東京ゲームショウ2017にて行われた、ファミ通、電撃、4Gamerという3つのゲームメディアが、独自の視点で出展作品よりルーキー、インディーの2部門で大賞を決定するメディアアワード。本記事では、同アワードのコンシューマー・PC ルーキー部門/インディー部門のファミ通賞を発表!

コンシューマー・PC ルーキー部門

 『Detroit Become Human』を始めとして、ハイエンドなビジュアル、サウンドを活かした作品が数多くノミネートされた。一方で、スマートフォンをサブディスプレイとして使用する『Hidden Agenda -死刑執行まで48時間-』や、PS VR専用タイトル『Bravo Team』など、複数のデバイスを使う作品が存在感を放っていた。また、Joy-Conがドラムスティックになる『がるメタる!』など、ニンテンドースイッチ対応の作品も。

コンシューマー・PC ルーキー部門ノミネート作品

  • がるメタる!(DMM GAMES/Nintendo Switch)
  • 巨影都市(バンダイナムコエンターテインメント/PS4)
  • CODE VEIN(コードヴェイン)(バンダイナムコエンターテインメント/PS4、XB One、PC)
  • 十三機兵防衛圏(アトラス/PS Vita、PS4)
  • Detroit Become Human(ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジア/PS4)
  • Hidden Agenda -死刑執行まで48時間-(ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジア/PS4)
  • Bravo Team(ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジア/PS4 ※PS VR専用)
  • PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS(開発:Bluehole、出展ブース:DMM GAMES/PC)
  • project OCTOPATH TRAVELER(スクウェア・エニックス/Nintendo Switch)
  • LEFT ALIVE(スクウェア・エニックス/PS4、PC)

【最優秀賞】
Detroit Become Human
(ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジア/PS4)

どんなゲーム?
アンドロイドが主人公のサスペンス
 人類と、“変異体”と呼ばれる意志を持つアンドロイドが対立する近未来の世界を舞台に、アンドロイド側の視点から騒動の顛末を描いていくアドベンチャー。フォトリアルのビジュアルと、プレイヤーの選択次第で分岐するストーリーがポイント。

“東京ゲームショウ2017”メディアアワードのファミ通賞最優秀作品を発表【TGS2017】_04
“東京ゲームショウ2017”メディアアワードのファミ通賞最優秀作品を発表【TGS2017】_05
“東京ゲームショウ2017”メディアアワードのファミ通賞最優秀作品を発表【TGS2017】_06
さまざまな局面で突きつけられる選択。選んだ答え次第で物語は分岐していく。

【選評】TGSで最高の“予告編”を見せてくれました

 開発元の“Quantic Dream(クアンティック・ドリーム)”は、これまでもエンターテインメント性に優れた物語をハイクオリティーに描き、独特な操作システムとの相乗効果で、プレイヤーの感情を揺さぶってきました。『Detroit Become Human』は、その設計思想を踏襲しながら、格段にスケール&クオリティーアップ。とくに、推理システム部分のゲーム性が高く、物語の展開に深く影響するため、極上の緊張感が味わえます。プレイステーションブースの精巧すぎるアンドロイドの展示も含め、最高の予告編でした。期待がさらに高まりました。完成を心から楽しみにしています。(週刊ファミ通編集長:林克彦)

【ルーキー部門受賞コメント】

 新規IP(知的財産)の開発はいつでもたいへんなものですが、世界中のプレイヤーの心に訴える作品を作りたい場合にはいっそうたいへんになります。それでも、異なる国や文化にいる人たちの心を動かす主題や感情を見つけることがクリエイターの醍醐味なのだと私は思っています。クアンティック・ドリームにとって、5作品目の新規IPである本作で“メディアアワード“のルーキー部門最優秀賞をファミ通さんから受賞できたことを、このうえなく光栄に思います。私たちの仕事を評価してくださったファミ通の皆様はもちろん、本作への愛情と情熱を示してくださったすべての日本のファンの皆様に心から感謝します。

クアンティック・ドリーム クリエイティブディレクター:デヴィッド・ケイジ
クアンティック・ドリーム 共同CEO 兼エグゼクティブプロデューサー:ギョーム・ド・フォンドミエール

