2017年7月21日の発売以来、大ヒットを記録しているNintendo Switch用ソフト『スプラトゥーン2』。そのサウンドトラック『Splatoon2 ORIGINAL SOUNDTRACK -Splatune2-』が、2017年11月29日に発売される。ファミ通.com編集部では、前作のサントラに続き、サントラのマスタリング(音圧レベルや音質などを調整する作業)現場で、サウンドスタッフに直撃インタビューを行った。

 インタビューの前に、まずは今回の『Splatoon2 ORIGINAL SOUNDTRACK -Splatune2-』について軽くご紹介。『スプラトゥーン2』の楽曲がすべて収録されているのはもちろん、前作のサントラでも好評だったSE(効果音)も収録されている。SEではボーイ、ガールの声などに加え、テンタクルズの声、一新されたスペシャルウェポンの音なども入っている。また、ブックレットにはゲーム内のバンドWet Floorや、テンタクルズのイイダへのインタビューも収録。ここでしか読めない内容が盛りだくさんだ。初回仕様限定として、“イカすギターピック”を封入。なお、ショッピングサイト“ebten(エビテン)”で購入すると、“テンタクルズ アーティストステッカー”が購入特典としてついてくるのでお見逃しなく!

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『Splatoon 2 ORIGINAL SOUNDTRACK -Splatune2-』。2017年11月29日発売予定。3200円+税。
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▲初回仕様限定封入特典の“イカすギターピック”。
▲ebten購入特典の“テンタクルズ アーティストステッカー”。

プロフィール

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『スプラトゥーン2』サウンドディレクター(任天堂)
写真中央:峰岸 透氏(文中は峰岸

『スプラトゥーン2』サウンド(任天堂)
写真右:永松 亮氏(文中は永松

『スプラトゥーン2』サウンド(任天堂)
写真左:山本 高久氏(文中は山本

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▲『Splatune2』のブックレットをチラ見せ!

『2』のサウンドは前作のカウンター

――前作のサントラ、シオカラーズのライブCD、タワーレコードのWet FloorのCDと3枚のCDに続き、今回の『スプラトゥーン2』のサントラでシリーズ4枚目のCDとなりますが、今回のCD発売決定について、ご感想をいただけますか?

峰岸 前作のサントラのインタビュー(→コチラ)時にも同じことを言っていたと思うんですが、今回もやはり“感無量”です! ただ、同時に身が引き締まる思いもしていまして……。音楽を含めた『スプラトゥーン』の世界、そしてゲームそのものを、前作から引き続きずっと応援してくださっている方がいるということを、時が経つに連れてより強く実感してきています。そういった方々の期待に応え、同時に驚いてもいただかなくては、という使命感に近いものを感じているのが、現在の心情です。

――改めて、『スプラトゥーン2』での役割をおひとりずつおうかがいできますか?

峰岸 前作に続き、サウンドディレクターとして、サウンド全体の監修とメインの作曲を担当しました。

――永松さんは、『スプラトゥーン2』からの参加ですが、サーモンランなどの楽曲をされていると。

永松 はい。メインの担当は、サーモンランですね。あとは、ヒーローモードのボス関係などをやっていまして、『スプラトゥーン』のときから人気がある曲をさらに昇華させる形にしています。

――とても盛り上がる場面の曲ですね! そして、山本さんも『スプラトゥーン2』からの参加でしょうか?

山本 じつは、前作『スプラトゥーン』の大型アップデートからチームに加入していました。おもに効果音の担当をしています。

――効果音と言いますと、インクの音やスペシャルウェポンの音などを担当されているのでしょうか?

