2017年7月20日に発売された、『レイトン』シリーズ最新作となる『レイトン ミステリージャーニー カトリーエイルと大富豪の陰謀』。レベルファイブ初のパブリッシングタイトルである『レイトン』シリーズが、2017年で10周年を迎えたタイミングでリリースされた本作は、これまでの主人公、エルシャール・レイトン教授から、新たに娘のカトリーエイル・レイトンへと主役がバトンタッチ。不思議なしゃべる犬のシャーロと、ちょっと頼りない(?)助手のノア・モントールとともに、ロンドンで巻き起こるミステリアスな事件をテンポよく解決していくことになります。

 今回、発売を記念してカトリーを演じた女優、有村架純への独占インタビューをお届け!

 ナゾトキの合間のティーブレイクに、ぜひお楽しみください。

『レイトン ミステリージャーニー』発売記念! 有村架純が語る、カトリーの物語に込めたもの_03
『レイトン ミステリージャーニー』発売記念! 有村架純が語る、カトリーの物語に込めたもの_05
▲1993年2月13日生まれ 兵庫県出身。2009年、高校在学中にタレント事務所FLaMmeのオーディションに合格したことをキッカケに、ドラマやTVCMなど、さまざまな方面で活躍する女優となる。本作がゲームキャラクターの声優、初挑戦となる。

カトリーエイルとして

――新たに、『レイトン』シリーズの主人公・カトリーを演じるという話を聞いたときには、率直にどんなお気持ちでしたでしょうか。

有村 そうですね……やっぱり、『レイトン』シリーズは、今年で10周年を迎えたほどの作品なので、たくさんのファンがいらっしゃいます。そうしたゲームに声優として参加するというのは、純粋に緊張しました。これまで、大泉洋さんと堀北真希さんが長らくレイトン教授とルークを演じていらっしゃっただけに、途中参加にもなるので、なんだか自分が、『レイトン』シリーズの世界に土足で踏み入っているような気分になってしまったこともあったほどでした。

――そんなにも緊張されて臨んだ役だったのですね。

有村 はい。ゲームの登場人物を声優として演じるのも初めてだったので、少し不安な面もあって。

――声優としてのお仕事では、有村さんはジブリ作品の『思い出のマーニー』で、主役のマーニー役を演じられていましたが、ゲームのキャラクターを演じることと違いはありましたか?

有村 “声で演じる”ということから、アニメとゲームで似た部分もあるだろうと考えていたのですが……実際に演じてみると、アプローチから話し方までが、まったく違いました。声だけで表現するには、普通のお芝居や舞台などで演じているような、ナチュラルな感じでは表現できないんだな、と、この作品を通しても感じました。カトリーを演じるにあたっては、特にそうした印象が強くて。かなり力を込めてセリフを言っているつもりでも、録音された音声を聞くと、自分が思い描いていたテンションからは、かなりかけ離れている……なんていうことがあって、そのギャップを埋めるのに苦戦しました。

――初めての収録現場に挑まれる前に、どんなカトリー像を思い描かれていたのでしょうか。

有村 収録に入る前には、台本やカトリーの絵の印象から、少し落ち着いた淑女のようなカトリーをイメージしていたんです。ひとりで探偵事務所を切り盛りしながらも、ナゾを次々解明していていく、という力強さや意思の強さから、“凛”とした、けっこう大人で上品さもある女の子、という印象も受けていました。でも現場では、“男勝りで、ちょっと天真爛漫なところがある”という性格も強く表現してほしいという要望があって。その、制作されている方が考えるカトリーに少しでも近づこうと、収録しながら試行錯誤しつつ、見つけていった感じですね。

『レイトン ミステリージャーニー』発売記念! 有村架純が語る、カトリーの物語に込めたもの_02

――演じられていく中で、カトリー像が固まっていったのですね。

有村 そうですね。レベルファイブの日野(晃博)社長が「自分のままで演じてOKですよ」とおっしゃってくださったこともあり、最終的には、カトリーを自然に演じられたように思います。なので、彼女には、少し私の素の部分が感じられるかもしれないですね。

――これまでのシリーズの主役、レイトン教授を演じた大泉さんも、初めての収録の際には、英国紳士でカッコイイクールなキャラクターをイメージして現場入りをしたら、「素で演じてください」とお願いされたというエピソードがあったそうです。レイトン教授の娘を演じる時も、同じことが起こっていたとは……伝統なのかもしれませんね。

有村 そうだったんですか! それを聞いてすこしホッとしました。演じた役も親子関係でしたけど、もしかしたら、私と大泉さんにも似た部分があったのかもしれないですね(笑)。

――そういえば、大泉さんは、レイトン教授を演じていながら、ゲームではナゾトキを“あとで解く”で後回しにして、ストーリーを進めるのに熱心だったと伺いました。有村さんは、ナゾトキについてはどうですか?

有村 どのナゾも、ストレートに答えを出すわけではない問題が多いですよね。ひねってひねって考えた末に、答えは意外と簡単だったみたいな。ゲーム中のアニメーションが好きで、早く見たいから、大泉さんと同じように私もナゾトキは後回しにしがちなほうかもしれません(笑)。

――ここにもまた共通点があって面白いですね!ちなみに、ゲームとしての「レイトン」シリーズへの印象はいかがでしょうか。

有村 不思議な作品ですよね。ゲームでありながら、アニメーションのようでもあると思いました。いままで自分が触れてきたどのゲームとも手触りが違うというか。実際に遊んでみると、キャラクターに対して、こんなにも〝いっしょに歩いていく″という気持ちになるんだなって。ゲームは、遊ぶ方が長い時間触れることになる作品なので、そういった意味でも私が『レイトン』の世界に新しく参加する、ということの重さを実感しています。