インディー部門

 国内外の個人、企業による多彩なデベロッパーが放つ、インディー系タイトル部門。去年に引き続き、個性的な作品が多数出展された。技術面でのトレンドには背を向け、独特のレトロなビジュアルや世界観でユーザーを魅了した『VA-11 Hall-A』や『From_.』などが話題に。そのほか、Twitterと連動するシステムを採用した『Last Standard』や、メッセージ枠のない、3Dのビジュアルノベル『Necrobarista』など、ユニークなシステムの作品も目立つ。

●インディー部門ノミネート作品

  • Old man's Journey(Broken Rules/Android、iOS)
  • 修羅道-Shurado-(ガンバリオン/Android、iOS)
  • Stifled(Gattai Games/PS4※PS VR専用、PC)
  • Strange Telephone(HZ3 Software/Android、iOS)
  • Zold:Out(C4Cat Entertainment Limited/Android、iOS)
  • TINY METAL(AREA35/Nintendo Switch、PS4、PC)
  • 29(Humble Grove/PC)
  • Necrobarista(Route 59/Switch、PC)
  • VA-11 Hall-A(Sukeban Games/PS Vita、PC)
  • From_.(nakajima/Android、iOS)
  • Last Standard(I From Japan/PC)
  • リバーシクエスト2(YOKOGOSYSTEM/Android、iOS)

【最優秀賞】
VA-11 Hall-A
(Sukeban Games/PS Vita、PC)

どんなゲーム?
作るカクテルによりさまざまに分岐していく物語
 ベネズエラのインディーズデベロッパーである、Sukeban Gamesが開発を手掛けた近未来バーテンダーアドベンチャーゲーム『VA-11 Hall-A』。PC-98のゲームを連想させる独特のグラフィックとUIにより、美しくも儚いサイバーパンク世界を演出。客に提供するカクテルによって物語は枝分かれし、多彩な人間ドラマが紡ぎ出されていく。

“東京ゲームショウ2017”メディアアワードのファミ通賞最優秀作品を発表【TGS2017】_03
“東京ゲームショウ2017”メディアアワードのファミ通賞最優秀作品を発表【TGS2017】_01
“東京ゲームショウ2017”メディアアワードのファミ通賞最優秀作品を発表【TGS2017】_02
PC-98時代を思い起こさせる、少しくすんだ感じのグラフィックやフォント使いが特徴。一方で、インターネット世界など、現代の要素も。

【選評】珠玉のカクテルのような酔わせゲー

 海外では“Booze-Em-Up(酔わせゲー)”と呼ばれて話題を集めた『VA-11Hall-A』。目を見張る独特のグラフィックとUIは、1980年代後半から1990年代の日本のゲーム、アニメ、音楽から影響を受けているとのことだが、注目すべきは会話シークエンス。ときにシリアスで、ときに明るく、ときに奔放でありながら、独特のテンポとムードを有しており、ジェンダーやセクシャリティーの多様性がある世界だからこそ描けた突き抜けた表現は、ゲーム中のカクテルよろしく、プレイヤーに“このゲームでしか得られない味わい”を提供している。珠玉のカクテルの如く、深みある味わいでプレイヤーを酔わせてくれた『VA-11 Hall-A』に最優秀賞を贈呈します。(ファミ通.com編集長:豊田恵吾)

【インディー部門受賞コメント】

 これまでイベントにほとんど出たことがなかったから、賞をもらったことはあんまりなかったけど、これで自信が持てたので今後はどんどん出ようと思うよ。もちろん、今回賞がもらえたのもTGSに来られたのも、これまでサポートしてくれた皆のおかげさ。本当にありがとう! ただ、これで日本のファンの期待値がさらに上がっちゃったのかな。ちょっと緊張するね。人気が出て、本作の同人誌がたくさん出るように祈ってるよ!

ライター・プログラマー・ゲームデザイン・ストーリー:フェルナンド・ダマス
キャラクターデザイン&アート・UI・ゲームデザイン・ストーリー:クリストファー・オルティス