山本 そうですね。新ブキやサーモンランなどの『スプラトゥーン2』の新要素にまつわる音全般を作っていました。また、前作からグラフィックがキレイになったりと、いろいろパワーアップしていますので、それに合わせて音をブラッシュアップしたりもしています。

――今回のサントラのポイント、聴きどころなどをお聞かせください。

峰岸 『スプラトゥーン2』では、前作から現実世界と同じ2年の時間が経過していて、その時の流れを踏まえて世界観全体がデザインされているのですが、音楽の面でも、2年で流行が移り変わって、以前とはまた違ったものがイカたちのあいだで人気になっている……という想定をして作ったサウンドが聴きどころですね。

――前作のサントラが2015年10月21日発売で、『スプラトゥーン2』のサントラが2017年11月29日発売ですから、サントラも2年の経過になっていますよね。

峰岸 そうですね。2年の経過を体感しながら、変化を感じていただけるといいな、と思っています。

――永松さんは、聴いてほしいポイントはありますか?

永松 僕が『スプラトゥーン2』チームに入って課せられたミッションは、“2年の経過で変化したイカ世界に対して、さらに全体的に違った色を加えてほしい”というものだったんですね。そういう部分を意識して曲を作っていたので、サーモンランもヒーローモードのアレンジも、『スプラトゥーン』っぽい部分はありながらも、ちょっと風変わりな、聴いたことのないようなものだと感じていただけるかなと思っています。そういった、ふつうの音楽CDにはない感触の音であったり、ノリであったりといった感覚が、前作の『スプラトゥーン』よりもあると思うので、そこに注目していただけたらありがたいですね。

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――続いて、山本さんは効果音などで聴きどころを教えてください。

山本 今回の効果音は、前作よりちょっと多めに収録させていただきました。聴きどころというか、こういうふうに聴いてほしいという希望としては、何かの受信音やお知らせのサウンドにしたりして、皆さんなりに外に持ち出して現実世界でも鳴らしてもらえるとうれしいです。

――一新されたスペシャルウェポンの音が聞けるのはいいですね。

山本 戦っている最中はゆっくりと聴く機会がないと思うので、CDでじっくりと聴いていただきたいと思います。

――前作『スプラトゥーン』では、サウンドの基準となった曲が『Splattack!』だったとお聞きしましたが、今回の基準となった曲は?

峰岸 『スプラトゥーン2』として最初に公開したメインテーマ『Inkoming!』ですね。作ったのも最初でした。

――では、『Inkoming!』は前作からの2年という変化を考えながら作られたのでしょうか?

峰岸 そうですね。ディレクターのひとりである井上(井上精太氏)から出されたキーワードの中に“カウンター”というものがあって。それは、前作の世界観と同じベクトルをパワーアップさせるのではなく、前作の世界観と対峙するもの、方向性の違うものを、『スプラトゥーン2』ではよりフィーチャーしていくということでした。ですので、サウンドでもそれを受けて、『Splattack!』で出した方向性を推し進めるのではなく、続編だからこそできるカラーを探っていく中で、まず『Inkoming!』を作りました。

――続編だからこそできるということは、ともすると前作ありきになってしまい、初めての方が入りづらい側面を生むこともありえるように感じます。

峰岸 はい。そういったことがないように、うまいさじ加減でやらなくてはいけないなと思って……、その結果が本作の楽曲に結実していることを願います。ところどころはカバーやリアレンジで前作を感じさせつつ、まったく変えるところは新曲に変えて、皆さんに受け入れていただけるようにと探り探りで作っていきましたね。

――2年の経過でサウンドの機材が変わるといったことも配慮されたのでしょうか?

峰岸 機材の進化といった部分はストレートには意識していませんでしたが、たとえばシオカラーズの曲に使われている機材と、テンタクルズに使われている機材やソフトウェアは違うだろうな、とは思いながら作っていましたね。

ノッてほしくないサーモンランの曲

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――『スプラトゥーン2』では、前作からの大きな変化としてサーモンランが加わっていますが、サウンドが非常に特徴的だと思います。サーモンランの曲の成り立ちをおうかがいできますか?

永松 最初からオーダーがとても難しかったんです。通常のバトルとヒーローモード、そのふたつと同じように『スプラトゥーン2』らしさを感じさせつつ、でも違いを感じられて、なおかつ敵がシャケであるということを臭わせるという……。最初に聞いたときに、「え!?」と思うような難しい内容で。そのオーダーを受けて楽曲を考え始めるわけですが、すでにあるバトルとヒーローモードでだいぶいろいろな曲のジャンルが網羅されていたので、新しいものを入れたとしても近いラインだと、ほかと同じように捉えられてしまうだろうと思ったんですね。あと、サーモンランは世界観がだいぶクレイジーな雰囲気に満ち溢れていて、その中で協力して迫って来る大きな敵を倒す……って、あ! 思い出しました! 「シャケは絶対に友だちになれない」と言われたんです。

――と、友だちですか?

