『GT SPORT』の全貌を公開するメディア向けスタジオツアーを開催

 2017年10月19日に発売が決定したプレイステーション4用ソフト『グランツーリスモSPORT』。2017年7月21日に開催されたAmazonプライムデーの特別企画、『グランツーリスモ』開発スタジオツアーに引き続き、2017年7月26日にメディアを招待しての『GT SPORT』のプレゼンテーションならびにスタジオ見学ツアー&試遊体験会が、ポリフォニー・デジタル、東京スタジオで実施された。

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 今回のツアーでは、ネットワークに関する一部機能以外、すべてのモードを実装した製品版準拠のバージョンを初披露。山内氏は、「『GT SPORT』はこれまでのシリーズ作と比べても多機能で、巨大なタイトルになっているので、実際に見ていただかないとその全体像が伝わらないと思い、この機会を設けさせていただきました」と、イベントの趣旨を語り、『GT SPORT』の説明に入っていった。

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▲マイメニューでは、ゲームの達成度やそれまでの走行距離、所有するクルマの数、実績など、自分のプロフィールがチェック可能。自分やフレンドのアクティビティが確認できるタイムラインや、仲間と繋がるための豊富なソーシャル機能が用意されている。

 『GT SPORT』は、現在考えられる最高の映像表現である4K、60fps、HDR、ワイドカラープロセスに対応。さらに、最大輝度10000nitsに対応するなど、既存のテレビでは表示しきれない圧倒的な輝度レンジを誇っている。

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▲独自開発の“GTトーンマップ”により、スタンダードダイナミックレンジ(SDR)の現行テレビから現在、また将来のハイダイナミックレンジ(HDR)テレビまで、完全な互換性を実現。

 音響面においては、実際のクルマを理想的な環境でベンチテストして録音したサウンドを使い、ソニーのオーディオ技術部門といっしょに開発したサウンドシミュレーターを利用することで、人間の認知メカニズムまで踏み込んだ“理想的な音”を再現。エンジン音は気筒数やシリンダーレイアウトといったレベルからシミュレートすることで、各社の個性がより明確に表現されている。レースカーなどでは、トランスミッションの変速ノイズやトルク伝達の揺らぎも体感できるとのこと。
 『GT SPORT』の登場車種については、自動車メーカーが製造で使用しているCADデータを除けば、世界でもっとも高品質、高精度のモデリングを実現。ボディの曲面やエッジ部分だけでなく、ボンネットやドアのチリの幅、ウィンカー、ヘッドランプまで徹底氏がこだわりで本物同様に再現。インテリアも、革のシボ加工やレザーシートのステッチの数、素材の質感まで忠実に作り込まれている。

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▲アストン・マーティン One-77のホイール部分。クローズアップしていくと、塗料に含まれているフレーク(ラメ)まで表現されていることが視認できる。
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▲ハンドルやシートの各素材の質感も、本物と見紛うほどのクオリティで再現。

 7歳から77歳までが遊べるというコンセプトに沿って、幅広いユーザーに対応したドライビングアシスト機能も搭載。ブレーキやステアリング操作のアシストをAIに任せることで、初めてクルマを運転する人でも不安のない走行が可能に。走行ラインの目安となるドライビングマーカーやドライビングラインも自由に設定できるなど、ビギナーへの配慮は万全。

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▲プレイヤーのレベルごとに利用できるドライビングアシスト機能がプリセットされている。

 自動車挙動シミュレーションについては、ニュルブルクリンク24時間耐久レースへの参戦や、ル・マン24時間レースのLMP1マシン技術サポートなどを通じて蓄積した知見を、これまで培ってきた挙動シミュレーションの開発に反映させることで、最新の車両挙動をシミュレート。“リアルだから難しい”ではなく、“リアルだから運転しやすい”、ドライバーの感覚に忠実なドライブフィールを実現している。

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▲ニュルブルクリンク24時間耐久レースのテスト風景。
▲『GT SPORT』のマシンセッティング画面。

 これまでのシリーズで“カーディーラー”と呼ばれていた、クルマを購入するための窓口の発展系となる“ブランドセントラル”。ここでは、クルマを購入するだけでなく、そのメーカーの歴史をたどる“ミュージアム”や、さまざまなプロモーション映像を見られる“チャンネル”といった機能を搭載。とくに“ミュージアム”には相当力を入れているそうで、メーカーの歴史に加え、その時代に起こった世の中の出来事を合わせて表示することで、歴史により深みを感じられるものとなっている。

