冒険家“トレジャラー”となって世界中を冒険して強力な装備をコレクションしていく、アツい“ハック&スラッシュ”の遊びが楽しめたニンテンドー3DS用アクションRPG『スナックワールド トレジャラーズ』(以下、『トレジャラーズ』)が、Nintendo Switchで『スナックワールド トレジャラーズ ゴールド』(以下、『ゴールド』)としてバージョンアップを遂げて登場する。本作では、これまでに楽しめた要素はそのままに、グラフィックやアクションが大幅に強化。さらに『トレジャラーズ』で配信されていた、ふたつの大型追加コンテンツも始めから収録されているうえ、ローカル通信やインターネット通信による最大4人のマルチプレイや、タカラトミーから発売中の玩具“トレジャラボックス”との連動も健在。本作は、まさに『スナックワールド』の楽しみを満喫できる決定版へと進化を遂げている。
2018年4月12日に発売される本作について、メディア向けの体験会が開催され、いち早く本作をガッツリプレイする機会が得られたが……その手触りとプレイ感覚からは、各要素が圧倒的な進化を遂げていることが実感できた!
というわけで、とくに進化したと感じた点にフォーカスを当てて、『ゴールド』が『スナックワールド』の世界をさらに深めている要因をお伝えしていこう。
……その前に、まずは『ゴールド』が進化した点をおさらい!
世界が広くなったという強烈な感覚がある!
ハードがニンテンドー3DSからNintendo Switchになったことで、携帯モードで遊んでいても画面がかなり大きくなった。描画範囲が左右に広がっているので、当たり前だがこれまで見えていなかった箇所も描かれている。
この、これまで見えていなかった部分が見える、という点。これがすごい。思わず身もフタもない感想が漏れてしまったが、どうすごいのかと言うと、プレイしていて、“フレンチトースター”の城下町、“キングオイスターシティ”、“ドラゴン少林寺”といった各拠点が“広くなった”ように感じるのだ。クエストに出発して、拠点に戻るという流れをくり返す本作だからこそ、頻繁に立ち寄る各拠点の印象が『トレジャラーズ』とはかなり異なったものに感じられるのは新鮮なプレイ体験だ。大げさかもしれないが、「こんな町だったっけ?」と思うほど。
この“世界が広くなった”という感覚は、拠点だけに留まらない。とくに大きく異なるのは、ダンジョンの描写だ。ダンジョン内でも表示エリアが広がったことで、フロアの構造までもが“見渡せる”ようになっている。広大なダンジョンを巡って攻略している感覚が段違いだ。また、ニンテンドー3DS用ソフトだった『トレジャラーズ』で下画面に表示されていたマップも、『ゴールド』では画面右に表示されるようになった。『トレジャラーズ』では、極端な場合は下画面のマップばかりを眺めていたこともあったほどだが、本作では、つねにダンジョンを探索する様子を見ながらのプレイになるためか、探索の没入感も増しているように感じた。
カメラの距離も変更可能で、引いた視点にすると、遠くの部屋にあるスイッチなども見えて探索が捗った。もちろんNintendo SwitchのTVモードで大画面に映して遊ばせてもらったが、もはや「まったく別のゲームか!」と思うくらいに、キャラクターはデカいわ、ダンジョンは広いわで、アニメで描かれる『スナックワールド』の世界に入り込んだ感覚というか……とにかく、かなり新鮮な体験だった。大きいことはいいことなのかもしれない、と再認識したほど。
高精細に描かれるジャラの存在感がマシマシ
グラフィックが高精細なので、キャラクターやモンスターがくっきり見えるようになった。またしてもそのまんまの感想! ……と思われるかもしれないが、この“細部まで表現されている”という点が重要だ。とくに、装備品であるジャラの細かいディティールまで描かれていて、“実際に手にしている”実在感があるというのが大きい。
本作の楽しみのひとつに、ランダムで内部構造が変化するダンジョンに何度も挑んで、ジャラを始めとするお宝を集めていくというものがある。狙ったジャラを見事入手できて、コレクションが増えていく感覚は、ハック&スラッシュの遊びの醍醐味であり、喜びもひとしおだ。それだけに、入手したジャラには愛着が湧く。
しかも『ゴールド』では体感的に、『トレジャラーズ』よりもジャラとモンスターの相性で増減するダメージ量がピーキーになった印象で、相手に合わせたジャラの運用がさらに戦略的になったようにも感じた。バトルにおけるジャラの価値もより高まったように思え、ゲーム中でジャラを入手したときのよろこびはさらに増すことだろう。ちなみに、体感的にジャラ自体の入手確率も、よりレアなお宝になったように感じた。
また、クエスト中に遭遇する『スナックワールド』のアクの強すぎるモンスターたちの姿も、やはり細部まで視認できるためか、個性がより強く感じられた。もちろん、それはキャラクターたちも同様だ。本作ではキャラクターやモンスターを、“スナック”という召喚用のアイテムを入手することで最大3体までクエストに連れて行けるのだが、今回は宿屋の女主人ジェニファー山本や、ジニーズ(オネエなランプの魔人3人組)を連れて冒険へ。映像がキレイになったからか、濃すぎるキャラクターと探索しているうちに、実際に素敵なオネエさまたちと連れ立っているような気持ちになったほどだ。
『スナックワールド』の世界にさらに没入できた
……と、ひと通りのクエストクリアーまでを体験してわかった結論としては、『ゴールド』は、『トレジャラーズ』よりも『スナックワールド』の世界観に、さらに深く没入できるゲームに仕上がっていることだ。レベルファイブがクロスメディアで展開する『スナックワールド』というプロジェクトは、放送中のフルCGアニメや、玩具制作のための3Dモデルデータをすべて共有する形でゲームや玩具が制作されている。このことは、各作品や商品がそれぞれまったく同じ世界観を描き出すのに役立っている。グラフィックが大幅に強化された『ゴールド』は、シンプルにフルCGのアニメで描かれている“スナックワールド・ワールド”を、「オレが自由に冒険している!」という体験をもたらす作品だった。
アニメで活躍するキャラクターたちも、そのままアニメと寸分たがわぬかのような映像でゲーム中に登場するのだから、ますます自分自身が『スナックワールド』の世界に飛び込んで冒険をしているかのような感覚が強くなっていた。
加えて、アクションが大幅に強化されたことも、よりアグレッシブに立ち回れるので、この世界を縦横無尽に体感できるようになった感覚を与えてくれた。
『ゴールド』は、ハック&スラッシュの遊びでジャラをちまちま集めていくのに夢中になれる、楽しいアクションRPGだ。純粋に単体でプレイしてもハック&スラッシュの遊びに熱中できて、ゲームとしてもおもしろい。だが、やはり最大の魅力は、アニメと玩具といっしょに楽しむことで生み出される、贅沢な“クロスメディアが生む世界観”が実感として“感じられる”点だ。本作には、アニメの1話から4話までが収録されている。また、パッケージ版には特別な玩具の“ジャラ”も同梱されているので、まさにここから“スナックワールド・ワールド”にどっぷり浸かるためのきっかけとして、ぴったりな作品だと断言できる。