峰岸 イカとシャケはまったく相容れない存在なんです。それに比べると、イカとタコはまだ友だちになれるかもしれない。

――そういえば、タコっぽいヒトが街にいた気がしますね(笑)。でも、イカとシャケはまったく歩み寄りがないと。

永松 そうなんです。となると、我々が“音楽”という言葉を聞いて記号的に想像する、「これってこういうものだよね」とか「こういうジャンルね」といったものからまったくもって逸脱したものを作らないといけないのではないかと考えたんです。そうやって新しいものを開拓することが、サーモンランという新要素の中で定着しやすいのかもしれないということで、まずビートを刻まない、ノッてほしくない曲にしています。

――ノッてほしくない(笑)。

峰岸 タコの世界の曲は全体的に「ドンッ・ドンッ・ドンッ・ドンッ」という“4つ打ち”と言われるテクノっぽいものが基調になっていて、またバトルの曲はと言うと、たとえば「ドンッ・カン・ドド・カンッ」といった、どちらも規則的でノりやすいビートの上に成り立っている。でも、サーモランではまずそういった部分から変えているんですね。

永松 はい。それで、変拍子でありながらリズムを増やす方向ではなく、あえて減らしていて。1個少ない8分の7であったり、16分の31であったり。1個だけ少なくすると、ふだんノッている状態よりも早めにリズムが来るので、それでシャケが迫ってくるイメージも出せますし、奇抜な雰囲気に溢れた感覚も出せるというところで、まずリズムから考えていたんだと思います。

――そういったサーモンランの曲を考える中で、ω-3などを考えていったのでしょうか?

永松 ω-3は、バンドを考えるところから始まっていまして。ちょうど、ここにこんなものがあるんですが……(と、イラストを取り出す)。

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▲鉛筆で描かれた、このイラストは……!? 初公開となるCDの盤面も要チェック!

――えっ! このイラストは?

永松 僕が描いたω-3のラフ画なんですが(笑)。これを説明する前に、ω-3の編成がなぜチェロ、ティンパニ、DJなのかということをご説明させていただくと、まずメインの音色を奏でているのがチェロなんですが、メインの楽器選びはとても悩みました。『スプラトゥーン2』の世界に合うというのを絶対的な条件として楽器を考える中で、弦楽器は合うはずだと考えたんです。同時に峰岸からも、前作の『スプラトゥーン』で弦楽器の使用を検討していたけれど、使っていなかったということは聞いていましたので、ならばここで使おうと。数ある弦楽器から最終的にチェロを勧めてくれたのは峰岸で、実際にチェロをメインに曲を作ってみたら、とてもしっくり来たので、これに決めたんですね。それに、僕もチェロはシャケっぽいなと思って。

――シャケっぽい! それはどういったところがシャケらしさなんでしょうか?

永松 音色や楽器やサイズ感とか、弓で弾いたり跳ねたりしている感じですかね……。あまりうまく説明できないのですが……。そして、ティンパニは、サーモンランの設定として、敵側にいるバンドが演奏をしてシャケを鼓舞しているということを考えたので、戦場で突撃の合図を奏でるホルンや、鼓笛隊といったイメージにふさわしいものとして選んだものです。

