「本作のコンセプトは“anytime anywhere(いつでも、どこでも)”です」

 2017年8月22日~26日(現地時間)、ドイツ・ケルンメッセにて、ヨーロッパ最大のゲームイベントgamescom 2017が開催。本記事では、バンダイナムコエンターテインメントより2017年9月21日発売予定の『Project CARS 2』の開発会社“Slightly Mad Studios”でChief Commercial Officerを務めるRod Chong氏のインタビューをお届けする。

『Project CARS 2』開発者に前作との違いや注目のポイントを聞いた【gamescom 2017】_01
▲Rod Chong氏

――まず、ゲームのいちばんの注目ポイントを教えてください。
Rod 本作では、コンセプトである“anytime anywhere(いつでも、どこでも)”という部分にもっとも力を入れています。まず、“anytime(いつでも)”についてですが、本作では、プレイヤーは24時間の好きな時間を指定して、レースを楽しむことができまして、設定した時間によって、ライティングなどが変化します。また、天気や季節(春夏秋冬)も自由に設定可能なので、プレイヤーが自分好みにコースをアレンジしてレースを楽しむことができるのです。たとえば、本作からの新コースのひとつである、富士スピードウェイであれば、夏と冬ではレース中に見える富士山の山頂付近の雪の量が異なりますし、ゲーム内の温度も変わってきます。温度がどのようにゲームに影響を与えるのか、先ほどと同じく、富士スピードウェイを例にすると、冬に設定して走行するときには、雪がたくさんあるので、冬用のタイヤにしていないと滑りやすくなります。逆に冬用のタイヤを夏に使用すると、すぐに燃えてしまうというような感じです。

――なるほど。では、続いて“anywhere(どこでも)”について、説明していただけますか?
Rod 前作にはサーキットしかありませんでしたが、本作には泥、砂利、雪などさまざまな路面状況のコースが登場します。それが“anywhere”です。ふつう、続編の制作となるとコース増やす程度だと思いますが、本作ではスタッフの情熱で一気に増えています。

――そのほかに見てほしい部分はありますか?
Rod 今回は登場車種も増やしています。前作ではプレイヤーから「日本車を出してほしい」という要望があり、本作では数多くの日本車が登場します。その中でも、個人的に日産のクラシックカーは、『Project CARS 2』の制作が決まったときから登場させたいと思っていたので入れられてよかったです。また、ポルシェにつきましても、重要なブランドだと考えていまして、クラシックから最新車種まで揃っています。

――収録されるゲームモードを教えてください。
Rod 『Project CARS 2』はレーシングとモータースポーツにフォーカスしています。まず、キャリアモードは、プレイヤーがひとりのレーシングドライバーとなってトップを目指していくというモードです。レースには、フォーミュラー、スポーツカー、GT、ツーリングカー、ラリーの5つのカテゴリがあり、各カテゴリには6つのランクがあります。ランクは6がもっとも低く、1がもっとも高いのですが、初期状態では、6~3までを自由に選択でき、プレイヤーは好きなところからキャリアを始められます。そして、クリアーしていくことでランク1と2が解放される仕組みです。ランクが上がるにつれ、同じカテゴリのレースでもマシンが変わってきます。たとえば、GTのカテゴリのランク6のレースはカートで行うというような感じです。各グランプリにはショートとロングがあり、ショートは3コース、ロングは6コースの成績を競うことになります。
 そのほか、コース、季節、天候、時間などを自由に設定してレースを楽しめるカスタムレースや、同じく条件を自由に設定してテスト走行が行えるプライベートレースがあります。ちなみに天候はひとつだけではなく複数設定すると、レース中にダイナミックに変化していきます。あとはオンラインマルチプレイモードなども用意しています。

――オンラインマルチプレイもあるということですが、オンライン対戦時、悪質な走行をするドライバーへのペナルティーや対処法といったマナー対策はどのように考えられていますか?
Rod 本作のマルチプレイモードにはライセンスシステムを導入しました。前作では、故意にクルマをぶつけるなど、ほかのプレイヤーのレース体験を悪くするようなことがよく起きてしまっていました。しかし、本作では自分のプレイ傾向がサーバー上に保存されており、どういうようなプレイヤーなのか判断され、同じようなプレイ傾向の人どうしがマッチングされやすくなるようにしました。

――本作のジャンルである“リアル・レース・シミュレーション”というと難しいイメージがありますが、初心者の方に向けたアシスト機能などは搭載されているのでしょうか?
Rod 私たちは、人にはそれぞれ個性があるので、その人に合ったゲーム体験を提供できるように意識しました。ですので、ステアリングアシスト、ブレーキアシストなど、さまざまなオプションを用意しています。まずは、プレイを始める前に15分ほどの時間を使って、自分に合う設定を見つけることをオススメします。そして、ゲーム慣れてきたら徐々にアシストを外していくことで、新たな楽しみが生まれてくると思います。

――最後に日本のゲームファンにメッセージをお願いします。
Rod 本作では、日本の皆さんに楽しんでいただけるように、日本の要素をたくさん入れました。たとえば、コースであれば、富士スピードウェイとスポーツランドSUGOの2コースが登場します。また、日本メーカーの車種も多数収録されています。ですので、日本の皆さんもぜひプレイしてみてください。そして、今後も継続的に日本の要素を可能な限り取り入れていきたいと思っていますので、応援よろしくお願いします。