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▲ミュージアム
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▲購入車種選択画面
▲ボディカラー選択画面

 AIとのレースやタイムトライアルが楽しめる“アーケード”は、遊びの幅がよりいっそう充実。VRでの走行を楽しめるモードのほかに、自由にルール設定が楽しめるカスタムレースも追加されている。オンライン上のフレンドとの自由なレース空間となる“ロビー”も健在。みずからルームを作ってレースを主催するほか、ほかのプレイヤー主催のレースに参加したり、観戦するなど、人と繋がる楽しさを味わうことができる。

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▲アーケードの車種選択画面

 国際自動車連盟(FIA)と『GT』が提案するオンライン・レーシングの未来を具現化した“スポーツモード”では、同じレベル・マナーのドライバーどうしを組み合わせる“アドバンスドマッチメイキング”、マシンの性能を同等に調整する“BoP”(Balance of Performance)によって、エキサイティングなオンラインマッチを実現。FIAグランツーリスモチャンピオンシップは、レースの模様が生中継されるため、詳細なライフレポートを楽しむこともできる。

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 ドライビングスキルの上達に役立つ“キャンペーン”には、レースに必要なスキルを学べる“ドライビングスクール”に、楽しみながら課題クリアーを目指す“ミッションチャレンジ”、コースの特徴や走行ポイントを習熟できる“サーキットエクスペリエンス”といったモードを用意。山内氏は、「これまでの『GT』にも、このようなチャレンジモードは実装していたが、実際にクルマを速く走らせるにはどうしたらいいのかが初心者にはわかりづらい部分がありました。『GT SPORT』では、走りに行き詰まったときに役立つビデオを用意しているので、それを見れば走り方が見えてくると思います」と、ユーザビリティの向上をアピールしていた。

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▲ドライビングスクール
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▲ミッションチャレンジ
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▲サーキットエクスペリエンス

 HDRのイメージの中に光の情報と空間の情報を両方持った新しい写真の世界が“スケープス”だ。スケープスは、物理ベースレンダリング技術から生まれた新しい写真フォーマットで、光のエネルギーの情報をそのまま持っている撮影スポットでの自由な撮影が可能になっている。このモードを例えるなら、スポット(背景画)の写真の中に、違和感なくクルマを配置、撮影が楽しめるもの。息を呑む自然、歴史が息づく古都、にぎわう街角や名建築など、世界各地で撮影したおよそ1000ものスポットが収録されている。

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▲実際に山内氏がスケープスの実演デモを披露。「写真の中に、クルマを自由に配置する」の言葉とおり、光源や空間情報が組み合わされることで、とても自然な“クルマのある風景画”が完成。撮影モードでは、本格カメラのような細かな設定や、各種エフェクトをかけることもできる。

 『GT SPORT』の目玉機能のひとつといっても過言ではない新機能、“リバリーエディター”。これは、レーシングカーなどに施されるボディのカラーリング・デザインのこと。ボディカラーやホイールの変更以外に、さまざまなデカールをボディに貼り付けていくことで、自分好みの外装デザインが作り出せる。デカールはあらかじめ収録されているもの意外に、自分の好きな絵柄を取り込んで使用することも可能。幾層のレイヤー構造を利用できるなど、これまでにないこだわりのカスタマイズが行えるように。

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▲ファミ通、ファミ通.comのロゴを使い、カスタムカーを制作。試遊での限られた時間内でも、これだけのカスタムが施せる。ダクト部分などがうまくカッティング処理されているのを見ると、感動すら覚える。
▲リバリーエディターで作ったクルマでレースに参加したり、スケープスで写真撮影を楽しむことも可能。自分好みのマシンに仕上げれば、より愛着が沸くことだろう。
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▲こちらの写真は、リバリーエディターで制作したクルマ(ファミ通仕様のR35 GT-R)を、スケープスで撮影したもの。説明を受けていたとはいえ、実際にやってみて何の違和感もなくクルマが風景に溶けこんでいる画像を見ると、あらためて驚かされる。
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▲流し取り効果を与えると、左の画像のように走行しているクルマを撮ったような、躍動感あふれる撮影も可能に。右の画像はリプレイ再生中のフォトモードでの撮影。こんなことを書くと怒られてしまうかもしれないが、今回の体験では、リバリーエディターとスケープスだけで、いくらでも遊んでいられるほどの完成度の高さと奥深さを感じさせられた。