――なるほど。そして、そこにDJが入るという。

永松 サーモンランの曲を作っている最中に、峰岸との話の中で「8分の7拍子でも、生演奏らしい部分とデジタルらしい部分が交互に来るとおもしろい」ということを思いついて、「ダンッ・ダンッ・ダンッ・ダンッ」というティンパニなどのロック寄りのリズムに続いて、「ドドドカッ・ドドドカッ」というエレクトリックなリズムが交互に来たら、聴いたことのないおかしな雰囲気が出せるなと。それで、そういった音色を演奏できるものは何だろうと考えて、「DJだよね」という話になったんですね。その結果、シャケを鼓舞するティンパニ、シャケっぽい音色のイメージを持つチェロ、そして残りはあえて違和感を出して届けるメッセンジャーとしてのDJという形のスリーピースバンドにすればすべてしっくり来るなということで、この3人のバンドが誕生したんです。で、それらのイメージを込めて描いたこの絵をデザインスタッフに渡して、バンドのビジュアルイメージなどを作り上げていったんです。

――それで、デザイナーさんが仕上げて、こういうイラストになったと。

永松 そうです。デザイナーの池尻(池尻貴尚氏)が、僕が描いたものを本格的な絵に仕上げてくれたんですが、とてもうれしかったですね。

――楽曲のイメージを作るうえで、こういったイラストを描かれることはほかにもあるんですか?

永松 僕が担当した作品では、これまでにもたまに絵を描いて伝えることはありましたが、こうやって提出をして、仕上げまでしてもらってゲーム内の設定に取り入れられるということは初めてですね。

――コンポーザーの方がイラストを用意しているのは初めてでした! ω-3が担当しているのはシャケを鼓舞する曲でもあるわけですが、それに対して、『カガヤクンデス・マーチ』などのクマサン商会の曲もありますよね。クマサン商会の曲は、バイトをしているイカたちに届ける曲というイメージでしょうか?

永松 つらい……ではなく、明るく楽しい職場なんですが(笑)、苦痛……と言いますか、ちょっとたいへんなお仕事ではありますので、その気分を盛り上げるようなものですね。

峰岸 クマサン商会が直接曲を作っているわけではなく、外部のヒトに依頼してプロデュースをしているイメージですね。

――『カガヤクンデス・マーチ』はバイトの開始時などに流れますが、あれはクマサン商会の社歌のようなイメージなんでしょうか?

永松 我々としては謎の曲として作っているんですが、社歌と感じた方にはそう受け取っていただいてもいいかなと。クマサン商会とセットで思い出してもらえるといいですね。

イイダのパートはイカと言語が違う

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――続いて、『スプラトゥーン2』で加わった新しいバンドやアーティストのお話をうかがいますが、『スプラトゥーン2』の楽曲の中心的な存在となると、Wet Floor、そしてテンタクルズになるのでしょうか?

峰岸 そうですね。

――テンタクルズの楽曲は、峰岸さんが担当されていらっしゃいますが、テンタクルズの特徴などをお聞きできますか?

峰岸 同じくデュオであるシオカラーズは、彼女たち以外にプロデューサー(作曲家)がいて、曲を渡されて歌うというアイドルに近い立ち位置だったんですが、テンタクルズは本人たちが曲を作っているセルフプロデュースのふたり、という違いがあります。おもにイイダが打ち込み(編注:シンセサイザーなどで演奏したデータをPCなどに入力すること)をしてトラックを作って、ヒメがラップ部分のリリックを考えているという、アーティスティックなふたりです。シオカラーズの曲はテクノポップの上に民謡的なメロディーが乗っかっていたのに対し、テンタクルズはクラブミュージックのいろいろな解釈を中心に成り立っているという違いもありますね。

――ブックレットの歌詞を拝見したところ、イイダパートはカタカナで、ヒメパートはひらがなになっていました。これはパート分けという意味以外に、言語も違うということなのでしょうか?

峰岸 パート分けだけを表している、と思っていただいたほうがいいですね。その違いに沿ってはいませんが、複数の言語が混在していることは確かです。シオカラーズは基本的にひらがなの歌詞になっていましたが、今回イイダが歌っているカタカナの部分はそれとは違う言語です。“イカ語の中の他国語”なのか、そもそもイカ語ではないのかは、研究中なんですけれども。ヒメパートのひらがな部分はシオカラーズと同じイカ語が中心ですが、ひらがなであってもイイダに合わせて別の言語で歌っている部分もあります。

――ちなみに、ヒメは理解して歌っているんですか?

