2017年9月21日〜24日まで、千葉・幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ2017(21日・22日はビジネスデイ)。初日となる9月21日には、近年の日本の家庭用ゲーム産業の発展に寄与された人物若しくは、団体を対象に選考、表彰を行う“経済産業大臣賞”と、2016年4月1日から2017年3月31日の間に日本国内でリリースされた作品を対象に選考、表彰を行う“年間作品部門”の表彰式が行われた。司会進行は、毎年の同表彰式でおなじみの伊集院光氏が担当。

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 最初にコンピュータエンタテインメント協会(CESA)会長、岡村秀樹氏が登壇。「1996年のCESA大賞以来、20年の時を刻んできたアワードも今年で21年目。20年前からゲーム業界もいろいろな変遷を重ねてきました。今日と23日、24日にアワードを開催しますが、受賞者の皆さまには、心からの拍手と賛辞を送らせていただきたいと思います」と、開会のあいさつを行った。

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 続けて、ゲーム産業の発展に寄与した人物などを表彰する日本ゲーム大賞2017 経済産業大臣賞を発表。選ばれたのは、『ポケモンGO』プロジェクトチーム。選考理由は、世界中を熱狂の渦に巻き込み、配信からわずか2ヵ月で5億ダウンロードを達成。ゲームファンのみならず、子供から大人まで、多くの人がプレイする様子が街に溢れるなど、日本でも大きな社会現象に。AR技術を活用し、現実世界と融合させた新たなゲームの楽しみ方を提示。ゲームユーザーの裾野を拡大し、当産業の発展に貢献された点、さらにはゲームを通しての地域活性化、被災地復興への貢献など、ゲームコンテンツの新たな可能性と、その優位性を示した点が評価されてとのこと。

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 授賞式のステージには、ポケモン代表取締役社長の石原恒和氏と、Niantic, Inc.の代表取締役社長、村井説人氏が登壇。それぞれ受賞のよろこびを、以下のように語っていた。

石原氏「私は、2011年に『ポケットモンスター』シリーズの累計販売本数が1億6千万本を突破したことで、この経済産業大臣賞をいただきました。それから6年の時が経ちましたが、『ポケットモンスター』シリーズは1億9千万本を突破し、『ポケモン』ソフト全体では2億9千万本を突破しました。しかしながら、Nianticと取り組んできた『ポケモンGO』は、わずか1年で7億5千万ダウンロードを超え、まだまだ数字は伸びています。この受賞は、日本の経済と産業によい影響を与えたと判断いただけたものと思っていますので、これからもエンターテインメント産業の成長と発展に努力していきたいと思います」

村井氏「我々Nianticは、“ともに歩き冒険に出よう”という言葉をミッションとして、ユーザーの方々に現実世界を探索してもらい、新しいものを発見してもらい、そして人との交流を深めてもらう。そういった思いを込めてリアルワールドゲームの開発に取り組んできました。『ポケモンGO』を発表して1年、世界中の多くの皆さまからたくさんの声をいただきました。そういった素晴らしい声を糧に、我々Nianticチームは、これからも『ポケモンGO』を通じて、さまざまな楽しさを届けられるようにがんばっていきます」

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「明日(9月22日)、ニンテンドースイッチ版『ポッ拳 DX』が発売されるので、ぜひよろしくお願いします」と、石原氏は『ポケモン』関連タイトルの新作をアピール。
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『ポケモンGO』の今後について、村井氏は「我々はこの作品を、これから10年20年と続けられるようなサービスにしていきたいと思っていますので、まだまだ開発は続けていくつもりです」と語っていた。

 経済産業大臣賞に続いて、年間作品部門の各部門を発表。年間作品部門は、2017年4月10日から7月21日まで、インターネットとハガキによる一般投票を実施。その結果、938タイトルが選出され、選考委員会による審査を経た後に各賞が決定。まずは、海外市場において高い評価を得た日本作品と海外作品を選出するグローバル賞の表彰ということで、日本作品部門で『ポケットモンスター サン・ムーン』が受賞。『ポケットモンスター サン・ムーン』は、9ヵ国言語を搭載し、2017年9月に世界同時発売の初回累計出荷本数が1千万本を突破するなど、大きな話題に。海外市場においても多くの支持を集めた点が評価されての受賞となった。

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 ステージに登壇したのは、『ポケットモンスター サン・ムーン』のディレクターを務めるゲームフリークの大森滋氏。「昨年は『ポケットモンスター 赤・緑』が発売してから20周年という記念すべき年で、その年に『ポケモンGO』とあわせて、世界的に『ポケモン』ブランドのムーブメントが起こりました。『サン・ムーン』は、世界累計で1500万本と、本当にたくさんの方々に受け入れられたことを感謝しています。この勢いを今年も続けて盛り上げていきたいと思います」と大森氏。

