベントはPCやパーツを総合的に取り扱うメーカー・ASUSの協力のもと開催。イベント中のセッションでは、マザーボードのラインナップ解説があった。
スポーツの世界では道具選びが勝敗を左右する。esportsではその道具がゲーミングデバイスやPCにあたるため、自分にあうものや壊れにくいもの選べば快適に遊べるようになる。
上記の3つがこれまでのモデルだ。もともとPCパーツに詳しい人であれば用途に合わせて選べるが、これからパーツにこだわろうとするには難しい。
そこでおすすめなのが、タフさが特徴のTUF GAMINGシリーズ。マザーボードはほかのパーツを取り付ける、言わば母艦だ。壊れると全パーツを載せ替えなければいけないため、壊れにくいのはありがたい。
加えて、新モデルは前世代と比べて価格が1~2割ほど安くなっているそうだ。新しく自作に取り組むいい機会と言える。
地方や郊外のイベントが増えますように
ZOAのグループは全国に22店舗を展開している。こういったイベントを開催するのは初めてということで、お店の人に感想を聞いてみた。
「最初は心配でしたが、多くのお客様に集まっていただいて、店側としてはありがたいです。大成功かなと思ってます。イベントの模様は当社の22店舗でライブ配信しました。この挑戦もよかったなあ、と」
このように、店舗側としても上々の結果に終わったようだ。今回はトライアルケースだったが、ほかの店舗にも広げたい気持ちはあるとのこと。ZOAが拠点とする静岡県あたりはよさそうである。
DeToNator代表の江尻氏は「お店側もお客さんのために試行錯誤してくれて、イベントを楽しんでいたみたいで。そういうのがうれしいですよ」と満足そう。
僕はゲームの遊びかたやゲームとの付き合いかたは自分で考えほうがおもしろいと思っている。イベント作りも同じだ。
ただ有名なプレイヤーを呼んでゲームをすればオーケーというわけではなく、来場者を楽しませるために必要な要素を考える。それを積み重ねて関係者がレベルアップすれば、業界の発展にもつながるはずだ。
イベントごとはどうしても大都市圏の一部に集中する。地方在住者は蚊帳の外に感じていないだろうか。また、人によっては“自分がイベントに参加する”という選択肢に気づけないかもしれない。それは少し悲しい。
ここ最近はesportsの人気が世間に知られるようになった。世界的なesportsタイトルの多くはPCゲームということもあり、PC界隈も元気になっている。
地方に住んでいると、ブームがどこか人ごとのように感じられる。新潟の実家に住んでいる頃の僕はまさにそうだった。だが、実際は一般のプレイヤーもプロゲーマーのファンも、全員がその盛り上がりの一部なのだ。
いっしょにブームを作り上げていると実感できるという意味でも、地方&郊外でのイベントは大切だ。地元でイベントがあったらぜひ参加してほしいし、お店やメーカー、プロチームにはそういった場をたくさん作ってほしい。単なる僕も希望なのだけど。