峰岸 別言語の部分は、理解していないものもある気がしますね。日本人にとっての英語の曲でたとえると、とりあえず響きを覚えて、意味はよくわからないけど歌えるようになるというものがあると思いますが、そういった感覚じゃないかなと。

――なるほど! 外国の曲を聴いて、言葉よりはメロディーとして曲を認識しているイメージに近いのでしょうか?

峰岸 はい。そういうイメージでとらえていただければ。

――今回、ブックレットにはWet Floorとイイダへのインタビューが収録されていますが、Wet Floorのインタビューがブックレット用の新録に対して、イイダのほうは別の媒体に載ったものの転載になっていますよね。このインタビュアーは、イカ世界で有名な音楽評論家だったりするのでしょうか?

峰岸 イイダのほうは音楽制作についての雑誌のいち編集者であって、とくに大物ではないですね。Wet Floorのインタビューをしているニジマスヤさんは、本業は“イカ世界のタワーレコードさんによく似たCDショップ”でアーティストの発掘をしているヒトです。仕事の合間を縫って、“クッキング・オン・ザ・パン”、通称“クキノン”と呼ばれている音楽雑誌によく寄稿しているらしいです。

――ク、クキノン……!? ニジマスヤさんはかなり音楽に詳しいようで、Wet Floorの歌詞をすごく理解されていますよね。

峰岸 はい。かなり音楽に精通していて、最近はWet Floorに入れ込んでいるようです。

――まだまだいろいろとお聞きしたいんですが、残念ながら時間が……! インタビューの締めに入らせていただきますが、今回のサントラを買ったお客さんにどういった場所、どういった場面で聴いてほしいですか? まずは、山本さんから。

山本 『Splatune2』に入っているものは曲としてはもちろんですが、音の素材としても魅力的なものになっていると思うので、それを皆さんなりに駆使していただければ、また新しいものが出てきたり、新しい空間ができたりすると思うんですよね。個人で楽しむ範囲にはなりますが、どんどんリミックスなどをして、現実世界に持ち込んでほしいなと思います。

――では、永松さんは?

永松 防水の携帯音楽プレイヤーに入れて、プールで泳ぎながら聴いてほしい!(※) プールとめちゃくちゃ合うんですよ。『スプラトゥーン』のサントラ以上に盛り上がっていけるかなと思っているんで、僕もサントラが発売されたら間違いなく携帯音楽プレイヤーに入れてプールで聴きますね。(※事前にプールの人に確認してね!)

――まさにイカの気分になれますね!

永松 そうなんです!

――では、峰岸さんからもぜひ。

峰岸 前作のサントラで同様の質問をいただいたときは、「夜、寝る前に聴いて明日もがんばるぞ、と思ってほしい」と言ったと思うんですが、今回は、マスタリングしながら振り返ってみると、意外と“朝”っぽいイメージがあるような気がしていて。『スプラトゥーン2』という続編の新しい空気を呼び込もうという気概が端々に出ているのか、気分をリフレッシュして何かをやろうかなというときにいいんじゃないかなと思います。

――それでは最後に、サントラを楽しみに待つ読者に向けてメッセージをいただけますか?

峰岸 全体的に前作とはガラッと方向性を変えているところがあるので、もしかすると人によっては好みが分かれるかもしれませんが、私たちが自信を持ってお送りするゲーム、サウンドですので、楽しんでいただけたら幸いです!

――ありがとうございました!

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 前作に続き、端々からこだわりが感じられる『スプラトゥーン2』のサウンドスタッフへのインタビュー、イカがだっただろうか。バトルやサーモンラン、ヒーローモードなどの各種楽曲から効果音までが楽しめる『Splatoon 2 ORIGINAL SOUNDTRACK -Splatune2-』は、2017年11月29日発売予定! 同日には、『スプラトゥーン2』のアートブック『スプラトゥーン2 イカすアートブック』も発売される。前作から2年後のイカ世界を堪能するのに欠かせない2アイテムを見逃すな!

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▲『スプラトゥーン2 イカすアートブック』の描き下ろしカバーイラスト。

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