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 続いて、グローバル賞の海外作品部門は、『FIFA 17』が受賞。受賞理由は、欧州主要リーグ、Jリーグの全クラブの選手を実名で再現し、シリーズ初のストーリーモードも搭載。プレイヤーはプレミアリーグ期待の新人として、サッカー選手の人生を追体験可能なほか、新エンジンを採用するなど、よりリアルになった本作をプレイした世界中のファンからの圧倒的な支持を受けてのことと説明。受賞ステージにあがったのは、エレクトロニック・アーツの泉宏和氏。

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 泉氏は、「CESAの岡村会長がこの賞を始めてから20年以上が経っていると言っていましたが、『FIFA』シリーズも20年以上の歴史があります。『FIFA 17』からJリーグにも参加していただき、日本のプレイヤーの方たちにも支持をいただけたのかなと思い、感謝しております」と、受賞のよろこびを表していた。

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 次に発表されたのは、対象期間中に日本国内で最多販売本数を記録した作品に贈られるベストセールス賞。こちらは、グローバル賞日本作品部門に続いて『ポケットモンスター サン・ムーン』が受賞。2017年3月までの累計販売本数は1544万本にもなっているとのこと。授賞式には、先ほどと同じくゲームフリークの大森氏が登壇。同賞は、ユーザー代表がプレゼンターを務める演出を実施。『ポケットモンスター サン・ムーン』に一票を投じてくれたユーザーから直接トロフィーを手渡されたことに対し、「『ポケモン』はどんな方にも遊んでいただけるように作っていますが、直接ユーザーの方と接することができるのは感慨深いものがあります。遊んでくれてありがとうございます」と、大森氏が感謝の意を述べると、プレゼンターの方からも「明日(9月22日)から『ポケットモンスター ウルトラサン・ウルトラムーン』の予約開始ですが、発売日を心待ちにしています」と、シリーズに対する愛情が語られていた。

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投票してくれたユーザー代表から直接トロフィーを授与されるゲームフリークの大森氏。
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 続いて、各選考委員からの推薦によって選出された特別賞は、“プレイステーション VR”が受賞。ゲーム体験をさらに豊かにするバーチャルリアリティシステムで、プレイヤーを取り囲む迫力の360度3D空間によって生み出される臨場感は、ゲームの世界に入り込んでいるかのようなもたらし、ゲームの持つ可能性を広げるとともに、プレイヤーに新たな楽しみ方を提示した点が評価されての受賞となった。
 受賞ステージに登壇したのは、ソニー・インタラクティブエンタテインメント 副社長の三浦和夫氏。「プレイステーション VRの持つ高品質で、これまでにない体験を支持していただいたユーザーの皆さまに、心より感謝を申し上げます。VRは、クリエイターやパブリッシャーの皆さまといっしょになって開発を進めてきました。発売してからいろいろな展開をやってきましたが、その際の皆さまの協力にも感謝させていただきます。我々SIEは、今後もゲームビジネスを生業とされている方々といっしょに、ユーザーの皆さまがもっとワクワクと感動できる体験を提供する努力を続けていきます」と、受賞のよろこびを表現しつつ、今後よりいっそうの発展を誓っていた。

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 ここで、司会進行が伊集院氏から桜井政博氏にバトンタッチ。ゲームデザイナーズ大賞の発表が行われることに。
 ユーザーの投票をもとに選出する日本ゲーム大賞では、どうしても売り上げの多い作品が有利になってしまい、売り上げランキング=表彰結果ということになってしまうところ、別の評価軸を設けて表彰を行おうということで用意されたのが、ゲームデザイナーズ部門。審査員には桜井氏を初めとして、優れた実績を持つクリエイター陣が名を連ねており、独創性をいちばんの軸に評価しているとのこと。

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ゲームデザイナーズ大賞の審査員には、日本を代表するそうそうたるクリエイター陣が勢揃い。

 栄えある日本ゲームデザイナーズ大賞を受賞したのは、インディー作品の『INSIDE』(Playdead)。デンマークより、開発メーカーPlaydeadのスタッフが来日。「私が尊敬している日本のゲームデザイナーたちの前に立つことができるなんて、現実とは思えない気持ちです。本当に光栄なことです。Playdeadのメンバーを代表して、皆さまに感謝を述べたいと思います」と、受賞のよろこびを述べていた。

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